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3章 逆境は真実へと至る最初の道筋である。

マスコミをマスゴミっていうのはやめてさしあげろ!事実でも傷付くんですよ!

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「フィアラちゃん!パフォーマーになってくれたんだね!」

 チノは、そう言いながらフィアラの手を掴んで、上下にぶんぶん回してくる。

「あ、えっと………」

 予想以上のテンションの高さに、フィアラは思わず驚いてしまう。

「ねぇねぇ!折角だからちょっとお話ししない?」

 ということで、チノに連れられてフィアラはチノの楽屋に連れてこられた。

「ゆっくりしててね~」

 フィアラは始めてきた楽屋を興味深く観察している。

「緊張してる~?こっち座りなよ」

「え?あ、うん。ありがとう」

 チノに促されて、フィアラもソファに座る。

「えへへ~。実は楽屋に誰か呼ぶの始めてなんだよね~」

 そう言ったチノは心の底から嬉しそうな表情をしている。

「えっと、私以外に推薦した人は?」

「うん。パフォーマーにはなってくれたんだけどね。話す機会もなくて、全然話さなかったの」

 まあ、パフォーマーも忙しいだろうし、そう言ったすれ違いがあってもおかしくは無い。

「だから、こうして話すのはフィアラちゃんがはじめてかな!」

 チノはそう言うと立ち上がり、クルクルと回転した。

「嬉しかったんだ!私、普段は他のパフォーマーの人とはあまり話さないから」

「でも、私は今日が始めてですよ?」

「それでも、だよ!」

 もしかしたら、チノはフィアラがこれからも続けると、そう信じているらしい。

「なんで、私を推薦してくれたんですか?」

 フィアラの疑問にチノは「ん~?」の悩むと、

「まだ、秘密かな」

「………そう、ですか」

 まあ、元々答えてもらえるとは思っていなかった。

「あ、そろそろノーマルランクの人は準備じゃない?今日が始めてでしょ?」

 応援してる、と。チノはそう言ってくれた。

「楽しみにしてるから!」

 チノは笑いながらそう言って見送ってくれた。
 フィアラは楽屋に向かう途中で、少し考えていた。

(なんで、チノさんはあんなに期待しているのだろうか)

 無自覚な期待。無条件な期待。だけど、それには必ず裏があるはずだ。
 才能を見出す力?それが外れない自信?それを裏付けする根拠は………

恩恵ギフト………」

 ならば、チノの恩恵ギフトは才能を見出す力かと思われる。
 パフォーマンスの魅力を引き上げる力ではない、ということだ。

「まあ、見てみればわかるかな」

 フィアラはこれがデビュー戦。勝っても負けても後悔のないようにしなくては。

「ここで、精一杯目立てば………」

 他の人を実力で上回ってみせる、と。そう覚悟してフィアラは楽屋の扉を開いた。
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