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首筋に舌を這わせながら、高嶺の手は胸元へ降りていった。既に固くなっている尖りを容易に見つけ、そろりと撫でられる。途端にびりっと電気のような快感が走り、体がしなった。
「あっ」
「気持ちいい? 随分感じやすいんだね。……こっちも、もう辛そうだ」
「あっ、やめ……あぁっ!」
高嶺の手が、奈津の昂りをスラックスの上からゆるゆるとさすった。信じられない程の快感が、全身を駆け巡る。奈津は、ひとたまりもなく嬌声を上げた。
「あっ、あぁっ、やっ……やめて、くださ、」
「やめたら、辛いだろう」
高嶺は奈津のベルトを外し、スラックスの前を寛げた。
奈津の目から、涙がぽろぽろと零れ落ちた。
「いや、いやだ……あぁ……」
心とは裏腹に、体はみるみる高まってゆく。その中心は更なる愛撫を求めて、窮屈そうに下着を持ち上げていた。
高嶺は目を細めると、奈津のウエストからシャツを引き抜いて、下着の中にするりと手を差し入れた。
「うあっ! あっ、はっ、はっ」
指先が触れただけで、達しそうになった。自分が信じられない。
「ああ、もうぬるぬるだ。でも、もう少し、待てるかな? あと1人、来るから」
「──え?」
奈津は血の気が引いた。いま、なんて……
「あの……あの……」
「うん? ああ、かなり辛いよね。1回イかせてあげたいんだけど……でも、1回イくとね、たぶん止まらなくなると思うから」
高嶺は、呆然とする奈津のスラックスを下着ごと引き下ろし、露わになった昂りを慰めるようにそろりと撫でた。たまらない刺激に、びくびくと体が跳ねる。奈津はぎゅっと目をつぶり、必死に快感を逃そうとした。
「んんっ……あ、あ……」
──ここに、誰か来るというのか。まさか……まさか……
──成瀬を、呼んだのだろうか。
嫌だっ。それだけは、嫌だ。こんな姿を見られるくらいなら、死んだ方がいい。
奈津は唐突に、学生の頃の記憶を思い出した。……高校生の時、華奢な体付きのせいか同性から痴漢の対象にされることがたまにあった。通学の混み合う電車内で、体をまさぐられ股間を押し付けられる。そんな時奈津は、唇を噛んでただ耐えた。
抗おうとも、力では敵わないのだ……今のように。
中年のサラリーマンに尻を揉まれ、カバンを胸に抱いて必死に耐えていたあの日、同じ車両には密かに憧れる先輩が偶然乗り合わせていた。その先輩は横を通り過ぎる時、眉間に皺を寄せて奈津に侮蔑の目を向けた。
『感じてるんじゃねーよ、キモ』
その時の、一瞬で心が冷える感覚は今でも忘れられない。不用意に放たれたひと言はじくじくと奈津の心を苛み、いつしか沈着していった。
それは時に、意図せず脳裏に蘇る。
自分は男だ。例えこのまま強姦されても、高嶺を相手に欲情している醜い姿を晒すくらいなら、助けて欲しいなんて思わない。成瀬にだけは、こんな自分を見られたくない。
ああ、高嶺もそこまで鬼ではないだろう。まさか、まさか……
奈津は、必死で祈った。
その時──部屋のドアが、ダン! と乱暴に開けられ、誰かが勢いよくこちらに飛び込んで来た。
「あっ」
「気持ちいい? 随分感じやすいんだね。……こっちも、もう辛そうだ」
「あっ、やめ……あぁっ!」
高嶺の手が、奈津の昂りをスラックスの上からゆるゆるとさすった。信じられない程の快感が、全身を駆け巡る。奈津は、ひとたまりもなく嬌声を上げた。
「あっ、あぁっ、やっ……やめて、くださ、」
「やめたら、辛いだろう」
高嶺は奈津のベルトを外し、スラックスの前を寛げた。
奈津の目から、涙がぽろぽろと零れ落ちた。
「いや、いやだ……あぁ……」
心とは裏腹に、体はみるみる高まってゆく。その中心は更なる愛撫を求めて、窮屈そうに下着を持ち上げていた。
高嶺は目を細めると、奈津のウエストからシャツを引き抜いて、下着の中にするりと手を差し入れた。
「うあっ! あっ、はっ、はっ」
指先が触れただけで、達しそうになった。自分が信じられない。
「ああ、もうぬるぬるだ。でも、もう少し、待てるかな? あと1人、来るから」
「──え?」
奈津は血の気が引いた。いま、なんて……
「あの……あの……」
「うん? ああ、かなり辛いよね。1回イかせてあげたいんだけど……でも、1回イくとね、たぶん止まらなくなると思うから」
高嶺は、呆然とする奈津のスラックスを下着ごと引き下ろし、露わになった昂りを慰めるようにそろりと撫でた。たまらない刺激に、びくびくと体が跳ねる。奈津はぎゅっと目をつぶり、必死に快感を逃そうとした。
「んんっ……あ、あ……」
──ここに、誰か来るというのか。まさか……まさか……
──成瀬を、呼んだのだろうか。
嫌だっ。それだけは、嫌だ。こんな姿を見られるくらいなら、死んだ方がいい。
奈津は唐突に、学生の頃の記憶を思い出した。……高校生の時、華奢な体付きのせいか同性から痴漢の対象にされることがたまにあった。通学の混み合う電車内で、体をまさぐられ股間を押し付けられる。そんな時奈津は、唇を噛んでただ耐えた。
抗おうとも、力では敵わないのだ……今のように。
中年のサラリーマンに尻を揉まれ、カバンを胸に抱いて必死に耐えていたあの日、同じ車両には密かに憧れる先輩が偶然乗り合わせていた。その先輩は横を通り過ぎる時、眉間に皺を寄せて奈津に侮蔑の目を向けた。
『感じてるんじゃねーよ、キモ』
その時の、一瞬で心が冷える感覚は今でも忘れられない。不用意に放たれたひと言はじくじくと奈津の心を苛み、いつしか沈着していった。
それは時に、意図せず脳裏に蘇る。
自分は男だ。例えこのまま強姦されても、高嶺を相手に欲情している醜い姿を晒すくらいなら、助けて欲しいなんて思わない。成瀬にだけは、こんな自分を見られたくない。
ああ、高嶺もそこまで鬼ではないだろう。まさか、まさか……
奈津は、必死で祈った。
その時──部屋のドアが、ダン! と乱暴に開けられ、誰かが勢いよくこちらに飛び込んで来た。
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