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2部、2章

展望台

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 かつて川底だった場所に俺は立っていた。川底の泥は渇き、かなりへこんだ窪地となっている。ここが元通りの川に戻るのは何十年とかかるだろう。

「スライムは倒せた。微塵も残ってはいないみたいだな」

「その前にみんな、俺に言うことは?」

「すごい、ワイヤー切れてない!」

「俺の事を心配してくれ……」

「あ、ごめんね悠人。魔法である程度ゴッドミノタウロスの頑丈さは分かってたから」

「すまない。しかし、古代種のスライムとなればここまでしないと倒せなかった」

「悠人君、申し訳ない。失中魔法で全体を軽減できたはずだ」

「二号二人も!」

「ごめんね悠人。でも、すごいねゴッドミノタウロス。もっと全力でビームを撃てば良かった……」

「ダメだぞ凛音二号。最強かと思われたゴッドミノタウロスでも、勇者たちなら対処できる。拘束したり、足止めしたりと手はある。討伐は出来なかったがな」

「「お父さんが倒せなかったんだぁ……」」

「やめろぉ! 焚き付けるな!」

 本物の凛音と凛音二号は笑顔で俺を見て杖を構えたが、エリカ大尉が仲裁してくれたので事なきを得た。

「では、進むとしよう」

 俺たちは徒歩で焼け付いた川を渡る。ここ以外の川はやや沼地となっていたので、ここが一番安全だった。メチャクチャ大爆発の後だが。

 川岸にたどり着き、再び装甲車で移動の後に、俺たちは展望台までたどり着いた。

 俺たちが展望台に降り立つと、澄み渡った空気が迎え入れてくれる。下から見た滝は大量の水が流れ落ち、景色を雄大で力強いものに見せた。

「やっと着いた」

「これがこの世界の観光地と言うものか。僕たちの世界もこうしたものが欲しくなるな」

「一時は死んじゃうかと思ったっす」

「それ俺の前で言えます?」

「ごめんて、悠人君」

「すまないな。だが、安心してくれ悠人君。レポートに君の活躍を書いておく。給料に実績評価を加えておく」

「よろしくお願いいします……」

 後ろを歩いていたアキラさんが無言でトランシーバーを押している。恐らくモールス信号でエリカ大尉たちに連絡を取っているのだ。

「警戒を! 囲まれている」

「バカな、魔力探知していたぞ!」

「そっか。こっちの生き物なら魔力が少ないから感知できない!」

 俺を先頭に全員背中を合わせた。当然のように俺の肩にはリュセラ二人の手。凛音二人もチラチラ俺を見てる。俺だけ味方にも狙われている中で、辺りを見回した。

 野生動物のがいる気配がある。俺も油断していた。身内を警戒しすぎてただけかもだが。
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