ブライダル・ラプソディー

葉月凛

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          ◇ 

 成瀬の家に着くと、引きずられるように寝室へともつれ込んだ。上着を落として、ベッドに倒れ込む。

「奈津、すまない。……すまない、俺のせいだ……すぐ楽にしてやる」

 成瀬は苦しそうに謝りながら、奈津のシャツのボタンをもどかしそうに外してゆく。

「んっ、はっ……んんっ」

 奈津には、その謝罪の意味を考える余裕はなかった。何をされても、感じてしまう。

「んんぅっ」

 シャツを剥ぎ取られ、スラックスを抜き取られる。抱きしめられて成瀬の熱い唇が頬に触れると、その感触と先程の高嶺の唇が一瞬脳裏で重なった。なけなしの理性が、それを拒む。

「いやっ、いやだ……」
「どうした?」

 急に顔を左右に振って嫌がる奈津に、成瀬は頭を上げた。

「か、かおっ、舐められたから、さっき、くち、も……」

 成瀬の眉間に、皺が寄った。

「……分かった。待ってろ」
「あ……」

 成瀬は奈津を置いて部屋から出て行くと、しばらくしてきつく絞った熱いタオルを手に戻って来た。上気している奈津の顔を、慌ただしく拭ってゆく。頬、額、瞼、唇……首筋も、拭う。

「これでいいか?」

 奈津が小さく頷くと、タオルをサイドテーブルに放り投げ、成瀬が再び覆い被さってきた。慣れた重みに喘ぐ唇を、噛み付くように奪われる。同時に入り込んできた舌に自分の舌を絡めると、もう我慢がきかなくなった。

「んっ、んっ、んんっ」

 激しく舌を絡め合いながら、成瀬はべとべとになっている奈津の下着を引き下げ、その昂りを掴んだ。

「んあっ! あっ、ああっ!」

 たまらず口を離して、奈津が喘ぐ。びくびくと体が痙攣し、丸まったつま先がシーツを蹴る。

「あああっ! あっ、あっ」

 ほんの数回擦られただけで、白濁を噴き上げた。

「はっ……はっ……あっ……」

 一度達した体は、弛緩するどころか、更なる快感を求めて研ぎ澄まされてゆくようだった。

 ……足りない。ぜんぜん、足りない。
 奈津は、成瀬の腕をきゅっと掴んだ。

「……お願い、もっと、し……」

 成瀬は自身の着衣を慌ただしく脱ぎ捨てると、奈津の下着を引き抜き、その両足を抱え上げた。体に散らばった白濁を掬い取り、後孔へ塗り付ける。そして、指をひと息に挿し入れた。

「あああっ! あっ、あっ」

 瞬間、奈津の先端から再び白濁が飛び散った。はくはくと苦しそうに、奈津が仰け反る。

 蕾の中は既に熱く熟れきり、待ち切れないように、成瀬の指を根元まであっさりと飲み込んだ。

 長い指は奈津の中をぐるぐると数回探っただけで、すぐに引き抜かれる。代わりに、熱く猛った成瀬の怒張が、ひくつくそこに押し当てられた。

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