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奈津の欲望は既に張り詰め、下着を持ち上げて存在を主張していた。成瀬の指先は、変化したその部分を下着の上からするりとひと撫でし、そのまま太ももに降りていった。
「は、んん……」
たったそれだけの刺激に、腰が震える。
成瀬は太ももの内側に手を差し入れると、際どいところを掠めるように、するりと撫でた。無意識のうちに、足が開いてゆく。その間に、ぐいと体が押し入り、更に足が開いてしまう。
太ももを、熱く乾いた手がするすると這った。
「ん……」
足を掬い上げられ、膝を立たせて折り曲げられる。その膝頭に唇を当て、ちろりと舌を這わせてくる。
「ん、ん……っ、」
くすぐったいような舌の感触に、奈津の体はぴくぴくと揺れた。
膝の丸みに舌を這わせながら、その手は再度太ももの際どいところを何度も掠め、ふくらはぎから足の先へとなめらかに滑ってゆく。肝心なところには触れないその手の何とも言えないはがゆさに、奈津の体は焦らされていった。
(っ、触って、ほし……)
もぞもぞと腰が揺れて、もどかしさだけが募ってゆく。一番触って欲しいところを触ってもらえないまま、体中が敏感になってゆく感覚に、目にはじわじわと涙が浮かんだ。
「あぁ……うぅ、んっ」
その吐息に涙が混じっていることに気付いた成瀬が、顔を上げる。体を起こして近づくと、奈津の顔を覗き込んだ。
「奈津……泣くな」
そう言うと、奈津の目尻に唇を寄せる。
「ん……んっ、ふ」
頬に触れる唇にすら、感じてしまう。
甘い吐息を吸い取るように唇を塞がれると、奈津はたまらず成瀬の頭に手を伸ばし、爪を立てるようにして髪を乱した。
「んっ、んっ」
自ら差し出した舌をきつく吸い上げられ、その痛みすら気持ちいい。深い口づけに意識がさらわれそうになったその時、成瀬の右手が奈津の下着の中に、するりと入った。
「んあっ! んんぅっ」
反射的に仰け反ったはずみで、唇が離れる。
張り詰めすぎた奈津の欲望は、待ち侘びた刺激で今にも達してしまいそうだった。成瀬の手の中で、びくびくと限界を訴えている。
「1回、出しとけ」
「あ、あ、いやっ、いやっ、やめ……」
下着の中でゆるゆると動き出した手に、思わず腰がくねる。成瀬は体をずらし、奈津の下着を一気に引き下げると、さっと足から抜き去った。
先走りの蜜に濡れそぼった自身が、外気にひやりと晒される。自分でも驚く程濡れていることを思い知り、かっと羞恥に駆られる。身を捩る暇もなく絡みつく長い指に、奈津は瞬時に息を詰めた。
「はぁっ、んんっ! ……あ……っ」
ぬるぬるとした先端に軽く爪を立てられ、電流のようなものが走る。
奈津は限界だった。
「あ、あ……なる、せさ……も、もっ」
「イっていいぞ。ほら、声出していいから」
「っ! やっ……っ……あっ……」
奈津は唇を噛んで声を抑えようとするが、叶わない。
絡めた指は、動きを早めて巧みに擦り上げ、追い詰める。成瀬が奈津の下半身に顔を寄せる。そして、その先端をぺろりと舐めた、その瞬間──
「ゔぅぅっ! んんぅっ! くっ……」
体を弓なりに反らして、奈津は急激に達してしまった。爆ぜた欲望はどくんと大きく脈打ち、白濁した体液は胸元まで飛び散った。
「はっ、はっ、あっ……は……」
どくん、どくんと遠ざかる余韻に、ぐったりと力が抜け落ちてゆく。
体中に愛撫を施され神経が過敏になっていたからなのか、こんなに気持ちのいい射精は初めてだと、奈津は思った。
全身が、蕩けるように甘だるい。
「は、んん……」
たったそれだけの刺激に、腰が震える。
成瀬は太ももの内側に手を差し入れると、際どいところを掠めるように、するりと撫でた。無意識のうちに、足が開いてゆく。その間に、ぐいと体が押し入り、更に足が開いてしまう。
太ももを、熱く乾いた手がするすると這った。
「ん……」
足を掬い上げられ、膝を立たせて折り曲げられる。その膝頭に唇を当て、ちろりと舌を這わせてくる。
「ん、ん……っ、」
くすぐったいような舌の感触に、奈津の体はぴくぴくと揺れた。
膝の丸みに舌を這わせながら、その手は再度太ももの際どいところを何度も掠め、ふくらはぎから足の先へとなめらかに滑ってゆく。肝心なところには触れないその手の何とも言えないはがゆさに、奈津の体は焦らされていった。
(っ、触って、ほし……)
もぞもぞと腰が揺れて、もどかしさだけが募ってゆく。一番触って欲しいところを触ってもらえないまま、体中が敏感になってゆく感覚に、目にはじわじわと涙が浮かんだ。
「あぁ……うぅ、んっ」
その吐息に涙が混じっていることに気付いた成瀬が、顔を上げる。体を起こして近づくと、奈津の顔を覗き込んだ。
「奈津……泣くな」
そう言うと、奈津の目尻に唇を寄せる。
「ん……んっ、ふ」
頬に触れる唇にすら、感じてしまう。
甘い吐息を吸い取るように唇を塞がれると、奈津はたまらず成瀬の頭に手を伸ばし、爪を立てるようにして髪を乱した。
「んっ、んっ」
自ら差し出した舌をきつく吸い上げられ、その痛みすら気持ちいい。深い口づけに意識がさらわれそうになったその時、成瀬の右手が奈津の下着の中に、するりと入った。
「んあっ! んんぅっ」
反射的に仰け反ったはずみで、唇が離れる。
張り詰めすぎた奈津の欲望は、待ち侘びた刺激で今にも達してしまいそうだった。成瀬の手の中で、びくびくと限界を訴えている。
「1回、出しとけ」
「あ、あ、いやっ、いやっ、やめ……」
下着の中でゆるゆると動き出した手に、思わず腰がくねる。成瀬は体をずらし、奈津の下着を一気に引き下げると、さっと足から抜き去った。
先走りの蜜に濡れそぼった自身が、外気にひやりと晒される。自分でも驚く程濡れていることを思い知り、かっと羞恥に駆られる。身を捩る暇もなく絡みつく長い指に、奈津は瞬時に息を詰めた。
「はぁっ、んんっ! ……あ……っ」
ぬるぬるとした先端に軽く爪を立てられ、電流のようなものが走る。
奈津は限界だった。
「あ、あ……なる、せさ……も、もっ」
「イっていいぞ。ほら、声出していいから」
「っ! やっ……っ……あっ……」
奈津は唇を噛んで声を抑えようとするが、叶わない。
絡めた指は、動きを早めて巧みに擦り上げ、追い詰める。成瀬が奈津の下半身に顔を寄せる。そして、その先端をぺろりと舐めた、その瞬間──
「ゔぅぅっ! んんぅっ! くっ……」
体を弓なりに反らして、奈津は急激に達してしまった。爆ぜた欲望はどくんと大きく脈打ち、白濁した体液は胸元まで飛び散った。
「はっ、はっ、あっ……は……」
どくん、どくんと遠ざかる余韻に、ぐったりと力が抜け落ちてゆく。
体中に愛撫を施され神経が過敏になっていたからなのか、こんなに気持ちのいい射精は初めてだと、奈津は思った。
全身が、蕩けるように甘だるい。
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