僕の職業は王妃です！

序章

おまけ

ちなみに、リンナの心を寄せている相手というのは…。

「父上ーっ、お待たせしましたわ！
こちらが、クラウシス様ですわ！」 
リンナが部屋に入ってくるなり、見せたものは、数冊の本と、人が描かれたクッション。
本の中には大判のものもあり、それは巷で売られている雑誌だと見てとれた。
「………ん？そ、それは？」
父上、兄上、僕の頭上には多数のはてなマークが浮かんでいた。
母上だけが、ニコニコと微笑ましい表情をして僕らを眺めていた。
「こちらが、『マジカル☆魔法王子』という漫画の主人公、クラウシス様ですわ！！
かっこいいでしょう！？
庶民の遊戯を共有したく、取り寄せたものなのですけれど、これが私、ドはまりいたしまして！
漫画は今はこの数冊しか持ってきていませんが、私の部屋にもっとたくさんありますのよ！
ぜひ、見にいらしてくださいね！
そしてそして、このクッション！！
等身大サイズのクッションになってまして、毎晩、私の隣で一緒に眠ってくださるのですわ！
ああっ、クラウシス様、素敵です！！」
一同呆然。(母上を除く。)
熱量が半端ない。
これは、本当に姉上をお嫁に行かせなくて正解だったと思わせる時間となった。

序章 END