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「んっ、あぁっ……ぁんっ、き、もち、い……っ、」
「奈津……奈津……」
がくがくと揺さぶられ、掠れるような声で名を呼ばれながら、ただただ翻弄される。奈津のなめらかな肢体は桜色に染まり、白い喉元は嬌声が漏れるたびにひくひくと揺らめいた。
「……っ、」
ひとしきり揺さぶると、成瀬は息を弾ませつつ、抱えていた足を片方ずつゆっくりと下ろした。
「はっ、はっ、んっ……んんっ」
律動が止まっても尚、奈津の体はくねるように揺らめいた。漆黒の瞳は涙に揺れ、赤い唇は苦しそうに薄く開く。
「んっんっ」
次の行為を強請るように鼻を鳴らしながら、無意識に体がくねる。奈津を見下ろす成瀬の目が、細くなった。
快楽に我を忘れてのめり込むことなど、奈津はこれまでなかった。
こんなセックスは知らない。
もっと、蹂躙されたいと思う。もっと貫いて欲しい。突き上げて欲しい。もっと──
「っ、」
無意識に、後孔の奥を締め付けるように力が入る。成瀬は眉間にくっと皺を寄せ、まだ動かずに自分を見下ろしている。
ああっ。
何をそんなに見ているのか。いいから、早くっ。
早く、早くっ。いいから、早く──
奈津の理性が、どろりと溶けた。
「──うごい、てっ」
「っ、」
刹那、成瀬は奈津に覆い被さり、噛み付くように唇を奪った。
「んんんっ! んっ、んっ」
深い口づけを交わしながら、再び激しく腰を送り込む。奈津はすぐに息苦しくなり、唇を離して酸素を取り込んだ。
2人の間に擦られて、奈津自身にも新たな刺激が加わると、もう耐えられなかった。
「ああぁっ! あっあっ、やっ、もっ……いっ……くっ」
「ああ……俺もっ、限界だ」
苦しげに呟くと、奈津の頭を抱えるように抱き込む。抽挿が、より一層激しくなった。
「ああぁっ! あっ、いくっ……やっ、あぁっ!」
成瀬の背中に爪を立てて縋りつき、自ら足を上げてその腰に絡めた。猛る雄が、何度も最奥を突く。何度目かの突き上げで、奈津は目の前が弾けた。
「ああぁっ! ああっ、ゔっ……くっ……」
体をびくびくと震わせて、奈津はかつてないような絶頂を迎えた。凄まじい快感が、瞬時に体を駆け抜ける。
2人の間に白濁が飛び散った。
そして続け様に本能のような突き上げが数回あったあと、低く唸るような声が響き、成瀬もまた欲望を爆ぜさせた。体の中に、どくりと脈打つ精が放たれる。
ずしりと、体重がのし掛かった。
成瀬は肩で荒く息をしながら、ごそごそと奈津の頭に鼻先を擦りつける。
「……奈津……好きだ……」
奈津は、重だるい手で成瀬の頭をくしゃりと撫でた。
「──僕も……好きですよ……成瀬さん」
「奈津……奈津……」
がくがくと揺さぶられ、掠れるような声で名を呼ばれながら、ただただ翻弄される。奈津のなめらかな肢体は桜色に染まり、白い喉元は嬌声が漏れるたびにひくひくと揺らめいた。
「……っ、」
ひとしきり揺さぶると、成瀬は息を弾ませつつ、抱えていた足を片方ずつゆっくりと下ろした。
「はっ、はっ、んっ……んんっ」
律動が止まっても尚、奈津の体はくねるように揺らめいた。漆黒の瞳は涙に揺れ、赤い唇は苦しそうに薄く開く。
「んっんっ」
次の行為を強請るように鼻を鳴らしながら、無意識に体がくねる。奈津を見下ろす成瀬の目が、細くなった。
快楽に我を忘れてのめり込むことなど、奈津はこれまでなかった。
こんなセックスは知らない。
もっと、蹂躙されたいと思う。もっと貫いて欲しい。突き上げて欲しい。もっと──
「っ、」
無意識に、後孔の奥を締め付けるように力が入る。成瀬は眉間にくっと皺を寄せ、まだ動かずに自分を見下ろしている。
ああっ。
何をそんなに見ているのか。いいから、早くっ。
早く、早くっ。いいから、早く──
奈津の理性が、どろりと溶けた。
「──うごい、てっ」
「っ、」
刹那、成瀬は奈津に覆い被さり、噛み付くように唇を奪った。
「んんんっ! んっ、んっ」
深い口づけを交わしながら、再び激しく腰を送り込む。奈津はすぐに息苦しくなり、唇を離して酸素を取り込んだ。
2人の間に擦られて、奈津自身にも新たな刺激が加わると、もう耐えられなかった。
「ああぁっ! あっあっ、やっ、もっ……いっ……くっ」
「ああ……俺もっ、限界だ」
苦しげに呟くと、奈津の頭を抱えるように抱き込む。抽挿が、より一層激しくなった。
「ああぁっ! あっ、いくっ……やっ、あぁっ!」
成瀬の背中に爪を立てて縋りつき、自ら足を上げてその腰に絡めた。猛る雄が、何度も最奥を突く。何度目かの突き上げで、奈津は目の前が弾けた。
「ああぁっ! ああっ、ゔっ……くっ……」
体をびくびくと震わせて、奈津はかつてないような絶頂を迎えた。凄まじい快感が、瞬時に体を駆け抜ける。
2人の間に白濁が飛び散った。
そして続け様に本能のような突き上げが数回あったあと、低く唸るような声が響き、成瀬もまた欲望を爆ぜさせた。体の中に、どくりと脈打つ精が放たれる。
ずしりと、体重がのし掛かった。
成瀬は肩で荒く息をしながら、ごそごそと奈津の頭に鼻先を擦りつける。
「……奈津……好きだ……」
奈津は、重だるい手で成瀬の頭をくしゃりと撫でた。
「──僕も……好きですよ……成瀬さん」
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