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一次選考を通過し、控室に入った令嬢が十人になると、係員がやって来た。
「では、この十名で王城へと移動いたします。今夜は王城へ泊まっていただき、明日二次選考となります」
そう言われ、十人で固まって係員に付いて歩き、王城の来賓棟へと移動する。
「二次選考へ進まれる方は百名余りおられますので一名一室と言う訳には参りません。五名で一室をご利用頂きます。一室に侍女を一名づつ付けますので、ご入用の物はお申し付けください」
来賓棟の入口で説明を受け、五人づつに分かれて部屋に入る。
シャーロットとマリアは隣にいたので同じ部屋になる事ができた。
部屋に入ると、そこは元々ツインの部屋だったらしく、エキストラベッドが三台、応接室の様な部屋に並べてあった。応接室と繋がっている寝室には通常のベッドが二台あるのだろう。
部屋で待っていた侍女が入って来た五人に恭しく礼をする。
「明日の昼餐会が二次選考となります。昼餐会用のドレスもご用意できますのでお申し付けください。お化粧や髪を結うのもお手伝い致しますのでご心配になられませんよう。他にもご入用の物がおありでしたら何なりとお申し付けくださいね」
侍女はニッコリ笑って言った。
夕食と明日の朝食はこの部屋で摂るので、今日はもう着替えて自由にして良い。昼餐会用のドレスなど、入用の物は少し後でまた聞きに来る、と言って侍女は部屋から出て行った。
学園四年生の伯爵令嬢と三年生の子爵令嬢の二人が寝室を、学園未入学十四歳の男爵令嬢とシャーロットとマリアが応接室を使う事になり、それぞれ荷物を置いて普段着に着替える。
「ロッテ、ドレスある?」
「ないわ。マリアは?」
「今日帰るつもりだったから…一応招待状に一泊できるようにって書かれてたから、部屋着とか下着とかは持って来たけど」
「同じく」
「昼餐会用のドレス、お願いしなくちゃね」
「…うん。でも私に合うドレスなんて用意できるのかしら?」
横はあるだろうけど、縦が。つんつるてんになりそう。
「侍女さんからルーカス様に『家からドレス持って来て』って伝言してもらう?」
「うーん、でもあんまりお兄様と接触しない方が良いんじゃないかと思うのよね」
シャーロットは不正防止などで関係者と参加者は接触できないのではないかとの考えをマリアに話す。
「あー確かに。ルーカス様が妹に一次通過の紙を渡したんじゃないかとか、二次、三次選考を通過するにはどうすれば良いか指南したとか思われるものね」
「お兄様なら絶対に私を通過させないけど、知らない人にはそんな事はわからないもの」
「そうね」
マリアと話しているシャーロットに、十四歳の男爵令嬢が「あの…」と声を掛けて来た。
あ、マリアとばかり話して、あの子に疎外感を感じさせたのかも。
「お姉様たちは、お友達なのですか?」
ふんわりとした雰囲気の男爵令嬢は、十四歳らしい無邪気な様子でニコニコと話し掛けて来る。
うわあ、かわいい!
ふわふわのピンクかがった金髪に緑の瞳。大きな眼、まつ毛長い。艶々でプルンとした赤い唇。
ん?これは…
「あ!!」
「ロッテ?」
マリアと男爵令嬢が大きな声を出したシャーロットを驚いた顔で見る。
「ごめんなさい。何でもないわ。そう、私とマリアは幼なじみなのよ」
「そうなの。私はマリア・マードック。学園の二年生で、この間十六歳になったばかりよ」
「私はマリアと同じ二年生のシャーロット・ウェイン。ロッテと呼んでね」
「マリア様とロッテ様」
「様はいらないわ」
シャーロットがそう言うと、マリアも「そうね」と頷く。
「マリアさんとロッテさん…?」
少し上目遣いでおずおずと言う。
かわいいなあ。
シャーロットとマリアはうんうんと頷いた。
「私、クラリス・ケーリーです。来年学園へ入ります」
クラリス!
名作カリ城!名前もピッタリ!
ピンクゴールドの髪にエメラルドの瞳、小さくて華奢で守ってあげたくなる様な超美少女!
これは、この子が「ヒロイン」なんじゃない!?
一次選考を通過し、控室に入った令嬢が十人になると、係員がやって来た。
「では、この十名で王城へと移動いたします。今夜は王城へ泊まっていただき、明日二次選考となります」
そう言われ、十人で固まって係員に付いて歩き、王城の来賓棟へと移動する。
「二次選考へ進まれる方は百名余りおられますので一名一室と言う訳には参りません。五名で一室をご利用頂きます。一室に侍女を一名づつ付けますので、ご入用の物はお申し付けください」
来賓棟の入口で説明を受け、五人づつに分かれて部屋に入る。
シャーロットとマリアは隣にいたので同じ部屋になる事ができた。
部屋に入ると、そこは元々ツインの部屋だったらしく、エキストラベッドが三台、応接室の様な部屋に並べてあった。応接室と繋がっている寝室には通常のベッドが二台あるのだろう。
部屋で待っていた侍女が入って来た五人に恭しく礼をする。
「明日の昼餐会が二次選考となります。昼餐会用のドレスもご用意できますのでお申し付けください。お化粧や髪を結うのもお手伝い致しますのでご心配になられませんよう。他にもご入用の物がおありでしたら何なりとお申し付けくださいね」
侍女はニッコリ笑って言った。
夕食と明日の朝食はこの部屋で摂るので、今日はもう着替えて自由にして良い。昼餐会用のドレスなど、入用の物は少し後でまた聞きに来る、と言って侍女は部屋から出て行った。
学園四年生の伯爵令嬢と三年生の子爵令嬢の二人が寝室を、学園未入学十四歳の男爵令嬢とシャーロットとマリアが応接室を使う事になり、それぞれ荷物を置いて普段着に着替える。
「ロッテ、ドレスある?」
「ないわ。マリアは?」
「今日帰るつもりだったから…一応招待状に一泊できるようにって書かれてたから、部屋着とか下着とかは持って来たけど」
「同じく」
「昼餐会用のドレス、お願いしなくちゃね」
「…うん。でも私に合うドレスなんて用意できるのかしら?」
横はあるだろうけど、縦が。つんつるてんになりそう。
「侍女さんからルーカス様に『家からドレス持って来て』って伝言してもらう?」
「うーん、でもあんまりお兄様と接触しない方が良いんじゃないかと思うのよね」
シャーロットは不正防止などで関係者と参加者は接触できないのではないかとの考えをマリアに話す。
「あー確かに。ルーカス様が妹に一次通過の紙を渡したんじゃないかとか、二次、三次選考を通過するにはどうすれば良いか指南したとか思われるものね」
「お兄様なら絶対に私を通過させないけど、知らない人にはそんな事はわからないもの」
「そうね」
マリアと話しているシャーロットに、十四歳の男爵令嬢が「あの…」と声を掛けて来た。
あ、マリアとばかり話して、あの子に疎外感を感じさせたのかも。
「お姉様たちは、お友達なのですか?」
ふんわりとした雰囲気の男爵令嬢は、十四歳らしい無邪気な様子でニコニコと話し掛けて来る。
うわあ、かわいい!
ふわふわのピンクかがった金髪に緑の瞳。大きな眼、まつ毛長い。艶々でプルンとした赤い唇。
ん?これは…
「あ!!」
「ロッテ?」
マリアと男爵令嬢が大きな声を出したシャーロットを驚いた顔で見る。
「ごめんなさい。何でもないわ。そう、私とマリアは幼なじみなのよ」
「そうなの。私はマリア・マードック。学園の二年生で、この間十六歳になったばかりよ」
「私はマリアと同じ二年生のシャーロット・ウェイン。ロッテと呼んでね」
「マリア様とロッテ様」
「様はいらないわ」
シャーロットがそう言うと、マリアも「そうね」と頷く。
「マリアさんとロッテさん…?」
少し上目遣いでおずおずと言う。
かわいいなあ。
シャーロットとマリアはうんうんと頷いた。
「私、クラリス・ケーリーです。来年学園へ入ります」
クラリス!
名作カリ城!名前もピッタリ!
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