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第三章:Bunny&Black

閑話:男子高校生三人組 完

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 男子高校生とは、女の尻のエロさに気づき始める頃である。

「くっ」

「見るな! 動けなくなるぞ」

「おまえもなっ」

 若干普段よりも動きの精細さにかける男子高校生たち。

 胸派を自負してきた彼らもまた女の尻のエロスに見せられ始めている。
 妖しい緑色の光の中で艶めかしい声と共に突き上げられた尻が動く。
 正面から見たい。
 斜めからの女体の作るラインだけで興奮が収まらない。
 彼らは邪念に囚われている。

『……』

 『ネペンデス君』は考えていた。
 
 魔界の植物である『ネペンデス君』は賢い植物だ。
 魔物の集落の側で魔物と共に共生することで外敵から身を守り繁殖する。
 魔物に甘い実を与え有益をアピールし、残飯や排泄物などからも効率よく力を得る。
 時には敵対した魔物の死骸を与えられることもある。 そうすると育ちが良いからだ。
 
 今の新しい主人は非常に良い。
 快適な住処と豊富な餌。
 さらには勝手に美味しいおやつまでやってきてくれる環境を作ってくれた天才。
 最高の主人であると、『ネペンデス君』たちは思っている。

 神駆がネペンデス君を育てているR『マジックプランター』には魔石を与えることで植物の成長促進、品種改良、高品質な土壌、そして『共有』の効果があった。
 『マジックプランター』で植えている同種の植物は『共有』の効果を持つ。
 つまり『ネペンデス君』ズとなるのだ。
 これは繁殖を至上命題とする植物である『ネペンデス君』にとっては最高の機能であった。

「おおおお!」

 主人の仲間である彼らをなるべく傷つけずこの場を収める方法。
 それを今や東雲東高校中に張り巡らされた『ネペンデス君』ズネットワークが集めた情報から考察する。
 よくみれば校舎の壁のいたるところにネペンデス君たちの蔓は伸びている。
 その葉の一つ一つはまるで目や耳のように情報を集めている。
 高度な知性を持つ植物とは恐ろしい。

「くぅ、蔓なのに切れない!」

「そんなへっぴり腰だからじゃ」

「腰をいれろ!!」

 幾重にも編まれた蔓はまるで触手のように蠢く。
 自由自在。
 長さも動きも人のそれとは違い、男子高校生たちは攻めあぐねている。
 
「ぶぁ!?」
 
 パシンと肉厚の葉にビンタされる。

「うごぅ!?」

 ドスンと丸めた葉に鳩尾を殴られる。

「ぎょえええ!?」

 足を絡めとられ引きずられる。

『……』

 弱い。
 魔界基準で見ると非常に弱い種族だ。
 その気になれば制圧できるのではないか?と考えるが、主人の圧倒的な能力の前では無理だろう。 
 それにおやつをくれる有益な種族だ。
 それは非常に美味であり成長へと繋がる。
 守ることはしても害することはないだろう。
 主人と彼らの共存が続くうちは。

「くっ、まだ、まだぁ!」

「うおお!」

「うひっ!? 蔓がからまって、ら、らぁめぇーー!?」

 それに彼らの中には非常に良い物質を生成している個体がいる。
 体中の穴に蔓を這わせ吸い取る。
 蔓は締め付けながら表皮細胞をタコの吸盤のようにして採取している。
 あまりにも小さいために本人には気づかれないし痛みもない。
 あるのはすこし痛気持ちいいくらいの感触だ。

「「っっ!?」」

 足を絡め取られた男子高校生に蔓が巻き付いていく。
 とっても美味しい味がしたのだろう。
 男子高校生の尊厳が踏みにじられていく。

「くぅぅ! あいつの死を無駄にするな! 蔓が減っている今がチャンスだッ!」

「ああ! あいつの死は無駄にしねぇえええええええええええええええええッッ!」

 ここが正念場だ!と残った男子高校生二人は疾駆する。
 「助けろっ、おまえらっアッーー」という声は無視して。
 激闘!
 果たして、『ネペンデス君』の作った疑似神駆は破られた。

「「うおおおおおおおおお!!」」
 
 男の子たちの熱い咆哮が深夜の校舎に響き渡る。

「やったぜ!」

「ああ! 俺たちできる! 俺たち最強ッ!」

「……」

 勝った勝ったと騒ぐ二人をまるでレイプ事後のような恰好の男子高校生が睨んでいる。

「なんで助けないんだよ!?」

「は?」

「チャンスだろ?」

「ピンチやろがい!!」

 ワイワイ騒ぐ男子高校生に怪物を倒したご褒美が落とされる。

「んぅ……」

「「「っ!」」」

 蔓の呪縛から解き放たれた梅香3曹。
 いったいナニをされていたのか、非常に色香の濃い匂いと声を出している。
 床に四つん這いになり肉好きの良いお尻をくねらせている。
 女子高生とは違う大人の女の尻。
 鍛えられているからだろう。
 非常にエロいプリ尻だ。

「た、助けないと……」

「ああ……」

「もう蔓は、ついてないか?」

 若干一人、蔓恐怖症になっている。
 しかし調べたほうが良いだろう。
 もしエイリアンだったら油断した奴から死んでいくのだから。

「そ、そうだな。 一応調べよう」

「ああ、エイリアンだったら、こうグワッっと襲ってくる場面だろ」

 なぁそうだろう?と誰かに言い訳をしながら、男子高校生たちは調べる。
 そうこれは非常時故の必要な行為なのだ。

「っ」

 女性は何かを我慢するように顔は床に埋めている。
 まるで女豹のポーズのように尻を浮かせてくねらせている。
 なんという魅了。
 密に誘われた蝶のようにふらふらと手が伸ばされる 

「はぁあああん!」

「「「うほっ!?」」」

 思わず飛び跳ねて逃げた男子高校生ズ。
 まるでテレビをつけたら大音量でAVが流れた時のように素早い動きだった。
 危険な蔓が残っていないか調べようと触れただけで凄い声だった。

「びっくりした」

「心臓に悪い」

「しかしどうする? 口を塞ぐ?」 

 口を布で塞ぎ、二人が手を押さえもう一人が確認する。

「じゃ俺、確認するわ」

「いや、俺がしよう」

「いやいや、その危険な役目は俺にこそふさわしい」

「「事後は黙ってろ!」」

「事後じゃねぇよ! 未遂だよ!!」

 と、コントのようなことをやっていると、彼らは囲まれていた。

「君たち……なにをしているの……?」

「うわ、サイテー」

「だれあいつら」

 騒ぎを聞きつけてやってきた服部領主たち。
 立ち入り禁止区域で裸の女性を囲む若い男が3人。
 なにやら興奮した様子で騒いでいる。

「「「……」」」

 なお被害女性の意識が戻るまで激しい尋問が続いたのは言うまでもない。


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