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2部3章
魔王の魔法
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走りながら俺は、アザレアの持つ魔道書を見た。魔物のような鱗に覆われた魔道書。分厚く歴史があり、高そうなものに見えるが、汚れ一つ無い。黄ばみや折れもない。
アザレアの背後に瞬時に移動してきた天理火はアザレアに迫った。俺はすかさず手をかざす。
「防御の加護!」
俺の呪文のあとにアザレアの背後に現れた光の壁。壁に衝突した天理火は跳ね返され地面に転がった。
「なぜです?! 魔王の魔法なら倒すことも出きるのに?」
「倒したくないんだよ。天理火はリュセラの仲間なんだ。それに神様を倒したら祟られそう……」
「そんな甘さではあの神は倒せません」
「なぜ分かる?」
「か、勘です。決して先代魔王の情報は契約で誰にも口外してはならないと決められているわけではありません!」
「バレバレか! でも、隠したいなら聞かない」
「ありがとうございます。先代魔王と同じくらい寛大で嬉しゅうございます」
「ボロが出過ぎー! 取り敢えずアザレア、低威力な魔法でもないか?」
アザレアは魔道書をめくりながら探した。そこはアナログだな。慣れた手付きで開いたページを俺に見せる。
「魔力爆破とか如何ですか?」
魔道書に目をやれば、俺にも分かる字に変換されている。
「どんな感じだ? 魔力を加減すれば威力を調整できたり?」
「いえ、相手の体内の魔力を爆破する魔法です」
「殺意が高いな!! 他で」
アザレアはページを捲るものの、手間取っている。魔王の魔法だから強いのしか無いのは分かるんだが。
俺は天理火を見た、相手はこちらを観察しながら尻尾を振りまくっている。最上級デーモンてすら触れたら消滅するほどの強力な光の塊。
生半可な魔法では天理火に満足して貰えない。今も楽しそうに尻尾を振っているのだが。
「では高濃度魔力レーザーとかいかがです?」
「おお。調整できそうな魔法だな」
「はい。魔力調整で大きさを変えて、動きなども操作できます」
「よし、最低出力で相手に当ててみよう」
「では、手を構え読み上げてください」
アザレアはページを俺に見せた。俺は天理火に手を向けて唱える。威力を最低にして、天理火目掛けて呪文を唱えた。
「パニッシュメント!」
天理火の光に負けない光と共に放たれたのは極太レーザーだった。自衛隊の簡易キャンプに当たらなかったが天理火に直撃、それどころか天理火が完全に見えなくなった。
「これ最低威力だよね!?」
「はい。かつて、光の魔王が使用したものの一割の威力です」
「魔王なめてました! でも、これじゃ天理火が……」
「いえ、魔王様。レーザーの上をご覧ください!」
レーザーの上で跳び跳ね回る天理火がいた。
「良かった生きてる。でも、尻尾が四つくらいになってない?」
天理火の尻尾は増えている。全部フリフリしているので見えにくいが。
「ユカイ、ユカイ!」
「しゃべるのか!?」
「喜んでそうです魔王様!」
「俺は魔王じゃないからな! じゃあ、天理火さん。お帰り頂けますか?」
「ニクイ、ニクイ」
「怒ってない?!」
まだ帰りそうにない天理火。神様だけあって俺の呪文で傷一つ付いていない。怒らせたかもしれないしどうしよう? 表情は光で見えないのだが。
アザレアの背後に瞬時に移動してきた天理火はアザレアに迫った。俺はすかさず手をかざす。
「防御の加護!」
俺の呪文のあとにアザレアの背後に現れた光の壁。壁に衝突した天理火は跳ね返され地面に転がった。
「なぜです?! 魔王の魔法なら倒すことも出きるのに?」
「倒したくないんだよ。天理火はリュセラの仲間なんだ。それに神様を倒したら祟られそう……」
「そんな甘さではあの神は倒せません」
「なぜ分かる?」
「か、勘です。決して先代魔王の情報は契約で誰にも口外してはならないと決められているわけではありません!」
「バレバレか! でも、隠したいなら聞かない」
「ありがとうございます。先代魔王と同じくらい寛大で嬉しゅうございます」
「ボロが出過ぎー! 取り敢えずアザレア、低威力な魔法でもないか?」
アザレアは魔道書をめくりながら探した。そこはアナログだな。慣れた手付きで開いたページを俺に見せる。
「魔力爆破とか如何ですか?」
魔道書に目をやれば、俺にも分かる字に変換されている。
「どんな感じだ? 魔力を加減すれば威力を調整できたり?」
「いえ、相手の体内の魔力を爆破する魔法です」
「殺意が高いな!! 他で」
アザレアはページを捲るものの、手間取っている。魔王の魔法だから強いのしか無いのは分かるんだが。
俺は天理火を見た、相手はこちらを観察しながら尻尾を振りまくっている。最上級デーモンてすら触れたら消滅するほどの強力な光の塊。
生半可な魔法では天理火に満足して貰えない。今も楽しそうに尻尾を振っているのだが。
「では高濃度魔力レーザーとかいかがです?」
「おお。調整できそうな魔法だな」
「はい。魔力調整で大きさを変えて、動きなども操作できます」
「よし、最低出力で相手に当ててみよう」
「では、手を構え読み上げてください」
アザレアはページを俺に見せた。俺は天理火に手を向けて唱える。威力を最低にして、天理火目掛けて呪文を唱えた。
「パニッシュメント!」
天理火の光に負けない光と共に放たれたのは極太レーザーだった。自衛隊の簡易キャンプに当たらなかったが天理火に直撃、それどころか天理火が完全に見えなくなった。
「これ最低威力だよね!?」
「はい。かつて、光の魔王が使用したものの一割の威力です」
「魔王なめてました! でも、これじゃ天理火が……」
「いえ、魔王様。レーザーの上をご覧ください!」
レーザーの上で跳び跳ね回る天理火がいた。
「良かった生きてる。でも、尻尾が四つくらいになってない?」
天理火の尻尾は増えている。全部フリフリしているので見えにくいが。
「ユカイ、ユカイ!」
「しゃべるのか!?」
「喜んでそうです魔王様!」
「俺は魔王じゃないからな! じゃあ、天理火さん。お帰り頂けますか?」
「ニクイ、ニクイ」
「怒ってない?!」
まだ帰りそうにない天理火。神様だけあって俺の呪文で傷一つ付いていない。怒らせたかもしれないしどうしよう? 表情は光で見えないのだが。
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