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第1勝~始まりの王都〜
探し人
しおりを挟む「イオ!」
「レ、レイ!?」
光の先にはレイがいた。
「心配したぞ!さぁ、帰ろう。」
「う、うん」
するとレイが手を少し強引に掴んできた。
「な、なんで手なんか…」
「こうすれば俺から離れなくて済むだろ?また迷子にでもなられたら困るからな。」
「ま、迷ってなんかいない!歩き回っていただけだ!」
はいはい、っと言ってレイは笑っていた。その笑顔を見たら、先程まで不安になっていたことが、嘘のように思えてなんだか私も笑えてきた。
「そういえばここって…初めてイオと会った場所だよな」
改めて自分のいる所を見てみると、そこはハウの家の前だった。
「ほんとだ…」
「またこの場所で会うとはな…っと、さっき光を見たのだが、どこに行ったんだ…?」
「あ、私も見た!」
「イオも?どうやらお互い、光に助けられたようだな。」
不思議な光は私達を出会わせてくれた。やはり妖精などの類だろうか…その正体は分からないままだった。
その後、私達は夕食を食べ逃さないために、走って家へ帰った。やはり、夕食も絶品でついつい食べすぎてしまった。それを見ていたレイは「…お腹壊すなよ?」っと言い、私は「余計なお世話です。」っとお昼のこともあったため、少し冷たく当たった。私は今日のお昼の件を、一生忘れないだろうと思った。
それから、部屋に戻り寝ようとしたが、レイのことが気になってしまう。
(お互いのこと何も知らないよね…それなのに側近にって、何を考えてるんだろう…?)
私はどうしても寝られないため、部屋を出た。以前サキさんから「屋根からの景色もまたいいわよ。」っと言われたことがあり、ちょっと見に行こうと思う。階段を上がり窓を開けると満天の星空が見えた。
「きれい…。」
「だな…。」
星空に気を取られていたせいで、先客がいるのに気づかなかったのだ。そこに居たのは…レイだった。
「な、何してたの?」
真夜中だというのにこんな所で、何をしているのだろう…って私もだが、レイに聞いてみた。
「そーーだな…イオのことを考えてた。」
「えっ…」
思っても見なかった回答に私はびっくりした。
「どうしたらイオが、側近になってくれるのかってな。やはり、お互いのことを知るべきかと思うんだ!だからイオの話を聞きたい。」
レイの昼間とは違う、真剣な眼差しから目が離せなくなり、私は否定する言い訳が思いつかなかった。
「まぁ、ちょっとした思い出話程度なら、聞かせてあげてもいいけど…」
「おう!構わないぞ。」
「じゃぁ…」
~回想~
あれは私がまだ幼かった時の話で、お父さんに連れられて、見知らぬところへやってきた。離れたら絶対迷子になると思った私は、離れまいと必死にお父さんにしがみついて歩いたのだ。そして、奥の方へ進んでいくと、宝石箱のようなキラキラした部屋に着き、そこには1人の男の子がいた。その男の子と会ったとこまでは覚えているのだが、幼い時の記憶だからかどうも曖昧で…よく思い出せない。でも、これだけは覚えている。
《俺にはお前が必要だ!だから俺と来い!》
どうせ、子供だからおままごととかしてたのだろう。しかし、今になってもはっきりと覚えてる、とても大切な人だったのだろうか、そういうことしか思い出せない。
~~
「…っというちょっとした話だけど…?」
「………」
レイは何も反応をしないまま、ただ固まっていた。
「レイ?どうかした?」
「あ、いやなんでもない。ただ、俺もちょっと思い出したことがあってな。」
~レイ回想~
俺がまだ幼い頃、イオみたいに俺にも仲が良かった友達がいた。よく中庭で遊んでいて一緒に剣術を学んだんだ。俺は覚えが早かったから、すぐに扱えるようになったが、あいつは全然扱えなくて、何度も何度も練習し、努力していた。今、あいつがどこで何をしているかは分からないが、もし、また会えたら、たぶん強くなっているはずだから、試合とかしたいと思っている。
~~
「っというちょっとした話だ。」
「いい話じゃん。」
「俺たちお互いに探してる人がいるんだな。会えるといいな!」
「うん、会えるよたぶん。なんかそんな気がする。」
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