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第二章 浄化の旅
ドラゴンに挟み撃ちされた
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まるでクソ眼鏡や神殿兵を守るように立ち塞がる赤いドラゴンと、狂って叫び続ける金色ドラゴンに挟まれてしまった。
こ、これは紛れもないピンチでは…!!?
「いいか、スナオ。私達にとってドラゴンの一番の脅威は吐く息だ」
「それは魔法の部類?」
「そうだ。お前ならブレスを止められる。だが、お前にとっての一番の脅威は奴らの尾や爪の物理攻撃だ」
「うん」
多分一撃でも食らったら俺死ぬね!
またズドォン!と音を立てて赤いドラゴンの尾が地面に叩き付けられて足元がビリビリ震えてる。
この挟まれた状態じゃ逃げ場はないし、建物に避難しても建物ごと潰される。
それにここまで来て一人逃げ出すなんて真似はしない。
だけど俺一人じゃ多分一匹のブレスを止めるだけで精一杯。それも何回止められるかもわからない。ゲームみたいに魔力の消費量が目に見えて分かれば良いんだけど。戦いの途中で魔力切れたら最悪だぞ…。
「朴!!」
「朝陽!」
「さっきのかっこ良かったぜ!」
バンッと背中叩かれてゴフッとなってしまった。頼むよ朝陽さん…!物理3Sの朝陽に叩かれたら背骨折れるだろ!
「とりあえずこっちの赤いのは俺達が止める!お前らはあっちの金色のやつ頼む!」
「でも朝陽…!ブレスは」
物理3Sの朝陽は魔法に弱いはずだ。
「いらない心配しないでください。私が止めるに決まってるでしょう!」
「アンリエッタさん!」
「アンリはなぁ…ナルデビルの最後の攻撃止められなかったのが悔しくてめちゃくちゃ訓練しいってぇ!!」
「余計な事言わなくても良いんです!」
朝陽の頭をぶん殴ったアンリエッタさんに苦笑いしながら、
「死ぬなよ、朴!」
もう一度ポン、と背中を叩いて駆け出して行くグレイブ・アンヘルに続いてナフィーリア軍は一部が加勢しに向かう。
グレイブ・アンヘル以外の傭兵が神殿兵を押し返してるのを見ながら、金色ドラゴンに駆け出した俺達のところにも残ったナフィーリア軍が来てくれた。
誰か指示出してるのかな?
レオニスか?と思ってチラリと見るけどレオニスは今まさにパーピュア達を謎の乗り物に乗せた所だった。
まぁまとめてくれるなら誰でも良いや。とりあえず国王軍に味方してた傭兵も仕事は終わったとばかりに離脱するかドラゴン退治に加勢してくれてるし。
「ドラゴンに最大の隙が出来るのはブレスを吐いた直後だ!」
ブレスを吐かれるとまずいけど、でも吐いてもらわないと倒す隙も出来ないって事か。本当に厄介だな!!ただ俺が下にいてチョロチョロしてるからなのか、さっきみたいに飛ばないだけマシかも知れない。飛ばれて上からブレス吐きまくられたらどうにもならんもんな。
いや、待てよ?
「ブレスって連発出来る!?」
連発されたらいくら俺でも止められない。
「連発は出来ん!口に光線を溜め始めたらブレスが来る合図だ!」
「わかった!」
俺はチョロチョロ逃げ回ってドラゴンの気を引きつつブレスが来たら全力で止めたらいいって事だな!
ディア達はとにかく飛ばせないようになのか、遠距離が得意な人はドラゴンの翼に攻撃を集中させて、接近戦が得意な人は踏ん張る後ろ足を重点的に攻撃してる。
でも鱗は硬くてあんまりダメージにはなってないみたい。ブンッと尻尾を振られた拍子に近くにいた人達がぶっ飛んで後方支援の治癒術師達が安全地帯まで引きずって行くのが見えた。
ごめんね!今回は治癒まで回れない!みんな任せたからねーー!
(確か弱点は喉元の逆鱗だったよな…!)
そこ以外の攻撃は像が蟻に噛まれたくらいのダメージにしかならないんだろう。多少血は出ても全く気にしてないドラゴンの金の瞳がぎろりと俺を睨んだ。
「ひぇ…っ」
『ミィィィィコォォォオォォ!!!!!』
グワァ!!と一気に近寄る牙に足がすくんで一瞬動きの鈍った俺の襟首を誰かが思いっきり引っ張った。
「ぐえっ」
「ごめんスナオ!!」
ガキン、と目の前で閉じる大きな口にビビる俺の頭を地面に叩き付ける勢いでグイッと押したのは。
「ティエ!!」
頭の上を長い尾がブォン!と物凄い音と共に通過した。
再会を喜んでる暇はない。
今度は鋭い爪のついた前肢が俺達のいる所に叩き付けられたからだ。寸での所でティエが俺の襟首掴んだまま背後に飛ばなきゃ叩き潰されてた。
何なの!俺を殺したいの?手元に置きたいの?わけわからんよ!あととりあえず苦しいですティエさん…!!
「ティエ捕まってて…!」
首しまって苦しいけどそれよりも、ぐりん、とドラゴンの首がこっち向いたから慌ててあのスケボーもどきを出してそこから離脱する。
その間に他のみんながまたドラゴンに猛攻を食らわせて足止めしてくれた。
「ごめんなさい、スナオ!痛かった!?」
「大丈夫。ティエこそ怪我は?」
「ないわ。ローもこっちに向かってる」
補給線は断ったけど、その直後にレオニスから敵は騎士団じゃないと指令が来て、戦いをやめて駆けていくナフィーリア軍にティエ達は訳もわからぬままついて来たらしい。
その途中でナフィーリア軍から王都の状況を聞いたんだとか。
さっきまで敵だった人に情報教えてくれるとか…本当に獣人さんってまっすぐと言うか…俺が言うのもなんだけど、騙されやすそう…。
その瞬間だった。ドラゴンの口に光が急速に集まり出したのは。
「ブレスが来るぞーーー!!!」
叫んだのは誰だったのか。
「ティエ離れて!!!」
絶対止める!!!!
「止まれぇぇぇーーーーー!!!!」
両腕にナルデビルの時より数倍の衝撃がきた。
こ、これは紛れもないピンチでは…!!?
「いいか、スナオ。私達にとってドラゴンの一番の脅威は吐く息だ」
「それは魔法の部類?」
「そうだ。お前ならブレスを止められる。だが、お前にとっての一番の脅威は奴らの尾や爪の物理攻撃だ」
「うん」
多分一撃でも食らったら俺死ぬね!
またズドォン!と音を立てて赤いドラゴンの尾が地面に叩き付けられて足元がビリビリ震えてる。
この挟まれた状態じゃ逃げ場はないし、建物に避難しても建物ごと潰される。
それにここまで来て一人逃げ出すなんて真似はしない。
だけど俺一人じゃ多分一匹のブレスを止めるだけで精一杯。それも何回止められるかもわからない。ゲームみたいに魔力の消費量が目に見えて分かれば良いんだけど。戦いの途中で魔力切れたら最悪だぞ…。
「朴!!」
「朝陽!」
「さっきのかっこ良かったぜ!」
バンッと背中叩かれてゴフッとなってしまった。頼むよ朝陽さん…!物理3Sの朝陽に叩かれたら背骨折れるだろ!
「とりあえずこっちの赤いのは俺達が止める!お前らはあっちの金色のやつ頼む!」
「でも朝陽…!ブレスは」
物理3Sの朝陽は魔法に弱いはずだ。
「いらない心配しないでください。私が止めるに決まってるでしょう!」
「アンリエッタさん!」
「アンリはなぁ…ナルデビルの最後の攻撃止められなかったのが悔しくてめちゃくちゃ訓練しいってぇ!!」
「余計な事言わなくても良いんです!」
朝陽の頭をぶん殴ったアンリエッタさんに苦笑いしながら、
「死ぬなよ、朴!」
もう一度ポン、と背中を叩いて駆け出して行くグレイブ・アンヘルに続いてナフィーリア軍は一部が加勢しに向かう。
グレイブ・アンヘル以外の傭兵が神殿兵を押し返してるのを見ながら、金色ドラゴンに駆け出した俺達のところにも残ったナフィーリア軍が来てくれた。
誰か指示出してるのかな?
レオニスか?と思ってチラリと見るけどレオニスは今まさにパーピュア達を謎の乗り物に乗せた所だった。
まぁまとめてくれるなら誰でも良いや。とりあえず国王軍に味方してた傭兵も仕事は終わったとばかりに離脱するかドラゴン退治に加勢してくれてるし。
「ドラゴンに最大の隙が出来るのはブレスを吐いた直後だ!」
ブレスを吐かれるとまずいけど、でも吐いてもらわないと倒す隙も出来ないって事か。本当に厄介だな!!ただ俺が下にいてチョロチョロしてるからなのか、さっきみたいに飛ばないだけマシかも知れない。飛ばれて上からブレス吐きまくられたらどうにもならんもんな。
いや、待てよ?
「ブレスって連発出来る!?」
連発されたらいくら俺でも止められない。
「連発は出来ん!口に光線を溜め始めたらブレスが来る合図だ!」
「わかった!」
俺はチョロチョロ逃げ回ってドラゴンの気を引きつつブレスが来たら全力で止めたらいいって事だな!
ディア達はとにかく飛ばせないようになのか、遠距離が得意な人はドラゴンの翼に攻撃を集中させて、接近戦が得意な人は踏ん張る後ろ足を重点的に攻撃してる。
でも鱗は硬くてあんまりダメージにはなってないみたい。ブンッと尻尾を振られた拍子に近くにいた人達がぶっ飛んで後方支援の治癒術師達が安全地帯まで引きずって行くのが見えた。
ごめんね!今回は治癒まで回れない!みんな任せたからねーー!
(確か弱点は喉元の逆鱗だったよな…!)
そこ以外の攻撃は像が蟻に噛まれたくらいのダメージにしかならないんだろう。多少血は出ても全く気にしてないドラゴンの金の瞳がぎろりと俺を睨んだ。
「ひぇ…っ」
『ミィィィィコォォォオォォ!!!!!』
グワァ!!と一気に近寄る牙に足がすくんで一瞬動きの鈍った俺の襟首を誰かが思いっきり引っ張った。
「ぐえっ」
「ごめんスナオ!!」
ガキン、と目の前で閉じる大きな口にビビる俺の頭を地面に叩き付ける勢いでグイッと押したのは。
「ティエ!!」
頭の上を長い尾がブォン!と物凄い音と共に通過した。
再会を喜んでる暇はない。
今度は鋭い爪のついた前肢が俺達のいる所に叩き付けられたからだ。寸での所でティエが俺の襟首掴んだまま背後に飛ばなきゃ叩き潰されてた。
何なの!俺を殺したいの?手元に置きたいの?わけわからんよ!あととりあえず苦しいですティエさん…!!
「ティエ捕まってて…!」
首しまって苦しいけどそれよりも、ぐりん、とドラゴンの首がこっち向いたから慌ててあのスケボーもどきを出してそこから離脱する。
その間に他のみんながまたドラゴンに猛攻を食らわせて足止めしてくれた。
「ごめんなさい、スナオ!痛かった!?」
「大丈夫。ティエこそ怪我は?」
「ないわ。ローもこっちに向かってる」
補給線は断ったけど、その直後にレオニスから敵は騎士団じゃないと指令が来て、戦いをやめて駆けていくナフィーリア軍にティエ達は訳もわからぬままついて来たらしい。
その途中でナフィーリア軍から王都の状況を聞いたんだとか。
さっきまで敵だった人に情報教えてくれるとか…本当に獣人さんってまっすぐと言うか…俺が言うのもなんだけど、騙されやすそう…。
その瞬間だった。ドラゴンの口に光が急速に集まり出したのは。
「ブレスが来るぞーーー!!!」
叫んだのは誰だったのか。
「ティエ離れて!!!」
絶対止める!!!!
「止まれぇぇぇーーーーー!!!!」
両腕にナルデビルの時より数倍の衝撃がきた。
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