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2部、2章

総攻撃

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 俺に迫り来る緑色の水、古代種のスライム。その体は大きいようで、先端が見えない。霧で見えないけど、広い川の四方を見てもどこにも川底の泥など無いように思えてしまう。

「どうしろって言うんだ。本当に核が来るのかよ!」

「来るはずだ、栄養を得るために」

「その前に、消化されるわ!」

 スライムの体が引き寄せられ、俺の顔にまで届きそうになった。慌てて腕を振るい、押し退ける。ゴッドミノタウロスのパワーなのか、結構な量を剥がせるけど、それ以上にスライムの体積が大きすぎた。

「「悠人、私たちに任せて!」」

「おお、頼む!」

 凛音と凛音二号は似たような動きで杖から光を放った。それが当たったスライムは蒸発するように煙になる。

「すごい威力だな。どんな魔法?」

「触れたものを消滅させる魔法だよ!」

「危なすぎ! と言うか俺にちょっと当たってるんだけど?!」

「そうなの。ごめん。でもすごい! 消滅させる魔法を打ち消してるんだ!」

「危ないから他の魔法にしてくれ……」

「ねえ、私。もっと量を増やせば何か変わるかな?」

「どうだろう。やってみよう!」

「俺の命でトライすんな!」

 凛音たちの放つ光は徐々に大きくなり。スライムは絶叫を上げた。ちなみに俺の絶叫も重なった。

 集まったスライムがかなり消されたためか、スライムの動きか早まった。少し近くの川底が見えたのと、見えないほど背の高いスライムが現れたのは同時だった。

「今だ凛音、全力でビームを撃て! 僕も加勢する! 自衛隊も何か出来るか?」

「では、対魔法装甲用の手榴弾を。やれ、ユウキ、アキラ!」

「俺まだ捕まってるんですけどー!」

「大丈夫っす。魔法効かないなら! 火薬使ってるけど、直撃は失中魔法で外すので」

「爆風当たるんですよね?!」

 すでに栓を抜いた手榴弾を投げてきた。

 凛音の放つヤバいビームもかなりの幅俺に当たってる!

「リュセラたち。か、加減してくれ!」

「「安心しろ、麗音に当てても大丈夫な火炎を出すだけだ。確か……。山が消し飛ぶくらいだ」」

「それ絶対加減してない……!! やめろよー!」

 全てがスライムに(俺にも)着弾し、大爆発を起こした。全身の焼けるような痛みと、何も聞こえない感じに包まれたのち。

 俺は川底に立っていた。ゴッドミノタウロスの頑丈さに感謝した。そのせいで囮にされたのだが。
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