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1章 魔女 扉を開ける
17 魔女と王都の生活 2
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その家には門も庭もなかった。
三段ほどの階段が庇の下にあるだけだ。ノックもしないで扉を開けると、すぐに年配の女性が出てきた。「おかえりなさいませ」と言って丁寧にお辞儀をしている。
「どうした、入りなさい。当分の間、ここがお前の家になる」
ザザが段の下で戸惑っていると、ギディオンが振り返った。
「は……い。失礼します」
「ギディオン様、こちらは?」
年配の女性が珍しそうにザザを見ながら尋ねた。
「ザザ・フォーレットという離宮の近くの森に住んでいた娘だ。当分の間俺が預かることになった。フェリア殿下に気に入られたのだが、世間のことをほとんど知らないようで、王宮には住まわせられない。すまないが、都での暮らしのことを教えてやってほしいんだ」
「まぁ」
「ザザ、これはメイサだ。俺がいない間、この家の管理などをやってもらっている」
「ザザです。どうぞよろしくお願いします」
ザザは丁寧に頭を下げた。
「……こちらこそよろしくお願いいたしますわ。とても珍しい御髪の色ですね、ザザ様。私はメイサ・ハイネル。セルヴァンティース伯爵家の召使いをしております」
一瞬の奇妙な沈黙の後、メイサはザザに正式に婦人の取る辞儀をした。敬意の現れである。
「ではザザ様、こちらでどうぞお寛ぎを」
「はい。でもあの……私はただのザザです」
ザザは玄関に立ちっぱなしのまま言った。
「ですが、フェリア殿下のお知り合いの方を」
「ザザ、でお願いしたいのです」
真面目一点張りの様子の娘にメイサはついに笑い出した。
「まぁ、お可愛らしい……はいはい。ではザザさん、お茶をご用意しますから中に入ってくださいな」
ギディオンは中に入るとすぐに奥の階段を登っていった。ホールは小さな吹き抜けで、左右に部屋が割り振られている。
「右は食堂と台所です。二階は旦那様がお使いになりますから、ザザさんはこちらの小部屋をお使いいただきます。すぐにご用意いたしますが、とりあえず今はこちらでご休憩を」
そう言って通された食堂兼居間は、ザザの森の家とあまり変わらないくらい、簡素なものだった。
飾り気は一切なく、必要なものが必要な位置に置かれている。大きな食卓と椅子が四つ。あとは戸棚が二つ、窓の脇に置いてあるだけだ。奥は台所になっているようだ。
たくさんの美しく豪華なものを見た後では、ここが王都だということが信じられないくらいだった。ただ、家具の一つ一つは、ザザの家のものよりずっと大きかった。食卓の前の椅子に座ると、足がつかないばかりか、天板が胸のあたりまで迫っている。
「あらあら、椅子を一つ買い足さないといけませんね」
お茶を出したメイサがザザの様子を見て微笑んだ。
「メイサさんのお席は?」
「私は通いですから、この家に席はありませんよ」
「通い?」
「ええ、少し離れたセルヴァンティース伯爵家のお屋敷から通っているんです」
どうやらギディオンは一人で暮らしているらしい。出されたお茶はごく一般的なものだった。
「メイサ、こちらはいいからザザの部屋を整えてやってくれ」
いつの間にか入ってきたギディオンが話を遮った。
騎士の制服を脱いで平服に着替えている。隊服の時と雰囲気ががらりと変わっていて、やっぱりザザは見つめてしまうのだった。
「かしこまりました。ではザザさん、お夕食は期待していてださいね」
ギディオンの前にも茶を置くとメイサは今を出て行った。
「……」
沈黙は二人を包む。
「……お茶、美味しいですね」
何か言わなくてはならないような気がしてザザは言った。
「普通の茶だ」
「それでも美味しいです。私も上手に淹れられるようになりたいです」
「そういえば、森では何を飲んでいたんだ?」
「普段はお水を。それか、自分で煎じた薬草のお茶を飲んでいたんですけど、どれも苦くて黒くて、あまり美味いしくはないです」
「そりゃ飲まなくてよかった」
ギディオンはしみじみと、寸法の合わない家具に収まっているザザを眺めた。
「確かにメイサの言う通り、なんとかしないといけないな」
「いえ、これで十分です」
「いやよくない。とりあえずこれでも置いておくか」
そう言ってギディオンはこの部屋に唯一置いてあった、厚手のひざ掛けのようなものを折りたたんだ。そしてザザの脇に腕を回し、ひょいと持ち上げると小さな尻の下にそれを敷いた。
「どうだ?」
「ちょうどいいです、でも……」
「どうせ使わない貰い物だからな。しばらくそれで我慢しろ、そのうち体にあった椅子を買ってやる」
「いえそのっ! わたし、あるじさま、ギディオンさまのお役に立ちたいのです。何かご命令を!」
「命令なぁ。ザザにしてもらうようなことは何もないと言ってるだろう? なんでそんなに指示をされたいんだ。何かしたいことはないのか?」
「ございません!」
「そんなにきっぱり言うなよ。じゃあ、言い方を変えよう。お前の好きなことを言ってみなさい。幾つでもいい」
「好きなこと、ですか?」
ザザに語らせるには、とりあえず上からものを言ったほうがいいと考えたギディオンである。案の定ザザは考え込んだ。
「ええと、夜明けを見ること、朝の森を散策すること。後、薬草を摘んだり、珍しい石を探したり……」
「若い娘の趣味とも思えんな。しかも王都では夜明け見ること以外は難しいぞ。薬草のある場所は限られているし」
「はぁ」
「庭園や公園ならそのうち連れて行ってやれるが」
ギディオンはきょとんとしているザザをつくづく眺めた。
「お前はもう少し自分に自信を持ったほうがいい……と言っても、矛盾があるか。魔女を否定したのは俺だからなぁ」
「……」
「やはり連れてくるべきではなかったか……」
「いいえ。決めたのは私です」
ギディオンの呟きを受け止めてザザは言った。
「あるじさまが私を今必要でないとしても、必要になる時まで待ちます。魔女は待つ者ですから。それまで、ここでの暮らしに慣れます。少なくとも下女の真似事や使いっ走りくらいはできるでしょう」
「そんなことを嬉しそうに言うのはお前くらいだぞ、ザザ」
苦笑を一つこぼしてギディオンは言った。
「お前の身の振り方はいずれ考える。魔女がまだ生き残っていたことを、しかるべきところに報告することも俺の義務だし」
ただ、この無知で純粋な娘が不当に扱われたりしないように、気を付けてやらねばならない。
「やれやれ、似合わぬことを背負い込んだもんだ……あ、いや、俺の責任だから! ザザは悪くない!」
思い切り下がった眉を見てギディオンは慌てて訂正した。
「とりあえず、今言ったように少しずつ王都に慣れていけばいい。メイサにもいろいろ教えてもらって……そうだな、確かに何か目標があったほうがいいのかもな……何かザザにでもできそうなこと……うーん」
「なんでもいたします!」
ザザは期待満面で身を乗り出した。
「わかったわかった。そんな目で見るな」
大きな手がザザの頭に添えられ、ふわりと叩かれる。そんなことをされたことがないザザは、ぽかんとギディオンを見上げた。
「そうだな。何をするにしても、そんな小さくて痩せっぽちでは心もとない。だから先ずはきちんと食べて大きくなることだ。いいな」
「はい!」
勢い込んで頷く。
初めていただいたご命令だ。私はきちんと食べて大きくなろう。
魔女の娘はやる気に満ちていた。
三段ほどの階段が庇の下にあるだけだ。ノックもしないで扉を開けると、すぐに年配の女性が出てきた。「おかえりなさいませ」と言って丁寧にお辞儀をしている。
「どうした、入りなさい。当分の間、ここがお前の家になる」
ザザが段の下で戸惑っていると、ギディオンが振り返った。
「は……い。失礼します」
「ギディオン様、こちらは?」
年配の女性が珍しそうにザザを見ながら尋ねた。
「ザザ・フォーレットという離宮の近くの森に住んでいた娘だ。当分の間俺が預かることになった。フェリア殿下に気に入られたのだが、世間のことをほとんど知らないようで、王宮には住まわせられない。すまないが、都での暮らしのことを教えてやってほしいんだ」
「まぁ」
「ザザ、これはメイサだ。俺がいない間、この家の管理などをやってもらっている」
「ザザです。どうぞよろしくお願いします」
ザザは丁寧に頭を下げた。
「……こちらこそよろしくお願いいたしますわ。とても珍しい御髪の色ですね、ザザ様。私はメイサ・ハイネル。セルヴァンティース伯爵家の召使いをしております」
一瞬の奇妙な沈黙の後、メイサはザザに正式に婦人の取る辞儀をした。敬意の現れである。
「ではザザ様、こちらでどうぞお寛ぎを」
「はい。でもあの……私はただのザザです」
ザザは玄関に立ちっぱなしのまま言った。
「ですが、フェリア殿下のお知り合いの方を」
「ザザ、でお願いしたいのです」
真面目一点張りの様子の娘にメイサはついに笑い出した。
「まぁ、お可愛らしい……はいはい。ではザザさん、お茶をご用意しますから中に入ってくださいな」
ギディオンは中に入るとすぐに奥の階段を登っていった。ホールは小さな吹き抜けで、左右に部屋が割り振られている。
「右は食堂と台所です。二階は旦那様がお使いになりますから、ザザさんはこちらの小部屋をお使いいただきます。すぐにご用意いたしますが、とりあえず今はこちらでご休憩を」
そう言って通された食堂兼居間は、ザザの森の家とあまり変わらないくらい、簡素なものだった。
飾り気は一切なく、必要なものが必要な位置に置かれている。大きな食卓と椅子が四つ。あとは戸棚が二つ、窓の脇に置いてあるだけだ。奥は台所になっているようだ。
たくさんの美しく豪華なものを見た後では、ここが王都だということが信じられないくらいだった。ただ、家具の一つ一つは、ザザの家のものよりずっと大きかった。食卓の前の椅子に座ると、足がつかないばかりか、天板が胸のあたりまで迫っている。
「あらあら、椅子を一つ買い足さないといけませんね」
お茶を出したメイサがザザの様子を見て微笑んだ。
「メイサさんのお席は?」
「私は通いですから、この家に席はありませんよ」
「通い?」
「ええ、少し離れたセルヴァンティース伯爵家のお屋敷から通っているんです」
どうやらギディオンは一人で暮らしているらしい。出されたお茶はごく一般的なものだった。
「メイサ、こちらはいいからザザの部屋を整えてやってくれ」
いつの間にか入ってきたギディオンが話を遮った。
騎士の制服を脱いで平服に着替えている。隊服の時と雰囲気ががらりと変わっていて、やっぱりザザは見つめてしまうのだった。
「かしこまりました。ではザザさん、お夕食は期待していてださいね」
ギディオンの前にも茶を置くとメイサは今を出て行った。
「……」
沈黙は二人を包む。
「……お茶、美味しいですね」
何か言わなくてはならないような気がしてザザは言った。
「普通の茶だ」
「それでも美味しいです。私も上手に淹れられるようになりたいです」
「そういえば、森では何を飲んでいたんだ?」
「普段はお水を。それか、自分で煎じた薬草のお茶を飲んでいたんですけど、どれも苦くて黒くて、あまり美味いしくはないです」
「そりゃ飲まなくてよかった」
ギディオンはしみじみと、寸法の合わない家具に収まっているザザを眺めた。
「確かにメイサの言う通り、なんとかしないといけないな」
「いえ、これで十分です」
「いやよくない。とりあえずこれでも置いておくか」
そう言ってギディオンはこの部屋に唯一置いてあった、厚手のひざ掛けのようなものを折りたたんだ。そしてザザの脇に腕を回し、ひょいと持ち上げると小さな尻の下にそれを敷いた。
「どうだ?」
「ちょうどいいです、でも……」
「どうせ使わない貰い物だからな。しばらくそれで我慢しろ、そのうち体にあった椅子を買ってやる」
「いえそのっ! わたし、あるじさま、ギディオンさまのお役に立ちたいのです。何かご命令を!」
「命令なぁ。ザザにしてもらうようなことは何もないと言ってるだろう? なんでそんなに指示をされたいんだ。何かしたいことはないのか?」
「ございません!」
「そんなにきっぱり言うなよ。じゃあ、言い方を変えよう。お前の好きなことを言ってみなさい。幾つでもいい」
「好きなこと、ですか?」
ザザに語らせるには、とりあえず上からものを言ったほうがいいと考えたギディオンである。案の定ザザは考え込んだ。
「ええと、夜明けを見ること、朝の森を散策すること。後、薬草を摘んだり、珍しい石を探したり……」
「若い娘の趣味とも思えんな。しかも王都では夜明け見ること以外は難しいぞ。薬草のある場所は限られているし」
「はぁ」
「庭園や公園ならそのうち連れて行ってやれるが」
ギディオンはきょとんとしているザザをつくづく眺めた。
「お前はもう少し自分に自信を持ったほうがいい……と言っても、矛盾があるか。魔女を否定したのは俺だからなぁ」
「……」
「やはり連れてくるべきではなかったか……」
「いいえ。決めたのは私です」
ギディオンの呟きを受け止めてザザは言った。
「あるじさまが私を今必要でないとしても、必要になる時まで待ちます。魔女は待つ者ですから。それまで、ここでの暮らしに慣れます。少なくとも下女の真似事や使いっ走りくらいはできるでしょう」
「そんなことを嬉しそうに言うのはお前くらいだぞ、ザザ」
苦笑を一つこぼしてギディオンは言った。
「お前の身の振り方はいずれ考える。魔女がまだ生き残っていたことを、しかるべきところに報告することも俺の義務だし」
ただ、この無知で純粋な娘が不当に扱われたりしないように、気を付けてやらねばならない。
「やれやれ、似合わぬことを背負い込んだもんだ……あ、いや、俺の責任だから! ザザは悪くない!」
思い切り下がった眉を見てギディオンは慌てて訂正した。
「とりあえず、今言ったように少しずつ王都に慣れていけばいい。メイサにもいろいろ教えてもらって……そうだな、確かに何か目標があったほうがいいのかもな……何かザザにでもできそうなこと……うーん」
「なんでもいたします!」
ザザは期待満面で身を乗り出した。
「わかったわかった。そんな目で見るな」
大きな手がザザの頭に添えられ、ふわりと叩かれる。そんなことをされたことがないザザは、ぽかんとギディオンを見上げた。
「そうだな。何をするにしても、そんな小さくて痩せっぽちでは心もとない。だから先ずはきちんと食べて大きくなることだ。いいな」
「はい!」
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初めていただいたご命令だ。私はきちんと食べて大きくなろう。
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