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お嬢、桃源郷の片鱗を目撃する
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地下劇場のオークションはオブシディアンルートで明らかになる。
騎士団所属の彼と主人公マルガレートの仲がかなり深まった頃、クロレス伯爵領に遠征に出た騎士団と学生の身でありながら魔術の高さが評価され遠征に同行していたマルガレートは港町で偶然子供達の誘拐現場を目撃してしまうのだ。警備隊に伝えても一向に捜査に乗り出す気配もなく、いや、捜査していると見せかけて全く見当違いの場所を当たっているのを知ったマルガレート達が疑問を覚え、そして警備隊も誘拐犯の一味だと知り、皇都の騎士団へ応援を要請し地下劇場に変装して乗り込むのである。
そこでオブシディアンからソファーに押し倒されたり(もちろん事故)、精霊師が“不老の秘薬”と言われていてショックを受けるマルガレートを優しく抱き締めるスチルは前世である野薔薇 真凛の好きなスチルベスト3入りだ。
テオドールルートでは護衛でありながらアレキサンドリートを守らなかった彼に殺意が湧いた物だが、顔は良い。BLなら間違いなく受けだ。堅物受け。真面目受け。鬼畜テオドール×真面目オブシディアンとかそりゃあもう想像はいくらでもした。薄い本も沢山買った。妄想の中ならばテオドールの鬼畜加減だって美味しい個性でしかない。
けれどアレクたんの健気受けには敵わないし実際アレクたんに鬼畜行為をしていたのは許せないわ、と唇の横に細い指先を当てながらほう、とため息をつく。
本当はアレク……ベリルがあの地下劇場に乗り込むのは反対だった。あそこで知る真実はベリルには相当ショックだろう、と。しかしテオドール派の目が光っている以上今のマルガレートは表立って動けない。この変装用魔道具も地味女子になってしまうから貴族ばかりの地下劇場には入れなかっただろう。だから断腸の思いであの事件を彼らに任せたのである。
皇都まで来てもらえたら後は合流していくらでも共闘出来る。マルガレートがある程度の転移魔法を使えるのは周知だけれど、この地味令嬢がマルガレートだとはまず思われない筈だ。
だがマルガレートとしていつ呼び出されるかわからない多忙の身。留守は現身の魔道具でそっくりの偽物を作り、怪しまれないようにシュタールを残してきているが万が一緊急の用件が出来た時には直ぐ様戻らなくてはいけない。
皇都周辺ならばどこからでも瞬時に戻れるから、ベリル達が皇都近くまで来た時に貰った手紙から計算してそろそろ皇都まで来ているだろうと次なる事件に向けて彼らの元に転移魔法で跳んだのだけれど。
(どうしてお膝に乗っているのどうして手を握り合っているの桃源郷?桃源郷かしら桃源郷はここにあったのねああ良い良いわそのびっくりしたまん丸のお目目そうねせっかくの逢瀬にわたしのような邪魔者が来たんだものねごめんなさいね空気をよんであと3時間後くらいに来たらよかったわねいいえでも待ってベリルたんはまだ17の筈よせめて18までは夜の仲良しは反対よ!)
それを指摘しようとしたら当の本人に、誤解だ、と言われてしまったのだけれど、その真っ赤な顔が可愛くて慈愛の笑みが浮かんでしまったのは仕方ない。
まあそんな事は置いておきたくないけれどひとまず置いておいて。
「今の姿のわたしの事は幽霊と呼んで頂戴ね」
ガイスト、とまた二人揃って呟く様にマルガレートは身悶えた。何だかんだ、どうにも気が合っている様子ではないか。
ニュクスに言わせれば目尻を波立たせた不気味な笑顔、しかし邪念を知らないベリルが見たら慈愛の微笑みにしか見えない笑みを浮かべてからすい、と地図を取り出した。
「第一王子の居場所はわかったけれど、彼は今国外に出てしまって戻るのは7日後よ」
「この短期間で見つけたんですか」
驚いて、そして賞賛するようなベリルの視線で萌え転がりそうになったけれど転がっている場合ではない。
それに実を言えば第一王子の居場所は最初から知っていた。
野薔薇 真凛としての人生で聖なる乙女と精霊の国に続編が出るという情報を得た。隣国オリルレヴィー精霊国がメインとなる続編でのシルヴェスター皇国は、テオドールルートバッドエンドの状態になっている。
物語の後半で滅亡の危機に瀕したシルヴェスター皇国が精霊国に助けを求め(その救援要請は前作主人公マルガレートが秘密裏に出したものである)、続編の主人公と攻略対象が事実を見極めにやってくるのである。
その時に手を貸してくれる皇国一の情報屋――彼こそが第一王子、オスカーなのである。髪色を変え正体を隠してヴォルフと名乗ったオスカーは自ら続編主人公達に接触してくるのだった。
勿論すでにバッドエンド状態の皇国にアレキサンドリートはいない。その時点で真凛は失意のどん底に落ちて続編の購入予定はなかったから情報誌を買う事もなかったし、ヴォルフ=第一王子という情報が公式から発表されて、3人目のキャラのシルエットが公開された辺りで野薔薇 真凛の人生は終わっている。
そしてヴォルフの次に発表されたのがオリルレヴィー精霊国第二王子、継承権の代わりに公爵位を持つグルナ・ティルダ・アーレント――現在イグニス、と名乗っている彼だったのである。
彼以降の攻略対象が誰なのかはわからないから、恐らく彼もまた偽名なのだろうアクアが攻略対象なのかはわからない。ただグルナの、大切な人を殺された復讐を胸に皇国へ乗り込む事になる、という不穏な一文は気になっている。
確か続編でのグルナはもう少し成長した姿だった筈。今作の大半が学園メインだったのに対し、続編は精霊国の騎士団がメインになっていて主人公も20歳の設定だったからグルナはそれより年上だったはずだ。
(もしも前作の時に彼らがアレクたんを捜しに皇国に来ていたとして……)
こうして現在アクアと行動を共にしているという事は、皇国で殺された大切な人とはアクアの事ではないのだろうか。
もしそうだとしたら、彼がどうやって亡くなったのか続編をプレイしていないマルガレートにはわからない。勿論殺された大切な人がアクアではない別人で、アクアもまた攻略対象で出てくる可能性も捨てきれない。何せキラキラエフェクトが見えるイケメンだから。
けれどベリルたんが夜の仲良しをしても良いと思える相手に出会ったのならば、その相手の事も全力で守るのが腐女子の嗜みではないだろうか。きっとそう、腐神様もそう言っている。
別にベリルがアクアに惚れていると言ったわけでもないけれど、マルガレートの中の庇護対象にアクアが追加された。
騎士団所属の彼と主人公マルガレートの仲がかなり深まった頃、クロレス伯爵領に遠征に出た騎士団と学生の身でありながら魔術の高さが評価され遠征に同行していたマルガレートは港町で偶然子供達の誘拐現場を目撃してしまうのだ。警備隊に伝えても一向に捜査に乗り出す気配もなく、いや、捜査していると見せかけて全く見当違いの場所を当たっているのを知ったマルガレート達が疑問を覚え、そして警備隊も誘拐犯の一味だと知り、皇都の騎士団へ応援を要請し地下劇場に変装して乗り込むのである。
そこでオブシディアンからソファーに押し倒されたり(もちろん事故)、精霊師が“不老の秘薬”と言われていてショックを受けるマルガレートを優しく抱き締めるスチルは前世である野薔薇 真凛の好きなスチルベスト3入りだ。
テオドールルートでは護衛でありながらアレキサンドリートを守らなかった彼に殺意が湧いた物だが、顔は良い。BLなら間違いなく受けだ。堅物受け。真面目受け。鬼畜テオドール×真面目オブシディアンとかそりゃあもう想像はいくらでもした。薄い本も沢山買った。妄想の中ならばテオドールの鬼畜加減だって美味しい個性でしかない。
けれどアレクたんの健気受けには敵わないし実際アレクたんに鬼畜行為をしていたのは許せないわ、と唇の横に細い指先を当てながらほう、とため息をつく。
本当はアレク……ベリルがあの地下劇場に乗り込むのは反対だった。あそこで知る真実はベリルには相当ショックだろう、と。しかしテオドール派の目が光っている以上今のマルガレートは表立って動けない。この変装用魔道具も地味女子になってしまうから貴族ばかりの地下劇場には入れなかっただろう。だから断腸の思いであの事件を彼らに任せたのである。
皇都まで来てもらえたら後は合流していくらでも共闘出来る。マルガレートがある程度の転移魔法を使えるのは周知だけれど、この地味令嬢がマルガレートだとはまず思われない筈だ。
だがマルガレートとしていつ呼び出されるかわからない多忙の身。留守は現身の魔道具でそっくりの偽物を作り、怪しまれないようにシュタールを残してきているが万が一緊急の用件が出来た時には直ぐ様戻らなくてはいけない。
皇都周辺ならばどこからでも瞬時に戻れるから、ベリル達が皇都近くまで来た時に貰った手紙から計算してそろそろ皇都まで来ているだろうと次なる事件に向けて彼らの元に転移魔法で跳んだのだけれど。
(どうしてお膝に乗っているのどうして手を握り合っているの桃源郷?桃源郷かしら桃源郷はここにあったのねああ良い良いわそのびっくりしたまん丸のお目目そうねせっかくの逢瀬にわたしのような邪魔者が来たんだものねごめんなさいね空気をよんであと3時間後くらいに来たらよかったわねいいえでも待ってベリルたんはまだ17の筈よせめて18までは夜の仲良しは反対よ!)
それを指摘しようとしたら当の本人に、誤解だ、と言われてしまったのだけれど、その真っ赤な顔が可愛くて慈愛の笑みが浮かんでしまったのは仕方ない。
まあそんな事は置いておきたくないけれどひとまず置いておいて。
「今の姿のわたしの事は幽霊と呼んで頂戴ね」
ガイスト、とまた二人揃って呟く様にマルガレートは身悶えた。何だかんだ、どうにも気が合っている様子ではないか。
ニュクスに言わせれば目尻を波立たせた不気味な笑顔、しかし邪念を知らないベリルが見たら慈愛の微笑みにしか見えない笑みを浮かべてからすい、と地図を取り出した。
「第一王子の居場所はわかったけれど、彼は今国外に出てしまって戻るのは7日後よ」
「この短期間で見つけたんですか」
驚いて、そして賞賛するようなベリルの視線で萌え転がりそうになったけれど転がっている場合ではない。
それに実を言えば第一王子の居場所は最初から知っていた。
野薔薇 真凛としての人生で聖なる乙女と精霊の国に続編が出るという情報を得た。隣国オリルレヴィー精霊国がメインとなる続編でのシルヴェスター皇国は、テオドールルートバッドエンドの状態になっている。
物語の後半で滅亡の危機に瀕したシルヴェスター皇国が精霊国に助けを求め(その救援要請は前作主人公マルガレートが秘密裏に出したものである)、続編の主人公と攻略対象が事実を見極めにやってくるのである。
その時に手を貸してくれる皇国一の情報屋――彼こそが第一王子、オスカーなのである。髪色を変え正体を隠してヴォルフと名乗ったオスカーは自ら続編主人公達に接触してくるのだった。
勿論すでにバッドエンド状態の皇国にアレキサンドリートはいない。その時点で真凛は失意のどん底に落ちて続編の購入予定はなかったから情報誌を買う事もなかったし、ヴォルフ=第一王子という情報が公式から発表されて、3人目のキャラのシルエットが公開された辺りで野薔薇 真凛の人生は終わっている。
そしてヴォルフの次に発表されたのがオリルレヴィー精霊国第二王子、継承権の代わりに公爵位を持つグルナ・ティルダ・アーレント――現在イグニス、と名乗っている彼だったのである。
彼以降の攻略対象が誰なのかはわからないから、恐らく彼もまた偽名なのだろうアクアが攻略対象なのかはわからない。ただグルナの、大切な人を殺された復讐を胸に皇国へ乗り込む事になる、という不穏な一文は気になっている。
確か続編でのグルナはもう少し成長した姿だった筈。今作の大半が学園メインだったのに対し、続編は精霊国の騎士団がメインになっていて主人公も20歳の設定だったからグルナはそれより年上だったはずだ。
(もしも前作の時に彼らがアレクたんを捜しに皇国に来ていたとして……)
こうして現在アクアと行動を共にしているという事は、皇国で殺された大切な人とはアクアの事ではないのだろうか。
もしそうだとしたら、彼がどうやって亡くなったのか続編をプレイしていないマルガレートにはわからない。勿論殺された大切な人がアクアではない別人で、アクアもまた攻略対象で出てくる可能性も捨てきれない。何せキラキラエフェクトが見えるイケメンだから。
けれどベリルたんが夜の仲良しをしても良いと思える相手に出会ったのならば、その相手の事も全力で守るのが腐女子の嗜みではないだろうか。きっとそう、腐神様もそう言っている。
別にベリルがアクアに惚れていると言ったわけでもないけれど、マルガレートの中の庇護対象にアクアが追加された。
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