43 / 50
己の心②
しおりを挟む
「ん?あれは、メロか?」
リンは街を観光しながら歩いていると、見た目チャラそうな男に言い寄られてるメロの姿を見つけた。
「嫌です。離してください」
「いいじゃん。俺らと一緒にいたら、いい思いできるよ?」
「そうそう。金だって持ってるし、それに俺ら冒険者だから強いよ?」
まあ、どう見てもメロが言い寄られてる迷惑しているようにしか見えなかった。
それに、リンからしてみれば、あの二人のレベルは10前後にしか見えないので、肉弾戦が苦手なメロにすら、物理で負けそうな気がする。
「何度も言わせないでください。嫌です」
メロは騒ぎを起こさないように控えめに断っているが
「ちっ!いいから、とっとと来いよ!」
痺れを切らした男の一人がメロに触れようとして
「はい。ストップ」
その前にリンが割り込んで手を叩いた。
「リン!?」
「おたくら、一人の女の子に寄ってたかって、恥ずかしいと思わないのか?」
「なんだ!?お前は!」
二人の男は警戒よりも、自分たちの獲物を横取りされた不快感しかないようだった。
「おいガキ。俺らに喧嘩売って、タダで済むと思うなよ!?」
そう言って一人が殴りかかってきたので
「はい」
「なっ!?」
拳を掴んで、綺麗に受け流し、殴りかかってきた勢いのまま壁に激突させた。
「このっ!」
もう一人の男も殴りかかってきたので、同様に受け流し、壁に激突された。
「ちっ!なんだお前は!俺らはレベル9の冒険者だぞ!」
「え?ひっく」
思わずリンはレベル9という言葉に低いと言ってしまった。
「な!?」
「舐めやがってる………」
だが、それが完全に男たちの沸点を超えてしまったようだ。
「しょうがない………」
冒険者同士が街中で喧嘩するのは御法度。なので
「ちょっと悪いなメロ」
「え?えぇ!?」
リンは即座にメロをお姫様抱っこすると、壁を登り、屋根を伝って逃げて行った。
□■
「ふぅー。ここまで来れば安心だな。大丈夫か?」
リンが声をかけるも、メロはボーッとしたまま固まってしまっている。
「メロ、大丈夫か?」
と、目の前で手を振ると「はぅわ!」という言葉と共に、メロが飛び起きた。
「………大丈夫か?」
「え?は、はい。大丈夫です」
「そうか?」
リンから見ると、まだ目の焦点が合っていない気がするのだが。
「悪いな、急に」
エルフ種は潔癖だと聞いていてので、きっと怒ってるだろうなと思ったのだが
「いえ、あの状況じゃ、無理もなかったと思いますよ?」
声は全く怒ってる感じではなかった。
「怒って、ないのか?」
「?いえ、私が怒る理由はありませんよ?」
むしろなぜ怒られると思ったのか、わからないと言わんばかりの表情を、メロはしている。
「それにしても、綺麗な景色ですね………」
メロは振り向いて、街並みを見ていた。
「ああ、ここに来てたのか………」
場所は街を一望できる場所。今はまだお昼だが、それでもしっかりと街を一望できる。
「きっと、夕方に見たら、もっと綺麗なんでしょうね………」
「そうだな………」
メロは嬉しそうに見ているが、もしかしたら気を使われたのかもしれないと、リンは思ってしまう。
(きっと、本物のリン・メイルトだったら………)
こんな時も、狼狽えなかっただろう。
もっと、ムードのある状況で、ここに連れてきてくれただろう。
だから、リンはどこまでも中途半端で本物の模造品な自分が嫌になる。
「………」
「なんだ?」
突然自分のことを見つめてきたメロに、困惑しながらリンは問う。
「いえ。リンって、たまに自分なんか死んじゃえ~っていう表情しますよね」
「………」
メロが何気なく呟いた言葉に、リンは固まる。
メロも無意識に言った言葉にハッとして口を慌てて抑えた。
「ご、ごめんなさい」
「別にいいよ。事実だしな」
「その………理由を教えては、くれませんか?」
「理由、ね………」
どうやってメロにオブラートに、アレンジして伝えようか、そう思って、一つの出来事を思い出した。
「俺にはな、兄がいてな………」
「お兄さん、ですか?」
「ああ。生きていれば俺なんかよりももっと上手く困難を乗り越えて、さっきのナンパだって、喧嘩を売るような感じじゃなくて、綺麗に受け流して、メロに恥ずかしい思いもせずに助けることも出来たであろう。そんな、兄が………」
「生きてたらって………」
「ああ。死んだよ。理由は言えないけどな………そんで、俺は祖父に預けられて育ったんだ。そんで、その祖父の家の近くで仲良くなった友人と森の中に遊びに行った時にな、魔物に友人が魔物に襲われたんだ」
あの時は、祖父が助けてくれたが、一歩遅ければ二人とも助からなかったのだ。
「それからだ。俺が力を求めるようになったのは。強くなればいいんだ。強ければ、どんな困難だって乗り越えられるし、どんな理不尽にだって抵抗できるんだから………」
もし、キチンと『原作の主人公』が生まれていたらどうなってただろう。
もっと上手くできた。
もっと多くを救えた。
もっと笑顔にできた。
名前しか知らない。顔も名前も知らない。成した偉業も知らないが、その時の友人の血を思い出すと、そう思わずにはいられない。
もっと、もっと。そう思えば思うほど、自己嫌悪に陥る。
─────それしかできない─────
あの日以来、久しぶりに聞こえた幻聴が、その思考に上乗せするようにそう囁いてくる。
そうだ。リンは弱い。強くなっても、Dランクにランクアップを果たしても、依然、リンは原作のリン・メイルトに自分を重ねてしまう。
だからリンは虚像の英雄と偽りの英雄を比べてしまう。
魔法が昇華魔法で、名前も見れば、一目瞭然だった。
「………でも、私。あなたのお兄さんのこと、知りませんよ?」
「あ?」
「私が知ってるのは、強くなることに貪欲で、いつも率先して前を歩いてくれて、不器用な、それでいて暖かい優しさを見せてくれる。そんな、あなたです」
「………」
「あ、お兄さんだったらっていうのはなしですよ?だって、本当にそれができたか、あなたにだってわからないでしょ?」
「あ、ああ………そうだな」
それは事実だ。詳しく、彼の偉業を知っている訳じゃない。
「だから、無理に比べないでください。私が、負けたくないって思ったあなたを、落とさないでください。私が負けたくないって思ったあなたを、他でもないあなた自身が、否定しないでください。解りましたか?………なんですか、その顔?」
メロはそこまで言い切ると目を開けて、困惑するような表情のリンを見た。
「顔?」
「あ、戻った」
頬をペタペタするリンの顔は中々に整っていて、どこか可愛らしさも見える。さぞ年上に受けるだろう。ちなみにメロは同年代だ。
「と、とにかく!これからはもっと自分に自信を持ってください!いいですね」
「わ、悪い………」
「こういう言い方は、良くないと思いますが、もういない人の真似をするのは、遺志を繋ぐこととは違うことだと思います。この人ならもっとこうした。もっと上手くできた。そう思うのは悪くはないと思います。ですが、行き過ぎると、それはもう………呪いと、変わらないと思います」
「呪い、ね………」
言い得て妙だと思った。これはもう、呪いみたいなものだから。
「だから、もう、自分のことを悪く言わないでくださいね?」
それも、リンには確証はできない。メロもそれを察したから
「あなたと私は、友達、ですよね?」
「え?ま、まあ………そうなんじゃないか?」
問われた質問を肯定して
「では、お願いですから………あなたを、私の友人を、悪く言わないでくださいね?」
少しポカンとしたリンだったが、やがて吹き出した。
「ちょ!?なんで笑うのですか!?」
「悪い悪い。ちょっとな………」
笑みを抑えると、リンはメロの方を向いて
「そうだな。悪かったな。今後、自分を………いや、メロの友人を悪く言うのは辞めよう」
「はい。是非ともそうしてくださいね」
そう言ったメロの笑みに、リンは思わず見蕩れてしまった。
「?どうしたんですか?」
「………いや、なんでもない」
「え?絶対なにかあります!話してください!」
「嫌だ」
これまでになかった明確な拒否をされ、メロはどこか嬉しいやら、悲しいやら、複雑な感情を抱いた。でも、
「話してください~」
「嫌だ。これだけは絶対に嫌だ」
「なんでですか!って、ちょっと!逃げないでください~」
メロからの尋問に、逃げるようにリンが走り出し、メロはその後を追いかけた。
その二人は、今までにないくらい、楽しそうな表情を浮かべていた。
────────────────────────
ちなみにリンくんに、お兄さんはいません
メロに分かりやすく伝えるための嘘ですね。それ以外は事実ですけど
リンは街を観光しながら歩いていると、見た目チャラそうな男に言い寄られてるメロの姿を見つけた。
「嫌です。離してください」
「いいじゃん。俺らと一緒にいたら、いい思いできるよ?」
「そうそう。金だって持ってるし、それに俺ら冒険者だから強いよ?」
まあ、どう見てもメロが言い寄られてる迷惑しているようにしか見えなかった。
それに、リンからしてみれば、あの二人のレベルは10前後にしか見えないので、肉弾戦が苦手なメロにすら、物理で負けそうな気がする。
「何度も言わせないでください。嫌です」
メロは騒ぎを起こさないように控えめに断っているが
「ちっ!いいから、とっとと来いよ!」
痺れを切らした男の一人がメロに触れようとして
「はい。ストップ」
その前にリンが割り込んで手を叩いた。
「リン!?」
「おたくら、一人の女の子に寄ってたかって、恥ずかしいと思わないのか?」
「なんだ!?お前は!」
二人の男は警戒よりも、自分たちの獲物を横取りされた不快感しかないようだった。
「おいガキ。俺らに喧嘩売って、タダで済むと思うなよ!?」
そう言って一人が殴りかかってきたので
「はい」
「なっ!?」
拳を掴んで、綺麗に受け流し、殴りかかってきた勢いのまま壁に激突させた。
「このっ!」
もう一人の男も殴りかかってきたので、同様に受け流し、壁に激突された。
「ちっ!なんだお前は!俺らはレベル9の冒険者だぞ!」
「え?ひっく」
思わずリンはレベル9という言葉に低いと言ってしまった。
「な!?」
「舐めやがってる………」
だが、それが完全に男たちの沸点を超えてしまったようだ。
「しょうがない………」
冒険者同士が街中で喧嘩するのは御法度。なので
「ちょっと悪いなメロ」
「え?えぇ!?」
リンは即座にメロをお姫様抱っこすると、壁を登り、屋根を伝って逃げて行った。
□■
「ふぅー。ここまで来れば安心だな。大丈夫か?」
リンが声をかけるも、メロはボーッとしたまま固まってしまっている。
「メロ、大丈夫か?」
と、目の前で手を振ると「はぅわ!」という言葉と共に、メロが飛び起きた。
「………大丈夫か?」
「え?は、はい。大丈夫です」
「そうか?」
リンから見ると、まだ目の焦点が合っていない気がするのだが。
「悪いな、急に」
エルフ種は潔癖だと聞いていてので、きっと怒ってるだろうなと思ったのだが
「いえ、あの状況じゃ、無理もなかったと思いますよ?」
声は全く怒ってる感じではなかった。
「怒って、ないのか?」
「?いえ、私が怒る理由はありませんよ?」
むしろなぜ怒られると思ったのか、わからないと言わんばかりの表情を、メロはしている。
「それにしても、綺麗な景色ですね………」
メロは振り向いて、街並みを見ていた。
「ああ、ここに来てたのか………」
場所は街を一望できる場所。今はまだお昼だが、それでもしっかりと街を一望できる。
「きっと、夕方に見たら、もっと綺麗なんでしょうね………」
「そうだな………」
メロは嬉しそうに見ているが、もしかしたら気を使われたのかもしれないと、リンは思ってしまう。
(きっと、本物のリン・メイルトだったら………)
こんな時も、狼狽えなかっただろう。
もっと、ムードのある状況で、ここに連れてきてくれただろう。
だから、リンはどこまでも中途半端で本物の模造品な自分が嫌になる。
「………」
「なんだ?」
突然自分のことを見つめてきたメロに、困惑しながらリンは問う。
「いえ。リンって、たまに自分なんか死んじゃえ~っていう表情しますよね」
「………」
メロが何気なく呟いた言葉に、リンは固まる。
メロも無意識に言った言葉にハッとして口を慌てて抑えた。
「ご、ごめんなさい」
「別にいいよ。事実だしな」
「その………理由を教えては、くれませんか?」
「理由、ね………」
どうやってメロにオブラートに、アレンジして伝えようか、そう思って、一つの出来事を思い出した。
「俺にはな、兄がいてな………」
「お兄さん、ですか?」
「ああ。生きていれば俺なんかよりももっと上手く困難を乗り越えて、さっきのナンパだって、喧嘩を売るような感じじゃなくて、綺麗に受け流して、メロに恥ずかしい思いもせずに助けることも出来たであろう。そんな、兄が………」
「生きてたらって………」
「ああ。死んだよ。理由は言えないけどな………そんで、俺は祖父に預けられて育ったんだ。そんで、その祖父の家の近くで仲良くなった友人と森の中に遊びに行った時にな、魔物に友人が魔物に襲われたんだ」
あの時は、祖父が助けてくれたが、一歩遅ければ二人とも助からなかったのだ。
「それからだ。俺が力を求めるようになったのは。強くなればいいんだ。強ければ、どんな困難だって乗り越えられるし、どんな理不尽にだって抵抗できるんだから………」
もし、キチンと『原作の主人公』が生まれていたらどうなってただろう。
もっと上手くできた。
もっと多くを救えた。
もっと笑顔にできた。
名前しか知らない。顔も名前も知らない。成した偉業も知らないが、その時の友人の血を思い出すと、そう思わずにはいられない。
もっと、もっと。そう思えば思うほど、自己嫌悪に陥る。
─────それしかできない─────
あの日以来、久しぶりに聞こえた幻聴が、その思考に上乗せするようにそう囁いてくる。
そうだ。リンは弱い。強くなっても、Dランクにランクアップを果たしても、依然、リンは原作のリン・メイルトに自分を重ねてしまう。
だからリンは虚像の英雄と偽りの英雄を比べてしまう。
魔法が昇華魔法で、名前も見れば、一目瞭然だった。
「………でも、私。あなたのお兄さんのこと、知りませんよ?」
「あ?」
「私が知ってるのは、強くなることに貪欲で、いつも率先して前を歩いてくれて、不器用な、それでいて暖かい優しさを見せてくれる。そんな、あなたです」
「………」
「あ、お兄さんだったらっていうのはなしですよ?だって、本当にそれができたか、あなたにだってわからないでしょ?」
「あ、ああ………そうだな」
それは事実だ。詳しく、彼の偉業を知っている訳じゃない。
「だから、無理に比べないでください。私が、負けたくないって思ったあなたを、落とさないでください。私が負けたくないって思ったあなたを、他でもないあなた自身が、否定しないでください。解りましたか?………なんですか、その顔?」
メロはそこまで言い切ると目を開けて、困惑するような表情のリンを見た。
「顔?」
「あ、戻った」
頬をペタペタするリンの顔は中々に整っていて、どこか可愛らしさも見える。さぞ年上に受けるだろう。ちなみにメロは同年代だ。
「と、とにかく!これからはもっと自分に自信を持ってください!いいですね」
「わ、悪い………」
「こういう言い方は、良くないと思いますが、もういない人の真似をするのは、遺志を繋ぐこととは違うことだと思います。この人ならもっとこうした。もっと上手くできた。そう思うのは悪くはないと思います。ですが、行き過ぎると、それはもう………呪いと、変わらないと思います」
「呪い、ね………」
言い得て妙だと思った。これはもう、呪いみたいなものだから。
「だから、もう、自分のことを悪く言わないでくださいね?」
それも、リンには確証はできない。メロもそれを察したから
「あなたと私は、友達、ですよね?」
「え?ま、まあ………そうなんじゃないか?」
問われた質問を肯定して
「では、お願いですから………あなたを、私の友人を、悪く言わないでくださいね?」
少しポカンとしたリンだったが、やがて吹き出した。
「ちょ!?なんで笑うのですか!?」
「悪い悪い。ちょっとな………」
笑みを抑えると、リンはメロの方を向いて
「そうだな。悪かったな。今後、自分を………いや、メロの友人を悪く言うのは辞めよう」
「はい。是非ともそうしてくださいね」
そう言ったメロの笑みに、リンは思わず見蕩れてしまった。
「?どうしたんですか?」
「………いや、なんでもない」
「え?絶対なにかあります!話してください!」
「嫌だ」
これまでになかった明確な拒否をされ、メロはどこか嬉しいやら、悲しいやら、複雑な感情を抱いた。でも、
「話してください~」
「嫌だ。これだけは絶対に嫌だ」
「なんでですか!って、ちょっと!逃げないでください~」
メロからの尋問に、逃げるようにリンが走り出し、メロはその後を追いかけた。
その二人は、今までにないくらい、楽しそうな表情を浮かべていた。
────────────────────────
ちなみにリンくんに、お兄さんはいません
メロに分かりやすく伝えるための嘘ですね。それ以外は事実ですけど
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
錆びた剣(鈴木さん)と少年
へたまろ
ファンタジー
鈴木は気が付いたら剣だった。
誰にも気づかれず何十年……いや、何百年土の中に。
そこに、偶然通りかかった不運な少年ニコに拾われて、異世界で諸国漫遊の旅に。
剣になった鈴木が、気弱なニコに憑依してあれこれする話です。
そして、鈴木はなんと! 斬った相手の血からスキルを習得する魔剣だった。
チートキタコレ!
いや、錆びた鉄のような剣ですが
ちょっとアレな性格で、愉快な鈴木。
不幸な生い立ちで、対人恐怖症発症中のニコ。
凸凹コンビの珍道中。
お楽しみください。
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる