93 / 111
3章 逆境は真実へと至る最初の道筋である。
ワインを飲んでると、強そうなボスに見えるメリットがある。オレンジジュースを飲んでるマフィアはいない
しおりを挟む
走る、走る。その速度はまるで衰えることなく走り続ける。
疲れると回復魔法で疲れを癒し、魔力がきれかけるとマナポーションで魔力を補充する。
風を常に纏い、レベッカの速度を上昇させながら走るその姿は、まるで風の精霊のようだった。
走って走って、休みなく走り続け、レベッカは遂に懐かしのルーズ領に辿り着いた。
「懐かしい………」
かつての領地を見ての感想だった。
ほんの二ヶ月前まで住んでいた街。だが、今帰る訳にはいかない。
「終わらせないと」
決意を新たに、レベッカは森の中に歩を進める。
道は覚えている。故に迷いなくレベッカは歩を進める。
途中の魔獣も全て魔法で片手間に倒す。少し前のレベッカなら無理だっただろうが、覚悟を決めたレベッカならば可能なことだった。
「見えた………」
懐かしの湖に辿り着き、レベッカは一度地面に座る。
相変わらず、綺麗な湖はかつて来た時と何も変わらなかった。
「こんなところで、何してるんだろう………」
それは、アイトを殺し、手紙を寄越してきた相手に対してだ。
何をもって相手はこんなところを指定したのだろうか。
「そういえば、時間とか書いてない」
改めて手紙の内容を思い出し、懐から取り出して見るも、どこにも時間は書いていなかった。
「まあ、元々いつクリアできるかわからないものだったけどね」
終わる時が不明な手紙に、わざわざ日付や時刻を書くバカはいない。いや、そもそも手紙を封印するやつの方がいないだろう。
「前提条件が珍しかったね」
一人でそう言い、苦笑いする。
だが、この湖が犯人の居場所か、新たな暗号であることには間違いないはず。ならば、この湖のどこかにヒントがあるはずだ。
「外周か、或いは中、かな?」
だが、どちらも中々に手間がかかる。外周は時間をかければ問題ないが、湖の中は準備がいる。
「考えても仕方がないね。外周から調べようかな」
取り敢えず小一時間程の時間をかけて外周を調べたレベッカだったが、
「何も無い………」
丁度一周したところでその事実を再確認した。
「ここになかったら、あとは付近の森の中?」
いや、それは有り得ないだろう。なぜなら提示したのは湖。しかも思い出の湖。この場所以外には有り得ない。
「もう少し、ヒントないかなぁ………」
そう言って手紙を取り出して再度読んでいると、突然強力な風が吹いてきた。
「きゃっ」
その唐突な出来事に咄嗟に目に髪の毛が入るのは防げたが、誤って手紙は飛ばされてしまった。
「手紙が………」
そうして手紙は湖の中に落ちて、落ちた瞬間に湖が光出した
「え?ええ?」
その光はやがて広がり、湖全体に広がったかと思えば、レベッカの正面から湖の奥へ繋がる階段が出現し、その階段の部分だけ水が避けていた。
「えぇ………」
その唐突な出来事に、レベッカは困惑するしかなかったのであった。
疲れると回復魔法で疲れを癒し、魔力がきれかけるとマナポーションで魔力を補充する。
風を常に纏い、レベッカの速度を上昇させながら走るその姿は、まるで風の精霊のようだった。
走って走って、休みなく走り続け、レベッカは遂に懐かしのルーズ領に辿り着いた。
「懐かしい………」
かつての領地を見ての感想だった。
ほんの二ヶ月前まで住んでいた街。だが、今帰る訳にはいかない。
「終わらせないと」
決意を新たに、レベッカは森の中に歩を進める。
道は覚えている。故に迷いなくレベッカは歩を進める。
途中の魔獣も全て魔法で片手間に倒す。少し前のレベッカなら無理だっただろうが、覚悟を決めたレベッカならば可能なことだった。
「見えた………」
懐かしの湖に辿り着き、レベッカは一度地面に座る。
相変わらず、綺麗な湖はかつて来た時と何も変わらなかった。
「こんなところで、何してるんだろう………」
それは、アイトを殺し、手紙を寄越してきた相手に対してだ。
何をもって相手はこんなところを指定したのだろうか。
「そういえば、時間とか書いてない」
改めて手紙の内容を思い出し、懐から取り出して見るも、どこにも時間は書いていなかった。
「まあ、元々いつクリアできるかわからないものだったけどね」
終わる時が不明な手紙に、わざわざ日付や時刻を書くバカはいない。いや、そもそも手紙を封印するやつの方がいないだろう。
「前提条件が珍しかったね」
一人でそう言い、苦笑いする。
だが、この湖が犯人の居場所か、新たな暗号であることには間違いないはず。ならば、この湖のどこかにヒントがあるはずだ。
「外周か、或いは中、かな?」
だが、どちらも中々に手間がかかる。外周は時間をかければ問題ないが、湖の中は準備がいる。
「考えても仕方がないね。外周から調べようかな」
取り敢えず小一時間程の時間をかけて外周を調べたレベッカだったが、
「何も無い………」
丁度一周したところでその事実を再確認した。
「ここになかったら、あとは付近の森の中?」
いや、それは有り得ないだろう。なぜなら提示したのは湖。しかも思い出の湖。この場所以外には有り得ない。
「もう少し、ヒントないかなぁ………」
そう言って手紙を取り出して再度読んでいると、突然強力な風が吹いてきた。
「きゃっ」
その唐突な出来事に咄嗟に目に髪の毛が入るのは防げたが、誤って手紙は飛ばされてしまった。
「手紙が………」
そうして手紙は湖の中に落ちて、落ちた瞬間に湖が光出した
「え?ええ?」
その光はやがて広がり、湖全体に広がったかと思えば、レベッカの正面から湖の奥へ繋がる階段が出現し、その階段の部分だけ水が避けていた。
「えぇ………」
その唐突な出来事に、レベッカは困惑するしかなかったのであった。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
妹に陥れられ処刑決定したのでブチギレることにします
リオール
恋愛
実の妹を殺そうとした罪で、私は処刑されることとなった。
違うと言っても、事実無根だとどれだけ訴えても。
真実を調べることもなく、私の処刑は決定となったのだ。
──あ、そう?じゃあもう我慢しなくていいですね。
大人しくしてたら随分なめられた事態になってしまったようで。
いいでしょう、それではご期待通りに悪女となってみせますよ!
淑女の時間は終わりました。
これからは──ブチギレタイムと致します!!
======
筆者定番の勢いだけで書いた小説。
主人公は大人しく、悲劇のヒロイン…ではありません。
処刑されたら時間が戻ってやり直し…なんて手間もかけません。とっととやっちゃいます。
矛盾点とか指摘したら負けです(?)
何でもオッケーな心の広い方向けです。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
フラれた彼女のことを忘れようとしたのに、彼女の妹は全て知っていた
ワールド
恋愛
「悪いけど別れて欲しい」彼女である岩浪亜美からそう言われた。彼女のためだけに頑張ってきたのに、俺は全てを信じられなくなった。
高校卒業後、逃げるように俺は彼女と一緒に行くはずの大学を諦めて知らない大学に行くことに。
これで、彼女のことを忘れられる。そう思ったのに、そこで出会ったのは……。
「初めまして、あの……お姉ちゃんの彼氏さんですよね?」
話しかけてきたのはフラれた彼女の妹だった。
転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?
rita
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、
飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、
気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、
まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、
推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、
思ってたらなぜか主人公を押し退け、
攻略対象キャラや攻略不可キャラからも、モテまくる事態に・・・・
ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
〖完結〗私が死ねばいいのですね。
藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。
両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。
それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。
冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。
クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。
そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全21話で完結になります。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる