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2部、1章
隠れる2
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暗くなった夜の林は風に揺れる枝の音、息を潜めた動物達の気配を感じる。隠れたセレストの気配はない。
「側に居るなら出てこいセレスト! みんな集まらないと作戦が進まないだろ!」
「返事はないか」
「セレストの魔法?」
「あり得る話だな。僕の知る限りエルリックの魔法は万能だった。きっと彼女も……」
「一緒にしないで!」
どこかから声が聞こえたが、目視ではセレスト姿が見えない。空の太陽では足りないなら。
「物質創造、ライト」
「ライトでは照らしきれないよ?」
「ああ、だからライト増殖」
ライトをかなりの数作った。
「そんなに持つのは無理じゃないか?」
俺は力を込めて念じた。ハイドラに増えろと。
俺のハイドラの首はもはや数えられないほど増えた。体のサイズは変わらないから不釣り合いだ。
ライトを首で巻き付けて持ち、俺は方々へと首を伸ばして照らした。
「見えずの加護」
セレストの声がした。
「ズルいぞ、セレスト!」
「悠人も人のこと言える?」
「今はそれどころではないだろ!」
俺の言葉にセレストは反応しない。だが、首が増えているため音が聞こえた。
「位置は見つけたぞ!」
俺が首をある木の裏に移動させるが。
「ここに居らずの加護」
微かに感じた魔力が消えた。セレストは恐らく、瞬間移動したのかもしれない。少なくともここでないどこかに行ったようだ。
「消えただと。僕の感知でも気配が読めない」
「すごい魔法だね! 教えて欲しいかも」
「セレストの魔法は難しいだろうな、彼女の性格が影響している」
「似てないと出来ないってことか。試してみようかな……」
「止めておけ……。いや、麗音に反発すれば奴に大ダメージになるな!」
「二人とも。後でやりな。俺はちょっと叱ってくる」
「しかしどうやって……?」
俺はその辺に落ちている石を拾った。首をかしげた二人。そして、俺は位置入れ替えの魔法を使った。
暗い林の一角、完全に明かりの届かない丘の後ろに座っていたセレスト。手にはハチミツが握られていた。ふと、ハチミツが消えた。代わりに現れた俺に驚いた顔のセレスト。
「どうやったの?」
「俺のハチミツだから、思い浮かべて自分と位置を入れ替えた」
「卑怯! ちゃんと探してよ」
「見つけて欲しかったのに隠れてたのか?」
「……」
「さてはからかってたな?」
「そう、いつも通り楽しませてもらったの!」
セレストはイタズラする子供のような笑顔になった。
「はなし相手してやれなくてごめん」
彼女は笑顔から一転、真剣な面持ちへと変わる。
「そう、せっかく一緒に出掛けられたのに悠人は忙しそうだったから」
「藍華を守るのに必死だった。また冒険しようって、俺が言ったのにか」
「いいえ、私が悪かった。仕事で来たのに、わがままだったから」
「でも、会えて嬉しかった」
「急に恥ずかしいこと言うね」
「仕事じゃない時も会えたら良いのにって、俺は思っている」
言ってから気恥ずかしい俺。少しの間、セレストを見つめる。慌てて目をそらしたのはセレストだ。
「はいはい。イタズラはこれでおしまい。取り敢えず戻りましょう」
「そ、そうだな。変なこと言ってごめん」
セレストが、魔力でリュセラ達を見つければ、すぐに戻れるだろう。だが、俺は気になった言葉があった。
「なあ、セレスト。セレストは今回の作戦、勝手に付いてきたんじゃないのか?」
「私は本部に居るから、あの親父の依頼で来たのよ」
「カインが勝手に付いてきたのか?」
「珍しいことだったわ。あいつ、いつも付き合い悪いから。映画作るためにって自分から私に同行したのよ」
なぜ、カインは来たんだ? カインといいモニターといい。悲劇教団に依頼されてないなら、仕事以外の目的が有るってことになる。怪しい。
「側に居るなら出てこいセレスト! みんな集まらないと作戦が進まないだろ!」
「返事はないか」
「セレストの魔法?」
「あり得る話だな。僕の知る限りエルリックの魔法は万能だった。きっと彼女も……」
「一緒にしないで!」
どこかから声が聞こえたが、目視ではセレスト姿が見えない。空の太陽では足りないなら。
「物質創造、ライト」
「ライトでは照らしきれないよ?」
「ああ、だからライト増殖」
ライトをかなりの数作った。
「そんなに持つのは無理じゃないか?」
俺は力を込めて念じた。ハイドラに増えろと。
俺のハイドラの首はもはや数えられないほど増えた。体のサイズは変わらないから不釣り合いだ。
ライトを首で巻き付けて持ち、俺は方々へと首を伸ばして照らした。
「見えずの加護」
セレストの声がした。
「ズルいぞ、セレスト!」
「悠人も人のこと言える?」
「今はそれどころではないだろ!」
俺の言葉にセレストは反応しない。だが、首が増えているため音が聞こえた。
「位置は見つけたぞ!」
俺が首をある木の裏に移動させるが。
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微かに感じた魔力が消えた。セレストは恐らく、瞬間移動したのかもしれない。少なくともここでないどこかに行ったようだ。
「消えただと。僕の感知でも気配が読めない」
「すごい魔法だね! 教えて欲しいかも」
「セレストの魔法は難しいだろうな、彼女の性格が影響している」
「似てないと出来ないってことか。試してみようかな……」
「止めておけ……。いや、麗音に反発すれば奴に大ダメージになるな!」
「二人とも。後でやりな。俺はちょっと叱ってくる」
「しかしどうやって……?」
俺はその辺に落ちている石を拾った。首をかしげた二人。そして、俺は位置入れ替えの魔法を使った。
暗い林の一角、完全に明かりの届かない丘の後ろに座っていたセレスト。手にはハチミツが握られていた。ふと、ハチミツが消えた。代わりに現れた俺に驚いた顔のセレスト。
「どうやったの?」
「俺のハチミツだから、思い浮かべて自分と位置を入れ替えた」
「卑怯! ちゃんと探してよ」
「見つけて欲しかったのに隠れてたのか?」
「……」
「さてはからかってたな?」
「そう、いつも通り楽しませてもらったの!」
セレストはイタズラする子供のような笑顔になった。
「はなし相手してやれなくてごめん」
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「そう、せっかく一緒に出掛けられたのに悠人は忙しそうだったから」
「藍華を守るのに必死だった。また冒険しようって、俺が言ったのにか」
「いいえ、私が悪かった。仕事で来たのに、わがままだったから」
「でも、会えて嬉しかった」
「急に恥ずかしいこと言うね」
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「はいはい。イタズラはこれでおしまい。取り敢えず戻りましょう」
「そ、そうだな。変なこと言ってごめん」
セレストが、魔力でリュセラ達を見つければ、すぐに戻れるだろう。だが、俺は気になった言葉があった。
「なあ、セレスト。セレストは今回の作戦、勝手に付いてきたんじゃないのか?」
「私は本部に居るから、あの親父の依頼で来たのよ」
「カインが勝手に付いてきたのか?」
「珍しいことだったわ。あいつ、いつも付き合い悪いから。映画作るためにって自分から私に同行したのよ」
なぜ、カインは来たんだ? カインといいモニターといい。悲劇教団に依頼されてないなら、仕事以外の目的が有るってことになる。怪しい。
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