30 / 96
29 裏街道の拐引 3
しおりを挟む
「ぎゃあっ!」
バルトロは思いがけない攻撃に、背をのけぞらせて乾草の山から転がり落ちた。その隙にリザは積んだ草の天辺まで逃れ、口に食い込む布を取り去る。
「この女! つけ上がりやがって!」
「来るな!」
「うるせぇ! 顔をズタズタにして最下層の娼婦に堕としてやる!」
逆上したバルトロは肩に刺さった小刀を引き抜き、乾草の山をよじ登る。傷口から血が溢れたが、興奮しきっているのか大して痛くはないらしい。骨に当たって深く刺さらなかったこともあるのだろう。
しかし、男の体重で草は深く沈み込み、滑り落ちてなかなか難儀している。その間にリザは乾草の山から倉庫の屋根に逃れようと必死でよじ登った。
「ああっ!」
屋根はそんなに高くはないが足場が不安定なため、リザがなかなか乗り移れないでもがいていると、ようやく追いついてきたバルトロがベルトに手をかけた。
「うらぁっ!」「きゃああ!」
激しい勢いで引きずり下ろされ、そのまま仰けに放り投げられる。リザの軽い体は弧を描いて宙に飛んだ。
ああ、私このまま落ちるんだ……。
死ぬのかな? 死んでもいいかな?
視界いっぱいに広がったのは空だ。
青くどこまでも続く空。
リザの見たことのない世界までつながっている。
……いいえ!
私はまだ死にたくはない!
あの方に言ってやりたいことがある!
リザが本能的に体を丸めた時、落下の衝撃ではない、何か硬いものが柔らかく彼女を支えた。
「……?」
恐る恐る目を開けた時、リザが見たのは空ではない。
光の強い緑色。
「リザ」
「……え?」
「リザ、大丈夫か?」
自分を覗き込んでいる男はそう言った。
「エルランド様!」「主様!」
周りに男達が集まってくる。いずれも騎馬だ。そして自分も馬の上にいることに、リザはやっと気がついた。
「……わ、わた、私は……」
「話は後だ。ザンサス! ランディー! カタナ! 戦闘!」
エルランドの指示よりも早く彼らは動き始めている。次々に馬を降りると、剣を抜いて倉庫の入り口に向かって駆け出していった。
突然現れた騎馬に驚いたバルトロは、大声で仲間を呼んだ。
「お前ら出てこい!」
ならず者達はすぐにばらばらと飛び出してきた。
外のただならぬ様子に聞き耳を立てていたのだろう、既に手に手に得物を持っている。明るいところで見ると、男達は皆ごつい体つきで、荒ごとに慣れた連中のようだった。
「これはこれはご立派な騎士様達だ」
「ちょっと貧乏臭いがな」
「ちげぇねぇ!」
ならず者達は柄悪く笑った。自分たちの腕前と数を頼んでいるのだろう。彼らは十二、三人、対してエルランド達は四人である。
男達は皆、腰を落とし、臨戦態勢をとって睨み合った。
「リザ、これを」
エルランドは上着を脱いでリザに巻きつけると、そのまま彼女を抱えて馬から下りた。
「こいつの影に隠れていろ。頼むぞ」
最後の言葉は馬にかけられたものだ。それからエルランドは不敵な足取りで対峙する男達の間に向かって行く。
「誰から斬られたい?」
その言葉が戦いの合図となった。
エルランドの近くにいた二人の男が両側から斬りかかる。金属がぶつかり合う鋭い音が街道に響いた。
「あああっ!」
馬から顔だけ出していたリザの目に映ったのは、空を背景に鮮やかに飛沫をあげる赤。
同時に耳を塞ぎたくなるような苦鳴が上がる。静かだった裏街道は、たちまち男達が激しくぶつかりあう戦場と化した。
「……ひぅ」
リザは息を飲んで見つめている。
ならず者達はかなりの場数を踏んでいるようだが、騎士達の動きはそれを上回るようだった。中でも特に目立つのがエルランドの剣さばきである。
無駄がないのだ。
戦いなど、物語の世界でしか知らないリザにもそれはわかった。
彼は相手がどこを狙ってくるのか、わかっているように戦っている。力の差がありすぎる相手には、一合と受ける事なく利き手の筋を斬り、武器を持てないようにしていった。聞き手の太い血管を切られた人間は、必ずもう一方の手で傷を押え、戦意を失う。
エルランドの周りにはそんな男が増えて行く。
他の騎士たちも優位な体勢で一人ひとり敵を倒していった。
「てめぇら引け! でねえと、この娘の喉を掻っ切るぜ!」
いつの間に倉庫の中に入っていたのか、バルトロはニーケを引き摺り出していた。背後には二人を騙したジャーニンもいる。彼は背後からニーケの喉元に短剣を突きつけていた。
「ニーケ!」
リザが思わず飛び出る。
「来るな!」
エルランドに怒鳴られたが、リザには聞こえない。ニーケはたった一人の友人であり、孤独なリザにとって家族も同様なのである。
「リザ!」
エルランドがリザの前に立ちはだかったわずかな隙をついて、まだ立っていた男の一人が素早く斬りかかった。エルランドは素早く身をかわすが、刃の先が二の腕を掠め上着が裂かれる。
男はその勢いのまま、リザに迫った。手には血に濡れた刃。
「……ニーケッ!」
リザの足は止まらなかった。
男は弱々しい獲物に、にやりと笑って二人目の人質にしようと狙いを定める。しかし、エルランドの方が早かった。
彼は流れるような足捌きで間合いを詰めると、男の背中を斜めに割った。血飛沫を上げ、ものも言わずに倒れた男を振り返りもせずに、彼はリザを抱き留めた。
次の瞬間、ニーケの喉に刃を突きつけていたジャーニンも、前のめりに崩れ落ちる。その後頭部から拳大の石礫が転がり落ちた。そして目を剥いたバルトロの目の前には、エルランドの大剣があった。
「ひぎゃっ!」
ごつりと嫌な音がして、バルトロも昏倒する。エルランドが大剣の柄頭で彼の前頭部を殴ったのだ。
「お頭!」
首領が倒れたのを見て、残る数人の男たちは明らかに動揺していた。それを見逃す騎士達ではない。
捕縛はあっという間だった。
「エルランド様! お怪我は?」
倉庫の屋根から滑り降りてきたセローが主人に駆け寄る。さっき、ジャーニンに石礫を投げたのが彼だったのだ。
「かすり傷だ。それよりもセロー、ニーケ殿を頼む。あとの者は、こいつらを縛り上げ、倉庫に監禁しておけ。俺が街道の守備隊に連絡する。ハーリの村に集合だ!」
ふと目にとめたのは地面に転がった小刀である。刃の先には血がついていた。エルランドはその辺の葉っぱをちぎって刃を拭った。
「すまんが俺たちは先に行く」
エルランドはそう言い捨てて、立ち尽くしているリザを抱き上げると、一気に馬上の人となった。
バルトロは思いがけない攻撃に、背をのけぞらせて乾草の山から転がり落ちた。その隙にリザは積んだ草の天辺まで逃れ、口に食い込む布を取り去る。
「この女! つけ上がりやがって!」
「来るな!」
「うるせぇ! 顔をズタズタにして最下層の娼婦に堕としてやる!」
逆上したバルトロは肩に刺さった小刀を引き抜き、乾草の山をよじ登る。傷口から血が溢れたが、興奮しきっているのか大して痛くはないらしい。骨に当たって深く刺さらなかったこともあるのだろう。
しかし、男の体重で草は深く沈み込み、滑り落ちてなかなか難儀している。その間にリザは乾草の山から倉庫の屋根に逃れようと必死でよじ登った。
「ああっ!」
屋根はそんなに高くはないが足場が不安定なため、リザがなかなか乗り移れないでもがいていると、ようやく追いついてきたバルトロがベルトに手をかけた。
「うらぁっ!」「きゃああ!」
激しい勢いで引きずり下ろされ、そのまま仰けに放り投げられる。リザの軽い体は弧を描いて宙に飛んだ。
ああ、私このまま落ちるんだ……。
死ぬのかな? 死んでもいいかな?
視界いっぱいに広がったのは空だ。
青くどこまでも続く空。
リザの見たことのない世界までつながっている。
……いいえ!
私はまだ死にたくはない!
あの方に言ってやりたいことがある!
リザが本能的に体を丸めた時、落下の衝撃ではない、何か硬いものが柔らかく彼女を支えた。
「……?」
恐る恐る目を開けた時、リザが見たのは空ではない。
光の強い緑色。
「リザ」
「……え?」
「リザ、大丈夫か?」
自分を覗き込んでいる男はそう言った。
「エルランド様!」「主様!」
周りに男達が集まってくる。いずれも騎馬だ。そして自分も馬の上にいることに、リザはやっと気がついた。
「……わ、わた、私は……」
「話は後だ。ザンサス! ランディー! カタナ! 戦闘!」
エルランドの指示よりも早く彼らは動き始めている。次々に馬を降りると、剣を抜いて倉庫の入り口に向かって駆け出していった。
突然現れた騎馬に驚いたバルトロは、大声で仲間を呼んだ。
「お前ら出てこい!」
ならず者達はすぐにばらばらと飛び出してきた。
外のただならぬ様子に聞き耳を立てていたのだろう、既に手に手に得物を持っている。明るいところで見ると、男達は皆ごつい体つきで、荒ごとに慣れた連中のようだった。
「これはこれはご立派な騎士様達だ」
「ちょっと貧乏臭いがな」
「ちげぇねぇ!」
ならず者達は柄悪く笑った。自分たちの腕前と数を頼んでいるのだろう。彼らは十二、三人、対してエルランド達は四人である。
男達は皆、腰を落とし、臨戦態勢をとって睨み合った。
「リザ、これを」
エルランドは上着を脱いでリザに巻きつけると、そのまま彼女を抱えて馬から下りた。
「こいつの影に隠れていろ。頼むぞ」
最後の言葉は馬にかけられたものだ。それからエルランドは不敵な足取りで対峙する男達の間に向かって行く。
「誰から斬られたい?」
その言葉が戦いの合図となった。
エルランドの近くにいた二人の男が両側から斬りかかる。金属がぶつかり合う鋭い音が街道に響いた。
「あああっ!」
馬から顔だけ出していたリザの目に映ったのは、空を背景に鮮やかに飛沫をあげる赤。
同時に耳を塞ぎたくなるような苦鳴が上がる。静かだった裏街道は、たちまち男達が激しくぶつかりあう戦場と化した。
「……ひぅ」
リザは息を飲んで見つめている。
ならず者達はかなりの場数を踏んでいるようだが、騎士達の動きはそれを上回るようだった。中でも特に目立つのがエルランドの剣さばきである。
無駄がないのだ。
戦いなど、物語の世界でしか知らないリザにもそれはわかった。
彼は相手がどこを狙ってくるのか、わかっているように戦っている。力の差がありすぎる相手には、一合と受ける事なく利き手の筋を斬り、武器を持てないようにしていった。聞き手の太い血管を切られた人間は、必ずもう一方の手で傷を押え、戦意を失う。
エルランドの周りにはそんな男が増えて行く。
他の騎士たちも優位な体勢で一人ひとり敵を倒していった。
「てめぇら引け! でねえと、この娘の喉を掻っ切るぜ!」
いつの間に倉庫の中に入っていたのか、バルトロはニーケを引き摺り出していた。背後には二人を騙したジャーニンもいる。彼は背後からニーケの喉元に短剣を突きつけていた。
「ニーケ!」
リザが思わず飛び出る。
「来るな!」
エルランドに怒鳴られたが、リザには聞こえない。ニーケはたった一人の友人であり、孤独なリザにとって家族も同様なのである。
「リザ!」
エルランドがリザの前に立ちはだかったわずかな隙をついて、まだ立っていた男の一人が素早く斬りかかった。エルランドは素早く身をかわすが、刃の先が二の腕を掠め上着が裂かれる。
男はその勢いのまま、リザに迫った。手には血に濡れた刃。
「……ニーケッ!」
リザの足は止まらなかった。
男は弱々しい獲物に、にやりと笑って二人目の人質にしようと狙いを定める。しかし、エルランドの方が早かった。
彼は流れるような足捌きで間合いを詰めると、男の背中を斜めに割った。血飛沫を上げ、ものも言わずに倒れた男を振り返りもせずに、彼はリザを抱き留めた。
次の瞬間、ニーケの喉に刃を突きつけていたジャーニンも、前のめりに崩れ落ちる。その後頭部から拳大の石礫が転がり落ちた。そして目を剥いたバルトロの目の前には、エルランドの大剣があった。
「ひぎゃっ!」
ごつりと嫌な音がして、バルトロも昏倒する。エルランドが大剣の柄頭で彼の前頭部を殴ったのだ。
「お頭!」
首領が倒れたのを見て、残る数人の男たちは明らかに動揺していた。それを見逃す騎士達ではない。
捕縛はあっという間だった。
「エルランド様! お怪我は?」
倉庫の屋根から滑り降りてきたセローが主人に駆け寄る。さっき、ジャーニンに石礫を投げたのが彼だったのだ。
「かすり傷だ。それよりもセロー、ニーケ殿を頼む。あとの者は、こいつらを縛り上げ、倉庫に監禁しておけ。俺が街道の守備隊に連絡する。ハーリの村に集合だ!」
ふと目にとめたのは地面に転がった小刀である。刃の先には血がついていた。エルランドはその辺の葉っぱをちぎって刃を拭った。
「すまんが俺たちは先に行く」
エルランドはそう言い捨てて、立ち尽くしているリザを抱き上げると、一気に馬上の人となった。
11
お気に入りに追加
524
あなたにおすすめの小説
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった
山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』
色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。
◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。
【R18・完結】蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない〜
花室 芽苳
恋愛
契約結婚しませんか?貴方は確かにそう言ったのに。気付けば貴方の冷たい瞳に炎が宿ってー?ねえ、これは大人の恋なんですか?
どこにいても誰といても冷静沈着。
二階堂 柚瑠木《にかいどう ゆるぎ》は二階堂財閥の御曹司
そんな彼が契約結婚の相手として選んだのは
十条コーポレーションのお嬢様
十条 月菜《じゅうじょう つきな》
真面目で努力家の月菜は、そんな柚瑠木の申し出を受ける。
「契約結婚でも、私は柚瑠木さんの妻として頑張ります!」
「余計な事はしなくていい、貴女はお飾りの妻に過ぎないんですから」
しかし、挫けず頑張る月菜の姿に柚瑠木は徐々に心を動かされて――――?
冷徹御曹司 二階堂 柚瑠木 185㎝ 33歳
努力家妻 十条 月菜 150㎝ 24歳
冷酷無比な国王陛下に愛されすぎっ! 絶倫すぎっ! ピンチかもしれませんっ!
仙崎ひとみ
恋愛
子爵家のひとり娘ソレイユは、三年前悪漢に襲われて以降、男性から劣情の目で見られないようにと、女らしいことを一切排除する生活を送ってきた。
18歳になったある日。デビュタントパーティに出るよう命じられる。
噂では、冷酷無悲な独裁王と称されるエルネスト国王が、結婚相手を探しているとか。
「はあ? 結婚相手? 冗談じゃない、お断り」
しかし両親に頼み込まれ、ソレイユはしぶしぶ出席する。
途中抜け出して城庭で休んでいると、酔った男に絡まれてしまった。
危機一髪のところを助けてくれたのが、何かと噂の国王エルネスト。
エルネストはソレイユを気に入り、なんとかベッドに引きずりこもうと企む。
そんなとき、三年前ソレイユを助けてくれた救世主に似た男性が現れる。
エルネストの弟、ジェレミーだ。
ジェレミーは思いやりがあり、とても優しくて、紳士の鏡みたいに高潔な男性。
心はジェレミーに引っ張られていくが、身体はエルネストが虎視眈々と狙っていて――――
【完結】鳥籠の妻と変態鬼畜紳士な夫
Ringo
恋愛
夫が好きで好きで好きすぎる妻。
生まれた時から傍にいた夫が妻の生きる世界の全てで、夫なしの人生など考えただけで絶望レベル。
行動の全てを報告させ把握していないと不安になり、少しでも女の気配を感じれば嫉妬に狂う。
そしてそんな妻を愛してやまない夫。
束縛されること、嫉妬されることにこれ以上にない愛情を感じる変態。
自身も嫉妬深く、妻を家に閉じ込め家族以外との接触や交流を遮断。
時に激しい妄想に駆られて俺様キャラが降臨し、妻を言葉と行為で追い込む鬼畜でもある。
そんなメンヘラ妻と変態鬼畜紳士夫が織り成す日常をご覧あれ。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
※現代もの
※R18内容濃いめ(作者調べ)
※ガッツリ行為エピソード多め
※上記が苦手な方はご遠慮ください
完結まで執筆済み
【R18】国王陛下はずっとご執心です〜我慢して何も得られないのなら、どんな手を使ってでも愛する人を手に入れよう〜
まさかの
恋愛
濃厚な甘々えっちシーンばかりですので閲覧注意してください!
題名の☆マークがえっちシーンありです。
王位を内乱勝ち取った国王ジルダールは護衛騎士のクラリスのことを愛していた。
しかし彼女はその気持ちに気付きながらも、自分にはその資格が無いとジルダールの愛を拒み続ける。
肌を重ねても去ってしまう彼女の居ない日々を過ごしていたが、実の兄のクーデターによって命の危険に晒される。
彼はやっと理解した。
我慢した先に何もないことを。
ジルダールは彼女の愛を手に入れるために我慢しないことにした。
小説家になろう、アルファポリスで投稿しています。
【R-18】記憶喪失な新妻は国王陛下の寵愛を乞う【挿絵付】
臣桜
恋愛
ウィドリントン王国の姫モニカは、隣国ヴィンセントの王子であり幼馴染みのクライヴに輿入れする途中、謎の刺客により襲われてしまった。一命は取り留めたものの、モニカはクライヴを愛した記憶のみ忘れてしまった。モニカと侍女はヴィンセントに無事受け入れられたが、クライヴの父の余命が心配なため急いで結婚式を挙げる事となる。記憶がないままモニカの新婚生活が始まり、彼女の不安を取り除こうとクライヴも優しく接する。だがある事がきっかけでモニカは頭痛を訴えるようになり、封じられていた記憶は襲撃者の正体を握っていた。
※全体的にふんわりしたお話です。
※ムーンライトノベルズさまにも投稿しています。
※表紙はニジジャーニーで生成しました
※挿絵は自作ですが、後日削除します
不妊妻の孤独な寝室
ユユ
恋愛
分かっている。
跡継ぎは重要な問題。
子を産めなければ離縁を受け入れるか
妾を迎えるしかない。
お互い義務だと分かっているのに
夫婦の寝室は使われることはなくなった。
* 不妊夫婦のお話です。作り話ですが
不妊系の話が苦手な方は他のお話を
選択してください。
* 22000文字未満
* 完結保証
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる