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33 ゼル 4
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どうして今まで気がつかなかったのか?
ナギは今更ながら、自分の愚かしさを噛みしめる。
レーゼルーシェ・ビャクラン・ゴールディフロウ。
レーゼの本当の名前。
レーゼルーシェ。
ゼル……。
白藍の結晶が薄い破片となって、風に巻き上げられていく。朝の日差しを受けて、それはまるで光の殻を破ったように見えた。
その中から現れる細い影。
ふわりと滑り落ちる白藍の髪は腰に届き、陽に晒されない肌は透き通るように白い。
「レーゼ……」
「ナギ?」
「レーゼ」
「ナギ」
ナギは目の前の人から目が離せない。
白い顔、大きな瞳、赤い唇。
その唇が彼の名を紡ぐ。その鈴の音のような音。
「本当にナギ……ナギなのね?」
「ああ……ナギだ」
「……うん」
レーゼの瞳が揺れた。
かつては白く濁っていた瞳は今、目の前の浅い泉のように青く澄んでいた。
大きな虹彩が揺れて光る。盛り上がった涙があふれて頬を流れ落ちた。幾筋も幾筋も。
レーゼは泣きながら、でも笑っている。そして真っ直ぐナギを見つめていた。
「やっと会えた……!」
どちらからともなく体を寄せ合い、二人の距離がゼロになる。
腕の中の娘は折れそうに細い。けれど、柔らかくて温かかった。記憶にある昔のままに。
「……遅くなってごめん」
「ううん……ナギ。私わかってたよ、ナギが必死に戦ってるの……」
レーゼも広い背中に腕を回した。
触れ合う部分の熱が、二人を隔てていた時間をゆっくりと溶かしていく。
苦しみも、悲しみも、憎しみさえも、全てこの瞬間のため。
「ありがとう……ありがとうナギ、私を見つけてくれて」
ナギはそっと腕を解いて、レーゼの頬を包み込んだ。
「目……見えてるの?」
「うん」
かつてレーゼは目が見えず、ナギの顔を姿を知らなかった。今見る彼は、覚えているよりずっと背が伸び、肩幅が広くなって、声も以前よりずっと低い。
そしてナギもレーゼの素顔をよく知らなかった。彼女が隠すので、無理に見ようとは思わなかったからだ。上半分を布で巻かれた顔。髪はなく、声は潰され、皮膚には紫の痣が散っていた。
だから、共に顔はわからない。
しかし二人は、お互いの魂の形と温もりは知っていたのだ。長いこと、記憶の底に封印されていたそれは、今ようやく解放された。
「ナギ、大きいね」
レーゼの唇が震え、そして微笑みの形を作った。かつてナギが見とれた赤い唇。そこだけは以前と同じ。
「でも、思っていた通りのナギだよ」
「レーゼも、思った通りだ。すごく……綺麗……好き」
どうして、こんなに素直に言葉が出るのだろう。
こんなに簡単な言葉を、俺は長い間封じ込めていた。
いつのまにか二人の唇は重なっていた。ナギから重ねたのだ。それはとても自然で当たり前の行為だった。
朝日が二人の輪郭を照らす。泉が歌うようにさらさらと鳴った。
「レーゼ」
「うん」
「もう離れたくない」
「うん」
指の間を髪が滑り落ちていく。冷えた絹のようなその手触り。
「体……辛くないか?」
「辛くないよ」
今度はレーゼからナギ唇に触れた。背丈の差があるので一瞬の触れ合いだったが、その感触と小さな音がナギの心を締め付ける。
泣かないように踏ん張ったのは、彼が男であるからだ。けれど実は、かなり危なかった。
「痣はもうないの。ほら」
レーゼは細い腕を伸ばしてみせた。もう体のどこにも包帯はない。腕も足も顔と同じように真っ白だった。
「レーゼ……あっ!」
「ナギ?」
「レーゼ、いけない!」
「……どうしたの?」
いきなり真っ赤になって、目を逸らしたナギをレーゼは覗き込む。ナギは再び目を逸らさなければいけなくなった。
「レーゼ。だめだって。俺に見られないようにして!」
「……え? やっぱり私が変なの?」
途端に悲しそうになったレーゼに、ナギは慌てた。こんなに慌てたのはいつ以来だろうか?
「ちっ、違う! 違うんだ! レーゼ」
「……?」
「レーゼがあんまり綺麗で、白くて……だから、その……何か着ないと!」
美しく弾け飛んだ鎧の下にレーゼが来ていたものは、袖なしの薄いシュミーズだけだったのだ。
体を覆う役目をほとんど果たしていない、ただの下着。肩も膝も丸見えで、靴すら履いていない。
ナギは皮の鎧を脱いで、その下に着込んでいる同じ革製の上着を脱いだ。
「こ、こんなものしかないけど」
ナギはレーゼの体を見ないようにして、自分の上着を着せかけた。
「さ、寒いだろう?」
「……寒くないけど……ありがとう」
レーゼは汗臭いはずの上着に鼻まで埋めた。
「ナギの匂いがする」
「……え」
昨夜から戦い続けている上着は、防具も兼ねているから重いし臭いし、何よりレーゼには言えない色々なものでひどく汚れている。
なのにレーゼは、姫君がレースのショールを羽織った時のように嬉しそうに、胸の前で上着を抱き締めているのだ。
正直、まるで似合ってない。
ただナギの目に、それはひどく可愛らしく映った。青年は自分の頬が染まっていることに気がつかないでいる。
「あったかいね。嬉しい」
「声、治ったんだな」
かつてしゃがれていた声は、今は鈴が鳴るようだ。逆にナギの声はだいぶ低くなっている。
「うん。半年くらい前かな? 突然呪いが解けたの。私すぐ、ナギがゾルーディアを滅ぼしてくれたってわかった。でも、同時に」
白藍の瞳が翳り、声が少しくぐもった。
「ずっと感じていたナギの気配が途切れた……だから、私はナギが死んじゃったと思って、長い間泣いてた……辛かった。体が治ったって意味がないって」
「……」
ゾルーディアとの戦い。イトスギの森でナギは、エニグマが仕込んだ蔓の攻撃を額に受けた。その時、レーゼにもらった守り石が抉り取られてしまったのだ。
あの青い宝石は双晶だったから、お互い呼び合っていたのだろう。
片方が失われて、レーゼが誤解してしまったのも無理はない。
「すまない。探しても探しても見つからなかった……レーゼの大切な物だったのに」
「石はどうでもいいの。ただ私たちをつなぐものはあれしかなかったから」
二人は顔も姿も知らないお互いを、ずっと求めあっていたのだ。
「俺も、崩れた塔に仕込まれた映像を見て、レーゼがエニグマに囚われたと思ってしまった」
「……そうだったの。エニグマはあれをナギに見せたのね」
レーゼの眉が顰められた。
「エニグマ……悪い人。最初は彼女を憎んだわ」
レーゼはナギの仇を取るために、鎧の能力を使ってさすらう中で、クチバたちと行動を共にするようになったのだ。
「レーゼ。今は少し休んだ方がいい」
ナギは震えるレーゼの肩を抱いた。夜通し戦っていた二人は今、互いの温もりを分かち合うだけで十分だったのだ。
「皆のところに戻ろう」
「……うん。ビャクラン、行こう」
レーゼの視線の先には美しい青い石があった。それはナギが失った石とと同じ結晶。王家の守り石。
「ビャクラン……これが?」
「そうなの、今は石だけど。私のご先祖様なの」
「え? もしかして、これ、あの鎧か!?」
ナギは目を見張った。
無数の光になって散った鎧は、今また一つに結晶し青い光を放っている。
かつてのゴールディフロウ王族には、高い能力を持つものがいるとは知っていたが、これもその一つだったのだ。
「そうなの」
「これから話さないといけないことが、いっぱいあるな、レーゼ」
「うん」
レーゼはナギの腰に抱きついた。ナギがその肩をしっかりと抱き締める。
「俺はあなたに傍にいてほしい。もう離れないで」
「うん、いるよ。離れないから、置いていかないでね」
レーゼは最後の涙をこぼしてから、花のように笑った。
「ああ。離さない。ずっと一緒にいる」
ナギの目に力がこもった。
長い間、偽りの名で過ごしてきたが、もうそれは要らない。
「俺はナギだ。レーゼのナギだ」
***
この章終わりです。二人の再会、いかがでしたか?
かなり力を入れて書いた部分です。よかったらご意見お聞かせください。
Twitterに鎧の下の下着(?)のイメージを上げます。
こんなのの上に、鎧着てたのよ。
ナギは今更ながら、自分の愚かしさを噛みしめる。
レーゼルーシェ・ビャクラン・ゴールディフロウ。
レーゼの本当の名前。
レーゼルーシェ。
ゼル……。
白藍の結晶が薄い破片となって、風に巻き上げられていく。朝の日差しを受けて、それはまるで光の殻を破ったように見えた。
その中から現れる細い影。
ふわりと滑り落ちる白藍の髪は腰に届き、陽に晒されない肌は透き通るように白い。
「レーゼ……」
「ナギ?」
「レーゼ」
「ナギ」
ナギは目の前の人から目が離せない。
白い顔、大きな瞳、赤い唇。
その唇が彼の名を紡ぐ。その鈴の音のような音。
「本当にナギ……ナギなのね?」
「ああ……ナギだ」
「……うん」
レーゼの瞳が揺れた。
かつては白く濁っていた瞳は今、目の前の浅い泉のように青く澄んでいた。
大きな虹彩が揺れて光る。盛り上がった涙があふれて頬を流れ落ちた。幾筋も幾筋も。
レーゼは泣きながら、でも笑っている。そして真っ直ぐナギを見つめていた。
「やっと会えた……!」
どちらからともなく体を寄せ合い、二人の距離がゼロになる。
腕の中の娘は折れそうに細い。けれど、柔らかくて温かかった。記憶にある昔のままに。
「……遅くなってごめん」
「ううん……ナギ。私わかってたよ、ナギが必死に戦ってるの……」
レーゼも広い背中に腕を回した。
触れ合う部分の熱が、二人を隔てていた時間をゆっくりと溶かしていく。
苦しみも、悲しみも、憎しみさえも、全てこの瞬間のため。
「ありがとう……ありがとうナギ、私を見つけてくれて」
ナギはそっと腕を解いて、レーゼの頬を包み込んだ。
「目……見えてるの?」
「うん」
かつてレーゼは目が見えず、ナギの顔を姿を知らなかった。今見る彼は、覚えているよりずっと背が伸び、肩幅が広くなって、声も以前よりずっと低い。
そしてナギもレーゼの素顔をよく知らなかった。彼女が隠すので、無理に見ようとは思わなかったからだ。上半分を布で巻かれた顔。髪はなく、声は潰され、皮膚には紫の痣が散っていた。
だから、共に顔はわからない。
しかし二人は、お互いの魂の形と温もりは知っていたのだ。長いこと、記憶の底に封印されていたそれは、今ようやく解放された。
「ナギ、大きいね」
レーゼの唇が震え、そして微笑みの形を作った。かつてナギが見とれた赤い唇。そこだけは以前と同じ。
「でも、思っていた通りのナギだよ」
「レーゼも、思った通りだ。すごく……綺麗……好き」
どうして、こんなに素直に言葉が出るのだろう。
こんなに簡単な言葉を、俺は長い間封じ込めていた。
いつのまにか二人の唇は重なっていた。ナギから重ねたのだ。それはとても自然で当たり前の行為だった。
朝日が二人の輪郭を照らす。泉が歌うようにさらさらと鳴った。
「レーゼ」
「うん」
「もう離れたくない」
「うん」
指の間を髪が滑り落ちていく。冷えた絹のようなその手触り。
「体……辛くないか?」
「辛くないよ」
今度はレーゼからナギ唇に触れた。背丈の差があるので一瞬の触れ合いだったが、その感触と小さな音がナギの心を締め付ける。
泣かないように踏ん張ったのは、彼が男であるからだ。けれど実は、かなり危なかった。
「痣はもうないの。ほら」
レーゼは細い腕を伸ばしてみせた。もう体のどこにも包帯はない。腕も足も顔と同じように真っ白だった。
「レーゼ……あっ!」
「ナギ?」
「レーゼ、いけない!」
「……どうしたの?」
いきなり真っ赤になって、目を逸らしたナギをレーゼは覗き込む。ナギは再び目を逸らさなければいけなくなった。
「レーゼ。だめだって。俺に見られないようにして!」
「……え? やっぱり私が変なの?」
途端に悲しそうになったレーゼに、ナギは慌てた。こんなに慌てたのはいつ以来だろうか?
「ちっ、違う! 違うんだ! レーゼ」
「……?」
「レーゼがあんまり綺麗で、白くて……だから、その……何か着ないと!」
美しく弾け飛んだ鎧の下にレーゼが来ていたものは、袖なしの薄いシュミーズだけだったのだ。
体を覆う役目をほとんど果たしていない、ただの下着。肩も膝も丸見えで、靴すら履いていない。
ナギは皮の鎧を脱いで、その下に着込んでいる同じ革製の上着を脱いだ。
「こ、こんなものしかないけど」
ナギはレーゼの体を見ないようにして、自分の上着を着せかけた。
「さ、寒いだろう?」
「……寒くないけど……ありがとう」
レーゼは汗臭いはずの上着に鼻まで埋めた。
「ナギの匂いがする」
「……え」
昨夜から戦い続けている上着は、防具も兼ねているから重いし臭いし、何よりレーゼには言えない色々なものでひどく汚れている。
なのにレーゼは、姫君がレースのショールを羽織った時のように嬉しそうに、胸の前で上着を抱き締めているのだ。
正直、まるで似合ってない。
ただナギの目に、それはひどく可愛らしく映った。青年は自分の頬が染まっていることに気がつかないでいる。
「あったかいね。嬉しい」
「声、治ったんだな」
かつてしゃがれていた声は、今は鈴が鳴るようだ。逆にナギの声はだいぶ低くなっている。
「うん。半年くらい前かな? 突然呪いが解けたの。私すぐ、ナギがゾルーディアを滅ぼしてくれたってわかった。でも、同時に」
白藍の瞳が翳り、声が少しくぐもった。
「ずっと感じていたナギの気配が途切れた……だから、私はナギが死んじゃったと思って、長い間泣いてた……辛かった。体が治ったって意味がないって」
「……」
ゾルーディアとの戦い。イトスギの森でナギは、エニグマが仕込んだ蔓の攻撃を額に受けた。その時、レーゼにもらった守り石が抉り取られてしまったのだ。
あの青い宝石は双晶だったから、お互い呼び合っていたのだろう。
片方が失われて、レーゼが誤解してしまったのも無理はない。
「すまない。探しても探しても見つからなかった……レーゼの大切な物だったのに」
「石はどうでもいいの。ただ私たちをつなぐものはあれしかなかったから」
二人は顔も姿も知らないお互いを、ずっと求めあっていたのだ。
「俺も、崩れた塔に仕込まれた映像を見て、レーゼがエニグマに囚われたと思ってしまった」
「……そうだったの。エニグマはあれをナギに見せたのね」
レーゼの眉が顰められた。
「エニグマ……悪い人。最初は彼女を憎んだわ」
レーゼはナギの仇を取るために、鎧の能力を使ってさすらう中で、クチバたちと行動を共にするようになったのだ。
「レーゼ。今は少し休んだ方がいい」
ナギは震えるレーゼの肩を抱いた。夜通し戦っていた二人は今、互いの温もりを分かち合うだけで十分だったのだ。
「皆のところに戻ろう」
「……うん。ビャクラン、行こう」
レーゼの視線の先には美しい青い石があった。それはナギが失った石とと同じ結晶。王家の守り石。
「ビャクラン……これが?」
「そうなの、今は石だけど。私のご先祖様なの」
「え? もしかして、これ、あの鎧か!?」
ナギは目を見張った。
無数の光になって散った鎧は、今また一つに結晶し青い光を放っている。
かつてのゴールディフロウ王族には、高い能力を持つものがいるとは知っていたが、これもその一つだったのだ。
「そうなの」
「これから話さないといけないことが、いっぱいあるな、レーゼ」
「うん」
レーゼはナギの腰に抱きついた。ナギがその肩をしっかりと抱き締める。
「俺はあなたに傍にいてほしい。もう離れないで」
「うん、いるよ。離れないから、置いていかないでね」
レーゼは最後の涙をこぼしてから、花のように笑った。
「ああ。離さない。ずっと一緒にいる」
ナギの目に力がこもった。
長い間、偽りの名で過ごしてきたが、もうそれは要らない。
「俺はナギだ。レーゼのナギだ」
***
この章終わりです。二人の再会、いかがでしたか?
かなり力を入れて書いた部分です。よかったらご意見お聞かせください。
Twitterに鎧の下の下着(?)のイメージを上げます。
こんなのの上に、鎧着てたのよ。
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