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第三章:Bunny&Black

百五十二話:ええ……?

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 「ええ……?」

 玉木さんと異界迷宮に何度か潜った。
 まだ危険度がわからないので二人で探索している。
 問題なさそうならみんなで行ってもいいかな。

 いくつか女マーマンのいる場所を潰してみた。
 女マーマンは魔法を使ってくるのだが、エポノセロスの修復も終わり安全に対処できる。
 広範囲に毒の魔法をぶっぱなされた時は焦ったが、エポノセロスのエネルギーを球体のシールド状態に展開することで対処した。 やっぱり守りつつ戦うには便利だ。 ソロで戦うときは消極的になってしまうから微妙なんだが。 
 
 東雲東高校に帰還すると陸上自衛隊の人たちが来ていた。
 正直色々と疲れて眠かったので「わたしに任せてシンク君は寝てていいわよ」とツヤツヤした玉木さんが言ってくれたので、視聴覚室で爆睡していた。
 魚頭の襲撃はなくなり時間に余裕はできたはずなのに、秘密基地作りに没頭してしまったせいだ。 
 それに木実ちゃんたちとの時間も大切だしね。
 4人からおっぱい契約をしてもらっているので常にSPは満タンです。
 『ブラックホーンシャドウ』はかなり保有量が大きいみたいで、他の装備にもSP譲渡可能。
 これなら遠征もできそうである。
 祖父ジェイソンのことは別に心配ではないが……やりすぎていないか一度確認に行ってみるのも必要かもしれない。 頭のネジがぶっとんでるからなぁ、あのジジイ。

「う゛……う゛……」

「……」

 ああ、現実逃避に回想していたけど、目の前のこの光景は消えない。

 爆睡から起きた俺。
 となりで控えていたシャム太に連れられて秘密基地に来たら、えらいことになっていた。
 机に……裸の女性が縛り付けられている。
 両手は机の脚に括りつけられ、足もまた股を開かれて机の椅子に縛り付けられている。
 ネペンデス君の蔓がさわさわと日焼けした柔肌を撫でている。
 シャム太のオモチャの剣は蔓につながれて振り子のように女性の股を行き来している。
 うん、なんだかインモラルな音が響いているよ。

 ――――犯罪ですッ!!

 なにしてるのーー君たち!?

「……」

 目と口を蔓で覆われているけど……どっかでみたことあるなこの人。
 どこだっけ……。
 いやそれよりこの状況どうしよう!?

 かつてない社会的抹殺の危機!
 
 やばいやばいやばーい!

「う゛!? う゛う゛う゛う゛!!」

 しまった気づかれた。
 激しく動く机と女性。
 ぴしゃりと肉厚の葉の鞭が白いお尻に振り下ろされる。
 肉付きのよいお尻は波打つ。

「ん゛ッ!?」

 ネペンデス君の締め付けがきつくなる。
 調教中ですか?
 たしかにネペンデス君の得意技は締め付けるだった。
 そんなに強くないけど、普通の人は抜け出せないかもな。

(しかし、なぜこんなことに……)

 ここは東雲東高校の人たちには服部先輩が立ち入り禁止にしてくれて、誰も近寄らないのに。
 なんかへんな怪談話しもあってよけいに。

(あー……陸自の人か)

 どこかでみたことあるなと思った。
 質問をいっぱいしてきた犬みたいな女性隊員の人か。

「何をしていた?」

「ッ!?」

 あ……つい声に出してしまった。
 いつもは喋りたくても思ったこといえないくせに。
 相手が拘束されて目隠しされてるからかな?
 自然と声に出ていた。
 びっくりしたのか、小刻みに震えている。
 雨にうたれた子犬のようである。

「ん?」

 シャム太に眼鏡を渡された。
 メタリックなフレームのおしゃれ眼鏡。
 処女かどうか判定できる眼鏡だね。

「……」

 なんでシャム太は自由に俺のガチャアイテム使えるのか?
 まぁいいか。
 試しに覗いてみると非処女と表示された。

 やれやれとシャム太が手を横に振っている。
 非処女ではSPは手に入らないね。
 拘束して性エネルギーを集めることはできないということだ。

 なぜかオモチャの剣を指さし俺の股間を指さす。
 まるで訓練にでも使ったらどうだこのメスを、とでもいいたげなシャム太である。
 鬼畜外道人形ッ!!
 可愛い人形なのにやることはスプラッターだったり外道だよ。
 まぁ侵入者を捕まえた頼りになる相棒たちではあるのだが。

「……」

 6組には実験中のアレもあるしね。
 好奇心は猫をも殺す。
 今回はうるさい子犬だったけど、いい薬になったんじゃないだろうか。

「う゛ん゛、ん゛っーー!」

 ネペンデス君が気に入っているみたいだから明日までお仕置きでもいいかな。
 いや、特訓には使わないよ?


◇◆◇


 山木は服部から話しを聞く。
 
「そうですか、魚頭の怪物は来なくなったと?」

「うん。 だからたぶん、鬼頭君が倒しちゃったんじゃないかなぁ……」

 世界に異変が起きてからの、これまでの東雲東高校の状況。
 魚頭の襲撃を受け生徒たちに絶望が迫る中、鬼頭が敵のリーダー級を退けたその時からの快進撃。
 1種の怪物だけでなく2種の怪物から同時に、それも世界が変わってしまった混乱の直後で幾度となく襲われている。
 おそらく敵の拠点が近いのが原因であろうと推測される。
 
「もう一度お聞きしますが、彼は一体何者なんでしょうか?」

 未知の怪物をなぎ倒し、学校に食料や薬を届けてくれた。
 周囲の怪物を排除し、近隣の住民たちの避難を助けた。
 保育園や小学校など、危機に瀕している場所を積極的に救助した。
 市街地奪還計画へと積極的に参加し多くの人たちを助けた。
 領地化を成すために敵の拠点を強襲し見事に魔結晶と敵の首魁を取ってきた。

「僕たちの仲間です! 英雄のように強くてカッコイイ、大切な仲間です!」

 今はまだ憧れの存在だが、いつか必ず共に戦って見せると、服部は決意の炎をその瞳に宿す。

「……そうですか。 服部領主、次は領地化について教えていただけますか?」

「よろこんで!」
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