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第三章:Bunny&Black

百六十四話:筋肉フェチなのか?

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 一つため息を吐いて黒髪ロングは話し出す。

 「……話を戻しますが、敵の変化です。 より拠点を築くことに重点を置いているようですね」

 今日の彼女は制服姿であり、凛々しい。
 前回のハニトラ用の服、ワイシャツとホットパンツも良かったけど。
 そういえばルームウェアいっぱいあるのだけど着ないかな?
 結構寝心地が良いので睡眠改善に繋がると思う。
 寝不足がちな指揮官殿には良いのでは。
 ペンギン型ルームウェアとか似合いそうだな。

「消極的になったと捉えるのは危険でしょう。 【猫の手】の情報を考えれば力を蓄えている、そう考えるべきです。 強力な敵に対応するために。 私たちも対策を考えていかないといけません」

「うむ」

 静かに喋る黒髪ロングだが、その瞳は燃えている。
 正義感と責任感の塊みたいな人だな。

「前回特殊個体を倒した際にドロップした緑に輝く魔石ですが「綺麗なウンチ!」……美愛さんは黙っていてください。 【猫の手】に持っていった際に情報の開示がありました。 『領地化』についての情報です」

 少しドヤる黒髪ロングが可愛い。
 魔結晶が領地化を知るトリガー? そう考えると服部先輩はどうやって聞き出したんだろう。
 ある程度ドロップアイテムを売り払うとかもあるのかな、好感度システムとか。

「条件は厳しいですが、こちらも拠点を整え敵の侵攻に備えることは必須です。 つまり拠点化は必ず成し遂げねばなりません」

 「うんうん!」とツインテとリョウが激しく頷いている。
 
「どうでしょう、シンクさん。 この後、シンクさん用の部屋でゆっくりとお話ししませんか? 『領地化』の方法と作戦について……」

 お誘い。
 薙刀使いのお姉さんが「おお……」とか円ちゃんが「さすが栞お姉様!」とか盛り上がっている。

「知ってる」

 ハニートラップですね。

「え?」

「領地化……した」

「ええっ!?」

 珍しく驚いた顔を見せる黒髪ロング。
 結局、部屋へと連行されて色々聞かれた。
 前に行ったガールズバーの隣の教室。 ソファにベッド、ウォータータンクにお茶と食器類も二人分ある。 ティッシュとなんか小箱も置いてあるのだが? 

「なるほど、では今は服部さんという方が領主をしていらっしゃるのですね」
 
 喋るの苦手なので時間はかかる。
 途中でマーマンマサトを出したら美味しいと好評でした。
 なお黒髪ロングはお酒に強いようであまり変化はなかった。

「ありがとうございます。……私にはちょっと、可愛すぎませんか?」

 ペンギン型ルームウェア。
 ちょっとひんやりしていて、これから夏で暑くなるから最適なのでは。
 肌触りも心地よい。

「似合う」

「ありがとうございます。 シンクさんも、似合ってますよ?」

 なんで疑問形なの?
 俺も猫型ルームウェアに着替えている。

「すごい筋肉ですね」

「ん?」

「太くて逞しいです」

「んんっ?」

 ルームウェア関係なくない?
 なぜか筋肉を愛でるようにお触りしてくる黒髪ロング。
 ひょっとして筋肉フェチなのだろうか。
 マーマンマサトの影響か、ちょっと大胆になっている彼女。

「ん゛」

 乳首に筋肉はないですよ?
 胸筋がお気に入りなのだろう。
 やはり厚い胸板は人気だ。

「この肌触り凄いですね、本当の猫みたい……私ばかりズルいですよね? シンクさんも好きに触っていいですよ」

「……」

 いいの?
 後で高額請求されないかな?

「あっ」

 抱き寄せて、ペンギン型ルームウェアの触り心地を確かめる。
 ひんやりとしていてツヤツヤしている。 これもなかなか良いではないか。

「っ、ぁ、……やっぱり、大胆っ、なんですね?」

 やっぱりとは?
 あー、能力で覗かれてたのかな。
 のぞきは良くないと思います。
 お仕置きだね。

「あっ、触っていいのっ! 服だけですぅ」

「んっ」

 普段クールなお嬢様が乱れるのって、興奮するね!
 二人でルームウェアの触り心地をしっかり堪能しました。

「す……ぅ……」

 疲れたのかぐっすり眠った黒髪ロングをベッドで寝かせる。

「……」

 守りたいこの寝顔。
 領地化、お手伝いしますかね。
 
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