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第二章:魚と犬と死神
百十三:
しおりを挟むアンデットの軍団が帰っていく。
追いかけて殲滅してもいいが、空も明るくなりかけているのでやめよう。
4時くらいかなぁ……早く帰って寝ないと。
「ねぇねぇ、コレなにかなぁ? ウンチ??」
緑に輝くウンチは嫌だな。
それにウンチだと思うなら手で持たないでください。
「魔結晶」
「そうなんだぁ! 綺麗なウンチかと思った!」
たしかに形状はウンチなんだよな……。
魔結晶が落ちたってことは結構レアな敵だったのかな?
上位個体というか特殊個体って感じだったな。
「ベルゼ君。 私たちだけじゃヤバかった。 助かったよ、ありがとう」
薙刀使いのお姉さんにお礼を言われた。
釣り目で高身長だけど美人さんだね。
ショートヘアもカッコイイ。
「もう帰っちゃうの? 泊っていけばいいのに!」
上機嫌なツインテの言葉で若干周囲がざわつく。
なにやら三角関係とかハーレム王とか不穏な言葉が……。
『ありがとうございました、シンクさん。 またいらしてくださいね?』
お嬢様学校の生徒たちに見送られつつ俺は東雲東高校に帰還する。
新装備のお試しに出ただけなのに、長い夜になったな。
でも得られるものは多かった。
なにか忘れている気もするがまぁいいか。
◇◆◇
>>>黒のガチャ開催は残り3日です。
>>>『レコードホルダー』の獲得効果、神々の祝福を発動可能になりました。
>>>発動しますか?
「ん?」
東雲東高校に帰り寝る前に黒のガチャを引こうと思ったら、アナウンスがなった。
黒のガチャも後3日で終わりか。
リミテッドガチャを獲得した実装記念ガチャみたいなもので、10日間限定だったんだよね。
1週間なんてあっという間だった。
『レコードホルダー』は領主になった時に手に入れた称号。
メニューからも詳細はよくわからなかったんだけど、神々の祝福ねぇ?
しかも今、このガチャを引くタイミングで?
「まさか……」
ドキドキがとまらない。
これは、なんだあれか、それともそれか!?
>>>発動しますか?
イエスッ!
神々の祝福ってくらいだ。 悪いことは起きないだろう。
>>>神々の祝福を発動しました。
>>>黒のガチャのSR以上排出率UP(3日)を獲得しました。
「は?」
10連引かせてくれるとか、期間延長とか、次回SR確定とか、そんな感じかなと思ったら……
SR以上排出率UP(3日)だと……!?
排出率UPってどんくらいなの!
「な、なんだと!?」
黒のガチャの右上にキラキラのポップアップが!
SR排出率5倍! SSR排出率10倍!! UR排出率50倍!?!?
神々の祝福すげぇえええええええええええええええええええええ!!!!
「――――ふぉおおおおおおおおおおおおおお!?」
これは寝ている場合じゃねぇ!?
乱獲祭じゃああああああああ!!
応援ありがとうございます!
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