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二章 しかし、概して人々が運命と呼ぶものは、大半が自分の愚行にすぎない。
私たちの事業はエスカレーター方式を採用しています
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赤色の文字が書かれている手紙。そんなもの心当たりはなかった。
「でも、この前アイトが………」
最近の街の噂として手紙のことを言っていたのを思い出した。
「確か、不幸をばら撒く呪いの手紙………」
どうしようか。焼却処分をしてしまおうか。だが、だとしても
「もしも、この手紙が噂通りなら………」
改めて手紙を見つめる。
「焼却処分をしても、無駄………」
たとえ手紙を捨てようとも、厄災は襲いかかってくる。
寧ろ、捨てるなんて、そんなことをすればもしかしたらもっと酷いことになる可能性もあるから。
「戻りましたよ」
と、このタイミングでアイトが帰ってきた。
「アイト!」
恐怖によって、我慢の限界が来ていたレベッカは、即座にアイトに抱きついた。
「いきなりどうしたのですか?レベッカ」
アイトは疑問を浮かべているが、泣きそうになっている雰囲気を感じ取り、何かがあったと判断した。
「なにがあったのですか?」
静かに問いかけるアイトに、レベッカはそっと手紙を差し出した。
「これが、窓の外に………」
手紙を受け取ったアイトは、その真っ赤な文字を見た瞬間に驚愕した。
「これは………!?」
それは正しくアイトが言っていた噂の手紙そのものだったから。
「………レベッカ、中身を拝見しても?」
「うん。いいよ。でも、私もまだ読んでないよ?」
「大丈夫です。まずは僕が読んで、危険を排除しますので」
そう言って、アイトは静かに手紙の封を切り、中身を拝見した。
慎重に、中身を見たアイトだったが、次の瞬間には、その顔に疑問符を浮かべていた。
「アイト?どうしたの?」
アイトの急な行動に、レベッカは少し訝しむ。すると、アイトは静かに手紙をレベッカに差し出した。
「え?大丈夫なの?」
「はい。見たところ、レベッカに害はないかと………」
そう聞いてレベッカは恐る恐る手紙を見ると、そこには真紅の文字でこう書かれていた。
「救世主?」
意味がわからなかった。だけど、
「もしかして、噂の手紙と関係ないのかな?」
「はい。確かに類似する点は多数あります。ですが、手紙の内容は全く違うものでした。内容を間違えた可能性も否めませんが」
どこかの誰かのイタズラかもしれない。とりあえず、
「最低限の警戒を、かな?」
「はい。警戒のしすぎでも、疲れるだけですしね」
レベッカも一応最低限の警戒をすることにした。でも、今のレベッカはなにも心配していない。
「アイトが、いるもんね」
アイトならば、何があっても何とかしてくれる。そんな信頼があったから。
レベッカは、危機感を持たなかったのだった。
「でも、この前アイトが………」
最近の街の噂として手紙のことを言っていたのを思い出した。
「確か、不幸をばら撒く呪いの手紙………」
どうしようか。焼却処分をしてしまおうか。だが、だとしても
「もしも、この手紙が噂通りなら………」
改めて手紙を見つめる。
「焼却処分をしても、無駄………」
たとえ手紙を捨てようとも、厄災は襲いかかってくる。
寧ろ、捨てるなんて、そんなことをすればもしかしたらもっと酷いことになる可能性もあるから。
「戻りましたよ」
と、このタイミングでアイトが帰ってきた。
「アイト!」
恐怖によって、我慢の限界が来ていたレベッカは、即座にアイトに抱きついた。
「いきなりどうしたのですか?レベッカ」
アイトは疑問を浮かべているが、泣きそうになっている雰囲気を感じ取り、何かがあったと判断した。
「なにがあったのですか?」
静かに問いかけるアイトに、レベッカはそっと手紙を差し出した。
「これが、窓の外に………」
手紙を受け取ったアイトは、その真っ赤な文字を見た瞬間に驚愕した。
「これは………!?」
それは正しくアイトが言っていた噂の手紙そのものだったから。
「………レベッカ、中身を拝見しても?」
「うん。いいよ。でも、私もまだ読んでないよ?」
「大丈夫です。まずは僕が読んで、危険を排除しますので」
そう言って、アイトは静かに手紙の封を切り、中身を拝見した。
慎重に、中身を見たアイトだったが、次の瞬間には、その顔に疑問符を浮かべていた。
「アイト?どうしたの?」
アイトの急な行動に、レベッカは少し訝しむ。すると、アイトは静かに手紙をレベッカに差し出した。
「え?大丈夫なの?」
「はい。見たところ、レベッカに害はないかと………」
そう聞いてレベッカは恐る恐る手紙を見ると、そこには真紅の文字でこう書かれていた。
「救世主?」
意味がわからなかった。だけど、
「もしかして、噂の手紙と関係ないのかな?」
「はい。確かに類似する点は多数あります。ですが、手紙の内容は全く違うものでした。内容を間違えた可能性も否めませんが」
どこかの誰かのイタズラかもしれない。とりあえず、
「最低限の警戒を、かな?」
「はい。警戒のしすぎでも、疲れるだけですしね」
レベッカも一応最低限の警戒をすることにした。でも、今のレベッカはなにも心配していない。
「アイトが、いるもんね」
アイトならば、何があっても何とかしてくれる。そんな信頼があったから。
レベッカは、危機感を持たなかったのだった。
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