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第3章 煉獄を見る者達

第12話 日常と仲間。

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また一つ、復讐を終え、俺はエルミアの居る宿へと帰った。

「おかえり」
と、エルミアが出迎えてくれる。


「ただいま。今日の夕飯は何?」


「今日はリザードマンのステーキ。」


「美味しそうだね。」
そんな、何げない会話をする。


「なぁ、エルミア明日俺とデートしないか?」


「でいと?何?それ。」


「あーこっちの世界には無い単語なのか。まぁ、簡単に言えば、愛する者同士が、楽しく買い物をしたり、好きな場所へ行ったりすることかな。」


エルミアは顔を赤らめて、
「あ、愛する者同士....。」


「なんか言ったか?」


「ううん!なんも言ってない。分かったでいとしよ。」


「よし、決まりだな。」


そうして、夕飯を食べる。
「このステーキ美味いな。」


「ありがとう。今日のワンポイントは、ニンニクの香りをつけたのと、塩麹での下味。」


「なるほどぉ、料理ってのは奥が深いんだな。」


「そう、奥が深いの。その日の気温とかにも左右されるし、すごく、難しい。」


「でも、難しいのにこんなに美味しいものを作れるなんて、流石俺のエルミアだな。」


「あ、ありがとう。」


そんな雑談を交わし、今日という1日を締め括らせるのだった。





朝、目覚める。時計を確認すると、午前7時頃だった。
今止まっている宿には、調理が出来るスペースが設けられており、そこで、エルミアがパンを焼いてくれていた「朝、早いんだな。」


「うん。今日は特に楽しみだったから。」


「そうか。」


「2人でお出かけは、初めて会った日以来だから。」


「そういえばそうだなぁ。」


「まだ、会って1週間ちょいしか経ってないけど、随分打ち解けたな俺達。」


「そうだね。1週間くらいしか経ってないのに、すごく仲良くなった。これも一重に零人のコミュ力のおかげ。」


「そうか?俺こっちの世界に来る前はぼっちだったし、 
こっちの世界でもエルミア以外に親しくしてる人なんていないからなぁ。」


「じゃあ、きっと素のコミュ力が高かったんだね。」


「ん~そうなのかな?」


「きっとそう。」


雑談をして、朝食を食べ終わり、俺達はぼちぼちと出かける準備を始めていた。


「お金は?」俺が聞く。


「よし!」エルミアが元気に答える。


「ピクニックようのお弁当は?」


「よし!」


「デートスポットの確認は?」


「よし!」


「じゃあ出発だ!!」

宿を出て、しばらく歩き、俺達はこの地域で1番夕日が綺麗だというスポットにそろそろ着くという頃に、


「きゃぁぁぁ!たすけてぇ!」
悲鳴が聞こえる。悲鳴の方へ向かうと、


「オラッ!暴れんな!お前らは売りモンなんだぞ!傷がついて価値が下がったらどうすんだ!」


「うぅぅぅぅぅ。」
見た目8歳程度の少女が泣いていた。
俺の中に怒りが湧いてくる。こんな年端もいかない少女を虐めるなんて。

「そこまでだおっさん。」


「あん!?誰だテメェら!!」


「黙れ。その子を離せ。」


「テメェ!ガキが!!調子に乗りやがって!」


「この子の前で死ぬと教育に悪い。次元の狭間で孤独に生きろ。」
そう言って俺は、冥界の鎌でおっさんの近くの空間を開き、そこに閉じ込めた。


暫くして、少女が泣き止んだ。
少女の話を聞くと、彼女は吸血鬼族真祖ヴァンパイアロードらしい。

彼女曰く、ヴァンパイアロードの領地に人間が攻め込んできたらしく、普通ならいとも容易く迎撃出来ていたが
今回は勇者がいたらしい。また、あいつらか。
ウゼェな。流石のヴァンパイアロードも勇者には勝てず
この吸血鬼の少女ナギを逃す作戦に切り替えたようだ。


「お前も俺達の仲間にならないか?」


「なかま?」


「あぁ、そうだ。こっちのお姉ちゃんは違うが、俺も勇者に恨みがあるんだ。俺達の仲間になればあいつらに復讐する機会が回ってくるかもしれないぞ?」


「あいつらに.....。わたし、なかまになる!」


「分かった。お前も今日から仲間かぞくの一員だ!」


こうして、新たな仲間ができた。

「あ、結局デート有耶無耶になっちゃったな。」


「いいよ。私は零人といれるだけで幸せだから。」


「そっかありがとう。また今度何かで埋め合わせするから許してくれ。」


「うん。分かった。」


こうしてデート?の幕が閉じた。



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プロフィール

ナギ
7歳
Lv.72
種族:吸血鬼族真祖ヴァンパイアロード

職業:王
性別女

称号:統べる者(自分のパーティーのステータス2倍。)

スキル:鮮血魔法、従属創造、種族創造、全パラ2倍。


備考:金髪赤眼のロリ王道美少女。天然でまだ年齢は若く自分でも気付いていないが、零人に好意を持っている。
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