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70 実りの時 2
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それから毎日、リザはたくさんの素焼きの器に絵を描き続けた。
森から帰ってきてからすぐに描き始めたのだが、どうにも筆が止まらず、翌日コルに荷馬車で焼き物の集落まで行ってもらい、大量の素焼きを運んでくれるように頼んだのだ。
皿、器、カップ、鉢、杯、壺。
様々なものに、リザは自分が美しいと思うものを描き続けた。
以前アンテに見せてもらった、イストラーダにしか咲かないと言われるカラス百合の花なども描き、全ての器にリザは自分の名前の頭文字を入れた。
それは小さなものだったが、自分で考えた自分だけの署名だった。
描いた器は再び職人のところまで持って行ってもらい、釉薬をかけて本焼きされる。
ああ! 出来上がりが待ち遠しいわ。
久しぶりに楽しみなことができて嬉しいリザである。
描いている間はウルリーケとも顔を合わさずにすむ。リザは悪いとは思いながら、どうにも彼女が苦手だったのだ。
エルランドは今、鉄樹の山に入っている。
作物の収穫期は終わり、一時の休息を経て鉄樹の伐採が始まったのだ。イストラーダでも一番重要な季節だ。
リザは主の留守の間、自分にできることはないかと一生懸命に考えた。
コルに相談してみると、冬場は女の働く場が少ないということで、仕事を提供すれば良いとのことだった。
リザは簡単な図案を描いて、絵に興味のある村娘を募った。また鉄樹の伐採のため、村から男手が減ったので、城に残っている兵士の一部に村を巡回させ、力仕事などを手伝わせた。
最初、王都から来た何もできない姫君だと、リザを遠巻きに見ていた者たちも、彼女の優しさや素直さに、次第に敬意を持って仕える者が増え出した。
リザが領主夫人の部屋に収まったことや、リザを軽視していたアンテがいなくなったことも一因かもしれない。
そしてまた、ウルリーケが新たに領地から呼び寄せた侍女や侍従が、エルランドやコルの目の届かないところで、古くからいる召使を下に見ていることも彼らは気に食わなかった。
リザの部屋には次第にものが増え、午後のお茶の係は当番制になった。希望者が多すぎるのだ。
「最近ちっともリザ様とお話ができない!」
これはターニャの不平である。ニーケを除いて、この城では一番古いリザ専属の侍女だというのに、最近では二日に一度くらいしか、朝の湯を持って行ったり、着替えの手伝いができないのだ。
「みんなやっと、リザ様のすばらしさがわかってきたのよ」
ニーケも笑った。
その時、ウルリーケの侍女が失礼しますと言って入ってきた。
「奥方様、ウルリーケ様がお話ししたいと言っておられますが、よろしいでしょうか?」
「え? ……ええ。もちろん。ターニャ、お茶の用意をお願いできる?」
「かしこまりました」
ターニャはすぐに動いてくれたが、ウルリーケの侍女の前を通り過ぎてからべろりと舌を出した。
「こんにちは、リザ様」
ウルリーケが入ってきたのはそのすぐ後だ。
「こんにちは」
「もっと早くに伺いたかったんですけど、リザ様ちっとも私を呼んでくださらないのですもの。奥方様なのに」
「それは……申し訳ありません。それも女主の役割なんですね」
「そうですわよ。なんだかお忙しかったようですわね」
ウルリーケは工房化しつつある居間の片隅を珍しげに眺めた。ターニャが熱いお茶を淹れてくれている。ウルリーケの侍女はなにも手伝わなかった。
「ええ。ウルリーケ様はなにをしていらしたの?」
「お部屋を整えたり、お城の中を見て回ったりしていました。イストラーダ城はすごく古くて、地下には迷路みたいな場所もあるんですって?」
ウルリーケはお茶を飲みながら言った。
「ああ、エルランド様。早くお戻りにならないかしら? リザ様ご存知?」
「私もよく知りません……早くても七日後くらいとコルが。鉄樹は雪が深くなる前に伐り倒すと聞きました」
リザの声は弱い。
数日前、エルランドが旅立つ時に抱きしめようとした腕を、リザはやんわり拒絶してしまったのだ。
彼は苦しげに笑って静かに「行ってくる」と告げ、リザは「お気をつけて」と言うのが精一杯だった。エルランドを見送るのは慣れているつもりだったのに。
「そのようですね。私、この次お帰りになられた時、伐採の現場を見に連れて行ってもらおうかと思うのです。私山道の乗馬も得意ですし、寒さも平気ですから」
それは、いかにもリザが乗馬もまだ素人で、体が弱いから無理だと言っているように聞こえた。
「私はこの地のことをもっと知らねばなりません。エルランド様に頼んでみますわ! 私はきっとお役に立てるはず!」
ウルリーケは勝ち誇ったように言った。背後ではニーケやターニャと、ウルリーケの侍女が火花を散らしている。
「いいですよ」
リザは黙って茶を啜った。それは少しだけ渋い味がした。
エルランドとは職人の村に行った時以来、二人きりで話す機会はなかった。伐採期が始まったこともあるが、ウルリーケが常に視界に入るからだ。
二人には微妙な関係が続いていた。
リザには、ウルリーケと彼が森の中で抱擁し、その夜、廊下に消えた背中が目に焼き付いて、忘れることができないのだ。
自分は王家の出自のみ尊重されている妻で、領主には夫人以外の恋人がいるのが普通なのだと、繰り返し言い聞かせても、心が鉛を飲んだように重い。
そんなリザにエルランドは、時折問いかけるような眼差しを向けるだけで、決して彼女を追い詰めようとはしなかった。いつも冷静で我慢強く、領地の経営や村々の警備に関しては果断であった。
そういう意味で彼は理想の夫だと言えるのかもしれない。
だけど、私はもうエルランド様を好きになってしまった。
だから女主の役なんて、したくない。
領主の妻としてだけじゃなく、私自身を見て欲しいの。
「リザ様! コルが戻りました!」
昼食を食べ終えたリザが休んでいると、ターニャが意気揚々と飛び込んできた。
「陶器が焼き上がったそうです!」
「本当⁉︎」
リザはすぐに階段を駆け下りた。
そこにはちょうど荷馬車から馬を外したコルがいて、リザにこっそり厩舎の方へと手招きしている。
なんだろうとリザがついていくと、そこには驚くことにエルランドが立っていた。
「リザ! 元気だったか」
「お……お帰りなさい」
彼の帰城はもっと遅くなると思っていたリザは、思わず顔を赤くした。出立の時の自分の態度を思い出したのだ。しかし、エルランドは全然気にしていないように、リザを軽く抱きしめ、すぐに身を離した。
「第一弾の出荷が思ったより手際よく進んだのでな。戻ってくると途中でコルに会ったんだ」
「またすぐに山に戻るの?」
「ああ。だが、村の男達も兵もどんどんこの仕事に慣れてきて、俺がずっとついていなくてもよくなった。次に行くのは伐り出した鉄樹を運ぶ時だな。だから数日はここにいられる。だが」
エルランドはそこで声を落とし、リザの耳に口を寄せる。
「ウルリーケ殿には内緒にしてくれ。俺は村長の家に泊まらせてもらうから」
「……え?」
それはあまりにも想定外の言葉だった。
「どうして? だって……」
「あの人に鉄樹のことをあまり知られたくないんだ」
エルランドは少し難しい顔をして言った。
「あの人がここに滞在する理由は、イストラーダの今の経済力を測るためでもあるからな」
「……」
リザにはよくわからなかった。二人は恋人同士で、いずれ第二夫人に迎えるのなら、そんなことを隠す必要があるのだろうか?
しかし、治世に関する知識のないリザは納得するしかない。
もしかしたら、私に気を使ってそう言っているのかもしれないし……。
「私のお皿、どう? どんなのができたの?」
リザは気を取り直してコルに尋ねた。
「リザ様! 素晴らしい出来栄えです!」
そう言って、コルは抱えていた袋の中からリザが最初に書いた皿を取り出した。
陶器用の絵具は暗い青だったが、焼くと鮮やかな青に変わる。白い皿の上に鮮やかな青色で蔦の模様が見事に表現されていた。
「わぁ! 思っていたよりずっときれいな色だわ! 青色も赤色も!」
「本当に、ここらの人間は陶器といえば無地なものだと思っていましたからね。これはみんな欲しがるでしょう」
「手始めに城で使ってみよう。客用ではなく、皆が使える食器として。その方がみんな喜ぶ」
「いいの?」
エルランドが提案する。
「もちろんだ。リザ、もっとやってみたければやっていいぞ。これは思っていたよりも、かなりいいものに仕上がっている」
エルランドは他の器も注意深く目を凝らしながら言った。
「うまくすれば、次の産業になるかもしれない」
「え⁉︎」
リザの中には、もっともっと描きたい図案があふれていいる。
「真冬になれば、そうそう出歩ける日も少なくなる。コルから聞いたが、陶器に絵を描きたければ、他の部屋も使って、器用な村娘たちにもどんどん教えてやればいい。兵士たちは村々を定期的に巡回するから、素焼きの皿を仕入れたり、焼き上がった器を配ったりできる。そうだ、近いうちに絵具も、もっと注文しよう」
「わぁ、ほんとう? 嬉しい! ありがとう! エルランド様!」
すっかり嬉しくなったリザは、思わずエルランドの両手を握る。
「……やっと普通に喋ってくれたな」
「え⁉︎」
リザの目を見てエルランドは意味ありげに笑った。
「さて、これからしばらくは俺のために時間を使ってもらおうか。自業自得だと我慢していたが、もうずいぶん長いこと、他人行儀にされたから。さぁ、いくぞ!」
いつの間にか、エルランドの愛馬アスワドが主を待っていた。
森から帰ってきてからすぐに描き始めたのだが、どうにも筆が止まらず、翌日コルに荷馬車で焼き物の集落まで行ってもらい、大量の素焼きを運んでくれるように頼んだのだ。
皿、器、カップ、鉢、杯、壺。
様々なものに、リザは自分が美しいと思うものを描き続けた。
以前アンテに見せてもらった、イストラーダにしか咲かないと言われるカラス百合の花なども描き、全ての器にリザは自分の名前の頭文字を入れた。
それは小さなものだったが、自分で考えた自分だけの署名だった。
描いた器は再び職人のところまで持って行ってもらい、釉薬をかけて本焼きされる。
ああ! 出来上がりが待ち遠しいわ。
久しぶりに楽しみなことができて嬉しいリザである。
描いている間はウルリーケとも顔を合わさずにすむ。リザは悪いとは思いながら、どうにも彼女が苦手だったのだ。
エルランドは今、鉄樹の山に入っている。
作物の収穫期は終わり、一時の休息を経て鉄樹の伐採が始まったのだ。イストラーダでも一番重要な季節だ。
リザは主の留守の間、自分にできることはないかと一生懸命に考えた。
コルに相談してみると、冬場は女の働く場が少ないということで、仕事を提供すれば良いとのことだった。
リザは簡単な図案を描いて、絵に興味のある村娘を募った。また鉄樹の伐採のため、村から男手が減ったので、城に残っている兵士の一部に村を巡回させ、力仕事などを手伝わせた。
最初、王都から来た何もできない姫君だと、リザを遠巻きに見ていた者たちも、彼女の優しさや素直さに、次第に敬意を持って仕える者が増え出した。
リザが領主夫人の部屋に収まったことや、リザを軽視していたアンテがいなくなったことも一因かもしれない。
そしてまた、ウルリーケが新たに領地から呼び寄せた侍女や侍従が、エルランドやコルの目の届かないところで、古くからいる召使を下に見ていることも彼らは気に食わなかった。
リザの部屋には次第にものが増え、午後のお茶の係は当番制になった。希望者が多すぎるのだ。
「最近ちっともリザ様とお話ができない!」
これはターニャの不平である。ニーケを除いて、この城では一番古いリザ専属の侍女だというのに、最近では二日に一度くらいしか、朝の湯を持って行ったり、着替えの手伝いができないのだ。
「みんなやっと、リザ様のすばらしさがわかってきたのよ」
ニーケも笑った。
その時、ウルリーケの侍女が失礼しますと言って入ってきた。
「奥方様、ウルリーケ様がお話ししたいと言っておられますが、よろしいでしょうか?」
「え? ……ええ。もちろん。ターニャ、お茶の用意をお願いできる?」
「かしこまりました」
ターニャはすぐに動いてくれたが、ウルリーケの侍女の前を通り過ぎてからべろりと舌を出した。
「こんにちは、リザ様」
ウルリーケが入ってきたのはそのすぐ後だ。
「こんにちは」
「もっと早くに伺いたかったんですけど、リザ様ちっとも私を呼んでくださらないのですもの。奥方様なのに」
「それは……申し訳ありません。それも女主の役割なんですね」
「そうですわよ。なんだかお忙しかったようですわね」
ウルリーケは工房化しつつある居間の片隅を珍しげに眺めた。ターニャが熱いお茶を淹れてくれている。ウルリーケの侍女はなにも手伝わなかった。
「ええ。ウルリーケ様はなにをしていらしたの?」
「お部屋を整えたり、お城の中を見て回ったりしていました。イストラーダ城はすごく古くて、地下には迷路みたいな場所もあるんですって?」
ウルリーケはお茶を飲みながら言った。
「ああ、エルランド様。早くお戻りにならないかしら? リザ様ご存知?」
「私もよく知りません……早くても七日後くらいとコルが。鉄樹は雪が深くなる前に伐り倒すと聞きました」
リザの声は弱い。
数日前、エルランドが旅立つ時に抱きしめようとした腕を、リザはやんわり拒絶してしまったのだ。
彼は苦しげに笑って静かに「行ってくる」と告げ、リザは「お気をつけて」と言うのが精一杯だった。エルランドを見送るのは慣れているつもりだったのに。
「そのようですね。私、この次お帰りになられた時、伐採の現場を見に連れて行ってもらおうかと思うのです。私山道の乗馬も得意ですし、寒さも平気ですから」
それは、いかにもリザが乗馬もまだ素人で、体が弱いから無理だと言っているように聞こえた。
「私はこの地のことをもっと知らねばなりません。エルランド様に頼んでみますわ! 私はきっとお役に立てるはず!」
ウルリーケは勝ち誇ったように言った。背後ではニーケやターニャと、ウルリーケの侍女が火花を散らしている。
「いいですよ」
リザは黙って茶を啜った。それは少しだけ渋い味がした。
エルランドとは職人の村に行った時以来、二人きりで話す機会はなかった。伐採期が始まったこともあるが、ウルリーケが常に視界に入るからだ。
二人には微妙な関係が続いていた。
リザには、ウルリーケと彼が森の中で抱擁し、その夜、廊下に消えた背中が目に焼き付いて、忘れることができないのだ。
自分は王家の出自のみ尊重されている妻で、領主には夫人以外の恋人がいるのが普通なのだと、繰り返し言い聞かせても、心が鉛を飲んだように重い。
そんなリザにエルランドは、時折問いかけるような眼差しを向けるだけで、決して彼女を追い詰めようとはしなかった。いつも冷静で我慢強く、領地の経営や村々の警備に関しては果断であった。
そういう意味で彼は理想の夫だと言えるのかもしれない。
だけど、私はもうエルランド様を好きになってしまった。
だから女主の役なんて、したくない。
領主の妻としてだけじゃなく、私自身を見て欲しいの。
「リザ様! コルが戻りました!」
昼食を食べ終えたリザが休んでいると、ターニャが意気揚々と飛び込んできた。
「陶器が焼き上がったそうです!」
「本当⁉︎」
リザはすぐに階段を駆け下りた。
そこにはちょうど荷馬車から馬を外したコルがいて、リザにこっそり厩舎の方へと手招きしている。
なんだろうとリザがついていくと、そこには驚くことにエルランドが立っていた。
「リザ! 元気だったか」
「お……お帰りなさい」
彼の帰城はもっと遅くなると思っていたリザは、思わず顔を赤くした。出立の時の自分の態度を思い出したのだ。しかし、エルランドは全然気にしていないように、リザを軽く抱きしめ、すぐに身を離した。
「第一弾の出荷が思ったより手際よく進んだのでな。戻ってくると途中でコルに会ったんだ」
「またすぐに山に戻るの?」
「ああ。だが、村の男達も兵もどんどんこの仕事に慣れてきて、俺がずっとついていなくてもよくなった。次に行くのは伐り出した鉄樹を運ぶ時だな。だから数日はここにいられる。だが」
エルランドはそこで声を落とし、リザの耳に口を寄せる。
「ウルリーケ殿には内緒にしてくれ。俺は村長の家に泊まらせてもらうから」
「……え?」
それはあまりにも想定外の言葉だった。
「どうして? だって……」
「あの人に鉄樹のことをあまり知られたくないんだ」
エルランドは少し難しい顔をして言った。
「あの人がここに滞在する理由は、イストラーダの今の経済力を測るためでもあるからな」
「……」
リザにはよくわからなかった。二人は恋人同士で、いずれ第二夫人に迎えるのなら、そんなことを隠す必要があるのだろうか?
しかし、治世に関する知識のないリザは納得するしかない。
もしかしたら、私に気を使ってそう言っているのかもしれないし……。
「私のお皿、どう? どんなのができたの?」
リザは気を取り直してコルに尋ねた。
「リザ様! 素晴らしい出来栄えです!」
そう言って、コルは抱えていた袋の中からリザが最初に書いた皿を取り出した。
陶器用の絵具は暗い青だったが、焼くと鮮やかな青に変わる。白い皿の上に鮮やかな青色で蔦の模様が見事に表現されていた。
「わぁ! 思っていたよりずっときれいな色だわ! 青色も赤色も!」
「本当に、ここらの人間は陶器といえば無地なものだと思っていましたからね。これはみんな欲しがるでしょう」
「手始めに城で使ってみよう。客用ではなく、皆が使える食器として。その方がみんな喜ぶ」
「いいの?」
エルランドが提案する。
「もちろんだ。リザ、もっとやってみたければやっていいぞ。これは思っていたよりも、かなりいいものに仕上がっている」
エルランドは他の器も注意深く目を凝らしながら言った。
「うまくすれば、次の産業になるかもしれない」
「え⁉︎」
リザの中には、もっともっと描きたい図案があふれていいる。
「真冬になれば、そうそう出歩ける日も少なくなる。コルから聞いたが、陶器に絵を描きたければ、他の部屋も使って、器用な村娘たちにもどんどん教えてやればいい。兵士たちは村々を定期的に巡回するから、素焼きの皿を仕入れたり、焼き上がった器を配ったりできる。そうだ、近いうちに絵具も、もっと注文しよう」
「わぁ、ほんとう? 嬉しい! ありがとう! エルランド様!」
すっかり嬉しくなったリザは、思わずエルランドの両手を握る。
「……やっと普通に喋ってくれたな」
「え⁉︎」
リザの目を見てエルランドは意味ありげに笑った。
「さて、これからしばらくは俺のために時間を使ってもらおうか。自業自得だと我慢していたが、もうずいぶん長いこと、他人行儀にされたから。さぁ、いくぞ!」
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