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二章 復讐のその後
42 戸惑い
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ど、どうしよう。春夜君と手を繋いでいるだけで凄くドキドキしてるよ。もうキスとか……手を繋ぐどころじゃない高レベルな接触もしてる間柄なのに!
横断歩道を渡ってバス停のある場所まで来た。
「次のバスは……五分後ですね」
春夜君が時刻表でバスの到着時間を調べてくれた。もうすぐバスが来てそれぞれの家に帰る。寂しく思ってしまう。
いつだったか春夜君が「あと三分でバスがバス停に着く時刻なのに、全然帰りたくなくて焦ってます」って言ってた事があった。あの時は深く考えていなかったけど、もしかしたら今の私みたいな気持ちだったのかな。
「明?」
俯いて考え込んでいた時分、声を掛けられて驚いた。ビクッと体が揺れる。
「何を考えてるんですか?」
「えっと……」
問われて口籠もった。今、私が思っている事をそのまま言っていいんだろうか。だめだよね? 絶対、春夜君を困らせてしまう。
「何でもない」
口にしたけど春夜君の目が冷たい印象に細まったので見透かされているように感じた。
「本当に?」
更に尋ねられたけど誤魔化す事に決めた。春夜君もきっと早く帰って勉強したいだろうし。私と過ごしている暇なんて本来ならない筈だ。
「うっ……うん!」
取り敢えず答えたけど、我ながら嘘っぽいニュアンスの声だと思った。苦笑いしていたところで春夜君に両肩を掴まれた。
「オレの目を見て答えてください。本当に何も考えてなかった?」
真剣な雰囲気で聞かれた。「本当はもう少しだけでも一緒にいたい」と我が儘を言いそうになるけど何とか堪えた。
少し笑みを作り返事をした。
「うん」
春夜君の顔が近くなり唇が触れた。
「オレ、まだ明と一緒にいたいんですけどダメですか?」
キスの後に言われた。
「えっと……」
相手の顔をまともに見れない。
私も一緒にいたいよ? でも春夜君が最近凄く私に甘いから、溺れて呼吸も苦しくなりそうなんだよ。心の内で葛藤した。
どこかでブレーキを掛けないと私、どんどん欲深く邪になっていく。もうすぐテストもあるのに! ダメだこのままじゃ。
自分ではコントロールできそうにない感情の波に呑まれそうで震えた。視線を下に逸らし、しどろもどろに口を動かす。
「ごめんねっ、テスト勉強しないといけないからっ!」
彼の肩を押して体を離した。赤くなっているであろう顔を隠す為に俯く。鳴り止まない胸の中央を両手で押さえた。
「明……?」
春夜君の呟きが聞こえると同時にバスの停車音が響いた。何事もなかったかのように促す。
「行こう?」
彼と視線を合わせられないまま先にバスに乗り込んだ。
次の日。困惑し過ぎてどんな顔をして会えばいいのかも分からなくなっていた。教室の自分の机に突っ伏して頭を抱える。今までの私はどんな顔で彼と接していたかな? 考えている内に思考がすり替わる。春夜君の事ばかり思い浮かぶ。
だけど悠長に思い耽っている時間はなかった。放課後に彼と会う予定がある。
自分の事に気を取られ忘れかけていたけど、今日は花織君と佳耶さんのデートの日だった。花織君と舞花ちゃんがラブラブになった今、あの四人は結局どうなるんだろう。
放課後になり再び春夜君のお家へお邪魔した。
来る途中バスの中や歩道を歩いている時も始終、春夜君からのじっとりとした視線を感じていた。私が挙動不審だから気にしてくれているんだと思う。ごめんね。今は自分でもどうしていいのか分からないよ。
春夜君、舞花ちゃんとリビングに入った。最初に目にした光景に度肝を抜かれた。
理お兄さんと佳耶さんがキスしていた。それを花織君が泡を食った表情で見ている。そんな場面だった。
横断歩道を渡ってバス停のある場所まで来た。
「次のバスは……五分後ですね」
春夜君が時刻表でバスの到着時間を調べてくれた。もうすぐバスが来てそれぞれの家に帰る。寂しく思ってしまう。
いつだったか春夜君が「あと三分でバスがバス停に着く時刻なのに、全然帰りたくなくて焦ってます」って言ってた事があった。あの時は深く考えていなかったけど、もしかしたら今の私みたいな気持ちだったのかな。
「明?」
俯いて考え込んでいた時分、声を掛けられて驚いた。ビクッと体が揺れる。
「何を考えてるんですか?」
「えっと……」
問われて口籠もった。今、私が思っている事をそのまま言っていいんだろうか。だめだよね? 絶対、春夜君を困らせてしまう。
「何でもない」
口にしたけど春夜君の目が冷たい印象に細まったので見透かされているように感じた。
「本当に?」
更に尋ねられたけど誤魔化す事に決めた。春夜君もきっと早く帰って勉強したいだろうし。私と過ごしている暇なんて本来ならない筈だ。
「うっ……うん!」
取り敢えず答えたけど、我ながら嘘っぽいニュアンスの声だと思った。苦笑いしていたところで春夜君に両肩を掴まれた。
「オレの目を見て答えてください。本当に何も考えてなかった?」
真剣な雰囲気で聞かれた。「本当はもう少しだけでも一緒にいたい」と我が儘を言いそうになるけど何とか堪えた。
少し笑みを作り返事をした。
「うん」
春夜君の顔が近くなり唇が触れた。
「オレ、まだ明と一緒にいたいんですけどダメですか?」
キスの後に言われた。
「えっと……」
相手の顔をまともに見れない。
私も一緒にいたいよ? でも春夜君が最近凄く私に甘いから、溺れて呼吸も苦しくなりそうなんだよ。心の内で葛藤した。
どこかでブレーキを掛けないと私、どんどん欲深く邪になっていく。もうすぐテストもあるのに! ダメだこのままじゃ。
自分ではコントロールできそうにない感情の波に呑まれそうで震えた。視線を下に逸らし、しどろもどろに口を動かす。
「ごめんねっ、テスト勉強しないといけないからっ!」
彼の肩を押して体を離した。赤くなっているであろう顔を隠す為に俯く。鳴り止まない胸の中央を両手で押さえた。
「明……?」
春夜君の呟きが聞こえると同時にバスの停車音が響いた。何事もなかったかのように促す。
「行こう?」
彼と視線を合わせられないまま先にバスに乗り込んだ。
次の日。困惑し過ぎてどんな顔をして会えばいいのかも分からなくなっていた。教室の自分の机に突っ伏して頭を抱える。今までの私はどんな顔で彼と接していたかな? 考えている内に思考がすり替わる。春夜君の事ばかり思い浮かぶ。
だけど悠長に思い耽っている時間はなかった。放課後に彼と会う予定がある。
自分の事に気を取られ忘れかけていたけど、今日は花織君と佳耶さんのデートの日だった。花織君と舞花ちゃんがラブラブになった今、あの四人は結局どうなるんだろう。
放課後になり再び春夜君のお家へお邪魔した。
来る途中バスの中や歩道を歩いている時も始終、春夜君からのじっとりとした視線を感じていた。私が挙動不審だから気にしてくれているんだと思う。ごめんね。今は自分でもどうしていいのか分からないよ。
春夜君、舞花ちゃんとリビングに入った。最初に目にした光景に度肝を抜かれた。
理お兄さんと佳耶さんがキスしていた。それを花織君が泡を食った表情で見ている。そんな場面だった。
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