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「うあっ!」
強烈な刺激が背筋を駆け上がり、奈津の腰が跳ねる。
「んあっ、あぁっ」
跳ねる腰を押さえつけて、一旦成瀬の動きが止まった。奈津の息が少し落ち着くのを待つように、口の中で少し弾けてしまったものをゆっくり飲み下している。
(うそ、うそだ……)
昂りはまだ張り詰めた状態で、どくどくと脈を打っていた。
「あ……それは、いや、です……やめ」
奈津は、ここにきてあらん限りの理性をかき集め、懇願する。涙目になりながら何とか成瀬の頭を引き剥がそうとするが、手に力が入らない。
奈津自身を包んでいる舌と唇が、やわやわと動き出した。
「ああぁっ、あ、あ、いやっ、いや、だ……」
奈津はこれまで、口淫をされたことがなかった。大学生の時に唯一付き合っていた彼女にも、触られたことはあっても、口でしてもらうなんてことはなかったのだ。
絡みつく舌は、これまで感じたことのない鋭い快感をもたらした。生まれて初めての強すぎる刺激に、奈津の頭は沸き立った。
「あ、あ、やめ……やっ、あっ」
あっという間に高みに追い詰められ、奈津は苦しそうに喘いだ。
「もっ……離して、出るっ……」
「いいよ、出せ」
口をつけたまま、成瀬が答える。声が響いて、そこに新たな刺激が生まれる。
「いやっ、いやだっ……いやっ」
涙が頬を伝った。
成瀬は更に腰を引き寄せ、口に含んだ奈津のそれを前後に喰み扱き、その下の膨らみをなぞり上げた。
「あっ、んっ、んうぅっ! っ!」
そして一気に奥まで飲み込まれた瞬間、とうとう奈津のものは爆ぜた。
「ゔぅっ! ……っ!」
息を詰めた奈津は、堪えていたものを成瀬の喉奥に勢いよく叩きつける。
「んっ、んっ……はっ、はぁっ」
どくんどくんと、奈津の欲望はやたらと長く脈を打った。
「はっ、はっ……はっ」
そしてようやく静まってくると、成瀬は少し顔を引き、口の中のものをごくりと飲み下した。それからもう一度、全てを口に含む。ぬるりと舌が絡みつき、最後の一滴まで搾り取るように吸い上げられると、奈津の腰がひくりとわなないた。
「は……は……」
力を失った奈津のそれから成瀬はゆっくりと唇を離し、手の中に愛おしそうに包み込む。先端にそっと唇を押し当てると、奈津の腰が、ひくりと揺れた。唇が触れ、ひくりと揺れる。……二度、三度。
「………」
奈津は、もう何も考えられなかった。
ただ、繰り返されるその行為に、ひくひくとした甘い波がこれまでにないくらい、時間を掛けてゆっくりと遠のいてゆくのを感じた。
「………」
やがて、成瀬のきれいな手が、衣服を1つずつ丁寧に直していった。下着を戻し、シャツをスラックスの中に差し込み、ウエストを持ち上げてファスナーを上げる。ボタンを留めて、カチャとベルトが締められる。
その間、奈津は動かなかった。一連の動作を、ただぼんやりと見下ろしていた。
──成瀬の左手の薬指には、シルバーのリングが、キラリと光っていた。
強烈な刺激が背筋を駆け上がり、奈津の腰が跳ねる。
「んあっ、あぁっ」
跳ねる腰を押さえつけて、一旦成瀬の動きが止まった。奈津の息が少し落ち着くのを待つように、口の中で少し弾けてしまったものをゆっくり飲み下している。
(うそ、うそだ……)
昂りはまだ張り詰めた状態で、どくどくと脈を打っていた。
「あ……それは、いや、です……やめ」
奈津は、ここにきてあらん限りの理性をかき集め、懇願する。涙目になりながら何とか成瀬の頭を引き剥がそうとするが、手に力が入らない。
奈津自身を包んでいる舌と唇が、やわやわと動き出した。
「ああぁっ、あ、あ、いやっ、いや、だ……」
奈津はこれまで、口淫をされたことがなかった。大学生の時に唯一付き合っていた彼女にも、触られたことはあっても、口でしてもらうなんてことはなかったのだ。
絡みつく舌は、これまで感じたことのない鋭い快感をもたらした。生まれて初めての強すぎる刺激に、奈津の頭は沸き立った。
「あ、あ、やめ……やっ、あっ」
あっという間に高みに追い詰められ、奈津は苦しそうに喘いだ。
「もっ……離して、出るっ……」
「いいよ、出せ」
口をつけたまま、成瀬が答える。声が響いて、そこに新たな刺激が生まれる。
「いやっ、いやだっ……いやっ」
涙が頬を伝った。
成瀬は更に腰を引き寄せ、口に含んだ奈津のそれを前後に喰み扱き、その下の膨らみをなぞり上げた。
「あっ、んっ、んうぅっ! っ!」
そして一気に奥まで飲み込まれた瞬間、とうとう奈津のものは爆ぜた。
「ゔぅっ! ……っ!」
息を詰めた奈津は、堪えていたものを成瀬の喉奥に勢いよく叩きつける。
「んっ、んっ……はっ、はぁっ」
どくんどくんと、奈津の欲望はやたらと長く脈を打った。
「はっ、はっ……はっ」
そしてようやく静まってくると、成瀬は少し顔を引き、口の中のものをごくりと飲み下した。それからもう一度、全てを口に含む。ぬるりと舌が絡みつき、最後の一滴まで搾り取るように吸い上げられると、奈津の腰がひくりとわなないた。
「は……は……」
力を失った奈津のそれから成瀬はゆっくりと唇を離し、手の中に愛おしそうに包み込む。先端にそっと唇を押し当てると、奈津の腰が、ひくりと揺れた。唇が触れ、ひくりと揺れる。……二度、三度。
「………」
奈津は、もう何も考えられなかった。
ただ、繰り返されるその行為に、ひくひくとした甘い波がこれまでにないくらい、時間を掛けてゆっくりと遠のいてゆくのを感じた。
「………」
やがて、成瀬のきれいな手が、衣服を1つずつ丁寧に直していった。下着を戻し、シャツをスラックスの中に差し込み、ウエストを持ち上げてファスナーを上げる。ボタンを留めて、カチャとベルトが締められる。
その間、奈津は動かなかった。一連の動作を、ただぼんやりと見下ろしていた。
──成瀬の左手の薬指には、シルバーのリングが、キラリと光っていた。
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