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1章 魔女 扉を開ける
22 魔女と学校 2
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「……?」
少年たちの視線を一身に浴びてザザはたじろぐ。
ギディオンの名前が出たので、うっかり前に出てきてしまったのだ。一番奥のアロイスまでが自分を見つめていた。その目を見たザザは、引き返せないと感じた。
「なんだよ…えっと」
「ザザ・フォーレットです。少しいいですか?」
グザビエが不満そうにしながら道をゆずった。
「すみません。あなたはギディオンさまに声をかけられたのですか?」
ザザはびっくりしているアロイスに尋ねた。
「ギディオンさまを知っているのですか?」
「……ギディオン様は父さんの知り合いなんだ。父さんは国軍の師団長で」
「どんな言葉をかけてもらったのですか?」
ザザは重ねて尋ねた。ぶしつけかと思ったが、自分の知らないギディオンのことを知りたかったのである。
「それは……えっと、しっかり学べよって」
「そうですか」
「だけどお前は全然学んでないじゃないか! 薬学だって、ほかの教科だって」
グザビエが声を上げる。
「だってそれは……勉強が難しすぎて……なかなか覚えられなくて」
「ギディオン様がそうおっしゃられたのなら、しっかり学ばないと。あなたはまだ写生ができていません」
ザザは少年に向かって言った。
「だって、どっから描いていいのかわかんないし……何をしたらいいのかもわかんなくて」
アロイスはうなだれて言った。画板の上には何も描かれていない紙が乗っている。よくみると何回も消した跡があった。背中は丸まり、指先も真っ黒だ。
ああ、この子はやれないのではなく、やり方がわからなくてすっかり困っているのだ。
それはいつも失敗してしまう自分の姿だった。
常に自信がなくて自ら動くことができずに、ギディオンに方向を指し示してもらおうとしている。
わたしは自分で考えようともせずにあるじに甘えている。その方が見知らぬ世界に対して楽だから。
ギディオンさまは世話を焼いてはくれるけど、それだけ。魔女だからというだけでなく、わたしがこんなだから信頼していただけない。
あたりまえだ。自分で考えようとしない人間を信頼できるはずがない。
だから──
ザザは無意識に一歩進んで少年の肩に手を置いた。
「……だいじょうぶですよ」
「え?」
少年がのろのろと顔をあげた。
「わたしもそんなに上手じゃないんです。一緒に描いてもいいですか?」
そう言ってザザはアロイスの隣に腰を下ろした。
「私はザザ。ザザ・フォーレットです」
「知ってるよ、ワレン先生の助手だって……僕はアロイス・フローレン」
「ではアロイス・フローレンさん。わたしも下手ですが、アロイスさんよりは少しだけ経験があります。よかったら、わたしの真似をしてください。でも、観察するのは描こうとしている対象ですよ」
ザザは画板を抱えると、アロイスが描こうとしていた丸い葉の薬草を描き始めた。
最初は具体に描かずにてっぺんと根っこの位置の見当をつけて少年に示した。線だけなので少年も真似をして線を引く。次に茎の線を描き、葉っぱは丸で位置を決める。
「……」
少年も同じように描いていった。手段はザザの真似だが、描く植物の角度が違う。しかし、さっきよりも見通しが持てたのか、拙いながらも植物の全体の形が大まかに表された。
「すごい、なんかそれらしく見えてきた」
「お上手だと思います。じゃあ今度はより精密に描きましょう。よく見て特徴を捉えて」
ザザは下書きの上から、力強い線で捉えやすい葉脈や輪郭を描いた。
観察、研究、実践。これは魔女にとって普通の研鑚である。ザザも幼い頃から師匠から教えられていた。植物や岩石の特徴を頭に叩き込むため精密に観察し、記録をとった。
その経験が今役に立っている。
ザザが描くことに夢中になっているのを見て、アロイスもつられて描いていく。いつの間にか二人の周りには少年たちが集まってきていた。きっかけを掴んだアロイスの線はどんどん力強くなって、用紙がどんどん埋まり始めた。
「はいそれまで」
二人がびっくりして顔を上げた。少年たちの後ろから、ワレンがにこにこしながら二人の絵を見ている。
「アロイス、がんばりった。よく描けている。フォーレット先生、適切な指導をありがとう」
少年の顔がぱっと明るくなり、ザザの頬が赤くなった。
「今日はここまで。皆さん気を付けて帰りなさい」
帰り道、ザザの足どりは早かった。
初めて会った人から感謝の言葉をもらったのだ。それも二人から。
ザザが帰り支度をして中庭に面した廊下を歩いていると、柱の影からアロイスが現れ「ありがとうございますフォーレット先生」と言ってくれたのだ。
そのまま二人は門まで歩き、少しだけ話をした。
そこで少年は父親が国軍の将官であり、かつてギディオンと一緒にアントリュースの戦いに参加したことを語った。
「父様はギディオン様が勇敢で優秀な指揮官だって言ってた。僅かな手勢を率いて、敵がひしめく城門内に進入して内側から門を開けさせたこともあるんだって」
「それはすごいですね!」
ザザはよくわからないながらも、主が褒められて心が躍る。
「この学校はギディオン様の母校でもあるから、一度いらっしゃったことがあってその時、声をかけてもらったんだよ。だからみんな羨ましがってる。僕みたいな、出来の悪い生徒がずるいって」
「そんなことはない……と思います」
ザザは真面目に言った。
「兄上は二人とも頭がいいんだ。僕は体も小さくて、勉強もあまり得意ではなくて」
「わたしも小さいですよ。それに不得意なことがいっぱいあります」
「でも、先生じゃないか」
「ギディオンさまに勧められたのです。唯一の取り柄が薬草だったので」
「ええっ! フォーレット先生もギディオン様を知っているの?」
「え? ええ、まぁそうです。わたしも出来が悪いのですが、ギディオンさまの言う通りにしてよかったです。だってワレン先生やアロイスさんに少し認めていただけましたから」
まさか一緒に暮らしているとは言えずに、ザザはさりげなく話題を変えた。
「でも、ここに来たからには、できることを自分で探さないといけないと気づきました」
「……」
「でもきっと、少しずつでいいのだと思います。毎日少しずつ……。アロイスさんは何か好きなことがありますか?」
「好きなこと? そうだなぁ……地図を書くこと、かな?」
少し考えてからアロイスは答えた。
「絵ではなくて、地図、ですか?」
「地図だよ。初めて行った街とか道とかを、後から思い出して地図にするの。それで本当の地図とくらべたり……あと、物語に出てくる場所の地図を想像して書いたりもするよ」
「すごいですね! だから写生も上手だったんですね」
「頭の中にあることを図にするのは好きなんだ。でも、目の前にあるものを書き写すのは苦手。いろんなものが見えて何から描いていいのかわからなくなって」
「ああ、わかります。余計なものに目がいってが印象を形づくる邪魔をするんですね」
「そう、なのかな? よくわからないけど……」
「好きなことを続けてください。アロイスさんにはたくさんの可能性があります。視野を広く持って努力を続けていれば」
ザザは自分に言い聞かすように言った。
「きっと皆さんにもわかってもらえる……いえ、みんなじゃなくても、たった一人でもわかってくれたらいいと……思います」
「……うん」
そうしているうちに二人は門までやって来た。
「フォーレット先生、また来る?」
「はい。ここに来るまでは少し怖かったけれど、今は来てよかったと思います。これからもよろしくお願いします」
「うん、じゃあまたね」
「さようなら」
ザザは大通りに向かって駆け出した少年の後ろ姿を見送った。
そして、自分も続けとばかりに反対側の通りに大きく足を踏み出した。
少年たちの視線を一身に浴びてザザはたじろぐ。
ギディオンの名前が出たので、うっかり前に出てきてしまったのだ。一番奥のアロイスまでが自分を見つめていた。その目を見たザザは、引き返せないと感じた。
「なんだよ…えっと」
「ザザ・フォーレットです。少しいいですか?」
グザビエが不満そうにしながら道をゆずった。
「すみません。あなたはギディオンさまに声をかけられたのですか?」
ザザはびっくりしているアロイスに尋ねた。
「ギディオンさまを知っているのですか?」
「……ギディオン様は父さんの知り合いなんだ。父さんは国軍の師団長で」
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ザザは重ねて尋ねた。ぶしつけかと思ったが、自分の知らないギディオンのことを知りたかったのである。
「それは……えっと、しっかり学べよって」
「そうですか」
「だけどお前は全然学んでないじゃないか! 薬学だって、ほかの教科だって」
グザビエが声を上げる。
「だってそれは……勉強が難しすぎて……なかなか覚えられなくて」
「ギディオン様がそうおっしゃられたのなら、しっかり学ばないと。あなたはまだ写生ができていません」
ザザは少年に向かって言った。
「だって、どっから描いていいのかわかんないし……何をしたらいいのかもわかんなくて」
アロイスはうなだれて言った。画板の上には何も描かれていない紙が乗っている。よくみると何回も消した跡があった。背中は丸まり、指先も真っ黒だ。
ああ、この子はやれないのではなく、やり方がわからなくてすっかり困っているのだ。
それはいつも失敗してしまう自分の姿だった。
常に自信がなくて自ら動くことができずに、ギディオンに方向を指し示してもらおうとしている。
わたしは自分で考えようともせずにあるじに甘えている。その方が見知らぬ世界に対して楽だから。
ギディオンさまは世話を焼いてはくれるけど、それだけ。魔女だからというだけでなく、わたしがこんなだから信頼していただけない。
あたりまえだ。自分で考えようとしない人間を信頼できるはずがない。
だから──
ザザは無意識に一歩進んで少年の肩に手を置いた。
「……だいじょうぶですよ」
「え?」
少年がのろのろと顔をあげた。
「わたしもそんなに上手じゃないんです。一緒に描いてもいいですか?」
そう言ってザザはアロイスの隣に腰を下ろした。
「私はザザ。ザザ・フォーレットです」
「知ってるよ、ワレン先生の助手だって……僕はアロイス・フローレン」
「ではアロイス・フローレンさん。わたしも下手ですが、アロイスさんよりは少しだけ経験があります。よかったら、わたしの真似をしてください。でも、観察するのは描こうとしている対象ですよ」
ザザは画板を抱えると、アロイスが描こうとしていた丸い葉の薬草を描き始めた。
最初は具体に描かずにてっぺんと根っこの位置の見当をつけて少年に示した。線だけなので少年も真似をして線を引く。次に茎の線を描き、葉っぱは丸で位置を決める。
「……」
少年も同じように描いていった。手段はザザの真似だが、描く植物の角度が違う。しかし、さっきよりも見通しが持てたのか、拙いながらも植物の全体の形が大まかに表された。
「すごい、なんかそれらしく見えてきた」
「お上手だと思います。じゃあ今度はより精密に描きましょう。よく見て特徴を捉えて」
ザザは下書きの上から、力強い線で捉えやすい葉脈や輪郭を描いた。
観察、研究、実践。これは魔女にとって普通の研鑚である。ザザも幼い頃から師匠から教えられていた。植物や岩石の特徴を頭に叩き込むため精密に観察し、記録をとった。
その経験が今役に立っている。
ザザが描くことに夢中になっているのを見て、アロイスもつられて描いていく。いつの間にか二人の周りには少年たちが集まってきていた。きっかけを掴んだアロイスの線はどんどん力強くなって、用紙がどんどん埋まり始めた。
「はいそれまで」
二人がびっくりして顔を上げた。少年たちの後ろから、ワレンがにこにこしながら二人の絵を見ている。
「アロイス、がんばりった。よく描けている。フォーレット先生、適切な指導をありがとう」
少年の顔がぱっと明るくなり、ザザの頬が赤くなった。
「今日はここまで。皆さん気を付けて帰りなさい」
帰り道、ザザの足どりは早かった。
初めて会った人から感謝の言葉をもらったのだ。それも二人から。
ザザが帰り支度をして中庭に面した廊下を歩いていると、柱の影からアロイスが現れ「ありがとうございますフォーレット先生」と言ってくれたのだ。
そのまま二人は門まで歩き、少しだけ話をした。
そこで少年は父親が国軍の将官であり、かつてギディオンと一緒にアントリュースの戦いに参加したことを語った。
「父様はギディオン様が勇敢で優秀な指揮官だって言ってた。僅かな手勢を率いて、敵がひしめく城門内に進入して内側から門を開けさせたこともあるんだって」
「それはすごいですね!」
ザザはよくわからないながらも、主が褒められて心が躍る。
「この学校はギディオン様の母校でもあるから、一度いらっしゃったことがあってその時、声をかけてもらったんだよ。だからみんな羨ましがってる。僕みたいな、出来の悪い生徒がずるいって」
「そんなことはない……と思います」
ザザは真面目に言った。
「兄上は二人とも頭がいいんだ。僕は体も小さくて、勉強もあまり得意ではなくて」
「わたしも小さいですよ。それに不得意なことがいっぱいあります」
「でも、先生じゃないか」
「ギディオンさまに勧められたのです。唯一の取り柄が薬草だったので」
「ええっ! フォーレット先生もギディオン様を知っているの?」
「え? ええ、まぁそうです。わたしも出来が悪いのですが、ギディオンさまの言う通りにしてよかったです。だってワレン先生やアロイスさんに少し認めていただけましたから」
まさか一緒に暮らしているとは言えずに、ザザはさりげなく話題を変えた。
「でも、ここに来たからには、できることを自分で探さないといけないと気づきました」
「……」
「でもきっと、少しずつでいいのだと思います。毎日少しずつ……。アロイスさんは何か好きなことがありますか?」
「好きなこと? そうだなぁ……地図を書くこと、かな?」
少し考えてからアロイスは答えた。
「絵ではなくて、地図、ですか?」
「地図だよ。初めて行った街とか道とかを、後から思い出して地図にするの。それで本当の地図とくらべたり……あと、物語に出てくる場所の地図を想像して書いたりもするよ」
「すごいですね! だから写生も上手だったんですね」
「頭の中にあることを図にするのは好きなんだ。でも、目の前にあるものを書き写すのは苦手。いろんなものが見えて何から描いていいのかわからなくなって」
「ああ、わかります。余計なものに目がいってが印象を形づくる邪魔をするんですね」
「そう、なのかな? よくわからないけど……」
「好きなことを続けてください。アロイスさんにはたくさんの可能性があります。視野を広く持って努力を続けていれば」
ザザは自分に言い聞かすように言った。
「きっと皆さんにもわかってもらえる……いえ、みんなじゃなくても、たった一人でもわかってくれたらいいと……思います」
「……うん」
そうしているうちに二人は門までやって来た。
「フォーレット先生、また来る?」
「はい。ここに来るまでは少し怖かったけれど、今は来てよかったと思います。これからもよろしくお願いします」
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★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
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