ブライダル・ラプソディー

葉月凛

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「寝るんじゃ、なかったんですか……」

 奈津の小さな問い掛けに、首元に巻き付いていた左腕がするりと抜けた。

「──気が変わった」
「っ、」

 体を起こした成瀬に、ごろりと仰向けに転がされる。無造作に掛け布団を足元まで剥ぐと、その手で奈津の中心をするりと撫で上げ、パジャマのボタンを弾きかけて、その手を離す。その口端が、微かに上がった。

「──自分で脱いで」
「え?」

 見上げる成瀬の瞳の色が、深みを増す。

「ボタン、自分で外して」
「……あの、あっ」

 する、と股間を撫でられて、びくりと体が揺れた。そこは、先程の僅かな刺激でゆるく反応を示していた。

「ほら、早く」
「んっ、ん……」

 薄いパジャマの上から奈津自身を撫でる刺激が、弱すぎてもどかしくなる。

 奈津はこれまで、こういった行為の時に自分から脱いだことはなかった。いつも、気が付けば成瀬に脱がされているのだ。

「ん……んん、」
「ほら……脱げよ、奈津」

 もどかしい刺激と成瀬の目線に捉えられたまま、奈津は胸元の一番上のボタンを1つ、外した。成瀬の切長の瞳が、少し細められる。

「………」

 息を詰めながら、もう1つ、外す。──更に、もう1つ。

「……たまんねぇな」

 最後の1つが外れると、成瀬の手が伸びてきた。パジャマの前をはだけさせるように胸元を大きくひと撫でし、覆い被さってくる。奈津は思わず、その背中に手を回した。脇腹をじかに這う成瀬の熱い手に、ぞくぞくと肌が粟立つ。

(ああ……気持ちいい)

 奈津は成瀬のスウェットの下に手を差し込み、その広い背中を撫でてしがみついた。成瀬の熱い唇が首元を吸う。

「ああ……成瀬、さ……んん」
「ほら、どうして欲しい?」
「ん、ん……」

 逞しい太ももに奈津自身を擦り上げられ、その腰がもどかしく揺れた。

「奈津?」
「ん……さわっ……て」
「……こうか?」

 パジャマに差し込まれた成瀬の手が、下着越しの奈津自身を捉えて這い回る。

「ああ……気持ちい……ん」

 熱い唇が、奈津の息を飲み込むように重ねられる。差し込まれた舌はもっと熱く、奈津は夢中でそれに応える。

「んっ、んん……」

 熱い口づけに夢中になっている間に下着ごとパジャマを下ろされ、両足を開くように立てられる。体を起こした成瀬は、もうその手にいつものボトルを傾けていた。

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