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2部、1章
危険
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走る装甲車の窓から見える景色は、町中を過ぎて大きな木々に囲まれた道路へと変わった。
運転席から後方の窓の外を眺める。都会を離れて森林の青々とした木々、太く成長した樹木の幹を見て、窓の外から入ってくる新緑の香りを感じる。
貧困な家庭事情だった俺たちの初めてと言える旅行気分だった。自分の姿をみれば、危険生物を捕縛しているようにしか見えないだろうけど。防風シートを掛けられ、首は縛られ、手錠までされているのだから。
「私、車に乗って遠出するの初めて!」
隣で藍華が笑顔で居てくれる。それが俺の望んだ幸せだ。
「俺も拘束されて乗るのは初めてだな……。でも、良かったな藍華。これからは学校行事で出かけることも出来るぞ」
「うん! 足を治してくれてありがとう。おにーちゃん!」
俺のせいで怪我をした藍華。俺に感謝される資格はない。これからもっと藍華が幸せになれるように手助けをしていく。
「そろそろ、山林地帯に入る。心してかかれ」
座席の前方に座るエリカ大尉が全員に聞こえる声で言う。とうとう作戦が始まるのだ。
「奇跡の破片は周りに大きな影響を及ぼす。魔法の使える生物に注意しろ」
リュセラは注意喚起を言いながら、本人は装甲車の中をうろつき設備を見て回っている。
「いけませんよ、リュセラ様。これから危険な場所に踏み込むと言うのに」
カインはリュセラをたしなめた。だが彼もカメラを構えて座席後方から撮影していた。映画撮影で用いる足のついた大砲のようなカメラを使っている。
俺は二人を静止しようとしたが。俺より先にその様子を見ていたケンタさんが声をかけた。
「異世界の協力者たち、落ち着け。これは遊びじゃねえんだぞ」
櫛持ってるから不安なんだなケンタさん。
車内は一部を除いて席に着いている。アキラさんの運転は安定していて。様子を確認しているエリカ大尉とタケシ中尉。控えて警戒をしているユウキさん。
俺だって対応できるように控えている。手も翼も使えないが、首だけでも動かし、物体を創造する魔法を使える。入れ替えの魔法もある。
ドンッ!
大きな音と共に、車体が大きく揺れる。ハンドルを取られたのた、左側に大きく押された。
「アキラ! 何があった?」
アキラさんは何も喋らなかった。その代わりにカズヒロさんが答える。
「道路右側より何か大きなものが衝突してきました。ここは山林地帯ですが、今は山頂です。土砂も落石も確認できません!」
揺れた車体が道路に戻った時に、藍華が声を出した。
「あ!」
「どうした?」
「膝の上に……」
藍華の膝の上に、白いネズミが居た。窓から紛れ込んだのか。でも、胸騒ぎがする。装甲車に異変が起きた後に、何か衝突した側の窓から来たのだから。
運転席から後方の窓の外を眺める。都会を離れて森林の青々とした木々、太く成長した樹木の幹を見て、窓の外から入ってくる新緑の香りを感じる。
貧困な家庭事情だった俺たちの初めてと言える旅行気分だった。自分の姿をみれば、危険生物を捕縛しているようにしか見えないだろうけど。防風シートを掛けられ、首は縛られ、手錠までされているのだから。
「私、車に乗って遠出するの初めて!」
隣で藍華が笑顔で居てくれる。それが俺の望んだ幸せだ。
「俺も拘束されて乗るのは初めてだな……。でも、良かったな藍華。これからは学校行事で出かけることも出来るぞ」
「うん! 足を治してくれてありがとう。おにーちゃん!」
俺のせいで怪我をした藍華。俺に感謝される資格はない。これからもっと藍華が幸せになれるように手助けをしていく。
「そろそろ、山林地帯に入る。心してかかれ」
座席の前方に座るエリカ大尉が全員に聞こえる声で言う。とうとう作戦が始まるのだ。
「奇跡の破片は周りに大きな影響を及ぼす。魔法の使える生物に注意しろ」
リュセラは注意喚起を言いながら、本人は装甲車の中をうろつき設備を見て回っている。
「いけませんよ、リュセラ様。これから危険な場所に踏み込むと言うのに」
カインはリュセラをたしなめた。だが彼もカメラを構えて座席後方から撮影していた。映画撮影で用いる足のついた大砲のようなカメラを使っている。
俺は二人を静止しようとしたが。俺より先にその様子を見ていたケンタさんが声をかけた。
「異世界の協力者たち、落ち着け。これは遊びじゃねえんだぞ」
櫛持ってるから不安なんだなケンタさん。
車内は一部を除いて席に着いている。アキラさんの運転は安定していて。様子を確認しているエリカ大尉とタケシ中尉。控えて警戒をしているユウキさん。
俺だって対応できるように控えている。手も翼も使えないが、首だけでも動かし、物体を創造する魔法を使える。入れ替えの魔法もある。
ドンッ!
大きな音と共に、車体が大きく揺れる。ハンドルを取られたのた、左側に大きく押された。
「アキラ! 何があった?」
アキラさんは何も喋らなかった。その代わりにカズヒロさんが答える。
「道路右側より何か大きなものが衝突してきました。ここは山林地帯ですが、今は山頂です。土砂も落石も確認できません!」
揺れた車体が道路に戻った時に、藍華が声を出した。
「あ!」
「どうした?」
「膝の上に……」
藍華の膝の上に、白いネズミが居た。窓から紛れ込んだのか。でも、胸騒ぎがする。装甲車に異変が起きた後に、何か衝突した側の窓から来たのだから。
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