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35.セスの願い
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その日は憎らしいほどいい天気だった。
アラーナの死をただ悲しんでいるルチアとは違い、レオポルトやリカルド、セスは葬儀の準備や病院とのやり取りなど、傍目には淡々とこなしており気丈に振る舞っていた。
二日後、アラーナの葬儀が行われた。
棺桶がゆっくりと土の中に入っていく様子を参列者が見つめる中、3人はルチアより余程辛い筈なのに涙を流すことはなかった。
泣きたいのを我慢してじっと耐えていて、それが分かるからこそ彼女は余計に辛かった。
葬儀がつつがなく終わり、数日経ってもコンスタンツィ家の屋敷は悲しみに包まれていた。
みんなは淋しそうで元気がなく、淡々と仕事をこなしているという状態だった。いつもどこかで聞こえていた笑い声は、今は聞こえない。
ルチアも悲しみを紛らわす為に、部屋に篭って絵を描いていた。
ここ数日間、ルチアはレオポルトに会っていない。
彼はずっと執務室にこもり、休む間もなく仕事をしている。
朝食と夕食の時間も食堂に現れず、朝の鍛錬も今はしていない。食事をとっていないわけではなく、執務室で軽くしているとリリーが教えてくれたのでルチアは少し安心できた。
一人でいたいのだろうかと思い、ルチアは毎朝彼の執務室に花を飾っていた習慣も今は控えている。
どうする事もできないまま、ルチアは日々を淡々と過ごしていた。
その日ルチアは久しぶりに庭に出ることにした。
とてもいい天気で、暖かな気候、そして気持ちがいい風が吹いていおり、庭の花壇には綺麗な色とりどりの花が咲き誇り風が木々を揺らしていた。
ルチアがなんとなく足を向けたのは、アラーナが住んでいた離れ家の目の前だ。
この離れ家には現在誰も住んでいない。リカルドもセスも、今は本邸の3階で寝泊まりしている。
誰も住んでいない離れ家は、アラーナの死を悼むように静寂に包まれていた。
「奥様……」
離れ家を眺めていると後ろから声を掛けられルチアは振り返った。そこには疲れた様子のセスが立っていた。
「何をなさっているのですか?」
いつものような軽薄そうな印象はなく、少し痩せたセスがゆっくりと近づいてくる。
「……セスと同じだと思うわ」
ルチアは離れ家の方に視線を戻す。
「ここに来たら、もう一度会えるんじゃないかって……」
彼女の声は淋しさが込められていた。
もう一度会えるものなら会って謝りたいが、それは叶うことのない願いだ。
「ありがとうございます。母は奥様が大好きでしたから、そう言って頂けて喜んでいると思います」
大好きだと言ってもらえる権利が果たして自分にあるのかと彼女は胸の奥がズキリも痛んだ。
「そうかしら……私はアラーナさんに何もしてあげられなかったわ」
彼女の呟きに、セスはすぐさま否定をする。
「そんな事ありません。
母は、奥様が会いに来てくれた日が一番楽しそうでしたよ。
息子より娘が欲しかったんだなと思ったくらいでした」
「そんな事ないわ。アラーナさんの話はいつもセスやレオ様の事だったもの。二人のことが大好きだったのね。二人がいたからアラーナさんはいつも幸せそうに笑っていられたの。
私は代わりになんてなれないわ」
「……奥様」
セスの声はルチアを慰めてくれているように優しい。彼女は自分の胸に手を当てた。
「……とても悲しいわ。私は数ヶ月間アラーナさんと過ごしただけだけど、それでもとても悲しい。
だから私よりずっと長く共に過ごしていたリカルドやセス……レオ様の悲しみはもっと深いのよね」
想像ができないような悲しみだろうとルチアの声は震えてしまったが、セスはふわりと笑みを浮かべた。
「私は……いえ、私と父はそれなりに覚悟をしていました。こんな日が来ることも分かっていましたから、心の整理をつけてきたつもりです」
「……セス」
「母は、幸せだったと思いますよ。この屋敷で働くのも楽しそうでしたし、先代……旦那様の両親の事も大好きでした。
お二人が亡くなった時はとても悲しんでいましたよ。
ですから余計に旦那様を立派な侯爵家当主にしなければならないと、口煩くなっていました。
ですが旦那様にはそれくらい発破をかける人がいてくれた方が良かったのでしょう。今は立派に当主を務めておられる」
やはりレオポルトにアラーナの存在は必要なのだと改めて思い知らされる。自分はもっと他に何かできたのではないかとルチアは後悔していた。
「アラーナさんは、凄い人です」
優しいアラーナ、ルチアは彼女が大好きだった。
「はい。尊敬出来る母でした」
セスは淋しげな瞳で離れ家を見つめている。きっと誰もがこの悲しみを少しでも減らすために必死に日々の生活を過ごしているのだろう。
「ねえ……レオ様はどうされてるの?」
ルチアが心配そうに質問するとセスは苦笑した。
「旦那様は少し周りが見えなくなってるみたいです。ですが、頑丈な男なので身体の心配はいりません。
私がきちんと見ていますから」
「そう……」
ルチアが安堵していると、突然セスが砕けた口調に変わった。
「あいつは……レオはいい奴なんだ」
彼女が驚いて視線を向けると、彼は真面目な表情でルチアを見つめ返していた。
「レオは権力と金を持っているから、余計に母さんの事で落ち込んでるんだ」
「え?」
「本来なら俺達が与える事が出来ないような金のかかる治療や薬を躊躇なく母さんに与えてくれた。
それがなかったら、もっと早く母さんは亡くなってたと思う。
けどあいつは自分の力が足りなかった、もっと他に何か出来たんじゃないか……力があるから余計に悩んでいた。
充分なんだけどね……あいつ真面目だから」
口調は砕けているものの、とても優しい声音で彼がレオポルトを大切に思っている事が伝わってくる。
「レオ様は……悲しくなるくらい優しい人だわ」
その優しさにルチアは救われてきた。少しでも彼に恩返しがしたいと彼女はずっとそう思っている。
「ルチアちゃん」
「……なに?」
セスの表情はとても辛そうで、それでいてなにかを懇願しているように見えた。
「あいつのこと支えてやって」
ルチアは息を呑んだ。
「ごめんね。でもレオには君が必要でそれは絶対だ。あいつはとても不器用で、なに考えてるか分からないから不安に思うかも知れないけれど、俺を信じて欲しい」
真剣な表情の彼にルチアは困惑した。
彼女にはレオポルトを支えることなんて出来ない。必要とされていない。
けれど……とルチアは思う。
「私にできる事なら何でもするわ。私はレオ様の……妻だもの」
例え期間限定の妻でも、彼にとって必要のない存在だとしても、何かできる事があるかも知れない。
だからこそ、ルチアは彼の為に出来る事は何でもするつもりだ。
「ありがとう……ルチアちゃん」
セスの声はとても優しくルチアの耳に届いた。
アラーナの死をただ悲しんでいるルチアとは違い、レオポルトやリカルド、セスは葬儀の準備や病院とのやり取りなど、傍目には淡々とこなしており気丈に振る舞っていた。
二日後、アラーナの葬儀が行われた。
棺桶がゆっくりと土の中に入っていく様子を参列者が見つめる中、3人はルチアより余程辛い筈なのに涙を流すことはなかった。
泣きたいのを我慢してじっと耐えていて、それが分かるからこそ彼女は余計に辛かった。
葬儀がつつがなく終わり、数日経ってもコンスタンツィ家の屋敷は悲しみに包まれていた。
みんなは淋しそうで元気がなく、淡々と仕事をこなしているという状態だった。いつもどこかで聞こえていた笑い声は、今は聞こえない。
ルチアも悲しみを紛らわす為に、部屋に篭って絵を描いていた。
ここ数日間、ルチアはレオポルトに会っていない。
彼はずっと執務室にこもり、休む間もなく仕事をしている。
朝食と夕食の時間も食堂に現れず、朝の鍛錬も今はしていない。食事をとっていないわけではなく、執務室で軽くしているとリリーが教えてくれたのでルチアは少し安心できた。
一人でいたいのだろうかと思い、ルチアは毎朝彼の執務室に花を飾っていた習慣も今は控えている。
どうする事もできないまま、ルチアは日々を淡々と過ごしていた。
その日ルチアは久しぶりに庭に出ることにした。
とてもいい天気で、暖かな気候、そして気持ちがいい風が吹いていおり、庭の花壇には綺麗な色とりどりの花が咲き誇り風が木々を揺らしていた。
ルチアがなんとなく足を向けたのは、アラーナが住んでいた離れ家の目の前だ。
この離れ家には現在誰も住んでいない。リカルドもセスも、今は本邸の3階で寝泊まりしている。
誰も住んでいない離れ家は、アラーナの死を悼むように静寂に包まれていた。
「奥様……」
離れ家を眺めていると後ろから声を掛けられルチアは振り返った。そこには疲れた様子のセスが立っていた。
「何をなさっているのですか?」
いつものような軽薄そうな印象はなく、少し痩せたセスがゆっくりと近づいてくる。
「……セスと同じだと思うわ」
ルチアは離れ家の方に視線を戻す。
「ここに来たら、もう一度会えるんじゃないかって……」
彼女の声は淋しさが込められていた。
もう一度会えるものなら会って謝りたいが、それは叶うことのない願いだ。
「ありがとうございます。母は奥様が大好きでしたから、そう言って頂けて喜んでいると思います」
大好きだと言ってもらえる権利が果たして自分にあるのかと彼女は胸の奥がズキリも痛んだ。
「そうかしら……私はアラーナさんに何もしてあげられなかったわ」
彼女の呟きに、セスはすぐさま否定をする。
「そんな事ありません。
母は、奥様が会いに来てくれた日が一番楽しそうでしたよ。
息子より娘が欲しかったんだなと思ったくらいでした」
「そんな事ないわ。アラーナさんの話はいつもセスやレオ様の事だったもの。二人のことが大好きだったのね。二人がいたからアラーナさんはいつも幸せそうに笑っていられたの。
私は代わりになんてなれないわ」
「……奥様」
セスの声はルチアを慰めてくれているように優しい。彼女は自分の胸に手を当てた。
「……とても悲しいわ。私は数ヶ月間アラーナさんと過ごしただけだけど、それでもとても悲しい。
だから私よりずっと長く共に過ごしていたリカルドやセス……レオ様の悲しみはもっと深いのよね」
想像ができないような悲しみだろうとルチアの声は震えてしまったが、セスはふわりと笑みを浮かべた。
「私は……いえ、私と父はそれなりに覚悟をしていました。こんな日が来ることも分かっていましたから、心の整理をつけてきたつもりです」
「……セス」
「母は、幸せだったと思いますよ。この屋敷で働くのも楽しそうでしたし、先代……旦那様の両親の事も大好きでした。
お二人が亡くなった時はとても悲しんでいましたよ。
ですから余計に旦那様を立派な侯爵家当主にしなければならないと、口煩くなっていました。
ですが旦那様にはそれくらい発破をかける人がいてくれた方が良かったのでしょう。今は立派に当主を務めておられる」
やはりレオポルトにアラーナの存在は必要なのだと改めて思い知らされる。自分はもっと他に何かできたのではないかとルチアは後悔していた。
「アラーナさんは、凄い人です」
優しいアラーナ、ルチアは彼女が大好きだった。
「はい。尊敬出来る母でした」
セスは淋しげな瞳で離れ家を見つめている。きっと誰もがこの悲しみを少しでも減らすために必死に日々の生活を過ごしているのだろう。
「ねえ……レオ様はどうされてるの?」
ルチアが心配そうに質問するとセスは苦笑した。
「旦那様は少し周りが見えなくなってるみたいです。ですが、頑丈な男なので身体の心配はいりません。
私がきちんと見ていますから」
「そう……」
ルチアが安堵していると、突然セスが砕けた口調に変わった。
「あいつは……レオはいい奴なんだ」
彼女が驚いて視線を向けると、彼は真面目な表情でルチアを見つめ返していた。
「レオは権力と金を持っているから、余計に母さんの事で落ち込んでるんだ」
「え?」
「本来なら俺達が与える事が出来ないような金のかかる治療や薬を躊躇なく母さんに与えてくれた。
それがなかったら、もっと早く母さんは亡くなってたと思う。
けどあいつは自分の力が足りなかった、もっと他に何か出来たんじゃないか……力があるから余計に悩んでいた。
充分なんだけどね……あいつ真面目だから」
口調は砕けているものの、とても優しい声音で彼がレオポルトを大切に思っている事が伝わってくる。
「レオ様は……悲しくなるくらい優しい人だわ」
その優しさにルチアは救われてきた。少しでも彼に恩返しがしたいと彼女はずっとそう思っている。
「ルチアちゃん」
「……なに?」
セスの表情はとても辛そうで、それでいてなにかを懇願しているように見えた。
「あいつのこと支えてやって」
ルチアは息を呑んだ。
「ごめんね。でもレオには君が必要でそれは絶対だ。あいつはとても不器用で、なに考えてるか分からないから不安に思うかも知れないけれど、俺を信じて欲しい」
真剣な表情の彼にルチアは困惑した。
彼女にはレオポルトを支えることなんて出来ない。必要とされていない。
けれど……とルチアは思う。
「私にできる事なら何でもするわ。私はレオ様の……妻だもの」
例え期間限定の妻でも、彼にとって必要のない存在だとしても、何かできる事があるかも知れない。
だからこそ、ルチアは彼の為に出来る事は何でもするつもりだ。
「ありがとう……ルチアちゃん」
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