ブライダル・ラプソディー

葉月凛

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「あ、あ、」

 私の中でうねる塊が、やがて的確にそこを抉る。

「あっ、あっ、」

 私自身の隘路の収縮が、私自身を追い詰める。陰茎を握る男の手が、飲み込んだプジーの存在を際立たせる。

「い、いやっ、」

 重い快感が膨らむと、見えない誰かが私の陰茎の先で揺れる輪に小さなクリップを止めた。
 男が、陰茎から手を離す。

「あああっ!」

 途端に微弱な電流が走り、私の躰は仰け反った。
 痙攣したまま腰を突き上げると、締め付けたエネマグラが私の秘所を乱暴に抉る。

「いやっ……あああっ! ──あああ」

 腰を突き上げたまま、腹がびくびくと痙攣した。秘所を抉られ、殴られたような快感が突き抜けた。

「あ、あ、あ、……もうっ」

 達している最中にも繰り返される暴虐に、息が詰まる。

「あ、あ、……ああっ!」

 また苦しい波が押し寄せる。締め付ける隘路に、中の悪魔が意志を持ったように暴れる。こうなると、絶頂が止まらない。

 突き上げた腰は一瞬引いてはまた突き上げることを繰り返し、腹と太腿の痙攣が続く。隘路が痛い程に締め付け、乱暴な絶頂が終わらない。息が、できない。酸欠の躰は、更に快感を貪り始める。

 跳ねる躰は、もはや自分のものではなかった。

「気持ちよさそうだな、玉蘭」

 劉が私の頬を撫でる。
 男がエネマグラを抜く頃には、私は息も絶え絶えになっていた。
 いつの間にか電流の止まっていた尿道プジーの輪に、男の指が掛かる。

「あ、あ、あ、」

 目線の先でゆっくりと引き抜かれ、小さな球が1つずつ出てゆく刺激に腰が震えた。最後の1つが引き抜かれると、ぽっかりと開いた穴から白濁がとろとろと元気なく流れ出す。

 男が、見えない誰かに渡された透明のガラスの瓶をそこに当てた。し瓶だ。

「あ、あ、あ、」

 力のない白濁を流し切ると、猛烈な尿意に襲われた。

「あ、いや、いや、」

 ああ、こんなところで用を足すなんて。

「いや、いや、」

 懸命に尿意を堪えて首を振る私に、劉が優しく言った。

「ほら、出しちまえ。先生が見てるぞ」
「………」

 途端、体の力が抜けた。し瓶に、黄金色の小水が溜まる。

 銀髪の掛かるベネチアンマスクの下、舐めるような細い目が、じっとこちらを注視していた。

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