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23 どうかご無事で! 少尉さん
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ざざ、と不気味な音がする。
何かが、いや何者かが高いところから飛び降りてきたのだ。
灌木の枝が音を立てて折れ、木の葉とともにアン達に降り注ぐ。
「うわ!」
「なんだ!?」
素早く臨戦体制に入ったケインたちだが、弱い明かりの光にも美しく輝く金髪の長身の男を見とめて、すぐに銃を下ろした。
アンは見た。見つめた。目を離すことができずに。
一年ぶりに見た彼の姿は、あいかわらず夜目にも美しい。
しかし、頬の肉が削げ、顎がやや鋭くなり、明るい瞳だけがぎらぎらと光っている。まるで飢えた猛獣のように。
戦火は彼の野生を引き出してしまったのか。
「レイルダー!」
「よかった! 合流できた! 探したぞ!」
しかし、レイルダーは援軍たる彼らの方を見もしないで、後ろで縮こまっているアンの前に立った。
「なんで来た、アン」
初めて聞く氷のような声音にアンは震え上がった。病院で初めて血を見て失神した時以上に恐ろしい。
なのに目が離せないし動けない。
獅子に喰われる寸前のうさぎだ。
「……わ、私は」
「帰れ。今すぐ帰るんだ。ケイン、アンを連れて行け。手筈は整っているはずだな」
「……あ、ああ。無論だ」
ケインはレイルダーの迫力に押されながらうなずいた。
「アンお嬢さん。レイルダーとも合流できたし、あなたの役目は終わりです。私と一緒に……」
「この近くに馬が六頭います。すぐ向こうです!」
アンは急いで言い放った。
「……やめろ、アン」
レイルダーが低く遮ったがアンは続けた。
「七十二号が伝えてくれます。動かないみたいだけど、仲間がいるって。それにみんな怖がっているって」
みんなというのは馬たちのことだ。鼻面を寄せてくる七十二号にアンはうなずき、ケインは眉をひそめた。
「本当か? レイルダー、お前も見たのか?」
「そうだ」
レイルダーは、飛び降りた時に吹っ飛ばされた帽子を被り直しながら言った。
「この高台の向こうで馬車が立ち往生している。ご大層な馬車で無理に獣道を通り抜けようとして、深い溝にはまって車軸が破損したらしい。馬車の中に三人、御者が一人、そして護衛が四人いる」
「なんと! それは絶好の機会じゃないか! ぐずぐずしてたら、逃してしまう!」
「だから、俺が上から襲撃をかけようとしていたんだ。そこにアンがやってきた」
レイルダーはお前たちとは言わずに、アンがと言った。よほど腹に据えかねたのだろう。
「しかし、いくら夜目が聞くお前でも、さすがに八人を一度には倒せないぞ、最低でもあと二人いる。だが……」
ケインがアンを見る。アンはその意味をすぐに悟った。
「私は藪の中に隠れています! お邪魔はしません。少尉さんたちは任務を果たしてください!」
「ダメだ。周囲に敵がいないとは限らない。今すぐケインと共に川を渡れ。船はどこかに停泊しているはずだな。向こうは合図を持っているだろう」
「嫌です。私だって軍人の娘です。覚悟がないなら、はじめから見習い看護師になどなりません」
「アン、頼む……ここから離脱してくれ。でないと俺は閣下に顔向けができない」
レイルダーはアンの肩に手を置いた。
「少尉さんは父に負い目などないわ。そんな心配は無用です!」
アンは彼の手を振り払った。
今までこんなことはしたことがない。しかし父のために、自分の無事を案じて欲しくはなかった。
レイルダーの顔が初めて歪む。
「……違う。嘘だ。アン……アン!」
「え?」
振り払ったはずの手がいつの間にか背中に回されている。
「本当は俺が怖いんだ」
レイルダーはアンを抱きしめて言った。分厚い外套越しに彼の温もりと震えが伝わる。
──ああ。
きっと今夜も魔法の夜なんだわ。
月も見えない戦場の荒野で、アンは確信した。
私は、何度少尉さんの初めてをここで見るのかしら?
アンは一瞬だけ、自分の短い腕でレイルダーを抱きしめると、そっと抱擁を解き、努めて事務的に言った。
「私は大丈夫です! 自信があります!」
「……アン?」
「レイルダー少尉、あなたも軍人でしょう。任務が最優先です! さ、時間がありません!」
そういうと、アンは自分から斜面に茂った灌木の茂みに飛び込んだ。外套は黒いし、冬でも葉のよく茂る灌木なので、小さな灯りくらいでは見分けがつかないだろう。
「早く行ってください!」
アンは藪の中から叫んだ。
「レイルダー、お嬢さんを信用しよう」
ケインはレイルダーの肩を叩いた。
「なるべくなら、お馬さんは傷つけないでくださいね」
藪の中から聞こえる声にレイルダーはしばらく黙っていたが、ついに決意したように、顔を上げた。
「アン、そこから絶対に出るなよ。たとえ、俺たちが戻らなくても、朝までそこにいるんだ。鳩は持っているな。馬は放す。朝になったら絶対に迎えがくる……頼むからこれ以上、俺の心臓を追い詰めないでくれ」
「はい。どうかお気をつけて! ご武運を!」
どうしてここに心臓の話が出てくるのだろう、と考えながらアンはとりあえず返事をした。
それ以上は答えず、三人の男たちは斜面を登り始めた。
有利な高台から攻撃を仕掛けるつもりなのだろう。
多分、馬車の修理で明かりを灯しているだろうから、標的にしやすいのね。
父が話してくれた、レイルダーの優れた感覚がどんなものかアンはわからない。しかし、先ほど「夜目が利く」とマルクが言っていたので、その能力は兵士たちにも評価されているのだろう。
戦争が綺麗事ではないことを、アンはもう知っている。けれど、絶対によくないものであることは確かなのだ。
野心家で王という存在になりたいラジム公爵は、戦争の劣勢を知って、西北の国に支援を求める使者を出した。ラジム領には資源があると噂されている。西北の国がそれに応じたら、戦争はもっと長引くことになるだろう。
レイルダー達はそれを阻止する任務に命を賭けている。
小さな戦闘でも人は簡単に傷つく。もしかしたら、いや、高い確率で死者が出るだろう。
どうか、人も馬も死にませんように。
そしてレイルダー少尉さんが、無事でありますように!
もし、少尉さんが無事に帰ってきたら、私はこの恋を諦めてもいいです!
というか、諦めます!
どうか! どうか!
あの、綺麗な横顔をもう一度私に見せて!
アンは目をつぶって強く祈った。
夜はまだまだ深い。
どのくらいの時間が経ったろうか? あまり遠くない高台の向こうから、いくつもの銃声が響いてきた。
戦闘が始まったのだ。
*****
あの・・・面白いです?(自信がなくなってきた)
何かが、いや何者かが高いところから飛び降りてきたのだ。
灌木の枝が音を立てて折れ、木の葉とともにアン達に降り注ぐ。
「うわ!」
「なんだ!?」
素早く臨戦体制に入ったケインたちだが、弱い明かりの光にも美しく輝く金髪の長身の男を見とめて、すぐに銃を下ろした。
アンは見た。見つめた。目を離すことができずに。
一年ぶりに見た彼の姿は、あいかわらず夜目にも美しい。
しかし、頬の肉が削げ、顎がやや鋭くなり、明るい瞳だけがぎらぎらと光っている。まるで飢えた猛獣のように。
戦火は彼の野生を引き出してしまったのか。
「レイルダー!」
「よかった! 合流できた! 探したぞ!」
しかし、レイルダーは援軍たる彼らの方を見もしないで、後ろで縮こまっているアンの前に立った。
「なんで来た、アン」
初めて聞く氷のような声音にアンは震え上がった。病院で初めて血を見て失神した時以上に恐ろしい。
なのに目が離せないし動けない。
獅子に喰われる寸前のうさぎだ。
「……わ、私は」
「帰れ。今すぐ帰るんだ。ケイン、アンを連れて行け。手筈は整っているはずだな」
「……あ、ああ。無論だ」
ケインはレイルダーの迫力に押されながらうなずいた。
「アンお嬢さん。レイルダーとも合流できたし、あなたの役目は終わりです。私と一緒に……」
「この近くに馬が六頭います。すぐ向こうです!」
アンは急いで言い放った。
「……やめろ、アン」
レイルダーが低く遮ったがアンは続けた。
「七十二号が伝えてくれます。動かないみたいだけど、仲間がいるって。それにみんな怖がっているって」
みんなというのは馬たちのことだ。鼻面を寄せてくる七十二号にアンはうなずき、ケインは眉をひそめた。
「本当か? レイルダー、お前も見たのか?」
「そうだ」
レイルダーは、飛び降りた時に吹っ飛ばされた帽子を被り直しながら言った。
「この高台の向こうで馬車が立ち往生している。ご大層な馬車で無理に獣道を通り抜けようとして、深い溝にはまって車軸が破損したらしい。馬車の中に三人、御者が一人、そして護衛が四人いる」
「なんと! それは絶好の機会じゃないか! ぐずぐずしてたら、逃してしまう!」
「だから、俺が上から襲撃をかけようとしていたんだ。そこにアンがやってきた」
レイルダーはお前たちとは言わずに、アンがと言った。よほど腹に据えかねたのだろう。
「しかし、いくら夜目が聞くお前でも、さすがに八人を一度には倒せないぞ、最低でもあと二人いる。だが……」
ケインがアンを見る。アンはその意味をすぐに悟った。
「私は藪の中に隠れています! お邪魔はしません。少尉さんたちは任務を果たしてください!」
「ダメだ。周囲に敵がいないとは限らない。今すぐケインと共に川を渡れ。船はどこかに停泊しているはずだな。向こうは合図を持っているだろう」
「嫌です。私だって軍人の娘です。覚悟がないなら、はじめから見習い看護師になどなりません」
「アン、頼む……ここから離脱してくれ。でないと俺は閣下に顔向けができない」
レイルダーはアンの肩に手を置いた。
「少尉さんは父に負い目などないわ。そんな心配は無用です!」
アンは彼の手を振り払った。
今までこんなことはしたことがない。しかし父のために、自分の無事を案じて欲しくはなかった。
レイルダーの顔が初めて歪む。
「……違う。嘘だ。アン……アン!」
「え?」
振り払ったはずの手がいつの間にか背中に回されている。
「本当は俺が怖いんだ」
レイルダーはアンを抱きしめて言った。分厚い外套越しに彼の温もりと震えが伝わる。
──ああ。
きっと今夜も魔法の夜なんだわ。
月も見えない戦場の荒野で、アンは確信した。
私は、何度少尉さんの初めてをここで見るのかしら?
アンは一瞬だけ、自分の短い腕でレイルダーを抱きしめると、そっと抱擁を解き、努めて事務的に言った。
「私は大丈夫です! 自信があります!」
「……アン?」
「レイルダー少尉、あなたも軍人でしょう。任務が最優先です! さ、時間がありません!」
そういうと、アンは自分から斜面に茂った灌木の茂みに飛び込んだ。外套は黒いし、冬でも葉のよく茂る灌木なので、小さな灯りくらいでは見分けがつかないだろう。
「早く行ってください!」
アンは藪の中から叫んだ。
「レイルダー、お嬢さんを信用しよう」
ケインはレイルダーの肩を叩いた。
「なるべくなら、お馬さんは傷つけないでくださいね」
藪の中から聞こえる声にレイルダーはしばらく黙っていたが、ついに決意したように、顔を上げた。
「アン、そこから絶対に出るなよ。たとえ、俺たちが戻らなくても、朝までそこにいるんだ。鳩は持っているな。馬は放す。朝になったら絶対に迎えがくる……頼むからこれ以上、俺の心臓を追い詰めないでくれ」
「はい。どうかお気をつけて! ご武運を!」
どうしてここに心臓の話が出てくるのだろう、と考えながらアンはとりあえず返事をした。
それ以上は答えず、三人の男たちは斜面を登り始めた。
有利な高台から攻撃を仕掛けるつもりなのだろう。
多分、馬車の修理で明かりを灯しているだろうから、標的にしやすいのね。
父が話してくれた、レイルダーの優れた感覚がどんなものかアンはわからない。しかし、先ほど「夜目が利く」とマルクが言っていたので、その能力は兵士たちにも評価されているのだろう。
戦争が綺麗事ではないことを、アンはもう知っている。けれど、絶対によくないものであることは確かなのだ。
野心家で王という存在になりたいラジム公爵は、戦争の劣勢を知って、西北の国に支援を求める使者を出した。ラジム領には資源があると噂されている。西北の国がそれに応じたら、戦争はもっと長引くことになるだろう。
レイルダー達はそれを阻止する任務に命を賭けている。
小さな戦闘でも人は簡単に傷つく。もしかしたら、いや、高い確率で死者が出るだろう。
どうか、人も馬も死にませんように。
そしてレイルダー少尉さんが、無事でありますように!
もし、少尉さんが無事に帰ってきたら、私はこの恋を諦めてもいいです!
というか、諦めます!
どうか! どうか!
あの、綺麗な横顔をもう一度私に見せて!
アンは目をつぶって強く祈った。
夜はまだまだ深い。
どのくらいの時間が経ったろうか? あまり遠くない高台の向こうから、いくつもの銃声が響いてきた。
戦闘が始まったのだ。
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