22 / 27
ロード:真のクリア条件の提示
真のクリア条件
しおりを挟む
ヒカルはボクに説明し始めた。
「元の場所に戻ったら俺をマギア・アカデミーに出現させろ。俺のマギアの力を貴様に与える」
「どうやって受け取ればいいんだ」
「学園にあるマギア保管用クリスタルを使え」
以前、マギアの力をクリスタルに込める授業で使ったものだな。
「俺のマギアはミヤの力を中和できる。まずは既に世界に浸食している闇のマギアを取り除くのだ」
「浸食されている場所はどこだ」
「王侍《おうじ》ミナセ、咲衣《さくい》ダイチ、狩人《かると》ホムラの体内だ。ミヤはシナリオを書き替えるために、奴らを完全に支配するつもりだ」
ゲームのメインキャラクターを支配できればシナリオを好きに動かすことができるからな。
ミナセやホムラの瞳が金色の光っていたのは、ミヤに支配されていたからかもしれない。
「奴らを浸食する闇のマギアを払ってくれ」
ボクはトゥルーエンド到達条件を思い出した。
『すべての攻略対象のヤミを払うこと』というのはこういうことか……?
「その後、俺の体を祈りの間に持って行き、奴ら全員と貴様で祈りの儀式をしろ。すると俺の体は永き眠りから目覚める。貴様は知っているだろうが、この世界では本来できないことだ」
ヒカルの言う通りだ。
祈りの間で儀式をする『デウス』は一人だけで、原作では主人公とくっつく男がそれに選ばれる。
ヒカルとくっつく場合は奴の体の封印が解ける。
つまり男たちを全員同時に攻略した状態にしようというわけだ。
原作ゲームではもちろん堕とせるのは一人だけだ。
「あり得ない行動をした結果、この世界は混乱を来たす。するとデバックルームへの道が開かれる」
それがデバックルームに入るためのバグ技というわけか。
「中にミヤがいる。あいつの心を満足させるため伴侶になってやってくれ」
「……は?」
伴侶と言われたような気がしたが、何かと聞き間違えたのか?
「ミヤが求めているのは自分を愛してくれる相手だ。あいつが満足するまで貴様が愛してやれ」
「なに言ってるんだよ……」
ボクが陽彩ちゃん以外の女の子を好きになるわけないだろ……。
「貴様が愛さなければ、陽彩という女がミヤの花嫁にされるだけだ」
「そんなの駄目に決まってるだろ!」
陽彩ちゃんがボク以外の相手を選んだとしても、彼女が幸せになれるならそれでいい。
だけどミヤは……あの女は自分のことしか考えていない。
搾取してくる相手と一緒になって、彼女が幸せになれるわけがないんだ。
「君は幸せになるべきだ」
ボクはヒカルに聞こえない程小さな声で言った。
「……ミヤを愛せるようになるべく努力する」
「貴様はあの女を本当に愛しているのだな」
ヒカルは灰色の瞳を細めた。
「ミヤにもそんな相手がいればこんなことにはならなかったかもしれん」
「愛して欲しいって嘆いているだけじゃ、そんな相手はできないよ」
「ああ……そうだな」
そう呟くヒカルの声は、後悔がにじみ出ているように聞こえた。
「説明は以上だ。貴様の心の準備ができれば、元の場所に返す」
「このまま返す気か?」
ボクは今全裸だ。
しかもマモリの体でもない。
不審者になる上にあいつらから「誰だこいつ」って思われるだろ。
「安心しろ。姫野マモリの体に戻す」
「ならいい。今すぐ返してくれても構わないぞ」
「わかった」
ヒカルは両手をボクの体に翳した。
奴の手の輪郭が白く輝いた。
「また会おう、異世界からの来訪者よ」
ボクの体が白い光に包まれて行く。
眩しさに目を瞑った。
ハッとして目を覚ますと、マギア・アカデミーの寮の天井が見えた。
ベッドに横たわったまま体に触れてみる。
間違いない。これは姫野マモリの体だ。
体を起こすとくらりと眩暈がした。
「マモリ!」
扉の付近にいた陽彩ちゃんが、心配そうに駆け寄って来た。
彼女の顔を見ると安心して目が潤んだ。
「ずっと起きなかったから心配したんだよ! もう何ともないの?」
「ええ……ちょっと暑さにやられちゃっただけよ」
壁掛けされた時計を見ると十八時だった。
倒れてから五時間も経っていないようだ。
もう何年も謎空間を彷徨っていた気がするが……。
「王侍君達も凄く心配してて……王侍君はさっきまでそこで待ってたわ。もう遅いから帰って貰ったけど」
「……そう」
「何か食べられそう? 食堂から何か取って来るわ」
「いいえ。大丈夫よ」
陽彩ちゃんの姿(今はセカイだが)を見るだけで胸がいっぱいで何も食べられそうにないよ。
彼女のことは絶対に守らないと。
ボクは改めて胸に近い、次の日からまたヒカル出現のためにイベントを進めることにした。
次の日。
ボクは魔成獣小屋に向かった。
小屋から微かな話し声が聞こえた。
相変わらず獣臭い小屋の奥では、狩人ホムラがファイアーウルフの側に立っていた。
それまで愛しい者を眺める瞳でホムラを見つめていたファイアーウルフは、ボクに気づくなり警戒心を強めた。
「姫野……体はもういいのか?」
ホムラもボクに気がつき、問いかけた。
「ええ。もうすっかりと」
「そうか。王侍にも顔を見せてやれ。酷く心配していた」
「後で挨拶して来るわ」
ボクは一歩ずつホムラに近づいた。
「ねぇ、狩人君。メシア博物館ってとてもいいところね。勉強になったわ」
「そうか」
「『デウス』や『ディア』についてもっと知りたくなっちゃった。この学園にも二人に縁の場所があるんですってね。一緒に行ってみない?」
「オレとか」
「ええ」
「王侍や芽上《めがみ》を誘った方がいいんじゃないか?」
「狩人君と行ってみたいの」
ヒカルをマギア・アカデミーに出現させるためには、祈りの間の前にこいつと行くのは必須イベントだ。
「……お前は、オレのことを何か知っているのか?」
ホムラはわずかに警戒した。
こいつはヒカルの封印を解くために学園に潜り込んでいるのがバレることを恐れている。
この世界の人間にとっては裏切り行為なのだから当たり前だが。
「いいえ。何かあるの?」
「いや……」
「私はただ、狩人君と仲良くなりたいだけよ」
「そうか」
ホムラは少し考える素振りを見せた。
「……王侍を誘ってもいいか? お前がいるならあいつも喜ぶだろう」
「もちろんいいわよ」
原作ゲームではこのイベントでホムラがミナセを連れて来ることはない。
ミヤが何かしたのか?
ヒカルのマギアを使って三人の体を浸食している闇を払うのだから、まとまってくれている方が都合はいいが……。
祈りの間の前に行こうと決めた当日、待ち合わせ場所にはミナセどころかダイチまで現れた。
「学園探検とかおもしろそーなことになんでおれを誘ってくれねーんだよ!」
ミヤがシナリオを書き替えようとしている以上、もう何が起きてもおかしくはなかった。
「祈りの間って、学園の地下にあるんだよなー?」
相変わらずオレンジ色の猫耳パーカーとかいうあざとい格好のダイチは楽し気に尋ねた。
前を歩くホムラはダイチにちらりと一瞥をくれる。
「ああ」
「地下世界ってテンション上がるよなー。なぁなぁ、地下って他に何があるんだー?」
「……ダイチ、少し静かにしろよ」
「別にいーじゃん。どーせこの辺おれたちしかいねーし」
ダイチの言う通り、夏休みのアカデミーには誰もいなかった。
地下に続く螺旋階段を降りると、薄暗い廊下が伸びていた。
祈りの間に続く廊下には赤い絨毯が敷かれている。
「雰囲気あんじゃん!」
肝試しを楽しむ学生みたいなノリでダイチは言った。
「中には入れねーんだよなぁ?」
「うん。中に入れるのは『デウス』と『ディア』に選ばれた人だけだよ。入りたかったらダイチが選ばれないとね」
「えー、おれ『デウス』とかきょーみねーし。てかミナと狩人が目指してんだろ? ならおれには無理だってー」
「ダイチもマギアの才能あるんだし、諦めなくていいのに」
ミナセは残念そうに言う。
「中見てみよーぜ。おれ、いっちばーん!」
ダイチは祈りの間のドアについた窓から中を覗こうと駆け出した。
奴がドアに体を預けた瞬間、ダイチは前のめりに倒れた。
「んにゃっ?!」
ドアが開いたからだ。
「いってぇ~。って、なんか開いたけど……これっておれのせい?」
「どうして……」
「え? え? おれやっちまった?! ミナも一緒に先生に謝りに行ってくれる?」
「祈りの間は『デウス』と『ディア』が決定しない限り開くはずないんだよ」
ダイチとミナセは青ざめている。
これはダイチのせいではなく、ヒカル出現のイベントが完了したためにフラグが立ったからだ。
ボクは慌てる二人に構わず祈りの間に足を踏み入れた。
「姫野さん、待って!」
ミナセが慌てて呼び止めた。
「危険があるかもしれないから僕が先に行くよ」
「オレも行く」
ホムラは祈りの間に入ると、ヒカルの居場所に向かって真っすぐに歩いて行く。
ミナセもその後ろに続く。
ボクも歩を進めた。
「おれを置いてくなってー!」
背後からダイチがぱたぱたとついて来た。
祈りの間の最奥にある台座の上で、白い光が揺らめいていた。
光は徐々に男の姿を形作って行く。
「来たか……」
男――真堂ヒカルの魂は、ボク達に向かって呟いた。
「元の場所に戻ったら俺をマギア・アカデミーに出現させろ。俺のマギアの力を貴様に与える」
「どうやって受け取ればいいんだ」
「学園にあるマギア保管用クリスタルを使え」
以前、マギアの力をクリスタルに込める授業で使ったものだな。
「俺のマギアはミヤの力を中和できる。まずは既に世界に浸食している闇のマギアを取り除くのだ」
「浸食されている場所はどこだ」
「王侍《おうじ》ミナセ、咲衣《さくい》ダイチ、狩人《かると》ホムラの体内だ。ミヤはシナリオを書き替えるために、奴らを完全に支配するつもりだ」
ゲームのメインキャラクターを支配できればシナリオを好きに動かすことができるからな。
ミナセやホムラの瞳が金色の光っていたのは、ミヤに支配されていたからかもしれない。
「奴らを浸食する闇のマギアを払ってくれ」
ボクはトゥルーエンド到達条件を思い出した。
『すべての攻略対象のヤミを払うこと』というのはこういうことか……?
「その後、俺の体を祈りの間に持って行き、奴ら全員と貴様で祈りの儀式をしろ。すると俺の体は永き眠りから目覚める。貴様は知っているだろうが、この世界では本来できないことだ」
ヒカルの言う通りだ。
祈りの間で儀式をする『デウス』は一人だけで、原作では主人公とくっつく男がそれに選ばれる。
ヒカルとくっつく場合は奴の体の封印が解ける。
つまり男たちを全員同時に攻略した状態にしようというわけだ。
原作ゲームではもちろん堕とせるのは一人だけだ。
「あり得ない行動をした結果、この世界は混乱を来たす。するとデバックルームへの道が開かれる」
それがデバックルームに入るためのバグ技というわけか。
「中にミヤがいる。あいつの心を満足させるため伴侶になってやってくれ」
「……は?」
伴侶と言われたような気がしたが、何かと聞き間違えたのか?
「ミヤが求めているのは自分を愛してくれる相手だ。あいつが満足するまで貴様が愛してやれ」
「なに言ってるんだよ……」
ボクが陽彩ちゃん以外の女の子を好きになるわけないだろ……。
「貴様が愛さなければ、陽彩という女がミヤの花嫁にされるだけだ」
「そんなの駄目に決まってるだろ!」
陽彩ちゃんがボク以外の相手を選んだとしても、彼女が幸せになれるならそれでいい。
だけどミヤは……あの女は自分のことしか考えていない。
搾取してくる相手と一緒になって、彼女が幸せになれるわけがないんだ。
「君は幸せになるべきだ」
ボクはヒカルに聞こえない程小さな声で言った。
「……ミヤを愛せるようになるべく努力する」
「貴様はあの女を本当に愛しているのだな」
ヒカルは灰色の瞳を細めた。
「ミヤにもそんな相手がいればこんなことにはならなかったかもしれん」
「愛して欲しいって嘆いているだけじゃ、そんな相手はできないよ」
「ああ……そうだな」
そう呟くヒカルの声は、後悔がにじみ出ているように聞こえた。
「説明は以上だ。貴様の心の準備ができれば、元の場所に返す」
「このまま返す気か?」
ボクは今全裸だ。
しかもマモリの体でもない。
不審者になる上にあいつらから「誰だこいつ」って思われるだろ。
「安心しろ。姫野マモリの体に戻す」
「ならいい。今すぐ返してくれても構わないぞ」
「わかった」
ヒカルは両手をボクの体に翳した。
奴の手の輪郭が白く輝いた。
「また会おう、異世界からの来訪者よ」
ボクの体が白い光に包まれて行く。
眩しさに目を瞑った。
ハッとして目を覚ますと、マギア・アカデミーの寮の天井が見えた。
ベッドに横たわったまま体に触れてみる。
間違いない。これは姫野マモリの体だ。
体を起こすとくらりと眩暈がした。
「マモリ!」
扉の付近にいた陽彩ちゃんが、心配そうに駆け寄って来た。
彼女の顔を見ると安心して目が潤んだ。
「ずっと起きなかったから心配したんだよ! もう何ともないの?」
「ええ……ちょっと暑さにやられちゃっただけよ」
壁掛けされた時計を見ると十八時だった。
倒れてから五時間も経っていないようだ。
もう何年も謎空間を彷徨っていた気がするが……。
「王侍君達も凄く心配してて……王侍君はさっきまでそこで待ってたわ。もう遅いから帰って貰ったけど」
「……そう」
「何か食べられそう? 食堂から何か取って来るわ」
「いいえ。大丈夫よ」
陽彩ちゃんの姿(今はセカイだが)を見るだけで胸がいっぱいで何も食べられそうにないよ。
彼女のことは絶対に守らないと。
ボクは改めて胸に近い、次の日からまたヒカル出現のためにイベントを進めることにした。
次の日。
ボクは魔成獣小屋に向かった。
小屋から微かな話し声が聞こえた。
相変わらず獣臭い小屋の奥では、狩人ホムラがファイアーウルフの側に立っていた。
それまで愛しい者を眺める瞳でホムラを見つめていたファイアーウルフは、ボクに気づくなり警戒心を強めた。
「姫野……体はもういいのか?」
ホムラもボクに気がつき、問いかけた。
「ええ。もうすっかりと」
「そうか。王侍にも顔を見せてやれ。酷く心配していた」
「後で挨拶して来るわ」
ボクは一歩ずつホムラに近づいた。
「ねぇ、狩人君。メシア博物館ってとてもいいところね。勉強になったわ」
「そうか」
「『デウス』や『ディア』についてもっと知りたくなっちゃった。この学園にも二人に縁の場所があるんですってね。一緒に行ってみない?」
「オレとか」
「ええ」
「王侍や芽上《めがみ》を誘った方がいいんじゃないか?」
「狩人君と行ってみたいの」
ヒカルをマギア・アカデミーに出現させるためには、祈りの間の前にこいつと行くのは必須イベントだ。
「……お前は、オレのことを何か知っているのか?」
ホムラはわずかに警戒した。
こいつはヒカルの封印を解くために学園に潜り込んでいるのがバレることを恐れている。
この世界の人間にとっては裏切り行為なのだから当たり前だが。
「いいえ。何かあるの?」
「いや……」
「私はただ、狩人君と仲良くなりたいだけよ」
「そうか」
ホムラは少し考える素振りを見せた。
「……王侍を誘ってもいいか? お前がいるならあいつも喜ぶだろう」
「もちろんいいわよ」
原作ゲームではこのイベントでホムラがミナセを連れて来ることはない。
ミヤが何かしたのか?
ヒカルのマギアを使って三人の体を浸食している闇を払うのだから、まとまってくれている方が都合はいいが……。
祈りの間の前に行こうと決めた当日、待ち合わせ場所にはミナセどころかダイチまで現れた。
「学園探検とかおもしろそーなことになんでおれを誘ってくれねーんだよ!」
ミヤがシナリオを書き替えようとしている以上、もう何が起きてもおかしくはなかった。
「祈りの間って、学園の地下にあるんだよなー?」
相変わらずオレンジ色の猫耳パーカーとかいうあざとい格好のダイチは楽し気に尋ねた。
前を歩くホムラはダイチにちらりと一瞥をくれる。
「ああ」
「地下世界ってテンション上がるよなー。なぁなぁ、地下って他に何があるんだー?」
「……ダイチ、少し静かにしろよ」
「別にいーじゃん。どーせこの辺おれたちしかいねーし」
ダイチの言う通り、夏休みのアカデミーには誰もいなかった。
地下に続く螺旋階段を降りると、薄暗い廊下が伸びていた。
祈りの間に続く廊下には赤い絨毯が敷かれている。
「雰囲気あんじゃん!」
肝試しを楽しむ学生みたいなノリでダイチは言った。
「中には入れねーんだよなぁ?」
「うん。中に入れるのは『デウス』と『ディア』に選ばれた人だけだよ。入りたかったらダイチが選ばれないとね」
「えー、おれ『デウス』とかきょーみねーし。てかミナと狩人が目指してんだろ? ならおれには無理だってー」
「ダイチもマギアの才能あるんだし、諦めなくていいのに」
ミナセは残念そうに言う。
「中見てみよーぜ。おれ、いっちばーん!」
ダイチは祈りの間のドアについた窓から中を覗こうと駆け出した。
奴がドアに体を預けた瞬間、ダイチは前のめりに倒れた。
「んにゃっ?!」
ドアが開いたからだ。
「いってぇ~。って、なんか開いたけど……これっておれのせい?」
「どうして……」
「え? え? おれやっちまった?! ミナも一緒に先生に謝りに行ってくれる?」
「祈りの間は『デウス』と『ディア』が決定しない限り開くはずないんだよ」
ダイチとミナセは青ざめている。
これはダイチのせいではなく、ヒカル出現のイベントが完了したためにフラグが立ったからだ。
ボクは慌てる二人に構わず祈りの間に足を踏み入れた。
「姫野さん、待って!」
ミナセが慌てて呼び止めた。
「危険があるかもしれないから僕が先に行くよ」
「オレも行く」
ホムラは祈りの間に入ると、ヒカルの居場所に向かって真っすぐに歩いて行く。
ミナセもその後ろに続く。
ボクも歩を進めた。
「おれを置いてくなってー!」
背後からダイチがぱたぱたとついて来た。
祈りの間の最奥にある台座の上で、白い光が揺らめいていた。
光は徐々に男の姿を形作って行く。
「来たか……」
男――真堂ヒカルの魂は、ボク達に向かって呟いた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
器用貧乏なバトルマジシャン、異世界では最強でした~物理戦闘も魔法も召喚も全て使えれば強いに決まってるでしょう~
遠野紫
ファンタジー
「よっっっっっっし!!!! っと、おわぁぁぁっっ!?」
つい感情が昂ってしまった葛城晴翔は椅子から転げ落ちてしまう。しかしそれも無理はない。
なにしろ今この瞬間、彼はMMORPG『アーステイル』においてPVPランキング上位一桁台である『トップナイン』になったのだ。
そしてその夜、なんと彼は異世界へと転移してしまったのだった。それもゲーム内のキャラである白髪のロリっ子として。
さらにはこのキャラは近接戦闘と魔法戦闘に召喚すらも使用できるが故に、各種能力上限が低く器用貧乏として名高い職業である『バトルマジシャン』であった。
そんな不遇職ながらもロマンを追い求めて努力をし続けた彼は、その力を異世界でもいかんなく発揮しモンスターを狩り続ける。
それにこの世界はゲームと比べて遥かにレベルの低い世界だったようで、その中で彼は気付くのだった。「物理戦闘も魔法も召喚も、全て使えれば強いじゃん」と。
こうして器用貧乏から最強へと変わったバトルマジシャンの異世界での戦いが始まるのだった。
MMOやり込みおっさん、異世界に転移したらハイエルフの美少女になっていたので心機一転、第二の人生を謳歌するようです。
遠野紫
ファンタジー
大人気スマホMMO『ネオ・ワールド・オンライン』、通称ネワオンの廃人プレイヤーであること以外はごく普通の一般的なおっさんであった彼は今日もいつもと変わらない日常を送るはずだった。
しかし無情にもネワオンのサ終が決まってしまう。サービスが終わってしまう最後のその時を見届けようとした彼だが、どういう訳か意識を失ってしまい……気付けば彼のプレイヤーキャラであるハイエルフの姿でネワオンの世界へと転移していたのだった。
ネワオンの無い元の世界へと戻る意味も見いだせなかった彼は、そのままプレイヤーキャラである『ステラ・グリーンローズ』としてネワオンの世界で生きて行くことを決意。
こうして廃人プレイヤーであるおっさんの第二の人生が今始まるのである。
【完結】ヤンデレ設定の義弟を手塩にかけたら、シスコン大魔法士に育ちました!?
三月よる
恋愛
14歳の誕生日、ピフラは自分が乙女ゲーム「LOVE/HEART(ラブハート)」通称「ラブハ」の悪役である事に気がついた。シナリオ通りなら、ピフラは義弟ガルムの心を病ませ、ヤンデレ化した彼に殺されてしまう運命。生き残りのため、ピフラはガルムのヤンデレ化を防止すべく、彼を手塩にかけて育てる事を決意する。その後、メイドに命を狙われる事件がありながらも、良好な関係を築いてきた2人。
そして10年後。シスコンに育ったガルムに、ピフラは婚活を邪魔されていた。姉離れのためにガルムを結婚させようと、ピフラは相手のヒロインを探すことに。そんなある日、ピフラは謎の美丈夫ウォラクに出会った。彼はガルムと同じ赤い瞳をしていた。そこで「赤目」と「悪魔と黒魔法士」の秘密の相関関係を聞かされる。その秘密が過去のメイド事件と重なり、ピフラはガルムに疑心を抱き始めた。一方、ピフラを監視していたガルムは自分以外の赤目と接触したピフラを監禁して──?
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる