マレビトレインメーカーズ

Rui
・登場人物の心理状態に重点を置いているために、ファンタジーの要素はありますが刺身のツマ、もしくは食用菊ほどしか出てきませんのでご注意下さい

何のために生まれたのか探しながら、
雨を降らせて地を固める--
本気で悩み、真剣に恋して、時にゆるく。
とあるトランスジェンダーのひと夏の不思議な出来事と、人生を大きく変えることとなる男の娘メイドカフェでのお仕事。

性別違和に悩む、身体は男子だが認識は女子の琉偉。
家族とカウンセラー以外にはそのことを隠して女子力高めの男子サッカー部員として高校生活を送っている。
脳の仕組みや感性の違いから男子特有のノリにも上手く合わせられず、幼馴染の莉仁への片想いもひっそり募らせるという一見楽しくも悩み多き日々。
そんな琉偉が、ある日突然何故か雨を降らせる能力を手に入れる。

兄の日本語マニアの黎、これまた何故か雷を操る能力を手に入れた兄のサークル仲間の頼可に「なんだかよくわからないけど、とりあえずいいことに使おう」と諭され、三人はその力を使いご町内や学校のトラブルを解決していく。

その頃、琉偉がSNSや動画配信でずっと気になっていた男の娘メイドカフェで新しいメイドとスタッフの募集が始まり、琉偉と莉仁と高校から仲良くなった灯夜の三人が合格し働き始める。
国民的子役として活躍していたが訳あってテレビに出るのをやめて現在はジェンダーレスモデル兼男の娘メイドカフェの社長をしているうららをはじめとする個性豊かでLGBTQA+の当事者でもある男の娘メイドたちを通して様々な価値観や特有の悩みに触れ絆を深めると同時に、琉偉の中にもある変化が。

世間から押しつけられがちな「普通」「当たり前」に当てはまらなくて苦い思いをすることもあるけれど、自分らしく生きることを選び輝きを増していき、それぞれの居場所や人生のパートナーを見つけるマレビトたち。

それはまるで、
雨を降らせて地を固めるかのように……。
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