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14 デューンブレイド 1
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「クロウ! 突っ込みすぎだ! 戻れ!」
背後から、追いすがる仲間の声がする。その声には恐怖と焦りがうかがえた。しかし、クロウと呼ばれた青年は立ち止まりさえしなかった。
周囲三方からギマが迫る。途方もない数だった。
ギマとは、双子の魔女たちが死体に仮初めの命を吹き込んだ、人間の形をした魔物だ。
倒すことは比較的容易で、首から上を斬ったり、燃やしたりすれば黒い土塊と化す。
しかし、ギマの強みはその圧倒的な数で、取り囲まれて噛まれたり、傷口に大量の血を浴びれば、その人間も生きたまま、ゆっくりとギマとなってしまうのだ。
彼らの死滅した脳細胞には、ただ一つの欲望しか刷り込まれていない。
『増える。増やす。生きている人間を自分と同じにしてやる』
だからギマは恐れも知恵もなく、ただひたすら人間に向かって押し寄せるのだ。
この前の戦いでも、そうやって幾人もの仲間がギマとなってしまった。
しかし、クロウは怯まない。
黒く硬い皮の鎧はギマの爪も歯も通さない。額に巻くのは寝るときでさえ外さない鉢金。体中に仕込んだ暗器。ギマの首を刎ねるのに適した長剣、頭を砕くのに特化した鞭。
クロウは恐れげもなくギマの群れに斬り込んではギマを倒していく。足を払い、首を裂き、頭を潰して前進する。動けなくなったギマは土に還り、ようやく奪われた安らぎを得るのだ。
「クロウ!」
「大丈夫だ! ブルー!」
クロウは地を蹴り、太い枝を足がかりにして更に跳ぶと、<指令者>と思われるギマの頭を狙った。
大きな男性体のギマだ。服装からして元は猟師だったのだろう。その広い肩に両足で着地すると、天骨めがけて垂直に刃を突き通す。大きなギマはぐずぐずと崩れて土に還った。
そいつが消滅すると、ギマの群れは統率を失い、その動きが一気にちぐはぐになる。その個体が<指令者>だったのだ。
ギマは生きてはいないが、群れの中には<指令者>と呼ばれる、魔女の命令を直に受ける個体がいる。それが潰れると、途端に群れの動きは散漫になってしまうのだ。
「今だ! クロウが作った隙を逃すな! カーネリア! 用意はいいか?」
ブルーが叫んだ。
「わかっているわ! オーカー、聞いたわね! みんなも行くわよ!」
「おお! 一網打尽にしてやるぜ!」
オーカーと呼ばれた大柄な青年が、数人を率いて横に並び、背負った管付きの皮袋から一斉に赤い液体を放った。
紅樹という樹木から採れる赤い油である。
それは紅油と呼ばれ、長くは燃えないが着火性は非常にいい。たちまちギマの体は真っ赤な油の色に染まる。
「よし! 退避! クロウ、聞こえているか!」
「クロウ!」
ブルーの上方の枝からピシリと鞭がしなる音が聞こえた。クロウが遠心力を利用して、素早くギマの群れから離脱する。
それを確認してブルーは振り返った。
「カーネリア! 今だ!」
「任せな! 喰らえギマども! 土に還れ!」
カーネリアとその仲間は、真っ直ぐな茎を持つ筒状の植物の穂に火をつけて放った。
それはトウシングサと呼ばれる植物を乾燥させた火矢である。普通の矢を加工して作るよりも安上がりで、そこらに生えている草だから、いくらでも生産することができるのだ。
根本に油を含むトウシングサは、すぐに細く長く燃えながらひゅるひゅるとギマの群れに落下していく。
途端に大きな火の手が上がった。
撒かれた紅油に着火し、あっという間に燃え上がったのだ。古いギマの中には乾燥しているものもいるから、火は次々に燃え移り、無言で灰と化して崩れていく。
その数、約百数十体。
最初にクロウが倒した数と合わせれば、百五十体は超えるだろう。
紅油は着火力は凄まじいが、長く燃え続ける力はないので、周りの生木に燃え広がることなく鎮火していく。
わずか三十分程で辺りは、黒い灰の燃えかすの原となった。
「やった!」
「全滅だ!」
ブルーとオーカー仲間たちは歓声に沸いた。
「クロウは? クロウはどこ?」
カーネリアが先鋒を務めた青年の名を呼んだ。彼は無心に地面を突いている。
「クロウ! 終わったのよ、帰ろう! どこなの?」
クロウは灰の中にあるものを探していた。仲間の呼ぶ声が聞こえるが、そんなことより大事なことがあったのだ。
ギマの群れの中には、魔女からの指示を周囲に伝場させる<血の種>を植え付けられた<指令者>がいるのだ。その<種>をクロウは探している。
「見つけた」
厚く積もった黒い灰の中から、クロウは燃え残った歪な塊を拾い上げた。
それは赤黒いガラス状の物質で、子どもの遊び玉のような球体である。つまみ上げたクロウの手の中で夕日を弾いて鈍く光った。
<血の種>だ。
彼が前に見つけたものよりも赤みが強い。赤と黒が混じり合って、一見美しくも見える。
赤みが多いということは、多くのギマを従えられるということだ。だいぶ北へと進んだからな。
だからきっと──近い。
ゾルーディアは近くで俺を見ている。
魔女は大陸の北を拠点としていた。だからギマは北から現れることが多い。クロウは「血の種」を皮袋に入れると、戦いで緩んでしまった鉢金を外した。落ちかかる前髪を無造作に払うと、形のよい額が現れた。
青年の額には小さな、しかし鮮やかな青い宝石が埋められている。
それはかつて、彼が守ると誓った人が手ずから嵌め込んでくれたものだった。
「クロウ! どこにいるの? クロウ!」
高い声が燃かすの大地に響く。
クロウは額に鉢金を撒き直したところに、カーネリアが駆け寄ってきた。美しい赤い髪を持つ、背の高い娘だ。
「ああ、ここにいたのね。心配したわ。一人でギマの真っ只中へ突っ込んでいくんだもの。怪我はない?」
「大丈夫だ」
それでも心配が消えなかったのか、カーネリアは青年の身体中を点検する。少しでもギマの血を浴びていないか調べるのは、彼らの仲間、デューンブレイドの習慣だ。
だがクロウは心配するカーネリアへ簡単に答えた。
「俺はギマになどならない」
「……そう? ならいいけど。気になることがあったら、いつでも私に打ち明けてね」
「ああ」
それは確かに不思議なことだった。
普通の人間ならギマに噛まれたり、傷に大量のギマの血がかかったら、数日のうちに人間ではなくなってしまう。
しかし、クロウは多少の傷を負っても、血を浴びてもギマになることはなかった。
皆不思議がって理由を聞きたがったが、それはクロウにも答えられない。
ただ、彼は元<シグル>で、毒に対する耐性を高めるために、様々な毒物を摂っていたと、デューンブレイドの仲間にはそう応えるにとどめている。
<シグル>自体は、数年前に魔女によって壊滅させられたと風の噂で聞いた。頭は惨たらしく殺され、幹部たちも殺されたか、離散してしまったということだ。
<シグル>が魔女によって滅ぼされたと聞いても、クロウにはなんの感慨も湧かない。彼らは許されないことをしてきたのだし、その意味では魔女と同じ邪悪な存在だった。毒蛇が毒虫を飲み込んだにすぎないことだ。
しかし、子どもの頃、確かに彼は確かにその組織にいたのだし、そこで得た忌まわしい経験は、今戦うための役に立っている。毒に対する耐性もその一つだ。
だが、彼はそれだけではないと感じていた。
額に埋め込まれたこの石は、彼が傷を負うたびにほんの少し熱くなる。まるでそれをくれた人の意思が宿っているかのように。
そして青年はその度、少し安心するのだ。彼女がまだ生きているから。
彼が魔女を倒す旅に出てから五年近くが経っていた。
レーゼ、あなたは今何をしている?
クロウ──ナギは、遥か遠い塔に住まう娘の面影を追った。
***
クロウの仲間たちの名前は、覚えやすいように色の名前ちなんでいます。
クロウは(ナギ)・・・わかりますね?
トウシングサは実際にある植物で、灯心草と書きます。
実は漢方薬で、矢の材料にはなりません。なんだか、かっこいいので名を使いました。
背後から、追いすがる仲間の声がする。その声には恐怖と焦りがうかがえた。しかし、クロウと呼ばれた青年は立ち止まりさえしなかった。
周囲三方からギマが迫る。途方もない数だった。
ギマとは、双子の魔女たちが死体に仮初めの命を吹き込んだ、人間の形をした魔物だ。
倒すことは比較的容易で、首から上を斬ったり、燃やしたりすれば黒い土塊と化す。
しかし、ギマの強みはその圧倒的な数で、取り囲まれて噛まれたり、傷口に大量の血を浴びれば、その人間も生きたまま、ゆっくりとギマとなってしまうのだ。
彼らの死滅した脳細胞には、ただ一つの欲望しか刷り込まれていない。
『増える。増やす。生きている人間を自分と同じにしてやる』
だからギマは恐れも知恵もなく、ただひたすら人間に向かって押し寄せるのだ。
この前の戦いでも、そうやって幾人もの仲間がギマとなってしまった。
しかし、クロウは怯まない。
黒く硬い皮の鎧はギマの爪も歯も通さない。額に巻くのは寝るときでさえ外さない鉢金。体中に仕込んだ暗器。ギマの首を刎ねるのに適した長剣、頭を砕くのに特化した鞭。
クロウは恐れげもなくギマの群れに斬り込んではギマを倒していく。足を払い、首を裂き、頭を潰して前進する。動けなくなったギマは土に還り、ようやく奪われた安らぎを得るのだ。
「クロウ!」
「大丈夫だ! ブルー!」
クロウは地を蹴り、太い枝を足がかりにして更に跳ぶと、<指令者>と思われるギマの頭を狙った。
大きな男性体のギマだ。服装からして元は猟師だったのだろう。その広い肩に両足で着地すると、天骨めがけて垂直に刃を突き通す。大きなギマはぐずぐずと崩れて土に還った。
そいつが消滅すると、ギマの群れは統率を失い、その動きが一気にちぐはぐになる。その個体が<指令者>だったのだ。
ギマは生きてはいないが、群れの中には<指令者>と呼ばれる、魔女の命令を直に受ける個体がいる。それが潰れると、途端に群れの動きは散漫になってしまうのだ。
「今だ! クロウが作った隙を逃すな! カーネリア! 用意はいいか?」
ブルーが叫んだ。
「わかっているわ! オーカー、聞いたわね! みんなも行くわよ!」
「おお! 一網打尽にしてやるぜ!」
オーカーと呼ばれた大柄な青年が、数人を率いて横に並び、背負った管付きの皮袋から一斉に赤い液体を放った。
紅樹という樹木から採れる赤い油である。
それは紅油と呼ばれ、長くは燃えないが着火性は非常にいい。たちまちギマの体は真っ赤な油の色に染まる。
「よし! 退避! クロウ、聞こえているか!」
「クロウ!」
ブルーの上方の枝からピシリと鞭がしなる音が聞こえた。クロウが遠心力を利用して、素早くギマの群れから離脱する。
それを確認してブルーは振り返った。
「カーネリア! 今だ!」
「任せな! 喰らえギマども! 土に還れ!」
カーネリアとその仲間は、真っ直ぐな茎を持つ筒状の植物の穂に火をつけて放った。
それはトウシングサと呼ばれる植物を乾燥させた火矢である。普通の矢を加工して作るよりも安上がりで、そこらに生えている草だから、いくらでも生産することができるのだ。
根本に油を含むトウシングサは、すぐに細く長く燃えながらひゅるひゅるとギマの群れに落下していく。
途端に大きな火の手が上がった。
撒かれた紅油に着火し、あっという間に燃え上がったのだ。古いギマの中には乾燥しているものもいるから、火は次々に燃え移り、無言で灰と化して崩れていく。
その数、約百数十体。
最初にクロウが倒した数と合わせれば、百五十体は超えるだろう。
紅油は着火力は凄まじいが、長く燃え続ける力はないので、周りの生木に燃え広がることなく鎮火していく。
わずか三十分程で辺りは、黒い灰の燃えかすの原となった。
「やった!」
「全滅だ!」
ブルーとオーカー仲間たちは歓声に沸いた。
「クロウは? クロウはどこ?」
カーネリアが先鋒を務めた青年の名を呼んだ。彼は無心に地面を突いている。
「クロウ! 終わったのよ、帰ろう! どこなの?」
クロウは灰の中にあるものを探していた。仲間の呼ぶ声が聞こえるが、そんなことより大事なことがあったのだ。
ギマの群れの中には、魔女からの指示を周囲に伝場させる<血の種>を植え付けられた<指令者>がいるのだ。その<種>をクロウは探している。
「見つけた」
厚く積もった黒い灰の中から、クロウは燃え残った歪な塊を拾い上げた。
それは赤黒いガラス状の物質で、子どもの遊び玉のような球体である。つまみ上げたクロウの手の中で夕日を弾いて鈍く光った。
<血の種>だ。
彼が前に見つけたものよりも赤みが強い。赤と黒が混じり合って、一見美しくも見える。
赤みが多いということは、多くのギマを従えられるということだ。だいぶ北へと進んだからな。
だからきっと──近い。
ゾルーディアは近くで俺を見ている。
魔女は大陸の北を拠点としていた。だからギマは北から現れることが多い。クロウは「血の種」を皮袋に入れると、戦いで緩んでしまった鉢金を外した。落ちかかる前髪を無造作に払うと、形のよい額が現れた。
青年の額には小さな、しかし鮮やかな青い宝石が埋められている。
それはかつて、彼が守ると誓った人が手ずから嵌め込んでくれたものだった。
「クロウ! どこにいるの? クロウ!」
高い声が燃かすの大地に響く。
クロウは額に鉢金を撒き直したところに、カーネリアが駆け寄ってきた。美しい赤い髪を持つ、背の高い娘だ。
「ああ、ここにいたのね。心配したわ。一人でギマの真っ只中へ突っ込んでいくんだもの。怪我はない?」
「大丈夫だ」
それでも心配が消えなかったのか、カーネリアは青年の身体中を点検する。少しでもギマの血を浴びていないか調べるのは、彼らの仲間、デューンブレイドの習慣だ。
だがクロウは心配するカーネリアへ簡単に答えた。
「俺はギマになどならない」
「……そう? ならいいけど。気になることがあったら、いつでも私に打ち明けてね」
「ああ」
それは確かに不思議なことだった。
普通の人間ならギマに噛まれたり、傷に大量のギマの血がかかったら、数日のうちに人間ではなくなってしまう。
しかし、クロウは多少の傷を負っても、血を浴びてもギマになることはなかった。
皆不思議がって理由を聞きたがったが、それはクロウにも答えられない。
ただ、彼は元<シグル>で、毒に対する耐性を高めるために、様々な毒物を摂っていたと、デューンブレイドの仲間にはそう応えるにとどめている。
<シグル>自体は、数年前に魔女によって壊滅させられたと風の噂で聞いた。頭は惨たらしく殺され、幹部たちも殺されたか、離散してしまったということだ。
<シグル>が魔女によって滅ぼされたと聞いても、クロウにはなんの感慨も湧かない。彼らは許されないことをしてきたのだし、その意味では魔女と同じ邪悪な存在だった。毒蛇が毒虫を飲み込んだにすぎないことだ。
しかし、子どもの頃、確かに彼は確かにその組織にいたのだし、そこで得た忌まわしい経験は、今戦うための役に立っている。毒に対する耐性もその一つだ。
だが、彼はそれだけではないと感じていた。
額に埋め込まれたこの石は、彼が傷を負うたびにほんの少し熱くなる。まるでそれをくれた人の意思が宿っているかのように。
そして青年はその度、少し安心するのだ。彼女がまだ生きているから。
彼が魔女を倒す旅に出てから五年近くが経っていた。
レーゼ、あなたは今何をしている?
クロウ──ナギは、遥か遠い塔に住まう娘の面影を追った。
***
クロウの仲間たちの名前は、覚えやすいように色の名前ちなんでいます。
クロウは(ナギ)・・・わかりますね?
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