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狼拾いました。
sideウォル④
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「よくも僕の目の前で新しい傷を作ったな!」
………は?
俺は強く瞑った目を恐る恐る開けた。
人間は俺の前足持ち上げると念入りに何かを確認している。
「ほら、お前。少し赤くなってるじゃないか。
散々僕が一日かけてお前のけがの治療をしてやったのに、そんな僕の目の前で新たに傷を作るなんて…。
…はあ、まったく、ちょっと待ってな。」
そういうと、人間は棚の方に行き何かを取って戻ってくる。
「やけどに効く薬草で作った塗り薬だよ。
…あ、もう残りわずかだ。こいつに塗って終わりだな。
また作っておかなきゃ。」
と独り言なのかそんなことを呟きながら、俺の前足に薬を塗る。
警戒心で興奮していて、自分の前足にスープがかかっていたことに気付かなかった。
俺はおとなしく、されるがままになっていた。
その後、人間がもう一度よそってくれたスープを今度はちゃんと飲んだ。
少し苦かったが、人間が
「頑張って飲めよ。けがの回復を助けてくれる効果のある薬草いっぱい入れて作ったんだからな。頑張れ、頑張れ。」
と、本気で俺のことを案じているような声音で励ましてくるから、頑張って飲んだ。
食事のあと、身体が温まったからなのか、少し安心したからなのか、猛烈な眠気に堪えられず、俺はあっさりと意識を手放したのだった。
………は?
俺は強く瞑った目を恐る恐る開けた。
人間は俺の前足持ち上げると念入りに何かを確認している。
「ほら、お前。少し赤くなってるじゃないか。
散々僕が一日かけてお前のけがの治療をしてやったのに、そんな僕の目の前で新たに傷を作るなんて…。
…はあ、まったく、ちょっと待ってな。」
そういうと、人間は棚の方に行き何かを取って戻ってくる。
「やけどに効く薬草で作った塗り薬だよ。
…あ、もう残りわずかだ。こいつに塗って終わりだな。
また作っておかなきゃ。」
と独り言なのかそんなことを呟きながら、俺の前足に薬を塗る。
警戒心で興奮していて、自分の前足にスープがかかっていたことに気付かなかった。
俺はおとなしく、されるがままになっていた。
その後、人間がもう一度よそってくれたスープを今度はちゃんと飲んだ。
少し苦かったが、人間が
「頑張って飲めよ。けがの回復を助けてくれる効果のある薬草いっぱい入れて作ったんだからな。頑張れ、頑張れ。」
と、本気で俺のことを案じているような声音で励ましてくるから、頑張って飲んだ。
食事のあと、身体が温まったからなのか、少し安心したからなのか、猛烈な眠気に堪えられず、俺はあっさりと意識を手放したのだった。
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