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「喧嘩売ったらあかんわぁー。その度胸は買うたるけど」
楓は茶色い髪をさらりと掻き上げ、口元を歪めて夏樹を見下ろした。
いつ、自分は喧嘩を売ったのだろう?
きれいな顔で笑いながら怒りを滲ませる楓が、恐ろしい。楓の親指は夏樹の下唇を撫でて、喉元に移動し、体の真ん中をつーっと降りていった。
「夏樹クンみたいなん、何て言うか知ってる?」
「………」
楓の顔がゆっくり近付き、夏樹の耳元に唇を寄せる。
「──世間知らずの、あほ」
「あっ!」
ズボンの上から、いきなりぎゅっと急所を掴まれた。
「しゃあないから、お兄ちゃんがちょおっと現実? 教えたるわ」
「あっ、やめっ……放してっ」
片手で肩を押さえつけながら器用に夏樹のベルトを外し、中に手を突っ込んでくる。思いがけない暴挙に、体がびくりと揺れた。
「ちょっと!」
「しー」
楓が目を眇め、低い声を出す。
「ちょお静かにしいやぁ。ここ、潰れてもええのん?」
「っ、」
下着の上からぎゅっと握られ、ひゅっと息を呑む。楓の指の爪が微かに食い込み、夏樹は固まった。
「そうそ、ええ子ええ子」
夏樹が息を詰めていると、ふっと力の抜けた楓の指が、夏樹の中心に絡み付くように蠢いた。ゆるゆると触られて腰が逃げそうになると、再びぎゅっと力を込められる。
「……やめてください。謝り、ますから」
何をされるか分からない恐怖で、涙が浮かぶ。何が楓をこんなに怒らせたのかも分からないまま、夏樹は懇願した。
「謝るって、何を? ……あれ、反応ないやん。夏樹クンて、不感症ぉ? そんなんでゆりちゃんの相手なんかできへんでぇ」
「え……何、が」
楓が口端を上げて、くすくすと笑う。
「ええこと教えたろか。あんなぁ」
楓の目が、にぃっと細められた。
「ゆりちゃんの初めてもろたん、俺やで」
「っ、」
夏樹が目を見開くのと同時に、部屋のドアが開かれた。
楓は茶色い髪をさらりと掻き上げ、口元を歪めて夏樹を見下ろした。
いつ、自分は喧嘩を売ったのだろう?
きれいな顔で笑いながら怒りを滲ませる楓が、恐ろしい。楓の親指は夏樹の下唇を撫でて、喉元に移動し、体の真ん中をつーっと降りていった。
「夏樹クンみたいなん、何て言うか知ってる?」
「………」
楓の顔がゆっくり近付き、夏樹の耳元に唇を寄せる。
「──世間知らずの、あほ」
「あっ!」
ズボンの上から、いきなりぎゅっと急所を掴まれた。
「しゃあないから、お兄ちゃんがちょおっと現実? 教えたるわ」
「あっ、やめっ……放してっ」
片手で肩を押さえつけながら器用に夏樹のベルトを外し、中に手を突っ込んでくる。思いがけない暴挙に、体がびくりと揺れた。
「ちょっと!」
「しー」
楓が目を眇め、低い声を出す。
「ちょお静かにしいやぁ。ここ、潰れてもええのん?」
「っ、」
下着の上からぎゅっと握られ、ひゅっと息を呑む。楓の指の爪が微かに食い込み、夏樹は固まった。
「そうそ、ええ子ええ子」
夏樹が息を詰めていると、ふっと力の抜けた楓の指が、夏樹の中心に絡み付くように蠢いた。ゆるゆると触られて腰が逃げそうになると、再びぎゅっと力を込められる。
「……やめてください。謝り、ますから」
何をされるか分からない恐怖で、涙が浮かぶ。何が楓をこんなに怒らせたのかも分からないまま、夏樹は懇願した。
「謝るって、何を? ……あれ、反応ないやん。夏樹クンて、不感症ぉ? そんなんでゆりちゃんの相手なんかできへんでぇ」
「え……何、が」
楓が口端を上げて、くすくすと笑う。
「ええこと教えたろか。あんなぁ」
楓の目が、にぃっと細められた。
「ゆりちゃんの初めてもろたん、俺やで」
「っ、」
夏樹が目を見開くのと同時に、部屋のドアが開かれた。
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