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また来た不審者
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『ベリル~、アクアまた来たよ』
「追い返して」
「え~、今来たとこじゃん。ちょっと一緒に熊鍋食いに行こうよ。今日最後だって言ってたし」
「行かない。イグニス、あんたの連れ何とかして」
「何とか出来てたらここには来ていない」
……だよね。
あの日一旦帰ったアクアがその日の夜また来るのは想定済みだった。トムじいさんもそう思って頭に鍋を被って鍬を持った完全武装(本人談)で待ち構えてたし、僕も畑仕事を休んで家に籠った。なのにあれから一週間毎日毎日やって来て、いつの間にかトムじいさんは高価なお酒で懐柔されてるしカカ母さんはイグニスが礼儀正しくてイケメンだからって絆されてるし。今までこんな事なかったのに。
僕としてもいつまでも畑を放置出来なかったし、森の魔獣だって村に近付くのは半月の夜だけでも森の中は夜な夜なウロウロしてるだろうし。
森の中で出会った不審者がアクアで、待ってた連れがイグニスという名なのは昨日聞いた。
イグニスはアクアと対照的な赤い髪と、僕が作る霊力で固めた宝石のような緑の瞳が印象的な男だった。剣を下げているアクアと違って丸腰だから魔術師なのかと思ったら腕に着けたブレスレットから槍が出てくるらしい。マジックボックスっていう色々な物を入れておける旅人の必須アイテムなんだけど、お値段が高くて僕は持っていない。
カミラとここに来るまでの馬車の道中は荷物自体も多くはなかったし、食事は非常食の干物で過ごしたし。
「とにかく僕は行かないし、迷惑だから来ないで」
ローブ着たまま畑仕事って邪魔だし暑いから嫌なのに、毎日来て外せないから嫌なんだ。
「つれないな~。一緒に熊退治した仲なのに」
アクアの目的が全く分からない以上関わりたくない。
ただトムじいさんとカカ母さんが警戒してないからには悪人というわけではないんだろうけど。この夫婦も元冒険者だけあって人を見る目は確かだ。僕とカミラがここで受け入れて貰えたのも二人が僕達を受け入れてくれたからに他ならない。
日が落ちてから畑を耕してると、肥料のやり方だとか苗の植え方だとか口うるさく指導してくるカカ母さんと、美味しい酒の飲み方を指導しようとしてくるトムじいさん。前の人生ではこんなに暖かくて口うるさい人はいなかったから二人の事は信用してるし大好きだ。
だからと言ってアクアを止めてくれないのは困るんだけど。
「あれは成り行きでしょ」
「少年がこの柵提案したんだろ?村に近寄る魔獣退治もしてるみたいだし、若いのに偉いな」
「魔獣対策をして欲しい、って伝えたのは僕だけど柵は小領主様の指示だから」
僕がやったわけじゃない、と伝えてもアクアは聞いてくれない。
『ねー。アクア、今日は蜂蜜ないの?』
「ほら、最高級蜂蜜だぞ~」
『やった~!』
リーもこの通り懐柔済だし、味方がいない……。
もう無視して草取りしよう、としゃがみ込むと同じように二人もしゃがんで草を取り始める。
「草取りは良いから帰ってよ」
「ん~、ちょっと少年に相談があるんだよね。だから晩御飯付き合ってくれない?」
ダメだこの不審者。人の話を聞かない。でも草取りは人手が多い方が助かるからもう無視してこのままやってもらおう。
意外にもそこからアクアも無言で草取りに付き合ってくれたおかげでここ一週間放置して増えに増えまくってた草は粗方片付いた。収穫時期を僅かに過ぎた野菜をいくつか取って籠に入れると、始めた時にはまだうっすら山の方が明るかった空はもう満天の星が輝く時間になっていた。
「ほら、晩飯には良い時間だろ」
「行かないって」
「じゃあ買ってくるからここで一緒に食べよう」
「そんなキリッとして言われても嫌だから」
もうこいつめんどくさい。イグニスが連れて帰ってくれないものかと視線をやるけれど、イグニスも僕を待っているかのようでその場からジッと動かない。
仕方ないから無視して帰ろうと思ったんだけど、踵を返した途端ガッシリ腕を掴まれて動けなくなってしまった。いや、正確にはこういう状況で抜け出す護身術は教わっているから抜けようと思えば抜けられる。この後に言う言葉次第で叩き伏せてやろうと思って目深に被ったままのフードの奥からちらりと見やった。
「魔獣の巣を壊しに行きたくないか?」
ぴくり、と体が反応してしまう。
魔獣の巣。森の奥にあるんじゃないかとは思っていた。巣って言っても鳥の巣とか獣の巣みたいな物じゃなくて、魔素が濃くなりすぎて獣が異形化してしまう場所の事だ。
魔素はこの世界を形作るエネルギーの1つで、魔術師の魔力と魔素、そして媒体があって初めて魔術が使える。もちろん魔素が少なければ魔術は使えないけれど、今の所極端に魔素が少ないのは聖なる森と呼ばれる場所のみで世界中どこにでもある空気のような存在である。
「魔獣の巣、見たの?」
「イグニスとはぐれた場所がそうだと思う」
イグニスを窺えば視線に気付いた彼もこくりと頷いた。村に近付いてくるのが主に半月の晩とは言え、巣自体を破壊した方が楽に決まっている。僕一人では溢れる魔獣の相手と巣の破壊を同時にするのは難しいから、何とかしないと、と思いながら後回しにしていたのだけれど。
「……3人で何とか出来る大きさなの?」
「前回大半の魔獣は片付けた。今ならまだそこまで異形化した個体はいないだろうし、新月になる前に壊した方が良いだろ?」
僕の力が使えなくなる新月は精霊の力の源であるマナが弱まる日。
精霊師は魔術師と違い霊力をマナと反応させて精霊を呼び精霊術を使う。マナは、魔素すら含むこの世の全ての元素。自然界の物には全てマナが宿っている。魔素は力を持たずふわふわ漂っているだけのエネルギーだから媒体を通さないと魔術を使えないのに反し、精霊師は霊力とマナを合わせる事で媒体なしに術を使う事が出来る。炎に関わるマナ、水に関わるマナ、そういう目に見えないエネルギーは氷の大地で炎を起こし、砂漠に雨を降らせる事が出来るのだ。
何故新月にマナが弱まるのか、っていうのはまだ研究途中らしい。精霊が異界に戻るから弱まるのか、マナが何らかの理由で弱まるから精霊が異界に戻るのか。
半月を過ぎた今新月まで時間がないのは確かだ。
「追い返して」
「え~、今来たとこじゃん。ちょっと一緒に熊鍋食いに行こうよ。今日最後だって言ってたし」
「行かない。イグニス、あんたの連れ何とかして」
「何とか出来てたらここには来ていない」
……だよね。
あの日一旦帰ったアクアがその日の夜また来るのは想定済みだった。トムじいさんもそう思って頭に鍋を被って鍬を持った完全武装(本人談)で待ち構えてたし、僕も畑仕事を休んで家に籠った。なのにあれから一週間毎日毎日やって来て、いつの間にかトムじいさんは高価なお酒で懐柔されてるしカカ母さんはイグニスが礼儀正しくてイケメンだからって絆されてるし。今までこんな事なかったのに。
僕としてもいつまでも畑を放置出来なかったし、森の魔獣だって村に近付くのは半月の夜だけでも森の中は夜な夜なウロウロしてるだろうし。
森の中で出会った不審者がアクアで、待ってた連れがイグニスという名なのは昨日聞いた。
イグニスはアクアと対照的な赤い髪と、僕が作る霊力で固めた宝石のような緑の瞳が印象的な男だった。剣を下げているアクアと違って丸腰だから魔術師なのかと思ったら腕に着けたブレスレットから槍が出てくるらしい。マジックボックスっていう色々な物を入れておける旅人の必須アイテムなんだけど、お値段が高くて僕は持っていない。
カミラとここに来るまでの馬車の道中は荷物自体も多くはなかったし、食事は非常食の干物で過ごしたし。
「とにかく僕は行かないし、迷惑だから来ないで」
ローブ着たまま畑仕事って邪魔だし暑いから嫌なのに、毎日来て外せないから嫌なんだ。
「つれないな~。一緒に熊退治した仲なのに」
アクアの目的が全く分からない以上関わりたくない。
ただトムじいさんとカカ母さんが警戒してないからには悪人というわけではないんだろうけど。この夫婦も元冒険者だけあって人を見る目は確かだ。僕とカミラがここで受け入れて貰えたのも二人が僕達を受け入れてくれたからに他ならない。
日が落ちてから畑を耕してると、肥料のやり方だとか苗の植え方だとか口うるさく指導してくるカカ母さんと、美味しい酒の飲み方を指導しようとしてくるトムじいさん。前の人生ではこんなに暖かくて口うるさい人はいなかったから二人の事は信用してるし大好きだ。
だからと言ってアクアを止めてくれないのは困るんだけど。
「あれは成り行きでしょ」
「少年がこの柵提案したんだろ?村に近寄る魔獣退治もしてるみたいだし、若いのに偉いな」
「魔獣対策をして欲しい、って伝えたのは僕だけど柵は小領主様の指示だから」
僕がやったわけじゃない、と伝えてもアクアは聞いてくれない。
『ねー。アクア、今日は蜂蜜ないの?』
「ほら、最高級蜂蜜だぞ~」
『やった~!』
リーもこの通り懐柔済だし、味方がいない……。
もう無視して草取りしよう、としゃがみ込むと同じように二人もしゃがんで草を取り始める。
「草取りは良いから帰ってよ」
「ん~、ちょっと少年に相談があるんだよね。だから晩御飯付き合ってくれない?」
ダメだこの不審者。人の話を聞かない。でも草取りは人手が多い方が助かるからもう無視してこのままやってもらおう。
意外にもそこからアクアも無言で草取りに付き合ってくれたおかげでここ一週間放置して増えに増えまくってた草は粗方片付いた。収穫時期を僅かに過ぎた野菜をいくつか取って籠に入れると、始めた時にはまだうっすら山の方が明るかった空はもう満天の星が輝く時間になっていた。
「ほら、晩飯には良い時間だろ」
「行かないって」
「じゃあ買ってくるからここで一緒に食べよう」
「そんなキリッとして言われても嫌だから」
もうこいつめんどくさい。イグニスが連れて帰ってくれないものかと視線をやるけれど、イグニスも僕を待っているかのようでその場からジッと動かない。
仕方ないから無視して帰ろうと思ったんだけど、踵を返した途端ガッシリ腕を掴まれて動けなくなってしまった。いや、正確にはこういう状況で抜け出す護身術は教わっているから抜けようと思えば抜けられる。この後に言う言葉次第で叩き伏せてやろうと思って目深に被ったままのフードの奥からちらりと見やった。
「魔獣の巣を壊しに行きたくないか?」
ぴくり、と体が反応してしまう。
魔獣の巣。森の奥にあるんじゃないかとは思っていた。巣って言っても鳥の巣とか獣の巣みたいな物じゃなくて、魔素が濃くなりすぎて獣が異形化してしまう場所の事だ。
魔素はこの世界を形作るエネルギーの1つで、魔術師の魔力と魔素、そして媒体があって初めて魔術が使える。もちろん魔素が少なければ魔術は使えないけれど、今の所極端に魔素が少ないのは聖なる森と呼ばれる場所のみで世界中どこにでもある空気のような存在である。
「魔獣の巣、見たの?」
「イグニスとはぐれた場所がそうだと思う」
イグニスを窺えば視線に気付いた彼もこくりと頷いた。村に近付いてくるのが主に半月の晩とは言え、巣自体を破壊した方が楽に決まっている。僕一人では溢れる魔獣の相手と巣の破壊を同時にするのは難しいから、何とかしないと、と思いながら後回しにしていたのだけれど。
「……3人で何とか出来る大きさなの?」
「前回大半の魔獣は片付けた。今ならまだそこまで異形化した個体はいないだろうし、新月になる前に壊した方が良いだろ?」
僕の力が使えなくなる新月は精霊の力の源であるマナが弱まる日。
精霊師は魔術師と違い霊力をマナと反応させて精霊を呼び精霊術を使う。マナは、魔素すら含むこの世の全ての元素。自然界の物には全てマナが宿っている。魔素は力を持たずふわふわ漂っているだけのエネルギーだから媒体を通さないと魔術を使えないのに反し、精霊師は霊力とマナを合わせる事で媒体なしに術を使う事が出来る。炎に関わるマナ、水に関わるマナ、そういう目に見えないエネルギーは氷の大地で炎を起こし、砂漠に雨を降らせる事が出来るのだ。
何故新月にマナが弱まるのか、っていうのはまだ研究途中らしい。精霊が異界に戻るから弱まるのか、マナが何らかの理由で弱まるから精霊が異界に戻るのか。
半月を過ぎた今新月まで時間がないのは確かだ。
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