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食堂と紹介
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一先ずの待機場所として団長室に荷物を適当に置くと(変に思われないように敢えて手に持っていた荷物)、二人は食堂に向かった。
「食堂ってどれくらいの広さなんだ?」
「んー?だいたい、50人くらいが一斉に食べても大丈夫なくらいには、広いよ?」
なるほど。なかなかの広さだということがわかる。
ギルドホームの広さは、そのままギルド長の実力と信頼の証。つまり、クロムはそれだけの信頼と実力があるという裏付けにもなる。
「そういえば聞くの忘れてたけどさ」
「?なに?」
「マロンって、ランクどれくらいだ?」
「んー?今はAランクだよ」
Aランク。それは冒険者の中でも数少ない最高ランクの一人。冒険者ランクはSSランクまであって、それが最上ランクの言われてるが、Aランクに上り詰めることができるのもひと握りだけだ。
「ちなみにクロムはSSランクだよ」
「………そうか」
そして、クロムはもっと上だった。
「そういえば、マロンは副ギルド長とかじゃなかったんだな」
「うん。私に、そういうのは無理だから………」
マロンは少しだけ落ち込み気味にそう言った。そしてリンは失礼にもクロムがマロンを副ギルド長に任命しない理由を察してしまった。
(まあ、こんだけ無自覚天然発動してりゃな………)
とてもギルドの運営業務とかは任せられないなと、そう思った。
(てか、今更だけどこの世界ってまともな教養って存在すんの?)
そういえばリンもまともな教養を受けた記憶がない。あるとすれば、祖父に戦い方を教わったくらいだ。
「食堂、着いたよ」
と、リンが考え事をしている間に食堂に着いたので二人で中に入った。
「ん。来たみたいだね」
中に入ると、少し前にクロムが立っていて、食堂の席に座っている人達は視線をクロムからマロンと、一緒に入ってきたリンに向けた。
「さて、さっきも説明したとおり、今日から新しい人が加入したよ。冒険者になってまだ半月だが、Dランクへの昇格も果たしている将来有望と言える人材だ。無理に仲良くしろとは言わない。だが、これから共に歩む味方として、出来れば仲良くして欲しいとは思っている。僕からは以上だ。リン。自己紹介いけるかな?」
クロムは有無を言わさぬ勢いで言うと、席をリンに譲った。リンは緊張なんてものは無視して、堂々と前に立った。
「リン・メイルトだ。これからよろしくお願いします」
できるだけ友好的に過ごしたいという意志をこめてソフトに自己紹介をすると、少しづつ拍手が起こった。
「うん。よろしく。じゃあ、夕食にしようか。君の分も用意してるから、遠慮せず食べて欲しい」
ということなので、リンは遠慮せず食べることにした。
「食堂ってどれくらいの広さなんだ?」
「んー?だいたい、50人くらいが一斉に食べても大丈夫なくらいには、広いよ?」
なるほど。なかなかの広さだということがわかる。
ギルドホームの広さは、そのままギルド長の実力と信頼の証。つまり、クロムはそれだけの信頼と実力があるという裏付けにもなる。
「そういえば聞くの忘れてたけどさ」
「?なに?」
「マロンって、ランクどれくらいだ?」
「んー?今はAランクだよ」
Aランク。それは冒険者の中でも数少ない最高ランクの一人。冒険者ランクはSSランクまであって、それが最上ランクの言われてるが、Aランクに上り詰めることができるのもひと握りだけだ。
「ちなみにクロムはSSランクだよ」
「………そうか」
そして、クロムはもっと上だった。
「そういえば、マロンは副ギルド長とかじゃなかったんだな」
「うん。私に、そういうのは無理だから………」
マロンは少しだけ落ち込み気味にそう言った。そしてリンは失礼にもクロムがマロンを副ギルド長に任命しない理由を察してしまった。
(まあ、こんだけ無自覚天然発動してりゃな………)
とてもギルドの運営業務とかは任せられないなと、そう思った。
(てか、今更だけどこの世界ってまともな教養って存在すんの?)
そういえばリンもまともな教養を受けた記憶がない。あるとすれば、祖父に戦い方を教わったくらいだ。
「食堂、着いたよ」
と、リンが考え事をしている間に食堂に着いたので二人で中に入った。
「ん。来たみたいだね」
中に入ると、少し前にクロムが立っていて、食堂の席に座っている人達は視線をクロムからマロンと、一緒に入ってきたリンに向けた。
「さて、さっきも説明したとおり、今日から新しい人が加入したよ。冒険者になってまだ半月だが、Dランクへの昇格も果たしている将来有望と言える人材だ。無理に仲良くしろとは言わない。だが、これから共に歩む味方として、出来れば仲良くして欲しいとは思っている。僕からは以上だ。リン。自己紹介いけるかな?」
クロムは有無を言わさぬ勢いで言うと、席をリンに譲った。リンは緊張なんてものは無視して、堂々と前に立った。
「リン・メイルトだ。これからよろしくお願いします」
できるだけ友好的に過ごしたいという意志をこめてソフトに自己紹介をすると、少しづつ拍手が起こった。
「うん。よろしく。じゃあ、夕食にしようか。君の分も用意してるから、遠慮せず食べて欲しい」
ということなので、リンは遠慮せず食べることにした。
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