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5 傷ついた少年 忘れられた少女 4
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温かい……なにかがそばにいる?
これはなんだ?
俺は死んだのか? 体が重い……動かない。だが、感覚はある。
なにかが俺のそばにいる。
いや、違う。
俺は何かに包まれている……のか?
九十六号は、自分のそばに自分ではない何かが横たわっているのを夢のように感じた。それも自分を抱きしめるように腕を回して。
夢などもう、何年も見たことはなかった。悪夢を除いては。
あたたかい……やわらかい……こんなものは知らない。
意識が浮上し始めた九十六号だったが、自分を包む空気があまりにも心地よく、眠りの誘惑に逆らえずに再び眠りの淵へと沈み込んだ。
再び緩やかな目覚めが訪れたのは、その一時間後。
……え? なに?
俺は気を失って……それからずっと眠ってしまったのか?
感覚が蘇ってきて、自分がどうやら生きていることだけは理解できた。
湿った暖かい風が頬にかかる。それは甘く包むように彼の頬を撫でた。
「……っ!」
九十六号は、ぱっと目を開けた。
覚醒は突然で、明敏だった。
彼にとって睡眠とは、汚れたむしろの上で、自分と同じような汚れた子ども達と、折り重なるようにして取るものだった。
起床とは戦いと同義で、目覚めるや否や、激しい暴力が襲いかかるものだった。
それが普通で日常だったのに。
だから、今のこの状況は、すべてにおいてあり得なかった。
完全に目覚めた九十六号は、上半身の筋力だけでバネじかけの人形ように起き上がった。自分に回されていたらしい細い腕が彼の肌を滑り落ちる。
「なっ……! こっ……」
これは?
誰だ……?
素裸の自分の横に寝ているのは、奇妙な生き物だった。
それは自分と同じくらい小さい子ども。
頭が白い布に包まれている。目にも布が巻かれていたのだろうが、今は少し解けて、びっくりするほど長いまつ毛が被さっていた。
白い肌の上に、そこだけ赤い唇から柔らかな吐息が漏れている。さっき自分の頬を撫でたものの正体だろう。
これは……もしかして、これも最終選別の一環なのか?
それともシグルの大人達の精神的な罠か?
俺はたしか……崖を登って、上にたどりついたと思ったら、大きな鳥に襲われて……亀裂に落ちた。
そこまでは確かに覚えている……。
「……ううん?」
九十六号が見つめる中、その生き物は目を覚ました。
それは一度寝返りをうって、彼が寝ていた辺りを手で探ってから、ゆっくりと身を起こした。閉じていた目が開く。
そこには白く濁った瞳があった。
「あれ……起きたの?」
それは細い子どもの体つきをしていたが、声は不自然なほどしゃがれている。ただ、女だということはわかった。
九十六号の目の前で少女は解けた布を結び直し、自分の目を覆い隠してしまった。あの濁りようでは、おそらく目は見えないのだろう。
「お前は誰だ?」
少年は鋭く聞いた。後ろ手に武器を探るがどこにもない。しかしいざとなれば、こんな娘一人縊り殺せばよいので、焦る気持ちはない。
「レーゼ」
「レーゼ? 知らない。ここはどこだ?」
「塔」
「塔?」
少女の簡潔だけれど、さっぱり要領を得ない答えに、九十六号の苛立ちが募る。
「なんで俺は塔などにいる?」
「あなたは、山からこの塔の地下に流れてきた。だから私とルビアでここに連れてきたの」
「るびあ? 流れて、きた?」
亀裂に落ちた俺は水に流された? それをこの女……れーぜと、るびあ?に助けられたというのか?
るびあというのは、どこにいる?
あまりに目覚める前と状況が変わりすぎている。
ごく限られた世界でしか生きてこなかった九十六号の脳は、現状をまだ認識できない。
「そう。あなたは流れてきたの。私にはわかったのよ」
少女はどこか自慢げに言った。
「……俺は落ちたんだ。山の上の……の穴から」
「山の上? 私はここしか知らないの」
「山の上から穴を覗いた時、突然鳥に襲われて落ちた。下は水だった。そこからは覚えてないが、その水が俺をここまで運んだのか?」
「多分そう。この塔の下には洞窟があって、川が流れているから」
「地下水脈ということか?」
「ちかすいみゃく? よくわからない。私はずっと前からここに住んでる。ルビアは一緒に暮らしている人。あなたの名前はなぁに?」
少女の声は、その丸い唇から漏れるものとは思えないほど、掠れて聞き取りづらい。目も見えていないようだから、おそらく病人なのだろうと、九十六号は思った。
少女の質問には答えず、さっと周囲を見渡す。
そこは石の壁に囲まれた半円形で、家具も道具もほとんどない殺風景な部屋だった。
しかし、居心地よくしようとする努力の痕跡があり、今自分達が寝ているのは、暖炉の前のくたびれた毛皮の敷物の上だ。敷物の下には乾いた藁が敷いてある。
暖炉には小さな火がちろちろと燃えていて、空気が暖かい。
九十六号が何十人もの子ども達と押し込められていた穴ぐらに比べると、天国のような部屋だった。
「あ……ルビア、やっぱり火を焚いてくれたんだ。あったかいね」
レーゼと名乗った少女がもそもそと起き出した。
「お前……」
言いかけた九十六号にさっと緊張が走る。
扉の外に大人の気配がしたからだ。無意識に腰に手が伸びるが、やはりいつも身につけている刀子はない。それどころか、彼は自分が素裸だということに初めて気がついた。
「なっ……!」
これは大いなる失態だ。
大丈夫だ。たとえ大人でも一人なら体術だけでなんとかなる。
この子を人質にしたら、取引できるかもしれない。
身構える九十六号の前に、入ってきたのは大柄な女だった。手には何か湯気の立つものを持っている。
「あら、お目覚めですか?」
体つきと所作からして、武術の心得があるようだと九十六号は考えた。しかし、殺気も闘気も感じない。
「ルビア!」
少女──レーゼが起き上がる。
初めて彼女の全身を見た九十六号は、妙な服からはみ出した細い手足にも包帯が巻かれているのを知った。
***
明日も更新します!
連載開始時はいつも、怖くて仕方がありません。
よければ、感想、コメント、応援、スターなど、お好きな方法で、震える作者の背中を押してください。
これはなんだ?
俺は死んだのか? 体が重い……動かない。だが、感覚はある。
なにかが俺のそばにいる。
いや、違う。
俺は何かに包まれている……のか?
九十六号は、自分のそばに自分ではない何かが横たわっているのを夢のように感じた。それも自分を抱きしめるように腕を回して。
夢などもう、何年も見たことはなかった。悪夢を除いては。
あたたかい……やわらかい……こんなものは知らない。
意識が浮上し始めた九十六号だったが、自分を包む空気があまりにも心地よく、眠りの誘惑に逆らえずに再び眠りの淵へと沈み込んだ。
再び緩やかな目覚めが訪れたのは、その一時間後。
……え? なに?
俺は気を失って……それからずっと眠ってしまったのか?
感覚が蘇ってきて、自分がどうやら生きていることだけは理解できた。
湿った暖かい風が頬にかかる。それは甘く包むように彼の頬を撫でた。
「……っ!」
九十六号は、ぱっと目を開けた。
覚醒は突然で、明敏だった。
彼にとって睡眠とは、汚れたむしろの上で、自分と同じような汚れた子ども達と、折り重なるようにして取るものだった。
起床とは戦いと同義で、目覚めるや否や、激しい暴力が襲いかかるものだった。
それが普通で日常だったのに。
だから、今のこの状況は、すべてにおいてあり得なかった。
完全に目覚めた九十六号は、上半身の筋力だけでバネじかけの人形ように起き上がった。自分に回されていたらしい細い腕が彼の肌を滑り落ちる。
「なっ……! こっ……」
これは?
誰だ……?
素裸の自分の横に寝ているのは、奇妙な生き物だった。
それは自分と同じくらい小さい子ども。
頭が白い布に包まれている。目にも布が巻かれていたのだろうが、今は少し解けて、びっくりするほど長いまつ毛が被さっていた。
白い肌の上に、そこだけ赤い唇から柔らかな吐息が漏れている。さっき自分の頬を撫でたものの正体だろう。
これは……もしかして、これも最終選別の一環なのか?
それともシグルの大人達の精神的な罠か?
俺はたしか……崖を登って、上にたどりついたと思ったら、大きな鳥に襲われて……亀裂に落ちた。
そこまでは確かに覚えている……。
「……ううん?」
九十六号が見つめる中、その生き物は目を覚ました。
それは一度寝返りをうって、彼が寝ていた辺りを手で探ってから、ゆっくりと身を起こした。閉じていた目が開く。
そこには白く濁った瞳があった。
「あれ……起きたの?」
それは細い子どもの体つきをしていたが、声は不自然なほどしゃがれている。ただ、女だということはわかった。
九十六号の目の前で少女は解けた布を結び直し、自分の目を覆い隠してしまった。あの濁りようでは、おそらく目は見えないのだろう。
「お前は誰だ?」
少年は鋭く聞いた。後ろ手に武器を探るがどこにもない。しかしいざとなれば、こんな娘一人縊り殺せばよいので、焦る気持ちはない。
「レーゼ」
「レーゼ? 知らない。ここはどこだ?」
「塔」
「塔?」
少女の簡潔だけれど、さっぱり要領を得ない答えに、九十六号の苛立ちが募る。
「なんで俺は塔などにいる?」
「あなたは、山からこの塔の地下に流れてきた。だから私とルビアでここに連れてきたの」
「るびあ? 流れて、きた?」
亀裂に落ちた俺は水に流された? それをこの女……れーぜと、るびあ?に助けられたというのか?
るびあというのは、どこにいる?
あまりに目覚める前と状況が変わりすぎている。
ごく限られた世界でしか生きてこなかった九十六号の脳は、現状をまだ認識できない。
「そう。あなたは流れてきたの。私にはわかったのよ」
少女はどこか自慢げに言った。
「……俺は落ちたんだ。山の上の……の穴から」
「山の上? 私はここしか知らないの」
「山の上から穴を覗いた時、突然鳥に襲われて落ちた。下は水だった。そこからは覚えてないが、その水が俺をここまで運んだのか?」
「多分そう。この塔の下には洞窟があって、川が流れているから」
「地下水脈ということか?」
「ちかすいみゃく? よくわからない。私はずっと前からここに住んでる。ルビアは一緒に暮らしている人。あなたの名前はなぁに?」
少女の声は、その丸い唇から漏れるものとは思えないほど、掠れて聞き取りづらい。目も見えていないようだから、おそらく病人なのだろうと、九十六号は思った。
少女の質問には答えず、さっと周囲を見渡す。
そこは石の壁に囲まれた半円形で、家具も道具もほとんどない殺風景な部屋だった。
しかし、居心地よくしようとする努力の痕跡があり、今自分達が寝ているのは、暖炉の前のくたびれた毛皮の敷物の上だ。敷物の下には乾いた藁が敷いてある。
暖炉には小さな火がちろちろと燃えていて、空気が暖かい。
九十六号が何十人もの子ども達と押し込められていた穴ぐらに比べると、天国のような部屋だった。
「あ……ルビア、やっぱり火を焚いてくれたんだ。あったかいね」
レーゼと名乗った少女がもそもそと起き出した。
「お前……」
言いかけた九十六号にさっと緊張が走る。
扉の外に大人の気配がしたからだ。無意識に腰に手が伸びるが、やはりいつも身につけている刀子はない。それどころか、彼は自分が素裸だということに初めて気がついた。
「なっ……!」
これは大いなる失態だ。
大丈夫だ。たとえ大人でも一人なら体術だけでなんとかなる。
この子を人質にしたら、取引できるかもしれない。
身構える九十六号の前に、入ってきたのは大柄な女だった。手には何か湯気の立つものを持っている。
「あら、お目覚めですか?」
体つきと所作からして、武術の心得があるようだと九十六号は考えた。しかし、殺気も闘気も感じない。
「ルビア!」
少女──レーゼが起き上がる。
初めて彼女の全身を見た九十六号は、妙な服からはみ出した細い手足にも包帯が巻かれているのを知った。
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