ブライダル・ラプソディー

葉月凛

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 男たちがけたステージ上、ぐったりとベッドに横になっていると、視線の先、雅巳さんの隣に蛍が座っていた。……口淫は終わったのだろうか。雅巳さんは、あの子の口で達したのだろうか。悋気が再び、胸を焼いた。

 1人の男性が、雅巳さんに近付いた。こちらに背を向け、雅巳さんの前に立つ。しばらくすると雅巳さんが首を振り、彼はその場を離れた。

 同じように1人、また1人と雅巳さんの前に立った。時折、蛍が手を伸ばす。雅巳さんは首を振り続け、次に劉がそこに立った。雅巳さんは何かを確かめるように時間を掛け、話し、最後に首を縦に振った。

 嬉しそうに振り返った劉は──勃起した陰茎を露わにしていた。

 前を寛げたままステージに戻った劉は、スラックスを脱ぎ捨てた。天をついて反り返る怒張は、目を瞠るような隆々たる楔に、太い血管が生を主張して巻き付いていた。

 浅黒く猛々しい雄を見せつけるように右手で扱きながらベッドに乗り上げると、その口端を引き上げた。

「お眼鏡にかなったよ。やっと──玉蘭を抱ける」
「………」

 私に覆い被さる彼の体は、燃えるように熱かった。ピアスに舌を這わせ、掛かる息は更に熱かった。

 劉は私を抱いたことがなかっただろうか? 思い出せない。

 開いた私の足を持ち上げた劉は、自身の怒張を秘所に当てがうと、ひと息に腰を沈めた。

「っ、──ああ、あ、」

 私の感じる角度と速度で挿入され、腰が持ち上がり腹が震えた。喉がひくひくと痙攣する。気が、外れる。

「イッたのか? 可愛い奴だ」

 劉が舌舐めずりをした。足を抱え直し、擦り付けるように腰のグラインドを始める。

「ああ、ああ、」

 エネマグラのような乱暴な快感ではない。人がもたらす快感は、躰が溶ける。
 送り込まれる腰の動きに、堪らない愉悦が渦巻いた。至極の時を、躰が悦ぶ。

 ああ、この感覚は誰かに似ている。角度も、硬さも、速度も、まるで──

「──!」

 私の中で、何かが弾けた。
 これは、真一だ。劉が送り込む快感は、何もかもが真一に似ているのだ。そんな、何故、……

 私は涙で霞む目で、雅巳さんを見た。

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