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第一章 異世界に来ちゃった
番は離れられない
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弛緩作用のあるローションを使わなかったからか、前回と違って今度は尻が痛くてずしゃあ…、と地面に崩れ落ちる俺をディアが迎えに来てくれて、その腕でゆらゆら揺られ、帰りの馬上でも尻に負担のかからない姫抱きでゆらゆら揺られ…気が付けば寝てしまっていたらしい。
ふ、と目が覚めた時そこはローゼンの部屋で、外はもう真っ暗だった。
辺りを見回してソファーの上に大きな体を縮めて寝ているローゼンを見つける。
一瞬昼間のあれが夢だったのかと思ったけど、昼よりかなりマシになったとは言え尻に違和感はあるから夢じゃないだろう。
(喉渇いたな…)
ベッドから降りようとしてサイドテーブルに水差しとコップが用意されてるのに気付く。
ローゼンかな?ホントにめちゃくちゃ気遣いが出来る人だなぁ。俺も見習わなきゃ!
チラチラ、と起こさないようにローゼンを確認しながらコップに注いで飲んだ水は、今まさに冷蔵庫から取り出したかのように冷たい。これ、そういう術式が水差しに組み込まれてるんだって。不思議だよな~。
あー、ホントに冷たくて美味しい。
「ふはぁ…」
思わず漏らした小さな声に、
「…スナオ様…?」
「!」
ローゼンの声が聞こえて飛び上がってしまった。
あわわ、起こしちゃった!?ごめんね!!
「ごめん、起こして」
「いいえ。大丈夫ですよ。…喉が渇いたんですか?」
「うん。でも水、もらったから。これローゼン?ありがとう」
もう一杯飲も。ホントにここの水って何でこんなに美味しいんだろ。山の冷たい湧水って感じ。湧水は直に飲んだらダメらしいけどね。
俺が水差しを取る前にローゼンが取って水を入れてくれる。
ゴクゴク飲んで、もう一度
「ふはぁ…」
と息をつくと、ローゼンのちょっと乾燥したタコだらけの指が俺の唇横を拭った。
おぉ…口から零れてた?俺は子供か…?
「ローゼン、ここで一緒に寝よ?ソファー狭いだろ?」
「えっ」
えっ、嫌だった!?ご、ごめんね!?たまに抱き枕状態になってたから嫌がられてないんじゃないかと思ってたんだ!
「俺がソファーで寝るので…」
ローゼンはベッドを、と言おうとすると
「ダメです!」
と怒られた。
えぇぇぇ…何で?だってローゼンより縦幅も横幅も小さい俺がソファーの方が良くない…?
なんて最初の頃にした問答をまた繰り返してる俺達にくすくす笑い出したのはどちらが先か。
「一人寂しいから一緒に寝て?」
何でかな。みんなが番だって知ってから、側に誰かいないと嫌なんだ。
これが前にディアが言ってた「番というのは、一度そうだと分かればもう離れられない」っていうアレかな?
さっきも起きて一人だってわかった瞬間にめちゃくちゃ寂しくなったんだ。
眉毛ハの字で一瞬考えたローゼンが頷くのを見てモソモソと奥に避けると横にそっ、と入り込んでくる。
うんうん。久々のローゼンのむっちりだ!今日もむっちりしてて安心するなぁ。
けどさぁ…何か番が複数いるって…浮気してる気分で居たたまれないね…。
「…ローゼンは…俺が番で嫌じゃない?他にいい人がいるとか思わない?」
「…俺は貴方を一目見た時から、貴方に惚れているんですよ。他の誰かなんていりません。貴方が良いんです」
「そっ、ソウデスカ…」
ぎゅっ、と手を握って、ディアと同じようなセリフを思った以上に情熱的に返されてかぁっ、と頬に熱が集まる。
何でこの人達いちいちこんなイケメンなのかな!?俺の心臓いくつあっても足りないよ!!
「何か不安な事がありますか?」
「ん…、俺の国では伴侶?は一人だけだから…他の人としてからローゼンの所にいるの、浮気っぽく感じないかな、って」
ローゼンはくすりと笑った後、俺の額にキスしてくれる。
「俺もまさか自分の番に他の番がいるとは思ってなかったですが…。不思議ですね。彼らと共に貴方を守っているんだ、と思うと嫉妬心もそんなに感じないんです」
そっかぁ。そんなもんか…。……そんなに?って言った?
「そんなに?」
「全くない、とは言いません。団長に抱かれて戻ってきた貴方はまた一段と美しくなられましたから、その光景を想像しなかったわけではないんです」
う、美しく!?誰が!?俺が!!?ローゼン、ちゃんと目見えてるかな!!?眼科行った方が良いよ!!俺なんかが美しいわけないじゃん!
ハッ!もしかして俺の世界とは美醜の感覚が違うのか…?いや、でもディアと町に出た時周りの人はディアを見て、ほぅ…とうっとりため息ついてたもんな。きっと感覚は同じはず。
…うん。やっぱりローゼンは目を診てもらった方がいい!あととりあえず…。
「想像しないで~…」
かぁっ、とまたも頬に熱が集まって顔を手の平で覆った。
「なら、いつか俺にも抱かれてくれますか?」
ギシッ、と体を起こしたローゼンが微妙に覆い被さって俺の頬を撫でながら覗き込んでくる。
うぅ…っ!!ディアと別方向でイケメン過ぎる…っ!!
返事?そんなもの。
「はい…」
以外言えませんよ!だってイケメンだもん!
キャーっ!!てまた顔を覆った手をそっ、と避けられてローゼンの唇が落ちてきた。
口に軽く触れて、両頬に、それから額と、俺の手をとって指先に。
くっそカッコいいんですけどーーーー!!!俺もやってみてぇぇぇ!!!
ふ、と目が覚めた時そこはローゼンの部屋で、外はもう真っ暗だった。
辺りを見回してソファーの上に大きな体を縮めて寝ているローゼンを見つける。
一瞬昼間のあれが夢だったのかと思ったけど、昼よりかなりマシになったとは言え尻に違和感はあるから夢じゃないだろう。
(喉渇いたな…)
ベッドから降りようとしてサイドテーブルに水差しとコップが用意されてるのに気付く。
ローゼンかな?ホントにめちゃくちゃ気遣いが出来る人だなぁ。俺も見習わなきゃ!
チラチラ、と起こさないようにローゼンを確認しながらコップに注いで飲んだ水は、今まさに冷蔵庫から取り出したかのように冷たい。これ、そういう術式が水差しに組み込まれてるんだって。不思議だよな~。
あー、ホントに冷たくて美味しい。
「ふはぁ…」
思わず漏らした小さな声に、
「…スナオ様…?」
「!」
ローゼンの声が聞こえて飛び上がってしまった。
あわわ、起こしちゃった!?ごめんね!!
「ごめん、起こして」
「いいえ。大丈夫ですよ。…喉が渇いたんですか?」
「うん。でも水、もらったから。これローゼン?ありがとう」
もう一杯飲も。ホントにここの水って何でこんなに美味しいんだろ。山の冷たい湧水って感じ。湧水は直に飲んだらダメらしいけどね。
俺が水差しを取る前にローゼンが取って水を入れてくれる。
ゴクゴク飲んで、もう一度
「ふはぁ…」
と息をつくと、ローゼンのちょっと乾燥したタコだらけの指が俺の唇横を拭った。
おぉ…口から零れてた?俺は子供か…?
「ローゼン、ここで一緒に寝よ?ソファー狭いだろ?」
「えっ」
えっ、嫌だった!?ご、ごめんね!?たまに抱き枕状態になってたから嫌がられてないんじゃないかと思ってたんだ!
「俺がソファーで寝るので…」
ローゼンはベッドを、と言おうとすると
「ダメです!」
と怒られた。
えぇぇぇ…何で?だってローゼンより縦幅も横幅も小さい俺がソファーの方が良くない…?
なんて最初の頃にした問答をまた繰り返してる俺達にくすくす笑い出したのはどちらが先か。
「一人寂しいから一緒に寝て?」
何でかな。みんなが番だって知ってから、側に誰かいないと嫌なんだ。
これが前にディアが言ってた「番というのは、一度そうだと分かればもう離れられない」っていうアレかな?
さっきも起きて一人だってわかった瞬間にめちゃくちゃ寂しくなったんだ。
眉毛ハの字で一瞬考えたローゼンが頷くのを見てモソモソと奥に避けると横にそっ、と入り込んでくる。
うんうん。久々のローゼンのむっちりだ!今日もむっちりしてて安心するなぁ。
けどさぁ…何か番が複数いるって…浮気してる気分で居たたまれないね…。
「…ローゼンは…俺が番で嫌じゃない?他にいい人がいるとか思わない?」
「…俺は貴方を一目見た時から、貴方に惚れているんですよ。他の誰かなんていりません。貴方が良いんです」
「そっ、ソウデスカ…」
ぎゅっ、と手を握って、ディアと同じようなセリフを思った以上に情熱的に返されてかぁっ、と頬に熱が集まる。
何でこの人達いちいちこんなイケメンなのかな!?俺の心臓いくつあっても足りないよ!!
「何か不安な事がありますか?」
「ん…、俺の国では伴侶?は一人だけだから…他の人としてからローゼンの所にいるの、浮気っぽく感じないかな、って」
ローゼンはくすりと笑った後、俺の額にキスしてくれる。
「俺もまさか自分の番に他の番がいるとは思ってなかったですが…。不思議ですね。彼らと共に貴方を守っているんだ、と思うと嫉妬心もそんなに感じないんです」
そっかぁ。そんなもんか…。……そんなに?って言った?
「そんなに?」
「全くない、とは言いません。団長に抱かれて戻ってきた貴方はまた一段と美しくなられましたから、その光景を想像しなかったわけではないんです」
う、美しく!?誰が!?俺が!!?ローゼン、ちゃんと目見えてるかな!!?眼科行った方が良いよ!!俺なんかが美しいわけないじゃん!
ハッ!もしかして俺の世界とは美醜の感覚が違うのか…?いや、でもディアと町に出た時周りの人はディアを見て、ほぅ…とうっとりため息ついてたもんな。きっと感覚は同じはず。
…うん。やっぱりローゼンは目を診てもらった方がいい!あととりあえず…。
「想像しないで~…」
かぁっ、とまたも頬に熱が集まって顔を手の平で覆った。
「なら、いつか俺にも抱かれてくれますか?」
ギシッ、と体を起こしたローゼンが微妙に覆い被さって俺の頬を撫でながら覗き込んでくる。
うぅ…っ!!ディアと別方向でイケメン過ぎる…っ!!
返事?そんなもの。
「はい…」
以外言えませんよ!だってイケメンだもん!
キャーっ!!てまた顔を覆った手をそっ、と避けられてローゼンの唇が落ちてきた。
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