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Ⅷ.
45.どんな趣味でも受け入れてくれる友達は大切なものだ。
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「魅力的な……提案だぁ?」
「そうだ。そこに座っている小此木に関してだ」
それを聞いた小此木がびくっとなる。ちなみに、今の一色触発の流れに対しては、驚く……というよりもビビッて何も出来ていなかった。これくらいで動けなくなっちゃうんじゃやっぱり委員長は難しい気がするけどな。ある程度胆力もないと。
なお、本来止めに入るべきであるはずの隠善は何もせず、ただ傍観していた。まあ、それを頼んだのは俺なんだけど、それにしてもちょっと無関心すぎない?知ってるぞ。さっきからずっと、壁に貼ってある保険だよりみたいなの読んでるの。どんだけ暇持て余してるんだよ。あんた、いつでもそれ読めるだろ。
「小此木周。一年A組のクラス委員長だ。従って立ち位置としては副委員長の最上よりも上になる。しかも、彼女は本当にクラス全員が仲良くなることを望んでいる。それは小路。お前も例外じゃない。小此木はきっと、小路がどんな趣味を持っていても引いたり、馬鹿にしたりはしない。まあ、一切興味の無かったジャンルだから戸惑うということはあるだろうが。お前が実は少女趣味で、家には沢山のぬいぐるみがあるとか、逆にミリタリ大好きで、サバゲ―がしたいんだけどする相手がいなくって、エアガンとかその手のアイテムだけは一杯あるとか、そんなんでもなんの問題もない。だよな、小此木」
突然話を振られた小此木はかなり動揺しながらも、
「え、え、あ、う、うん。馬鹿にしたりなんかしないよ」
俺は更に続ける。
「小路。確かに最上は人を引き付ける力はある。だが、あいつはお前を対等に扱わない。アイツの話を笑って聞かなければ一気に不機嫌になるが、お前の話は下手をすれば馬鹿にする。そんな相手よりも、包容力溢れる委員長と付き合いを持つ方がいいとは思わないか?」
小路は俺から手を放し、
「で、でも、そんなことしたら、最上は不機嫌に……」
「なったところでどうにもならないようにすればいい。言っただろう。えっと……」
「堺田さん」
「……は、あくまで最上がすり寄っておけば良さそうに見えるから近づいてるだけだと。お前が最上はそんなに絶対的じゃない。小路とそこまで力関係が変わらないんんじゃないかというところを見せれば、堺田の態度も変わってくる。そうでなくとも、お前と最上が対立してる面倒な状況なら、あいつはすり寄る相手をあっさり変える。後は、今までの一か月余りが無かったかのように、小此木と仲良くすればいい。なんだったら、司……二見でもいい。幼馴染の俺が言うのもなんだが、アイツが人を嫌ったり、人の趣味に対して引いたりするのは正直、想像が出来んしな」
「…………」
俺は小路との距離を詰め、耳元で囁くように、
「大丈夫だ。最上を打ち倒すアドバイスは俺がする。あの程度の輩、大したことではない。しかも、株が上がるのは俺じゃない。お前だ。お前はただ、そんな上手い話に乗っておけばいいんだよ。嫌ならすぐにやめればいい。簡単なことだ。いざとなったら隠善先生に告げ口してくれていい。それでも駄目か?」
「あ……それ……は……」
「そうだ。そこに座っている小此木に関してだ」
それを聞いた小此木がびくっとなる。ちなみに、今の一色触発の流れに対しては、驚く……というよりもビビッて何も出来ていなかった。これくらいで動けなくなっちゃうんじゃやっぱり委員長は難しい気がするけどな。ある程度胆力もないと。
なお、本来止めに入るべきであるはずの隠善は何もせず、ただ傍観していた。まあ、それを頼んだのは俺なんだけど、それにしてもちょっと無関心すぎない?知ってるぞ。さっきからずっと、壁に貼ってある保険だよりみたいなの読んでるの。どんだけ暇持て余してるんだよ。あんた、いつでもそれ読めるだろ。
「小此木周。一年A組のクラス委員長だ。従って立ち位置としては副委員長の最上よりも上になる。しかも、彼女は本当にクラス全員が仲良くなることを望んでいる。それは小路。お前も例外じゃない。小此木はきっと、小路がどんな趣味を持っていても引いたり、馬鹿にしたりはしない。まあ、一切興味の無かったジャンルだから戸惑うということはあるだろうが。お前が実は少女趣味で、家には沢山のぬいぐるみがあるとか、逆にミリタリ大好きで、サバゲ―がしたいんだけどする相手がいなくって、エアガンとかその手のアイテムだけは一杯あるとか、そんなんでもなんの問題もない。だよな、小此木」
突然話を振られた小此木はかなり動揺しながらも、
「え、え、あ、う、うん。馬鹿にしたりなんかしないよ」
俺は更に続ける。
「小路。確かに最上は人を引き付ける力はある。だが、あいつはお前を対等に扱わない。アイツの話を笑って聞かなければ一気に不機嫌になるが、お前の話は下手をすれば馬鹿にする。そんな相手よりも、包容力溢れる委員長と付き合いを持つ方がいいとは思わないか?」
小路は俺から手を放し、
「で、でも、そんなことしたら、最上は不機嫌に……」
「なったところでどうにもならないようにすればいい。言っただろう。えっと……」
「堺田さん」
「……は、あくまで最上がすり寄っておけば良さそうに見えるから近づいてるだけだと。お前が最上はそんなに絶対的じゃない。小路とそこまで力関係が変わらないんんじゃないかというところを見せれば、堺田の態度も変わってくる。そうでなくとも、お前と最上が対立してる面倒な状況なら、あいつはすり寄る相手をあっさり変える。後は、今までの一か月余りが無かったかのように、小此木と仲良くすればいい。なんだったら、司……二見でもいい。幼馴染の俺が言うのもなんだが、アイツが人を嫌ったり、人の趣味に対して引いたりするのは正直、想像が出来んしな」
「…………」
俺は小路との距離を詰め、耳元で囁くように、
「大丈夫だ。最上を打ち倒すアドバイスは俺がする。あの程度の輩、大したことではない。しかも、株が上がるのは俺じゃない。お前だ。お前はただ、そんな上手い話に乗っておけばいいんだよ。嫌ならすぐにやめればいい。簡単なことだ。いざとなったら隠善先生に告げ口してくれていい。それでも駄目か?」
「あ……それ……は……」
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