ブライダル・ラプソディー

葉月凛

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 熱い切先が、直接肌に触れる。
 あ、と思ったのは一瞬だった。

「んあぁっ! あっ、はっ」

 背後から固く猛ったものを当てがわれたかと思うと、そのままずぶりと後孔を貫かれて奈津はのけ反った。数刻前の余韻を残すその場所は、待っていたかのようにあっさりと、成瀬のものを飲み込んだ。

 指とは比べものにならない快感が、体内にぶわりと弾けるように広がった。

「んんっ! ……んっ、はっ……あ」

 そのままゆっくりと腰を使われ、今度はじわじわと愉悦の波が押し寄せてくる。

(……気持ちいい……)

 首に巻きついた成瀬の左手の指が奈津の口の中に入り、右手が勃ち上がった欲望に絡みついた。

 背を向けているため縋りつくものがなく、首に回された成瀬の腕をぎゅっと掴む。気持ちのいいところを、成瀬のものがゆっくりと行き来する。

 成瀬の動きに合わせて、奈津の腰がゆるゆると揺らめいた。

「いいのか? ……ここか?」
「あ……あ……」

 鼻から抜けるような甘さを孕んだ成瀬の声に、ぞくりと震えた。こういう行為の時の、掠れたような成瀬の声は腰にくる。耳元で囁いた唇は、そのまま耳朶を柔らかく喰んだ。ずくずくとした甘い痺れが、背筋を這い上がる。

「ほら、いいならいいって言わないと……やめるぞ?」
「ん……きもち、い……」
「もっとか?」
「………」
「奈津?」
「……もっ、と……し……」
「いい子だ」
「はあぁっ!」

 律動の速度が、一気に増した。

 腰を送り込まれるたびにずくりと生まれる甘く痺れた快感は、一瞬で体の中を駆け抜ける。その余韻を感じる間もなく次の快感が体内を駆け抜ける。
 背後から断続的に送り込まれる甘苦しい衝撃を、奈津はのけ反りながら受け止めた。

「あぁっ……あっ、あっあっ」

 打ちつけられる速度が早まってゆく。奈津自身に絡みついた長い指も、その動きに合わせて激しく上下した。射精感が押し寄せる。限界が近い。

「奈津、奈津……ああ、たまらない」
「ああぁっ!」
「んっ……」

 一瞬息を詰めた成瀬が中で果てたのを追い掛けるように、奈津も達した。

 体の奥に、びくびくと脈打つ振動と共にじわりと熱を感じる。握りしめられた成瀬の右手の中にどくりと出された白濁は、さすがにごく少量だった。

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