晴れの日は嫌い。

晴れた日のカメラのトラウマ。1

 文化祭一日目は、予報通り晴れてしまいました。
(……てるてる坊主を逆さにしても無駄でした)
 もう少し虐めておけば良かったのでしょうか。 
(私がされたような)
 そんなことを思ったら駄目です。思い出してしまったら気持ち悪くなりましたが、休むほどの具合が悪いのではありませんし……登校しないで文化祭を済ませたくありませんでした。
 それは私のなけなしのプライドです。 
「叶さま、いってらっしゃいませ」 
「いってきます」
 自宅から出ようと家政婦や家政夫が見送る中で、家政夫長が私を呼び止めました。 
「叶さま、明日文化祭にいらっしゃるご予定の旦那さまが都合が悪くなったと、今連絡がありました」
「そうですか」
 最初から期待してないですし、クラスの催しもあまり納得出来ない内容でしたが、お父さんと少しだけでも話をしたかったです。お祖父ちゃん、お父さんのこの二人だけが私の家族ですから。
 明日の天気予報は雨だったのて、会えるときに会いたかった気持ちが私の心の何処かにあったようです。
 少しでも雨の日に会いたいです……。
 ですが、次の言葉に私は凍りつきました。 
「予定をご変更になられてたと連絡がありまして、今日のお昼頃にお見えになるそうです。」
 (……え？)
 その言葉で更に私は学校に行きたくなくなってしまいました。