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2章 人の世界へ『辺境の町ラムダ』

116.何かの縁

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ノアは魔の森で鑑定を掛けた時に天然樹を見つけ30本以上は無限収納の中に入っていた。

そこまで希少とは知らずにこの立派な木で家を建てたら良い家が出来ると思ってとって置いたのだ。

じゃあ1週間後に取りに来てくれ!
その時には全部完成させとくからよ。
コゼットはそう言った。
そしてノアは店を出て買い物を続ける。


ノアは家具屋を出て通りを歩いていた。
通りでは野菜などを売っていたり道端で物を売っていたりしてそこでフライパンや鍋、器に皿、スプーンにコップなど必要な物を安い物だが気に入ったので買った。
露店の男はとても嬉しそうにしていた。
なんでも自分でコツコツと作っているそうだ。

他にも野菜や卵などの食べ物を購入しながらどんどんと進んでいく。
そして町の景色が変わってきた事に気が付く。

なんか建物とかが汚くなって来たな。
この辺で引き返すか、そうノアは思い来た道の方へ引き返そうと反転する。
そして歩き出そうとした時に建物の間から子供が出てきた。
そしてノアに向かって話しかけてくる。

なんかちょうだい!
何日も食べてない、頼む。
そう言ってノアを引き止めた。

ノアを引き止めたのは小さな少年であった。
そして本当に食べて無いのであろう見た目はガリガリで今にも倒れそうな程フラフラで有りながらノアの方へ歩いてきて物乞いをしていたのだ。

ノアは少年に向かって話をする。
お前親はいんのか?

親はいない。
ずっとこの辺で暮らしてる。
そうノアに話す。

そっか。大変やな。
お前になんかあげても他の奴出てきたりせえへん?
そう聞いてみると妹がいる。
妹も最近ずっと食べてないから俺は良いから妹の分だけでも何かくれないか?

頼む、もう限界なんだ。

ノアはそれを聞いて考える。
本当か嘘か分からないけどまあギリギリな事は見て取れるし、この辺はスラムの入り口らしいな。

町にスラム街が有るのは聞いてたけど此処から先がスラム街本番って訳か。
それでいきなり孤児に遭遇かー。
まあなんかの縁と思って助けても良いかと考える。
お前名前は?ノアが聞くと

俺はトーヤ。

そっか。トーヤ妹を連れて来い。
一緒に飯食わしてやるから。
そう言うとトーヤは泣きそうになりながらもありがとうと言って妹を迎えに行った。
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