117 / 217
2部、2章
総攻撃
しおりを挟む
俺に迫り来る緑色の水、古代種のスライム。その体は大きいようで、先端が見えない。霧で見えないけど、広い川の四方を見てもどこにも川底の泥など無いように思えてしまう。
「どうしろって言うんだ。本当に核が来るのかよ!」
「来るはずだ、栄養を得るために」
「その前に、消化されるわ!」
スライムの体が引き寄せられ、俺の顔にまで届きそうになった。慌てて腕を振るい、押し退ける。ゴッドミノタウロスのパワーなのか、結構な量を剥がせるけど、それ以上にスライムの体積が大きすぎた。
「「悠人、私たちに任せて!」」
「おお、頼む!」
凛音と凛音二号は似たような動きで杖から光を放った。それが当たったスライムは蒸発するように煙になる。
「すごい威力だな。どんな魔法?」
「触れたものを消滅させる魔法だよ!」
「危なすぎ! と言うか俺にちょっと当たってるんだけど?!」
「そうなの。ごめん。でもすごい! 消滅させる魔法を打ち消してるんだ!」
「危ないから他の魔法にしてくれ……」
「ねえ、私。もっと量を増やせば何か変わるかな?」
「どうだろう。やってみよう!」
「俺の命でトライすんな!」
凛音たちの放つ光は徐々に大きくなり。スライムは絶叫を上げた。ちなみに俺の絶叫も重なった。
集まったスライムがかなり消されたためか、スライムの動きか早まった。少し近くの川底が見えたのと、見えないほど背の高いスライムが現れたのは同時だった。
「今だ凛音、全力でビームを撃て! 僕も加勢する! 自衛隊も何か出来るか?」
「では、対魔法装甲用の手榴弾を。やれ、ユウキ、アキラ!」
「俺まだ捕まってるんですけどー!」
「大丈夫っす。魔法効かないなら! 火薬使ってるけど、直撃は失中魔法で外すので」
「爆風当たるんですよね?!」
すでに栓を抜いた手榴弾を投げてきた。
凛音の放つヤバいビームもかなりの幅俺に当たってる!
「リュセラたち。か、加減してくれ!」
「「安心しろ、麗音に当てても大丈夫な火炎を出すだけだ。確か……。山が消し飛ぶくらいだ」」
「それ絶対加減してない……!! やめろよー!」
全てがスライムに(俺にも)着弾し、大爆発を起こした。全身の焼けるような痛みと、何も聞こえない感じに包まれたのち。
俺は川底に立っていた。ゴッドミノタウロスの頑丈さに感謝した。そのせいで囮にされたのだが。
「どうしろって言うんだ。本当に核が来るのかよ!」
「来るはずだ、栄養を得るために」
「その前に、消化されるわ!」
スライムの体が引き寄せられ、俺の顔にまで届きそうになった。慌てて腕を振るい、押し退ける。ゴッドミノタウロスのパワーなのか、結構な量を剥がせるけど、それ以上にスライムの体積が大きすぎた。
「「悠人、私たちに任せて!」」
「おお、頼む!」
凛音と凛音二号は似たような動きで杖から光を放った。それが当たったスライムは蒸発するように煙になる。
「すごい威力だな。どんな魔法?」
「触れたものを消滅させる魔法だよ!」
「危なすぎ! と言うか俺にちょっと当たってるんだけど?!」
「そうなの。ごめん。でもすごい! 消滅させる魔法を打ち消してるんだ!」
「危ないから他の魔法にしてくれ……」
「ねえ、私。もっと量を増やせば何か変わるかな?」
「どうだろう。やってみよう!」
「俺の命でトライすんな!」
凛音たちの放つ光は徐々に大きくなり。スライムは絶叫を上げた。ちなみに俺の絶叫も重なった。
集まったスライムがかなり消されたためか、スライムの動きか早まった。少し近くの川底が見えたのと、見えないほど背の高いスライムが現れたのは同時だった。
「今だ凛音、全力でビームを撃て! 僕も加勢する! 自衛隊も何か出来るか?」
「では、対魔法装甲用の手榴弾を。やれ、ユウキ、アキラ!」
「俺まだ捕まってるんですけどー!」
「大丈夫っす。魔法効かないなら! 火薬使ってるけど、直撃は失中魔法で外すので」
「爆風当たるんですよね?!」
すでに栓を抜いた手榴弾を投げてきた。
凛音の放つヤバいビームもかなりの幅俺に当たってる!
「リュセラたち。か、加減してくれ!」
「「安心しろ、麗音に当てても大丈夫な火炎を出すだけだ。確か……。山が消し飛ぶくらいだ」」
「それ絶対加減してない……!! やめろよー!」
全てがスライムに(俺にも)着弾し、大爆発を起こした。全身の焼けるような痛みと、何も聞こえない感じに包まれたのち。
俺は川底に立っていた。ゴッドミノタウロスの頑丈さに感謝した。そのせいで囮にされたのだが。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~
尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。
ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。
亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。
ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!?
そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。
さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。
コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く!
はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる