ブライダル・ラプソディー

葉月凛

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 成瀬は、奈津の体を抱きしめたまま、ぐいと小さく揺さぶった。
 途端に、遠のいていた痛みが戻ってくる。思わず、背中に回した奈津の手が爪を立てたが、その動きはもう止まらなかった。

「あっ、あぁっ……うっ……ぅあっ」

 がくがくと小刻みに送り込まれる振動に、繋がっている箇所から熱を伴った痛みがぶり返す。奈津の足は、宙を蹴った。

「はっ……あっ……んん……んっ……」

 やがて痛みの中に、違う感覚が混じってくる。先程、成瀬の指に執拗に与えられていた快感が、じわりと沸き起こる。それは意識する程にじわじわと広がって、やがて痛みとすり替わっていった。

「あっぁ……んっ……ぁん……」

 奈津の紡ぐ声に痛みの色が薄くなるのを待っていたように、成瀬は体を起こした。背中に回っていた手が、力なくぱたりとシーツに落ちる。

 成瀬は奈津の両足を抱え直すと、より深い抽挿を送り込んだ。驚いた奈津の体が、びくりとしなる。

「うあっ! はっ、あっ、まっ……てっ」
「──待てない」

 体重を掛け、奈津の敏感なところにぐい、と擦り付けるようにして、律動が送り込まれる。指で与えられていた時より衝撃を伴った快感が、ずん、と響いた。

 立て続けに送り込まれる腰の動きは、徐々に速さを増してゆく。奈津の体に、成瀬の汗がパラパラと散った。

「ああっ……あっ、やっ、やぁっ」

 容赦なく続けられるその行為に、ずくりとした快感が背筋を這い上がり始める。それは大きなうねりとなり、奈津の意識をさらっていった。

「あぁっ、あっ、ぁっ、……んっ、んっ」

 奈津の体がびくびくと波打つ。
 乾いた喉からは、律動に合わせてひっきりなしに嬌声が漏れる。奈津は必死に声を抑えようと、両手で口を押さえた。

「顔を見せろ。声を出せ」
「んあぁっ……やっ、あっ、あっ、あぁっ」

 成瀬に手を外され、奥を突かれる衝撃に声が漏れた。腰を送り込まれるたびに、甘く痺れた塊のような快感が生まれる。それは一気に体を駆け登り、両方の指の先からぶわっと抜けていく。何度も何度も繰り返されると、気がおかしくなりそうだった。

「あっ、あっ、……気持ち、い、いいっ、い、あっ」
「っ、」

 奈津の欲望は芯を持って勃ち上がり、先端からはとろとろと蜜を流し続けている。跳ねる体を仰け反らせ、突き上げられる快感に、ただただ身を委ねていた。

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