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5話ー『犯人はアラン』
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戦闘開始から約30秒が経過した。
「ーーッ!! 見ろノボルッ!!」
その時ブラックゴブリンの身体に明らかなる異変が起きた。
「やっぱりアイツ再生持ちだぜッ!!」
「まさかとは思っていたけど、やっぱりそうかッ!!」
ーー再生。
それは身体、自動修復能力のことを言う。
高位のモンスターに備わっているパッシブスキルの一つだ。
(やはり、あの時の違和感はそれだったか……)
振り抜いた拳には、確かな感触があった。
だけど気になったのは、その時に感じた手応えだ。
「ハッキリ言って弱すぎた」
殴った感触だけで言うなら、その辺のスライムを倒したみたいなぐらい弱い。
ここまで悲惨な光景を作り上げている相手が、そんな簡単にやられる玉とは思えない。
「何か隠し玉を持ってそうね?」
眉根を寄せながら訝しんだアーシャは、その赤い籠の目の瞳を光らせながら冷静に現状を分析する。
俺たち三人は友情の冒険者トレインを紡ぎながら、その自動再生能力をまじまじと観察していた。
胴体のみとなったブラックゴブリンを起点に、周囲で赤く滲んだ血液が宿主へと還って行く。
それもかなりのスピード。
数ある再生能力の中でも「高速再生」の部類に入るのは間違いない。
警戒心を最大限に釣り上げる。
敵対しておいて言うのもなんだが、舌を巻くほどに恐ろしい再生能力だ。
「とんでもない再生能力だな」
まるで宇宙から飛来したエイリアンのようだ。
赤い血液の繊維がゆらゆらと空中を揺らめく。
マフラーを編み込む糸のように、本体であるブラックゴブリンの頭部が見る見る内に修復して行く。
俺たち三人の織り成す冒険者トレイン・スーパー・ダッシュアタックは、次の攻撃までに少なからずの時間を有するところが弱点だ。
(基本的には俺の溜め技に頼った、ヒット&アウェイが主流だからな……)
回復されるのが目に見えているのに。
こっは黙って次に備えることしか、今の俺たちにはやれることがない。
それは一言で言うなら苦痛の時間だった。
攻撃したら陣形を整える為に一度後退する。
それは例えるならば、地下鉄の環状線のようなものだと俺は思う。
グルリと周回して再び同じ場所へと辿り着く。
その為には、もう一度円を描いて一周しなくては、二度と同じ場所に辿り着くことさえ出来ないのだ。
「ーーなるほど。確かにこれは最強種だ」
竜種にも劣らない頑丈なタフネス。
その上で回復能力だけなら、明らかにワイバーンの比ではない。
「アタシたち三人とじゃ、ちょっと相性が悪い相手よね」
「ちょっとどころじゃないでしょアーシャ。
だいぶ悪い。
持久戦になると完全にボクたちが不利になる。
分かってるだろ?」
「まぁ、そりゃそうだけど……。
で、どうするのよノボル?」
「ーー色違いは、やはり伊達ではないと言うことか……」
黄金パンチを一発食らわせたことで。
俺はどうやら、自分たちの力量に慢心していたみたいだ。
次の一撃。
いや、二撃を当てれば確実に仕留めることが出来るだなんて。
ーーそんな淡い宛がハズレた瞬間でもある。
「ちょっと!! 聞いてるのノボル!?
感心している場合じゃないでしょ!!
消耗戦でマジックアイテムが尽きれば、5%の壁を超えられる可能性が出てくるッ!!
長期戦になればなるほど、アタシたちのトレインは不利になるのよッ!?
決めるなら短期決戦以外にあり得ないんだからッ!!」
激昂しているアーシャが俺の背後から叫ぶ。
指示に迷いのある俺に苛立っているのだ。
「分かっているさッ!! だがーーッ!!
なんだか妙なんだ、この雰囲気ッ!!」
まるで今のは、ほんのチュートリアルのような薄ら寒さを感じる。
それは言葉に出来ない感覚。
得体の知れない直勘の類の産物だ。
一言で言うならば「不気味」なのだ。
「あいつ、多分まだ何か隠してるぞ」
それが何かは分からない。
だからこそ、より怖いと感じる。
「どうするノボル? もう一回アレやるか?」
決断を決めあぐねて俺が顔を伏せていたところ。
カイトが振り向いて視線を寄越して来た。
「ノボルが悩む気持ちもよく分かるよ。
ボクもさっきのやり取りで違和感を覚えた」
「カイトも気が付いたか?」
「あぁ、ボクもさっき感じた。
まるでデモンストレーションみたいな手応えの無さだ。
直接ブラックゴブリンに触れた訳じゃない。
けど、あの鍔迫り合いは、かなり楽勝だったように思える」
「それじゃあ、やっぱりさっきの一撃は、ほんの肩慣らしだったってことで良いの?」
「うん……多分ね。
魔法でしか対峙してないアーシャが、そのことを感じ取れなかったのは、無理もないさ。
魔法と物理じゃ、なにせ直接相手に触れられる手応えが違うから……」
「なるほど……そういうこと……。
けど、じゃあアレはまだ第一形態ってことなの?」
「そう、だろうね。恐らくは……。
第二形態……いや、もっとある可能性まで考えられる。
ひとまず、ここはノボルに決断を任せよう。
この暁の旅団のリーダーは、なんと言ってもノボルなんだ。
ボクはノボルの決断を一番に信じる」
そう言ってカイトは、視線を真っ直ぐに前方へと戻した。
俺のことを信じてくれている。
その期待に応えなくては、友ではない。
「そうだな……。一度、距離を取って様子を見よう。
フォーメーションをA→遊撃形態のBに変更する。
俺とカイトの感じた得体の知れない感覚が確かなら。
恐らくブラックゴブリンには、まだ第二形態が残されているに違いない」
「本当に第二までだと良いけどね?」
そう言ってカイトは緩やかにスピードを落とす。
合わせて解除された冒険者トレイン。
俺たち三人は、並列に並んだ遊撃形態のフォーメーションBへと移行しようとする。
ーーだが、その直後だったッ!!
いつもは徐々にスピードを落として止まる筈のカイトが、急にピタリと停止したのはーーッ!!
「がッ!?」と言う呆気ない声が、続く俺とアーシャの口から溢れる。
途端に止まったカイトの背中に激突したのだ。
身体が宙を浮いて、遠心力によって前方へと投げ出される。
ふわり、そんな擬音が耳に張り付く。
「痛~ッ!! ちょっとッ!! 急に止まらないでよノボルッ!!」
「俺じゃないッ!! 止まったのはカイトだッ!!」
空中で悲鳴のような声をあげながら、俺とアーシャの身体が綺麗に三日月の弧を描いて、雪原の地面に叩きつけられる。
辛うじて受け身を取り、俺とアーシャはゴロゴロとその場に転がる。
(ーーあっ、足元が雪道であったことが救われた……ッ!!)
もしも、この急スピードで足元がアスファルトだった場合を想像したら。
そこには、想像に難くない出来事がが起こっていたに違いない。
それでもーー、
(ーークソッ!! 身体はかなりのダメージだッ!!)
立ち上がるのもやっとの打撃系ダメージ。
脳震盪を起こしたようにグラつく視界で、まるで大地震の後みたいな地震酔いを思い出す。
目まぐるしく回る視界は、まるで回転性の目眩でも起こしたみたいで気持ちが悪い。
全回状態だった俺のHPバーが、気が付けば緑からイエローゾーンへと減少して行く。
冒険者は、このHPバーを失った時に初めて死ぬ。
これがレッドゾーンを超えて0になれば、それで俺たちの命は尽きることになる。
「たった一撃でこのトチかッ!!」
衝突後の後遺症は、かなりの物だ。
激痛の走る身体に歯噛みして堪えながら、辛抱強くその場から立ち上がろうとしたーーその時だッ!!
四つん這いになって顔を上げた瞬間、そこから立ち上がろうとする直後。
眼の前で硬直していた筈のカイトの身体に向かい、黄色い閃光がまるで落雷のように駆け抜けるのが見えた。
ぶしゃり、と音を立ててカイトの首が刹那的に宙を舞う。
雷のようなジグザグの軌道がカイトの首筋を断ち切る。
ふわりと宙に待った青髪の青年の首が、ぽとりと音を立てて雪原の斜面にすっぽりと収まる。
埋もれた箇所から一気に赤い染みが広がる。
稲光のように残った光線がまるで雷鳴のように遅れて光る。
形容しがたい呆気ない終わりだ。
友が死んだ。カイトが死んだ。
目を瞑りたくなるような現実が、俺の心を掻き毟るように襲う。
見たくもない光景を見てしまう。
それは紛れもない友の死。
カイト・スヴェンソンの殉職だった。
「カイトぉおおッ!! うぁあああああああッ!!」
ーーマンマ・ミーアッ!!
嗚咽混じりの俺の絶叫が、山彦となって雪原に響き渡った瞬間でもある。
★
首と胴体を切り離されたカイトの身体が、ドサリと音を立てて雪原に倒れ込む。
それが人間とモンスターの違い。
普通の人間は、首を切断されただけでこうも簡単に死んでしまう。
「ーー友が死んだ。カイトが死んだ」
カイト・スヴェンソンが死んだ。
受け入れ難い現実を前に、俺はブツブツと呪詛のように言葉を吐き捨てる。
恨めしい。憎い。友を殺したアイツが許せない。
そんな憎悪の連鎖が、まるで沸騰したヤカンのように心の奥底で警笛を鳴らす。
網膜の裏に鮮明と焼き付いた友の死が離れない。
それは決して揺るぎようのない、歴史と言う名の鎮魂歌だ。
彼はさっきあの瞬間。
朽ちてこの世界の歴史にその名を遺した。
ーーカイト・スヴェンソン(死亡)
世界の歯車に一度でも刻んでしまったその名前は、もはや決して癒えることはないのだろう。
「クソがッ!! クソッタレッ!!」
雪道の斜面を拳で叩きつけ、何度も何度も繰り返し叫んだ。
立ち上がるのが辛い。
それなのに俺は、まだここから立ち上がらない訳にはいかない理由がある。
そのことに心がポッキリと折れかけている。
グルグルと回る心の渦中が、憎悪と言う名の憎しみを連鎖させていたのだ。
怒りと憎しみで気が狂いそうだ。
今すぐに立ち上がって敵を取れ。
そう思っているのに、足は竦んで思うようには動き出せない。
一番硬くて、一番速い男が死んだのだ。
それよりも速く動けて、硬さを超えてくる相手に、俺だけだでどうこう出来る訳もない。
「最早、バカ正直に真正面から闘って勝てる相手だとは、到底思わんッ!!」
クッ、と歯噛みして、それでも俺は立ち上がる。
この時点で俺たちの敗北は、確定してしまったも同然だ。
だからと言ってこの身を投げ出す訳には、いかない理由が存在した。
友が死んだショックは、確かにかなり大きい。
俺だけが生きているなんて、罪悪感で押し潰されて今にも自死を選びたくなる。
誰かに殺されるのならば、せめて自分で
だけどそれでも俺は、今を生きることを諦めきれない。
ーー諦めてはいけないッ!!
「諦めたらそこで何もかもが終わりだッ!!」
ーー生きている限りは、人間は何だって出来る!!
「せめてアーシャだけでも、この場から逃さなくてはッ!!」
背後にはまだ、俺の大事な婚約者のアーシャが残っている。
それだけが、今の俺に残された大事な宝物なんだ。
それを護り抜く為に!!
(今できる最善の方法を考えろ!!)
思考をフル加速させるんだ。
脳内のコマンドを「たたかう」→「にげる」に変更する。
クラウチングスタートのような要領で、勢いよく足を踏み出そうとしたーーその時だ。
自分の足を力いっぱい動かそうとしても、動き出さないことに気が付いたのは。
「なッ、何でだッ!?」
ーーバカな!! おかしいッ!!
立ち上がろうとしたのに、動き出せないなんて。
恐怖心に劣った訳ではない。
痛みに我慢ができず耐えかねたのとも異なる。
(ーーどうして俺の身体に麻痺がッ!?)
動けなかったのは、身体が状態異常の麻痺を起こしていたからだ。
目に見えるほどの帯電した電流。
それらが俺の身体に纏わりついて、ビリビリと黄色い電気を流し続けている。
(ーーバカなッ!? あり得ないッ!!)
アーシャのかけたバフの持続時間は、まだ残っている筈だ。
守護魔法のクールタイムは15秒。
その間は、アーシャのアクティブスキルがクールダウンに入る。
だが、俺たちはいつもその弱点に対策を施してある。
クールダウンカットアイテム。
ーー「クソふざけたたくあん」。
これがあると、魔法及び物理スキルのクールタイムを15秒軽減できる。
このマジックアイテム自体のクールタイムは、ジャスト30秒。
戦闘中にアクティブスキルをかけ直すタイミングで使えば、擬似的な無限ループが発動できる。
アーシャには、産まれながらにある絶妙なリズム感と、絶対音感のスキルが備わっている。
例え戦闘中であっても、アーシャがこのタイミングを逃す訳がない。
視界の右端に映るステイタスアイコン。
そこには、28秒と言うアーシャのバフの持続時間が刻まれている。
つまり、この時点でアーシャのアクティブスキルは、ちゃんとかかっている状態だ。
それにさっき、話をしている最中にアーシャがアイテムを使うところもこの目で見ていた。
だけどカイトが急に止まった理由は、間違いなく麻痺だ。
(ーー完全耐性を超えられたのか?)
そうとしか考えられない。
状態異常対策を100%にしていたところで、状態異常にかかってしまうシチュエーションは、この世に一つだけ存在する。
それは相手の状態異常をかける数値が、こちらの守護耐性100%以上を超えて来てしまった時だ。
(ーー世界仕様に不具合はないッ!!)
だったらどうして麻痺になるッ!?
ブラックゴブリンの吐いた毒霧とマヒ霧が周囲には蔓延している。
だけど俺にかかっているのは、マヒ霧だけだ。
(片方だけ、耐性を超えて来たと言うのか?)
異変が起きて、ブラックゴブリンが復活し始めたあの時から。
(あるいは、何だ?)
モヤモヤと霧がかった状態で俺は思考を続ける。
答えは、いつまでも出ない。
(守護騎士におけるパッシブスキルは、本人の死後にもその恩恵が与えられることの出来る永続スキルだ……)
今ある状況でこの謎を推理するなら、ブラックゴブリンのマヒ霧だけが100%の防御耐性を超えて来たとしか考えられない。
(ーーあるいは、アーシャがしくじったかだ。
ーーだが、どうしてカイトだけが麻痺になる?)
あの時、あの瞬間、真っ先に止まったのはカイト一人だ。
そこに俺とアーシャが後ろからぶつかった。
(どう考えてもこの状況は、おかしい……)
ブラックゴブリンの吐いたマヒ霧が、本当に第二形態に再生したことで、その片方だけが100%を超えて来たとする。
それならば、
(麻痺にかかるのは三人同時でなくてはならない筈だ……)
アーシャがしくじったケースにしても同じことが言えるだろう。
「ノボル!! カイトがッ!! カイトがッ!!」
アーシャの悲痛の叫び背後から聞こえた。
咄嗟に振り向いて彼女の姿を確認したいと思った。
だが、今の俺にはそれさえも出来ない。
辛うじて出来るのは、言葉を発することだけだ。
「クソッ!! 動け俺の身体ッ!!」
歯噛みして悪態をついた時。
俺の視界の端では、アーシャが駆け抜ける姿が目に飛び込む。
「なッ!? アーシャはまだ動けるって事かッ!?」
理由は分からない。
だが、アーシャは麻痺にはかかっていないみたいだ。
一体どうして?
そんな疑問が俺の脳裏を掠めた時、それよりも俺はアーシャの身の危険を感じた。
「ーー待てッ!! アーシャッ!!
お前一人じゃそいつには勝てないッ!!」
手を伸ばして俺は叫ぶ。
いくら暁の旅団の中で一番足が遅いと言っても、彼女も立派に手練れの冒険者だ。
本気で走れば遅い訳がなく。
その初速は、実に60km/hを上回る。
ーーだが、逆にそのことが意味する事とはーーッ!!
「頼むから止まってくれッ!!
今のお前じゃそいつには勝てないんだッ!!」
ここでアーシャまで失えば、俺にとってこの戦闘は最悪の結末を迎えることになる。
友まで失い。
その上で婚約者まで失ったとあっては、俺はこの先どうやって生きればいい?
考える余地なんて無かった。
縋り付くように必死に伸ばした右腕に、バチバチと電流が迸る。
身体に激痛が走るのを堪えて、その場から全身全霊で立ち上がろうとする。
「動けぇええええッ!!
俺の身体ぁあああああッ!!」
叫んで力んで、懸命に自分の身体に鞭を入れる。
全身の筋肉がはち切れそうになりながら、ようやくの想いで俺の身体を一歩と足を踏み出そうとしたーーその時だった。
「グプッ……?」
途端に自分の右腕から力が抜け落ちる。
再び四つん這いになり、頭だけを上げてアーシャの走りゆく背中を遠巻きに見つめていた。
「何だ……? これ……?」
自分の唇から、真っ赤な血液がポタリと滴る。
それは言うまでもなく、自分の内蔵器官から込み上げた血塊だろう。
次の瞬間には、ドバドバと吐瀉物を吐き出すように俺は血の塊を吐き出す。
目下の雪原に赤い染みがじわりと広がるのが見える。
ーー誰かが、俺の背中を刺したのだ。
そしてその誰かは、きっと刃物のような鋭利なものを使ったんだろう。
(背中にナイフのような小刀が、突き刺さっている感触……。
これはーーマズいな……)
内臓機能を深くやられているのが分かる。
込み上げる吐気に、たまらず二度目の嗚咽を繰り返す。
吐き出された血塊が、バケツをひっくり返したように再び広がりを見せる。
(誰かは知らないが、このままでは俺も長くは持ちそうにないな……)
自分の死期を悟るには、充分な一撃だった。
(まだ、瞳を閉じる訳にはいかない……)
クラクラと酩酊する意識の中、俺は必死で瞬きを繰り返す。
意識が落ちるその瞬間、俺の生命の鼓動が途切れる時だ。
「ーー誰だッ!! お前はーーッ!?」
後ろに誰かが居るのだ。
そして、その誰かが俺の背中を刺した。
限りある命の時間を用いて、せめてそいつの顔だけでも拝んでやろうと思った。
その時、
「ーーお前がいけないんだぜ?」
ふいに俺の耳に、聞き覚えのある声が届いた。
自分の肩に手をつかれて、そこに目をやる。
そこに立っていたのは、あの冒険者ギルドの受付係員アラン・モルドだった。
「ーーッ!! 見ろノボルッ!!」
その時ブラックゴブリンの身体に明らかなる異変が起きた。
「やっぱりアイツ再生持ちだぜッ!!」
「まさかとは思っていたけど、やっぱりそうかッ!!」
ーー再生。
それは身体、自動修復能力のことを言う。
高位のモンスターに備わっているパッシブスキルの一つだ。
(やはり、あの時の違和感はそれだったか……)
振り抜いた拳には、確かな感触があった。
だけど気になったのは、その時に感じた手応えだ。
「ハッキリ言って弱すぎた」
殴った感触だけで言うなら、その辺のスライムを倒したみたいなぐらい弱い。
ここまで悲惨な光景を作り上げている相手が、そんな簡単にやられる玉とは思えない。
「何か隠し玉を持ってそうね?」
眉根を寄せながら訝しんだアーシャは、その赤い籠の目の瞳を光らせながら冷静に現状を分析する。
俺たち三人は友情の冒険者トレインを紡ぎながら、その自動再生能力をまじまじと観察していた。
胴体のみとなったブラックゴブリンを起点に、周囲で赤く滲んだ血液が宿主へと還って行く。
それもかなりのスピード。
数ある再生能力の中でも「高速再生」の部類に入るのは間違いない。
警戒心を最大限に釣り上げる。
敵対しておいて言うのもなんだが、舌を巻くほどに恐ろしい再生能力だ。
「とんでもない再生能力だな」
まるで宇宙から飛来したエイリアンのようだ。
赤い血液の繊維がゆらゆらと空中を揺らめく。
マフラーを編み込む糸のように、本体であるブラックゴブリンの頭部が見る見る内に修復して行く。
俺たち三人の織り成す冒険者トレイン・スーパー・ダッシュアタックは、次の攻撃までに少なからずの時間を有するところが弱点だ。
(基本的には俺の溜め技に頼った、ヒット&アウェイが主流だからな……)
回復されるのが目に見えているのに。
こっは黙って次に備えることしか、今の俺たちにはやれることがない。
それは一言で言うなら苦痛の時間だった。
攻撃したら陣形を整える為に一度後退する。
それは例えるならば、地下鉄の環状線のようなものだと俺は思う。
グルリと周回して再び同じ場所へと辿り着く。
その為には、もう一度円を描いて一周しなくては、二度と同じ場所に辿り着くことさえ出来ないのだ。
「ーーなるほど。確かにこれは最強種だ」
竜種にも劣らない頑丈なタフネス。
その上で回復能力だけなら、明らかにワイバーンの比ではない。
「アタシたち三人とじゃ、ちょっと相性が悪い相手よね」
「ちょっとどころじゃないでしょアーシャ。
だいぶ悪い。
持久戦になると完全にボクたちが不利になる。
分かってるだろ?」
「まぁ、そりゃそうだけど……。
で、どうするのよノボル?」
「ーー色違いは、やはり伊達ではないと言うことか……」
黄金パンチを一発食らわせたことで。
俺はどうやら、自分たちの力量に慢心していたみたいだ。
次の一撃。
いや、二撃を当てれば確実に仕留めることが出来るだなんて。
ーーそんな淡い宛がハズレた瞬間でもある。
「ちょっと!! 聞いてるのノボル!?
感心している場合じゃないでしょ!!
消耗戦でマジックアイテムが尽きれば、5%の壁を超えられる可能性が出てくるッ!!
長期戦になればなるほど、アタシたちのトレインは不利になるのよッ!?
決めるなら短期決戦以外にあり得ないんだからッ!!」
激昂しているアーシャが俺の背後から叫ぶ。
指示に迷いのある俺に苛立っているのだ。
「分かっているさッ!! だがーーッ!!
なんだか妙なんだ、この雰囲気ッ!!」
まるで今のは、ほんのチュートリアルのような薄ら寒さを感じる。
それは言葉に出来ない感覚。
得体の知れない直勘の類の産物だ。
一言で言うならば「不気味」なのだ。
「あいつ、多分まだ何か隠してるぞ」
それが何かは分からない。
だからこそ、より怖いと感じる。
「どうするノボル? もう一回アレやるか?」
決断を決めあぐねて俺が顔を伏せていたところ。
カイトが振り向いて視線を寄越して来た。
「ノボルが悩む気持ちもよく分かるよ。
ボクもさっきのやり取りで違和感を覚えた」
「カイトも気が付いたか?」
「あぁ、ボクもさっき感じた。
まるでデモンストレーションみたいな手応えの無さだ。
直接ブラックゴブリンに触れた訳じゃない。
けど、あの鍔迫り合いは、かなり楽勝だったように思える」
「それじゃあ、やっぱりさっきの一撃は、ほんの肩慣らしだったってことで良いの?」
「うん……多分ね。
魔法でしか対峙してないアーシャが、そのことを感じ取れなかったのは、無理もないさ。
魔法と物理じゃ、なにせ直接相手に触れられる手応えが違うから……」
「なるほど……そういうこと……。
けど、じゃあアレはまだ第一形態ってことなの?」
「そう、だろうね。恐らくは……。
第二形態……いや、もっとある可能性まで考えられる。
ひとまず、ここはノボルに決断を任せよう。
この暁の旅団のリーダーは、なんと言ってもノボルなんだ。
ボクはノボルの決断を一番に信じる」
そう言ってカイトは、視線を真っ直ぐに前方へと戻した。
俺のことを信じてくれている。
その期待に応えなくては、友ではない。
「そうだな……。一度、距離を取って様子を見よう。
フォーメーションをA→遊撃形態のBに変更する。
俺とカイトの感じた得体の知れない感覚が確かなら。
恐らくブラックゴブリンには、まだ第二形態が残されているに違いない」
「本当に第二までだと良いけどね?」
そう言ってカイトは緩やかにスピードを落とす。
合わせて解除された冒険者トレイン。
俺たち三人は、並列に並んだ遊撃形態のフォーメーションBへと移行しようとする。
ーーだが、その直後だったッ!!
いつもは徐々にスピードを落として止まる筈のカイトが、急にピタリと停止したのはーーッ!!
「がッ!?」と言う呆気ない声が、続く俺とアーシャの口から溢れる。
途端に止まったカイトの背中に激突したのだ。
身体が宙を浮いて、遠心力によって前方へと投げ出される。
ふわり、そんな擬音が耳に張り付く。
「痛~ッ!! ちょっとッ!! 急に止まらないでよノボルッ!!」
「俺じゃないッ!! 止まったのはカイトだッ!!」
空中で悲鳴のような声をあげながら、俺とアーシャの身体が綺麗に三日月の弧を描いて、雪原の地面に叩きつけられる。
辛うじて受け身を取り、俺とアーシャはゴロゴロとその場に転がる。
(ーーあっ、足元が雪道であったことが救われた……ッ!!)
もしも、この急スピードで足元がアスファルトだった場合を想像したら。
そこには、想像に難くない出来事がが起こっていたに違いない。
それでもーー、
(ーークソッ!! 身体はかなりのダメージだッ!!)
立ち上がるのもやっとの打撃系ダメージ。
脳震盪を起こしたようにグラつく視界で、まるで大地震の後みたいな地震酔いを思い出す。
目まぐるしく回る視界は、まるで回転性の目眩でも起こしたみたいで気持ちが悪い。
全回状態だった俺のHPバーが、気が付けば緑からイエローゾーンへと減少して行く。
冒険者は、このHPバーを失った時に初めて死ぬ。
これがレッドゾーンを超えて0になれば、それで俺たちの命は尽きることになる。
「たった一撃でこのトチかッ!!」
衝突後の後遺症は、かなりの物だ。
激痛の走る身体に歯噛みして堪えながら、辛抱強くその場から立ち上がろうとしたーーその時だッ!!
四つん這いになって顔を上げた瞬間、そこから立ち上がろうとする直後。
眼の前で硬直していた筈のカイトの身体に向かい、黄色い閃光がまるで落雷のように駆け抜けるのが見えた。
ぶしゃり、と音を立ててカイトの首が刹那的に宙を舞う。
雷のようなジグザグの軌道がカイトの首筋を断ち切る。
ふわりと宙に待った青髪の青年の首が、ぽとりと音を立てて雪原の斜面にすっぽりと収まる。
埋もれた箇所から一気に赤い染みが広がる。
稲光のように残った光線がまるで雷鳴のように遅れて光る。
形容しがたい呆気ない終わりだ。
友が死んだ。カイトが死んだ。
目を瞑りたくなるような現実が、俺の心を掻き毟るように襲う。
見たくもない光景を見てしまう。
それは紛れもない友の死。
カイト・スヴェンソンの殉職だった。
「カイトぉおおッ!! うぁあああああああッ!!」
ーーマンマ・ミーアッ!!
嗚咽混じりの俺の絶叫が、山彦となって雪原に響き渡った瞬間でもある。
★
首と胴体を切り離されたカイトの身体が、ドサリと音を立てて雪原に倒れ込む。
それが人間とモンスターの違い。
普通の人間は、首を切断されただけでこうも簡単に死んでしまう。
「ーー友が死んだ。カイトが死んだ」
カイト・スヴェンソンが死んだ。
受け入れ難い現実を前に、俺はブツブツと呪詛のように言葉を吐き捨てる。
恨めしい。憎い。友を殺したアイツが許せない。
そんな憎悪の連鎖が、まるで沸騰したヤカンのように心の奥底で警笛を鳴らす。
網膜の裏に鮮明と焼き付いた友の死が離れない。
それは決して揺るぎようのない、歴史と言う名の鎮魂歌だ。
彼はさっきあの瞬間。
朽ちてこの世界の歴史にその名を遺した。
ーーカイト・スヴェンソン(死亡)
世界の歯車に一度でも刻んでしまったその名前は、もはや決して癒えることはないのだろう。
「クソがッ!! クソッタレッ!!」
雪道の斜面を拳で叩きつけ、何度も何度も繰り返し叫んだ。
立ち上がるのが辛い。
それなのに俺は、まだここから立ち上がらない訳にはいかない理由がある。
そのことに心がポッキリと折れかけている。
グルグルと回る心の渦中が、憎悪と言う名の憎しみを連鎖させていたのだ。
怒りと憎しみで気が狂いそうだ。
今すぐに立ち上がって敵を取れ。
そう思っているのに、足は竦んで思うようには動き出せない。
一番硬くて、一番速い男が死んだのだ。
それよりも速く動けて、硬さを超えてくる相手に、俺だけだでどうこう出来る訳もない。
「最早、バカ正直に真正面から闘って勝てる相手だとは、到底思わんッ!!」
クッ、と歯噛みして、それでも俺は立ち上がる。
この時点で俺たちの敗北は、確定してしまったも同然だ。
だからと言ってこの身を投げ出す訳には、いかない理由が存在した。
友が死んだショックは、確かにかなり大きい。
俺だけが生きているなんて、罪悪感で押し潰されて今にも自死を選びたくなる。
誰かに殺されるのならば、せめて自分で
だけどそれでも俺は、今を生きることを諦めきれない。
ーー諦めてはいけないッ!!
「諦めたらそこで何もかもが終わりだッ!!」
ーー生きている限りは、人間は何だって出来る!!
「せめてアーシャだけでも、この場から逃さなくてはッ!!」
背後にはまだ、俺の大事な婚約者のアーシャが残っている。
それだけが、今の俺に残された大事な宝物なんだ。
それを護り抜く為に!!
(今できる最善の方法を考えろ!!)
思考をフル加速させるんだ。
脳内のコマンドを「たたかう」→「にげる」に変更する。
クラウチングスタートのような要領で、勢いよく足を踏み出そうとしたーーその時だ。
自分の足を力いっぱい動かそうとしても、動き出さないことに気が付いたのは。
「なッ、何でだッ!?」
ーーバカな!! おかしいッ!!
立ち上がろうとしたのに、動き出せないなんて。
恐怖心に劣った訳ではない。
痛みに我慢ができず耐えかねたのとも異なる。
(ーーどうして俺の身体に麻痺がッ!?)
動けなかったのは、身体が状態異常の麻痺を起こしていたからだ。
目に見えるほどの帯電した電流。
それらが俺の身体に纏わりついて、ビリビリと黄色い電気を流し続けている。
(ーーバカなッ!? あり得ないッ!!)
アーシャのかけたバフの持続時間は、まだ残っている筈だ。
守護魔法のクールタイムは15秒。
その間は、アーシャのアクティブスキルがクールダウンに入る。
だが、俺たちはいつもその弱点に対策を施してある。
クールダウンカットアイテム。
ーー「クソふざけたたくあん」。
これがあると、魔法及び物理スキルのクールタイムを15秒軽減できる。
このマジックアイテム自体のクールタイムは、ジャスト30秒。
戦闘中にアクティブスキルをかけ直すタイミングで使えば、擬似的な無限ループが発動できる。
アーシャには、産まれながらにある絶妙なリズム感と、絶対音感のスキルが備わっている。
例え戦闘中であっても、アーシャがこのタイミングを逃す訳がない。
視界の右端に映るステイタスアイコン。
そこには、28秒と言うアーシャのバフの持続時間が刻まれている。
つまり、この時点でアーシャのアクティブスキルは、ちゃんとかかっている状態だ。
それにさっき、話をしている最中にアーシャがアイテムを使うところもこの目で見ていた。
だけどカイトが急に止まった理由は、間違いなく麻痺だ。
(ーー完全耐性を超えられたのか?)
そうとしか考えられない。
状態異常対策を100%にしていたところで、状態異常にかかってしまうシチュエーションは、この世に一つだけ存在する。
それは相手の状態異常をかける数値が、こちらの守護耐性100%以上を超えて来てしまった時だ。
(ーー世界仕様に不具合はないッ!!)
だったらどうして麻痺になるッ!?
ブラックゴブリンの吐いた毒霧とマヒ霧が周囲には蔓延している。
だけど俺にかかっているのは、マヒ霧だけだ。
(片方だけ、耐性を超えて来たと言うのか?)
異変が起きて、ブラックゴブリンが復活し始めたあの時から。
(あるいは、何だ?)
モヤモヤと霧がかった状態で俺は思考を続ける。
答えは、いつまでも出ない。
(守護騎士におけるパッシブスキルは、本人の死後にもその恩恵が与えられることの出来る永続スキルだ……)
今ある状況でこの謎を推理するなら、ブラックゴブリンのマヒ霧だけが100%の防御耐性を超えて来たとしか考えられない。
(ーーあるいは、アーシャがしくじったかだ。
ーーだが、どうしてカイトだけが麻痺になる?)
あの時、あの瞬間、真っ先に止まったのはカイト一人だ。
そこに俺とアーシャが後ろからぶつかった。
(どう考えてもこの状況は、おかしい……)
ブラックゴブリンの吐いたマヒ霧が、本当に第二形態に再生したことで、その片方だけが100%を超えて来たとする。
それならば、
(麻痺にかかるのは三人同時でなくてはならない筈だ……)
アーシャがしくじったケースにしても同じことが言えるだろう。
「ノボル!! カイトがッ!! カイトがッ!!」
アーシャの悲痛の叫び背後から聞こえた。
咄嗟に振り向いて彼女の姿を確認したいと思った。
だが、今の俺にはそれさえも出来ない。
辛うじて出来るのは、言葉を発することだけだ。
「クソッ!! 動け俺の身体ッ!!」
歯噛みして悪態をついた時。
俺の視界の端では、アーシャが駆け抜ける姿が目に飛び込む。
「なッ!? アーシャはまだ動けるって事かッ!?」
理由は分からない。
だが、アーシャは麻痺にはかかっていないみたいだ。
一体どうして?
そんな疑問が俺の脳裏を掠めた時、それよりも俺はアーシャの身の危険を感じた。
「ーー待てッ!! アーシャッ!!
お前一人じゃそいつには勝てないッ!!」
手を伸ばして俺は叫ぶ。
いくら暁の旅団の中で一番足が遅いと言っても、彼女も立派に手練れの冒険者だ。
本気で走れば遅い訳がなく。
その初速は、実に60km/hを上回る。
ーーだが、逆にそのことが意味する事とはーーッ!!
「頼むから止まってくれッ!!
今のお前じゃそいつには勝てないんだッ!!」
ここでアーシャまで失えば、俺にとってこの戦闘は最悪の結末を迎えることになる。
友まで失い。
その上で婚約者まで失ったとあっては、俺はこの先どうやって生きればいい?
考える余地なんて無かった。
縋り付くように必死に伸ばした右腕に、バチバチと電流が迸る。
身体に激痛が走るのを堪えて、その場から全身全霊で立ち上がろうとする。
「動けぇええええッ!!
俺の身体ぁあああああッ!!」
叫んで力んで、懸命に自分の身体に鞭を入れる。
全身の筋肉がはち切れそうになりながら、ようやくの想いで俺の身体を一歩と足を踏み出そうとしたーーその時だった。
「グプッ……?」
途端に自分の右腕から力が抜け落ちる。
再び四つん這いになり、頭だけを上げてアーシャの走りゆく背中を遠巻きに見つめていた。
「何だ……? これ……?」
自分の唇から、真っ赤な血液がポタリと滴る。
それは言うまでもなく、自分の内蔵器官から込み上げた血塊だろう。
次の瞬間には、ドバドバと吐瀉物を吐き出すように俺は血の塊を吐き出す。
目下の雪原に赤い染みがじわりと広がるのが見える。
ーー誰かが、俺の背中を刺したのだ。
そしてその誰かは、きっと刃物のような鋭利なものを使ったんだろう。
(背中にナイフのような小刀が、突き刺さっている感触……。
これはーーマズいな……)
内臓機能を深くやられているのが分かる。
込み上げる吐気に、たまらず二度目の嗚咽を繰り返す。
吐き出された血塊が、バケツをひっくり返したように再び広がりを見せる。
(誰かは知らないが、このままでは俺も長くは持ちそうにないな……)
自分の死期を悟るには、充分な一撃だった。
(まだ、瞳を閉じる訳にはいかない……)
クラクラと酩酊する意識の中、俺は必死で瞬きを繰り返す。
意識が落ちるその瞬間、俺の生命の鼓動が途切れる時だ。
「ーー誰だッ!! お前はーーッ!?」
後ろに誰かが居るのだ。
そして、その誰かが俺の背中を刺した。
限りある命の時間を用いて、せめてそいつの顔だけでも拝んでやろうと思った。
その時、
「ーーお前がいけないんだぜ?」
ふいに俺の耳に、聞き覚えのある声が届いた。
自分の肩に手をつかれて、そこに目をやる。
そこに立っていたのは、あの冒険者ギルドの受付係員アラン・モルドだった。
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